【閲覧注意】【動物好き胸糞注意】

「検索してはいけない言葉」で知られる「ウクライナ21」だが、この映像に映っている少年3人らは実際に起きた連続猟奇殺人事件の犯人であることをご存じだろうか。

この動画は、少年3人らが男性を拷問し殺害する内容であるが、少年らは他にも女性や子供等を襲い、その様子をも映像として残していた。
実際はどうであれ、スナッフフィルムとして金を稼ぐつもりだったらしい。

画像動画の1シーン

しかし、ここに不可解な事実が存在する。
無計画で杜撰な殺人を繰り返した3人が逮捕されたのは、殺害を初めてからわずか1ヶ月。
その間の犠牲者は21人にものぼる。
(「ウクライナ21」の由来はここから来ている)
彼らの逮捕が2007年
映像の動画サイト流失は2008年
犯人らは収監・拘束されており、当然第三者の関与が考えられる。
そのため公式には本物映像かどうかは不明だという。

だが、映像の3人は間違いなく殺人犯であり、映像内で殺害された男性の遺体もまた発見されている事実を記載しておく。

*2010年チリのテレビ局が現地に赴き、被害者遺族や事件の生存者、少年親族らの聞き取りドキュメンタリー番組を制作した。結局真相は解明されなかったものの、この映像における世界的影響の大きさがうかがわれる。


【事件の概要】
この殺人人事件の国際的総称は「ドニプロペトロウシク・マニアックス」(Dnepropetrovsk maniacs)。
ウクライナのドニプロペトロウシク地方で起きた事件であるとともに、少年らもドニプロペトロウシクに在住していため。
直訳すれば「マニアックな人々」だが、ニュアンス的には社会病理的な意味合いを持つ症候群(シンドローム)に近い。地理的にも民族的にも複雑な歴史を持つウクライナは政治的にも当時様々な問題を抱えていた。

*チェルノブイリ原発事故が起きたのもウクライナ国内。20を超える州と1つの自治国家2つの都市からなる複合国家。様々な民族・社会形態が混在する。ユダヤ人も多い上、極端な例としては古来から朝鮮系民族も居住。

犯人の名はビクトル・サエンコ、アレクサンドル・ハンザ、及びイゴール・シュプルンヤク。
ともに同級生で19歳。
3人はそれぞれ弁護士や検察といった権力側の裕福な家庭に育ち、殺害のターゲットになったのは経済的にも社会的にも弱い立場の者達ばかりだった。(狙われた子供達は全て年下)

Dnepropetrovsk_Maniacs
左からイゴール、アレクサンドル、ビクトル

後述するが、ビクトルの父親は弁護士で息子の弁護を務め、冤罪や無罪を強く求めていた。
警察側は詳細を公表していなかったものの、怒った地元民との軋轢等で裁判は泥仕合的な展開とつながってゆく。
(映像のネット流失は裁判の最中)

第1の殺人
2007年6月25日夜。
地元に住む33歳の女性キャティヤ・イリチェンコが友人宅から帰宅途中に襲われ殺害される。
帰宅しない彼女を心配した母親が、明け方に頭部が潰された彼女の遺体を発見した。
実行犯はビクトルとイゴール。
2人で彼女の頭部を四方からハンマー(金槌)で滅多打ちにしていた。

第2の殺人
・被害者はやはり地元にすむ男性ロマン・タダレヴィッチ。
キャティヤ殺害直後に襲われたと思われる。
彼女の殺害現場から近い場所のベンチで遺体となって発見された。
寝ているところを襲撃されたらしく、彼の頭部もまた原型をとどめていなかった。

実は詳細が判明(公表)されているのはこの2件のみ。
あまりにも凄惨かつ遺体損壊が酷い事件のため警察は詳細公表を控えたらしい。
だが、地元を中心に噂は急速に広まってゆく。

・7月1日
ユージン・グリシェンコの遺体が路上で発見される。
同日、ニコラス・サチェクの遺体もまた近くで発見された。
(この時盗まれた被害者の携帯電話の転売が、後に大きな役割を果たす)

・7月6日
イゴール・ネクヴォロダ、エレナ・シュラム、バレンティーナ・ハンザの遺体が発見される。バレンティーナは3児の母だった。

犯人らの手口はほぼ同じで被害者を鈍器で殴り倒し、動けなくなったところを執拗にナイフや鈍器で執拗に攻撃。主に顔や頭部を破壊し、内蔵や体の一部を切断している。
この頃からマスコミが騒ぎ始め、「ドニプロペトロウシクの狂人たち」に地元住民は震え上がった。

・7月7日
農村にすむ14歳の少年2人が襲撃を受ける。
アンドレイ・シダックとヴァデム・リャホフは、自転車で青い車の側を通り過ぎようとして、いきなり殴り倒された。シダックはそのまま意識を失ったが、リャホフは何とか自転車に跨がり逃げ出す事に成功。車は執拗にリャホフを追ったが、彼は何とか逃げ切った。

その後、友人を心配した彼が安全を確認しつつ現場に戻り、大量の血だまりの中に倒れているシダックを発見。かろうじて息のあることを確認したリャホフは必死に助けを求め、ようやく通りがかった車でシダックを病院に運んだが、結局友人は助からなかった。

一時的にではあるが、リャホフには友人殺害の嫌疑がかけられたらしい。だがすぐに疑いは晴れ一連の連続殺人の関与が判明する。
余程無念だったのだろう、リャホフは警察に全面的に協力し犯人らのスケッチを描いて提出する。
やがてこのスケッチが、犯人逮捕への大きな進展を生むことになった。

・7月12日
セルゲイ・ヤツェンコ48歳が失踪、殺害される。
4日後に発見された遺体には壮絶な暴行跡が残っていた。
この時撮影された動画が流失した映像となる。セルゲイの殺害動画は後に裁判で証拠として公開され、人々に大きなショックを与えた)

・7月14日
スクーターに乗っていたナタリア・ママルチェク45歳が2人の男に殴り倒され、ハンマーで撲殺された。現場は雑木林を抜ける道路であり地元住民が犯人を目撃、追跡したが犯人2人は逃亡。
また、近くにはわずか数メートルの距離でテントが張られており、複数の子供達が息を潜めて事件を目撃していた。彼らの証言はリャホフと一致し、警察はスケッチの配布に踏み切ることになる。

数人の被害者の所持品が盗まれていた事から、警察は地元の質屋に盗難リストとリャホフのスケッチを配布。すると意外な程あっさりと犯人の少年らの身元は判明する。
彼らは堂々と盗品を売りさばいていた。

・7月23日
ビクトル、アレクサンドル、イゴールが逮捕され、一連の異常連続殺人事件は収束する。

各被害者に接点は全くなく、ほとんどの犠牲者は酒に酔った者(女性含む)や子供、高齢のホームレスや見た目が弱そうな男性のみ。

多くの者が生きたまま手足を切断され、中には刃物で目玉をえぐり出された者もいる。
被害者の妊婦は、子宮を引き裂いて胎児が引きずり出されていた

性的被害を受けた被害者はおらず、陰湿な殺害方法残虐な破壊行為を繰り返す殺人犯に地元はパニックに陥ったと思われる。捜査は大々的に行われたが人々は疑心暗鬼に陥り、容疑者にあげられた人物は数千人に及ぶともいう。


【犯人たち】
・前述の通り少年らは全員が裕福な家庭で育った。
ビクトルとイゴールの父親は弁護士、アレクサンドルの父親は検察官である。
3人とも相当に甘やかされた環境で育った事は間違いなく、最も暴力傾向の強いイゴールの親は息子を溺愛し息子のためなら努力を惜しまなかった。

ビクトルの父親は息子の弁護を務めたことで地元でも話題となる。
ビクトルとアレクサンドルは幼なじみだった。

3人にはコンプレックスがあり、イゴールとビクトルは高所恐怖症虐めの暴力におびえていたという。
一方アレクサンドルは、血や火傷のような生々しい傷に恐怖を感じていたらしい。
このコンプレックスを克服すべく、イゴールは動物を使って殺戮や暴力、血の恐怖を乗り越えようと提案。弱い動物を虐待し、暴力と死の恐怖を乗り越えようと考えた、らしい。
しかし、映像に残る彼らの記録の被害動物や被害者らの傷は生々しく、ひどく血生臭い

動物虐待はエスカレートの一途をたどる。
生きたまま皮を剥ぎ内臓を引きずりだし笑顔で記念写真(勝利写真)を撮った。
ネット上には写真も流失しており、やはり頭部を破壊した写真が多い。

犠牲になるのはいつも犬や猫(子猫や子犬含む)・ウサギなどの小動物であり、首を吊って木に吊すなど、やはり抵抗できない状態にしてから拷問のような殺害を開始
中には生後間もないと思われる目の開いていない動物もおり、そういった血塗れの動物の横で得意気または満面の笑みでポーズを取る姿は、正直、理解に苦しむ。
彼らが何ら罪の意識なく虐待殺戮を楽しんでいたのは間違いない。


ビクトルとイゴール モザイクは惨殺された小動物
木に吊し、頭部の皮を剥いだ


棒状のものには赤いシミが付着


笑顔でハンマーを手にポーズをとる


らが17歳の時、イゴールが年下の子供を殴って自転車を強奪。
ビクトルはそれを知りつつその自転車を買い取ったことで2人は逮捕された。
しかし未成年のため刑務所には収監されていない。

学校卒業後、定職に就いたのはビクトルのみ。
アレクサンドルは職を転々とし、イゴールは無職だが陰でこっそり無免許タクシーを運行していた。
その車は両親が彼に買って与えたものである。

やがてイゴールはビクトルとアレクサンドルの協力を得て、タクシー強盗に手を染めるようになっていった。