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86 : 本当にあった怖い名無し:2015/08/05(水) 18:04:16.16 ID:td6C9FJS0.net
小泉八雲の「怪談」に収録されている話
「小豆とぎ橋」

その昔、松江藩にある普門院という寺の近くに「小豆とぎ橋」という橋があった。
この橋には、夜になると女の幽霊が現れて、橋の下で小豆を洗っているという言い伝えがあり、
この場所で謡曲・杜若(かきつばた)を謡いながら歩くと恐ろしいことが起こるので、
決して謡ってはならないといわれていた。

ある日「この世に怖いモノなどない」と豪語する侍が
「小豆とぎ橋で杜若を謡うと恐ろしいことが起こるだって? だったら試してみようじゃねえか」
とその謡曲・杜若を大声で歌いながら橋を渡った。

侍は見事橋を渡りきり
「それ見ろ、なんも起こらなかったじゃねえか。幽霊も大したことはねえな」
とげらげら笑い、 家へと帰った。

侍が家の門まで来ると、すらりとした美女に出会った。
女は侍に箱を差し出し「これは私の主からの贈り物です」と告げると、パッと消えた。
消えた女に驚き、いぶかしく思った侍が箱を開いてみると、
中には血だらけになった幼い子供の生首が入っていた。

驚いた侍が恐怖のあまり家へ入ると、
そこには頭部をもぎ取られた自分の息子の体が横たわっていた。

「触らぬ怪異に祟りなし、幽霊や怪現象をなめてかかると酷い目に遭うぞ」
という教訓なんだろうけれど、
自分の親父が幽霊に喧嘩を売ったせいで、
幽霊に首をもぎ取られた息子があまりにもかわいそう過ぎる…。
というか、なんで幽霊も侍じゃなくて子供の方を狙ったんだよと突っ込みを入れたくなった。

なお、現在小豆とぎ橋は取り壊されているものの、
松江城付近の川である堀川を遊覧船に乗って巡っていると
普門院橋をくぐった先の川土手で、突然女の幽霊があらわれるという噂があるらしい。