2008年に一応の解決を見せた「光市母子殺害事件」だが、事件に直接の関係はなくとも様々な影響を社会に与え、話題を集めた。
比較的話題となった点を2点のみ取り上げる。
(それ以外は数が多すぎ、また複雑なので興味のある方は調べてみる事をお薦めする。
有名人や著名人、社会体制にも大きく関わっており非常に驚かされる)


【父親のインタビュー】
・事件を受けて、福田の父親は積極的にメディアの取材を受けている。
正直、この父親にしてこの子ありの感は否めない。

「報道ステーション」などのインタビュー映像も残っているが、加害者の親であるという自覚よりは、むしろ息子の事件に巻き込まれた被害者だという被害妄想の感じが強い。

⁂福田被告の家庭はDV家庭であり、父親の暴力に耐えきれず母親は自宅で自殺
福田日本人も暴力を受けて育った。
母親亡きあと別の女性が家庭に出入りしており、祖母と弟2人がいたが、福田の犯行後の祖母は急死。
弟も家出し、父親も転職を繰り返している。


「はっきりいってオレは関係ない」 

「たまたま息子が犯罪を犯しただけ」 

「こっちもたまったモンじゃない」 

「息子がしたことだから、息子が責任取るのが当たり前。
親は責任取ってやりようがない。僕はそういう主義ですから」 

罪を憎んで、人を憎まず

本村氏への謝罪がない事に関しては「僕にどうせいちゅうんですか」

(さらに責任を追及されると)
「できることは頭を下げることしかない。下げるチャンスがなかったです。
謝罪する機会は作ればあったと思いますけど」

(責任の放棄では?と聞かれ)
「しなかったというより僕が避けとったと言った方が正しいかも。悪いなという気持ちがありますから、
心を逆撫ですると言ったらおかしいんですが、
あまり刺激を与えるような行動っていうのは出来なかったですね、自分からは」

息子への暴力・虐待は「しつけ」

事件当日の夜、息子にお前が犯人ではないかと訊ねている。

拘留中の息子の面会に行かない事について
事件を起こさなければこんなことにはならない。最終的にはそこにいくんですよね。
だから会いに行くことも足も遠のいていましたし」 
 
僕が被害者のことを考える必要はない。自分の息子のことで精一杯だから」
 
「命があれば、できるだけのことを自分の身をもってしてもらいたい。
息子を生かしてくれたら、僕もそれに対して助けることがあれば、できる範囲でやらせてもらいます

・その態度は、2008年の死刑判決後にもほぼ変わらず。
息子に対しまるで他人事のようなその態度には、初期こそ福田被告への同情論も多かった。
が、繰り返される法廷内での被告の態度・主張の酷さは、「所詮は似た者親子」との認識に変化する。

死刑傾倒論に傾いて行った世論は、本村氏への同情論だけではなく間違いなく「少年だから死刑にはならない(いずれ出所する)」少年法を前提とした、福田被告及びその父親の態度の開き直りへの怒りの部分が大きかったと思われる。
現在「少年法」は大きく改定されている。




【橋本徹弁護士のテレビ発言】

・思わぬところで、思わぬ社現象が起きた代表的な例の1つ。
2007年5月放映の「たかじんのそこまで言って委員会」という番組内で、当時タレント弁護士として登場していた橋本徹氏(後に政治家に転身)が弁護団を糾弾、懲戒請求を行うように一般視聴者に呼びかけるという出来事があった。

以下、その番組の様子。



すると、テレビを見たと思われる一般人らから7000通を超える安田弁護士らの懲戒請求書が弁護士会に一気に殺到。これはテレビを見て思いついたというより、それだけ世論の怒りが激しかった事を示すと思われる。

番組内で懲戒請求を求めた橋本氏だったが、実際には弁護団らの懲戒請求は行われていない

にも関わらず、4ヶ月後の9月には光市母子殺害事件弁護団の4人が橋本氏を相手取って広島地裁に損害賠償を起訴するというj奇妙な事態が発生した。

この裁判では、一審の広島地裁では橋本氏の不法行為は認定され、損害賠償を命じられた。
が、その後2011年には最高裁判所において不法行為とは認められないとして逆転勝訴、原告の訴えは棄却される。




現在福田被告は養子縁組により名前を変えて服役中。大月被告として、再び再審請求を行っている


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