後味の悪い話 その12

272 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/16 16:40
実はかなり以前の話になるのですが、
以前友人の山田と一緒にパチンコ屋に行ったときの話です。

その日はどういう訳か、
せっかく台を確保したのに山田は、
僕のほうに来るなり「外のドトールで待ってるから」って言うんです。
正直、いつもだったらすぐに『どうしたの?』と聞くんですけれども、
そのときの山田の様子は、
何故かその場では理由を聞いてはいけない感じで、
何かゾワゾワとしたおかしな空気があったんです。

しかたがなく、僕は買ってしまったパッキー分だけ消化し、(当るはずもなく)
すぐに山田が待っているドトールに飛び込みました。
山田はすごく言いづらそうに、
実は自分には霊感があること、そして、店内で見えてしまったものについて語ってくれました。

ここで注意したいのは、山田の人柄についてです。
山田は普段から冗談を言ったり、人をかついだりすることはありませんでした。
どちらかというと天然ボケにちかいタイプです。
実直だという意味では周りから信頼される人間であり、
また僕を含め山田も理系の人間なので、
超常的なものについては話題にしたこともなければ、
どちらかといえば否定的な立場にいると思っていたのです。

それで山田が見たものなのですが、
まず、空いている席に座っている婦人らしき残像の上に、
現実の若い女性が座り、残像と重なっていったこと、
また、悪意を持っただらしない男が台の下にしゃがみ込み、
打って いる人を突き上げるような目で下からのぞきこんでいたこと。etc…
それよりも店内を覆うような『負のエネルギー』ともいうべきものが
気持ち悪かったのだ、と言いました。

僕には霊が見えないので山田の真意はわかりません。
また、本当にそんなものがあるのか懐疑的でもあります。
しかし、僕には山田が決して嘘をついていないだろう、とは信じられるのです。
何と言えばよいのか、
僕もあそこに居ると運気吸い取られて
悪いものが憑きそうな気がして、それ以来パチンコをしてないからです。