百物語2016 【本スレ】
19 : 50(ななほし) ◆YJf7AjT32aOX :2016/08/20(土) 19:46:26.51 ID:5kSLWVsx0.net
高校の先輩に起こった話。
僕の先輩は中学校の音楽教師だ。いつも成績付けが大変だとか、残業が大変だとか、
それでも子どもが可愛くてやめられないだとか、色んな話をしてくれる。
が、この前久々に飲んだ時のことだ。
「うちの音楽室、真昼間に幽霊が出る」
「は?」
いまいちパッとしない。
音楽室といえば夕方誰もいない音楽室からエリーゼのためにが聞こえてくる、だとか、
真夜中に天井から滴った血でピアノの音がポーン、ポーンと鳴るだとか、
そういう学校の怪談で語られるような内容ぐらいな訳で何も夕方以降の暗くなってからの話だ。
ぶっちゃけこっちとしては昼間の幽霊なんて怖さも何もないのだが、
先輩の話はこうだ。
先輩の勤める中学校は旧校舎が耐震チェックで引っかかり、防災のため
急遽建て替えられた新しい校舎なのだそう。
異変は新校舎への引っ越し直後から始まった。
楽器や映像資料などを音楽倉庫で整理していた時だ。
当然音楽教師は先輩しかいないため、そこを片付けているのは先輩1人。
開けっ放しの出入口に背を向けて戸棚の中を整理していると、背後で影が動いた。
最初は誰か他の先生が来たのだろうと気にも止めなかったが、
影が動く割に声をかける様子もない。
さすがに変だと思って振り返ると誰もいなかったそうだ。
その後も誰もいないはずなのに人の気配がするなど、気持ち悪いと感じることが多々あった。
20 : 50(ななほし) ◆YJf7AjT32aOX :2016/08/20(土) 19:49:03.90 ID:5kSLWVsx0.net
それでも子どもが可愛くてやめられないだとか、色んな話をしてくれる。
が、この前久々に飲んだ時のことだ。
「うちの音楽室、真昼間に幽霊が出る」
「は?」
いまいちパッとしない。
音楽室といえば夕方誰もいない音楽室からエリーゼのためにが聞こえてくる、だとか、
真夜中に天井から滴った血でピアノの音がポーン、ポーンと鳴るだとか、
そういう学校の怪談で語られるような内容ぐらいな訳で何も夕方以降の暗くなってからの話だ。
ぶっちゃけこっちとしては昼間の幽霊なんて怖さも何もないのだが、
先輩の話はこうだ。
先輩の勤める中学校は旧校舎が耐震チェックで引っかかり、防災のため
急遽建て替えられた新しい校舎なのだそう。
異変は新校舎への引っ越し直後から始まった。
楽器や映像資料などを音楽倉庫で整理していた時だ。
当然音楽教師は先輩しかいないため、そこを片付けているのは先輩1人。
開けっ放しの出入口に背を向けて戸棚の中を整理していると、背後で影が動いた。
最初は誰か他の先生が来たのだろうと気にも止めなかったが、
影が動く割に声をかける様子もない。
さすがに変だと思って振り返ると誰もいなかったそうだ。
その後も誰もいないはずなのに人の気配がするなど、気持ち悪いと感じることが多々あった。
20 : 50(ななほし) ◆YJf7AjT32aOX :2016/08/20(土) 19:49:03.90 ID:5kSLWVsx0.net
決定的な出来事が起こったのは1年が経った頃だ。
その頃には人影なんて気にしている余裕もなく、授業に追われていたそうだ。
ある日の授業でのこと。
合唱の授業で、教室の端にあるピアノの周りに生徒を集め、
その中心でピアノの伴奏をしていたときのこと。
いつものように周りをチェックしながら伴奏をしていると、先輩の右側で人影が動いた。
当然生徒だと思って気にしていなかったのだが、
次の瞬間、その人影は体を真横にして先輩の顔を覗き込み、ニタァっと笑った。
合唱中で周りは当然歌っている、
そんな最中に歌わずそんなことをしている生徒に腹が立ち、
注意しようとピアノは弾いたままバッと顔と向けたが、そこには人なんていなかった。
むしろ、半径2mほどの範囲には生徒すらいない。
当然、いきなり振り返った先輩の行動にびっくりして周りの生徒は焦っていた。
そこで初めて異様さにゾッとしたそうだ。
授業中にそんなことを、輪のど真ん中の教師の横でしようものなら、
少なからず反応する生徒がいて当然だ。
周りに目を配りながら弾いていて、それに気づかないわけが無いのだ。
つまり、周りの40人もいる生徒は何も見ていないということになる。
なんとか曲は弾ききったそうだが、その指導は集中出来ず散々だったそうだ。
あれから数年経ったが、先輩はまだ、そこの音楽室で授業を教えている。
その頃には人影なんて気にしている余裕もなく、授業に追われていたそうだ。
ある日の授業でのこと。
合唱の授業で、教室の端にあるピアノの周りに生徒を集め、
その中心でピアノの伴奏をしていたときのこと。
いつものように周りをチェックしながら伴奏をしていると、先輩の右側で人影が動いた。
当然生徒だと思って気にしていなかったのだが、
次の瞬間、その人影は体を真横にして先輩の顔を覗き込み、ニタァっと笑った。
合唱中で周りは当然歌っている、
そんな最中に歌わずそんなことをしている生徒に腹が立ち、
注意しようとピアノは弾いたままバッと顔と向けたが、そこには人なんていなかった。
むしろ、半径2mほどの範囲には生徒すらいない。
当然、いきなり振り返った先輩の行動にびっくりして周りの生徒は焦っていた。
そこで初めて異様さにゾッとしたそうだ。
授業中にそんなことを、輪のど真ん中の教師の横でしようものなら、
少なからず反応する生徒がいて当然だ。
周りに目を配りながら弾いていて、それに気づかないわけが無いのだ。
つまり、周りの40人もいる生徒は何も見ていないということになる。
なんとか曲は弾ききったそうだが、その指導は集中出来ず散々だったそうだ。
あれから数年経ったが、先輩はまだ、そこの音楽室で授業を教えている。