一連の流れの発端となったこの諸島の地主・所有権を持つ人物は、1970年代に正式にアメリカより返還をうけた。何度も石油関連企業や政治家から売却依頼を受けつつ、全て断っている

石原・地権関係者・地権関係者と30年来の友人である山東昭子参院議員の仲介により、半年にわたる三者の極秘交渉の末、「個人で所有するには限界がある」こと「政府に買い上げてもらいたいが、今の政府は信用できない」との結果を受け、東京都に諸島の所有権を売却することを決断。

2012年4月、当時の都知事石原慎太郎が東京都による尖閣諸島購入計画を発表。
「東京都尖閣諸島寄附金」を募集開始。
口座開設後、入金は増え続け、野田内閣により尖閣諸島が国有化された9月11日以降は鈍化したものの、翌2013年1月末の募集打ち切りまでに集まった資金は計約14億円。

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これらの流れに中国政府は激しく反発

日本政府(野田内閣)は中国政府の反発を和らげ、「平穏かつ安定的な維持管理」の為に国有化を決定。
9月11日、日本政府は魚釣島、北小島、南小島の3島を購入し、日本国への所有権移転登記を完了。
購入費は平成24年度予算の予備費から支出。


この結果寄附金は宙に浮く形となったが、石原は関連施設の整備費用に充てることを条件に寄附金を国に譲渡することを表明、後任の都知事に就任した猪瀬もこれを踏襲。
その後返還を求める声もあがった。


【反日デモの再燃】

・2012年反日デモは最大規模のものとなり、デモ隊が暴徒化し大規模な破壊・略奪行為に発展してゆく。

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尖閣諸島の国有化に対し、中国のほとんどのテレビや新聞などの多くのメディアが異例とも言えるほど大々的に尖閣特番を編成、反日感情の煽り合戦となる。
温家宝総理は北京・外交学院での講演で「中国政府と国民は主権と領土の問題で、半歩たりとも譲歩しない」と堂々と発言。

国有化が最終決定した同月10日~13日までに上海市だけでも日本人への暴行が多発、報告されたものだけでも日本人4人が負傷。

中華人民共和国版Twitterとも言われる「新浪微博」では「殴るのはよいことだ。痛快だ。小日本は最終的に滅亡してしまえ」「野田(総理)が罪を犯したからこうなるんだ」等、暴行を支持する書き込みが相次ぐ。
14日には広東省東莞で日本人が2~3人の中国人から背後から暴行され、手や足に怪我を負った。


比較的小規模なデモは連日続いていたものの、上記の事件を受け「日本の誤ったやり方に対する義憤は理解できる」「中国全土が日本の誤った行動に憤りをたぎらせ、政府による正義の要求や対抗措置を支持している」と外交部の報道官が発言したことから、同月15日にはデモの規模が一気に拡大、中国の50都市以上で反日デモが発生し、各地に武装警察が投入されるほどまでに抑制が効かなくなった。

9月15日(土)

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北京:日本大使館前に2万人のデモ隊が押しかけ、規制用の鉄柵を突破して卵や石を投げつけたり日章旗を燃やすなど暴徒化。
江蘇省蘇州・陝西省西安・湖南省長沙:それぞれ1万人規模のデモが発生。
蘇州:暴徒らが日系スーパー「蘇州泉屋百貨」の店舗を破壊し宝飾品などの商品を略奪
外国企業が多数集積している高新区にある商業街「淮海街」では、主に中国人が経営する日本食レストランやゴルフショップを無差別に破壊。
西安:一部の暴徒が武装警察によってホテル内部に拘束、反発した屋外の暴徒らがホテルのガラスを割る。
長沙:反日スローガンを書いた横断幕が配られ、日章旗の焼き捨て、日本車への攻撃、日系スーパー2店舗を破壊・略奪・放火。この店舗は徹底的に破壊と略奪を受け、被害総額は10億円超。、
山東省青島:数千人規模のデモ隊の一部が暴徒化、日系のスーパーや自動車販売店を徹底的に破壊、火を放つ。現地の日本人は「これはデモではなくテロだ」と語る。
重慶市:3,000人規模のデモが発生
四川省成都:「セブン-イレブン」3店が破壊・略奪される。

この日のデモには、運悪く動けなくなったトヨタ・カローラが人間を乗せたまま襲わる事件が起きた。
乗っていた中国人は一命は取り留めたものの意識不明に陥り、半身不随の後遺症が残る被害を受けている。
犯人はたまたま通りかかった者で、生活の苦しさの鬱憤を晴らすためにやったという。
興奮状態から上半身裸になり「愛国無罪!」「造反有利!」と叫んでいたのを目撃されている。

犯人が逮捕されたのは後日。
SNSの書き込みにより身元が判明してからである。

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「尖閣 デモ 2012」の画像検索結果

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9月16日(日)
・少なくとも108の都市で反日デモが行われ、全土で数十万人がデモに参加
各地では警備体制が大幅に強化された。

広東省広州:1万人規模のデモが行われ、一部の暴徒らが日本総領事館への侵入を企て、総領事館と同じ敷地にあるホテル「花園酒店」のロビーや日本食レストラン、日本車を破壊。
同じ州の別の市でも複数の数千人規模のデモが発生、暴徒らは市共産党委員会の庁舎に侵入、警察車両を破壊、警察官に暴行したため、武装警察が放水催涙弾も発射される騒ぎとなった。
北京:日本大使館前は武装警察が大幅に増員されたことからか、前日ほどの混乱はなし。
在中の日本人が日本語を話すと強迫されたり、タクシーの乗車拒否、嫌がらせの電話が相次いだ。

この日、西安におけるデモ隊のリーダーの一人は西安警察幹部である中国共産党員であることが確認されている。
その他の地域におけるデモも、私服警官や治安部隊が指揮を執って行っていた。

9月17日(月)
・複数の都市でデモが行われたものの、各地で警備が強化された上に平日ということもあり、デモの規模は格段に縮小。
山東省青島や広東省の地元警察は15日に破壊活動を行った暴徒の一部を特定して拘束したことを発表。
陝西省西安地元警察は15日の破壊活動に関する容疑者の情報提供を呼びかけ、市内中心部でのデモを禁止する。

9月18日(火)
・9月18日は満州事変の発端となった柳条湖事件の発生した日であり「国恥日」として、中国国内では毎年反日が盛り上がる。日系企業や日本人にとっても今回の相次ぐデモで最も危険な日と認識
各地の日系企業の生産工場や日系商店でも臨時休業が相次ぐ。
また、中国の漁業監視船が1,000隻の漁船を引きつれて尖閣諸島にやってくると日中のメディアで報じられており、緊張が高まったが、実際には過去最多となる12隻の中国公船が接続水域に進入し、3隻が一時領海を侵犯したに留まり、1,000隻の大漁船団は現れなかった。
これに対して海上保安庁は日本全国から巡視船を増派し、過去最大の50隻体制で警備にあたっていた。

この日のデモはこれまでで最大となる110都市以上で勃発

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遼寧省瀋陽:2000人がデモに参加、日本総領事館に投石。ガラス67枚を割り、周囲の日系企業や日本食レストランにもペットボトルなどを投げつける。
北京:日本大使館では早朝にガラス球や金属などでガラス6枚が割られているのを発見。5,000人が「島を返せ」等と叫びながらデモ行進をし厳重に警備する警官隊ともみ合いになる。
上海:日本総領事館でも1万6千人あまりがデモに参加「日本を滅ぼし沖縄を取り戻せ」等と書かれたプラカードが見られたが、現地警察の厳重な警備・統制にしたため15日ほど大きな破壊行為はなし。
広東省広州:日本総領事館の前で1,000人あまりがデモ。
雲南省珠江:アウディの販売店では中国人スタッフ達が「也要殺光日本人、也要収復釣魚島(日本人を皆殺しにしろ、魚釣島を取り戻せ)」という横断幕を掲げた。
このことによりアウディジャパンは、Twitterの公式アカウントで日本国民に謝罪している。
上海:ユニクロ店舗が現地従業員の判断で中国の尖閣領有を主張する張り紙を掲げたため、ユニクロと持株会社のファーストリテイリングは「一企業が政治・外交に関していかなる立場もとるべきでない」との考えから遺憾の意を示し、再発防止に努めることを発表。

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デモの影響は次々と外資企業にも及び、チャイナ・リスクの影響力をまざまざと他国の人々に見せつけた。

9月19日(水)
・中国政府が反日デモの抑制を強め、各都市でデモ禁止の通達を出した事により急速に事態は縮小・沈静化する。中国全土においてデモが起きたのは数箇所のみ。
中国のネット環境において、当局の規制により「反日」のキーワード検索が不可能となる。



当時日本製品を所持できたのは、比較的裕福層に限られていた。
中国進出していた日本企業にも大きな被害がでたが、日本製の品を扱う中国企業や、個人でも所有の日本製品を破壊された者も多いと思われる。デモに参加・日本製品を破壊しつつ、日常では日本製の電化製品で裕福に暮らす学生など、大きな揶揄を生んだ。
すでに、「反日」パフォーマンスのためのデモであり、強力な統率者のいないデモ団体はただの強盗集団となり、コントロール不可となった当政府が権力で規制することでデモは鎮静化した。
なお、これらの暴動化の情報は、SNS等で互いに自慢しあうような風潮があったとみられるふしがある。


【中国政府の対応】
・9月17日、中国外交部は暴力的デモについて、「事態が深刻化するかどうかは日本側の対応にかかっている」と発言。

19日には、アメリカのレオン・パネッタ国防長官と会談した習近平国家副主席が、「日本は中国の主権と領土を侵害する過った言動をただちに止めるべきだ」「日本国内の一部の政治勢力が茶番を演じている」「国有化が領土問題を激化させた」と、尖閣諸島国有化を批判。
2008年から中国は尖閣海域に公船を派遣し続け、2010年9月の漁船衝突事件以降は月一回の頻度に派遣を激化させていたことはあえて無視したと思われる。
また、尖閣諸島に対する日米安保の適用についても「米国が釣魚島の主権問題に介入せず、事態を複雑化させないことを望む」と牽制。

これに対しパネッタ国防長官は「尖閣諸島は日米安保条約の適用範囲内であり、軍事的な衝突に発展すれば、アメリカも関与せざるをえない」と回答。梁光烈国防相にも同じような発言を伝えている。


暴力的なデモが収束した9月19日以降、前年の衝突事件の後と同じように日本からの輸入品の通関を厳格化させ遅滞させる嫌がらせを開始。
「思想を統一し、(政治的な)方向を把握」するために、書店から日本人作家や日本語学習書などの日本関連書籍を引き上げさせた。


この頃には中国政府は、毎月船を出航させ、尖閣周辺の日本領海内や日中接続水域、領海侵犯を繰り返していたが、国有化以降は更にエスカレートする。

・2012年9月14日には6隻の「海監」が同時に尖閣諸島を領海侵犯、9月18日は12隻の公船が接続水域に侵入し、このうち3隻が領海侵犯。(前述)
18日は1000隻の漁船団が現れるとの報道があり、日本の海上保安庁巡視船50隻の他に、海上警備行動が発令される事態に備えて海上自衛隊の自衛艦も距離を置いて集結していた。
その後も中国公船はやはり接続水域の出入りを繰り返し、海上保安庁の巡視船艇や海上自衛隊監視を受けている。

18日以降は7日間連続で、中国当局の航行が続く。

9月24日の午前6時半過ぎには2隻が、10時40分にはもう1隻が、それぞれ領海侵犯したのを海上保安庁の第十一管区海上保安本部が確認。
巡視船が無線を使い退去を求めたが、反応はなし。
これを受け、同日に、野田佳彦総理大臣は総理大臣官邸の危機管理センターに官邸対策室を設置。
河相周夫外務事務次官らと首相官邸で協議、「情報収集を徹底し、連絡を密にとってほしい。」との指示。

その後、河相事務次官は程永華在日本中国大使に対し、電話で領海外へ退去するように要求。その後2日間の日程で訪中する。
25日に張志軍中華人民共和国外交部筆頭副部長と4時間に渡り会談。双方は協議継続で一致したものの、議論は平行線のままで、関係改善の糸口を見いだすには至らず。
つまり、4時間かけて次回の日程を決めただけであった。

9月26日、中国や台湾の報復措置が強まるなか国際連合総会に出席した野田佳彦総理大臣は、「一方的な力や威嚇を用いて実現しようとする試みは、国連憲章の基本的精神に合致せず、決して受け入れられない。」と主張する。総会後、ニューヨークで行われた記者会見では、「後退する妥協はありえない。」と発言。

9月27日には同じ国際連合総会の一般討論演説で楊潔篪中国外交部長が「日本が釣魚島を盗んだ。」と主張、日本を非難。国連大使の兒玉和夫が、尖閣諸島は日本の領土であるとの答弁を行い、中国の李保東国連大使と論戦を交わしている。

中国機も多く飛行し、侵入を繰り返す
海上保安庁の巡視船から通報を受けた航空自衛隊が、戦闘機8機と早期警戒機を緊急発進させたが、既に中国機は領海の外に飛び去った後だったという事件も起きた。(中国機尖閣諸島領空侵犯事件)。



侵入したとみられる中国海監のY-12洋上監視機




【経済的影響】
・日中関係は著しく悪化。
中国では日系商品に対する不買運動が起こり、日本車販売は急激に落ち込む。
日系自動車各社は中国国内工場の減産や休業措置をとり、日本から中国への完成車の輸出も停止。

中国の地方政府や国有企業は日系企業に発注した案件をキャンセルし、日系企業の取引停止措置、日本人社員との面談を禁止する。
日系企業への学生就職紹介も拒否、日系企業への就職拒否も広がった。

トヨタ自動車・マツダ・日産自動車などは不買運動の影響を大きく受けた。
これを受けてトヨタ自動車は、中国への自動車輸出停止や生産台数の大幅な削減を決定。
ダイドーリミテッドやファミリーマートなどでは出店計画の見直しが行われた。
国際協力銀行の奥田碩総裁は「日本製品の中国での生産や販売は半減以下になっている。」と指摘。
日本貿易会の会長を務める槍田松瑩三井物産会長は、中国海関総署による輸入通関での遅れなど、中国当局による事実上の経済制裁(嫌がらせ)が開始された可能性があるとの認識を示す。

2013年1月31日、山口県下関市に本社を置く株式会社山本工業が、反日デモで中国青島の主力工場が焼き討ちにされた影響で自己破産。


しかし、その一方で、2012年12月に第2次安倍内閣が発足してからはアベノミクスにより超円高が緩和され、日本政府が様々な観光誘致策も行ったことで、訪日中国人観光客は激増。
また2013年の中国市場での日本車の販売台数も回復しており、特に2015年においては日本車が外国車としては最もシェアを伸ばしている

・国有化以降は、尖閣諸島への中国公船の領海侵犯の件数は爆発的に増加する。
2013年7月に中国の各海上保安機関が統合し、中国海警局が発足してからは、中国公船の大量建造・大型化・武装化も進み、尖閣諸島周辺海域での海洋をめぐる事態は深刻化

これらに対し、日本側は「尖閣領海警備専従体制」を構築して2016年2月に完成させた。
また、2018年度末までに規制能力強化型の新たな小型巡視船を宮古島海上保安部に9隻配備し「尖閣漁船対応体制」を完成させ、2019年度末までには新型ジェット機を3機配備して「尖閣24時間監視体制」を完成させる予定である。



【海外の反応(社説)】
・米国紙『ウォールストリート・ジャーナル』-2012年9月25日
尖閣国有化に対する中国の対応について、中国政府が反日行動の煽動と抑制の「二重のコントロール」を行っていると指摘し、批判。
野田政権が東京都の尖閣購入に先んじて国有化を実施し、尖閣諸島の件で対中摩擦を未然に防ごうとしたにも関わらず、むしろ中国への挑発と受け止め、尖閣諸島海域にその漁業監視船等の公船を送り込んだり、反日デモの暴動化を煽動したことは「危険かつ、自国の経済停滞から国民の目を逸らす」ものであると分析

他にも、同諸島の主権の問題については外交的手段で抗議すべきものを、あえて軍事的衝突に発展するような形の措置をいくつも選択していると指摘。

これらの中国の対応は侵略的であるとし、その背景には反民主主義勢力に民族主義的傾向の加わった動きの現れと見なしている。
国際秩序に挑戦し崩そうという動きが、実際に国際秩序を不安定化させる危惧は避けられず、中国が日本をはじめとする近隣諸国にそのような攻勢を掛けることを米国は断固として阻止しなければならないと、主張。

・ドイツ紙『フランクフルター・アルゲマイネ』-9月24日
尖閣諸島国有化に対する中国の行動について、百年前の大英帝国などの列強も行っていた事として、中国への批判に消極的な見方を踏まえながらも、過去の欧米諸国の帝国主義的政策になぞらえて「古典的」な大国主義的政策との懸念を表明。

中国の過激な反応に対する日本の野田政権の冷静な対応を評価し、かつて欧米列強の帝国主義に苦しめられた歴史を経験したはずの中国が「同じ手法を使っている」と批判。中国が自制しなければ帝国主義時代の状態に逆戻りすることになると指摘


一方、中国の国内事情にも言及し、反日意識の高まっている国民に対し、中国政府が下手に理性的にクールダウン的対応を取れば逆に国民の反発を受け兼ねない事、信頼性を低下させている中国共産党(=為政者)は窮地に追いやられ、その結果孤立した「独裁的指導部」が不測の事態を起こす危険性を危惧。

その上で、打開策の鍵は日本との同盟関係にある米国の役割にあると強調
南シナ海における領有権問題も視野に入れ、中国に一方的に有利な結果を招かないよう、この問題の関係諸国に呼びかける。
しかしその一方でまた、特に大国としての中国がその度量を示せるか否かが大きいとしている。


・シンガポール紙『ストレイツ・タイムズ』-2012年9月24日
シンガポールは、どちらかといえば中国寄りの報道を続行してきた。
この問題は歴史的なものに根源があり、その確執が今回の騒動を生んだと論じている。
戦後において、日本は中国その残虐行為の謝罪を適切に行ってきた一方、靖国神社参拝問題・歴史に関する修正主義的な部分で、逆に指導者のその謝罪が不誠実とみなされた可能性を指摘。

アジアの隣人である中国のニーズに日本はより敏感になるべきであり、尖閣諸島は「購入」ではなく、ICJ(国際司法裁判所)のような第三者機関にこの問題を付託すべきであると明記。

中国(北京政府)に対しては、反日抗議を抑制し理性的対応を求める一方、日本がによるこれまでの対中援助や貢献の事実を中国国民に教育すべきであるとし、中国は日本を歴史的に許す挑戦をすべきと説く。
許すことは憎悪と不寛容のサイクルの長期化を打破する重要なことであると強調。

「野田前政権による沖縄県・尖閣諸島の国有化が日中関係の悪化を招いた」と指摘。

同紙-2011年6月17日では、漁船衝突事件について
「中国人船長を日本の刑法で起訴しようとするなど、日本領土として尖閣諸島を扱う実績を積もうとした日本政府の行為は、中国には絶対に許せるものではなく、強烈な反応も合理的なものだった」と記載。

一方、在シンガポール日本大使館が2013年2月21日付で寄稿した記事も記載している。
記事内で大使館は「緊張が高まった原因は国有化(2012年9月)ではなく、(2008年に始まり、2010年9月の漁船衝突事件以降に常態化した)尖閣周辺海域への中国艦船の派遣や領海侵犯にある」と反論。
中国海軍艦船が海上自衛隊護衛艦に射撃管制用レーダーを照射した問題などを取り上げ、「中国が一方的に挑発行為の手段に訴えているのは極めて残念だ」という内容をそのまま記載している。


この問題は根深いようでいて、実は相当単純明快である。
中国は新しい資源を手にしようと画策し、日本はルールを守れと述べているのみ。
民主与党の時代には、中国への特別配慮が当然とされ、それ以前にも微妙な問題として棚上げで先延ばしにしてきた経緯がある。
再び自民党が政権復帰を果たしたことで、2010年の衝突事故時の計44分の流失ビデオも再公開された。

また、真偽のほどは定かではないが、追突時に海に落下した保安員を中国船が押しつぶそうとしたり、銛で突いたとの話もある。泳いで逃げる保安員の後を追いかけ、何度も乗り上げようとした上、船をぶつけて挟み潰そうとしたが、間一髪で他の保安員が海から引き揚げたとの内容で、ほぼ都市伝説化している。

デモにおいても、船同士の衝突にしても、人口の多い中国においては人の命は軽く見られがちであり、人命確保を最優先とする日本のやり方は相当生ぬるいものに映るらしい。

先に挙げた尖閣諸島衝突時の船の船員、船長は酒に酔っており、中国国内において酒に酔った行為は責任が問われにくい、だから日本側も譲渡すべきという意見がマスコミから出たが、そもそも海上にて責任者が泥酔状態という事態の危険性が理解できていなかったらしい。

領空侵犯の際にも、中国軍の乱暴な操縦が指摘されており、デモの最中でさえ、暴力的な小競り合いが相次いだ。

国民性の違いと言ってしまえばその通りだが、その、日本的な考えからは自暴自棄的に映るその行動がさらに大きく爆発した時、中国経済の破綻や崩壊だけで果たして済むのかとやや興味深いところではある。

最後に、自民党により公開された44分の衝突ビデオの映像を記載する。
記録用ビデオなので、わかりやすい解説や状況説明はないが、十分に事態が確認できる。
たった44分の映像であるが、2国間の現代史において、大きな転換期を引き起こしたこの記録の意味は計り知れない程、大きい。










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