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539 :名無しさん@おーぷん :2015/05/14(木)02:26:51 ID:JpK
俺と彼女は崖沿いの道を歩いていた
その崖の下が海になっている

その日は波が穏やかで海も済んでいた
海までおりられそうなところがあり、俺はなんとなく海に惹かれておりてみた
本当になんとなく
海なんて見慣れてるし危ないのに、なんでおりようと思ったのか
おりている最中は足元が不安定だったので、俺は自分の足元しか見ていなかった
彼女は上から俺を見下ろす形でそれを見ていた

もうすぐ海に辿り着くという時、彼女が上から「にょろにょろがいる」と言った
俺は足を止めて目の前のを見ると、
5メートルほど先の海の中に白い細長いものが揺らめいているのを見た

人間有り得ないところに有り得ないものがあると、認識まで時間がかかる
俺はそれが何か識別できずに、崖の海際ギリギリまで近づいた
そしてよーく凝視すると、それが手招きするようにゆーくり揺らめく手だと気づいた

気づいたあと足元みたら、目の前の海に無数の手が沈んで揺らめいた
俺は咄嗟に踵を返して崖上まで登った

それからまた海を振り返ったが、
彼女も見えていた白い手は居なくなっていた