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37 : 松屋の虎 ◆s8FSqGDfDY :2015/08/29(土) 20:20:12.84 ID:CHH62SdA0.net
自分の地区には毎年立秋の間に行われる肝試しみたいな行事があります。
お宮籠りとよばれる行事ですが、その内容は「夜中に神社の境内に籠る」というものです。
いわれは分かりませんが、毎年、20歳を迎えた男性がひと晩「神社警備員」になります。
過疎った地区なので今年は自分が一人で籠ることとなり、先月からワクテカ状態でした。

神社は、北関東に多い○○神社で、普段は無人の山の中の小さい社です
立秋の日、ここでひと晩すごし、
深夜の10時、12時、2時、4時に見廻りと称して拝殿と本殿の周囲を蝋燭1本持って巡回を行います
それ以外は拝殿の横にある天幕小屋で控えています(寝たら駄目)。
やることはそれだけです。
神社の建物には入りません(入るほどの広さもない)。
まともな神事と言うより、昔の肝試しを形式化したみたいに見えますが、
大正時代から続く伝統ある行事という話なのです。

境内は真っ暗らしく、過去にやったことのある年上の人からは
「真夜中に誰もいないのに拝殿の扉が開く」とか「3時過ぎに幽霊が出る」とか
聞かされてましたが、自分的には暑さと虫と眠気が心配でした。
以下は今年8月9日(立秋初日)に自分がお宮籠りをした体験談です。

当日、夕飯食べて家を出て、神社に到着したのが午後7時過ぎ
山の中の境内は既にかなり暗く、携帯で家族に到着を連絡したあと、
床にタオルを敷いて今晩の準備をしてました。
準備が終わった頃には8時すぎで既に真っ暗でした。

夏とは思えないほど空気が冷たく
心配していた暑さと虫は問題なかったのですが
周囲に強い風が渦巻き「うおおぉぉぉ」と人の叫び声のような音が響きます。
あと、どこからかたまに拍子木のような音がカシーンと鳴ります。




38 : 松屋の虎 ◆s8FSqGDfDY :2015/08/29(土) 20:22:08.25 ID:CHH62SdA0.net 
そして10時、最初の見廻りです 
蝋燭一本持って小屋を出て拝殿の前へ
拝殿で一礼した後、左回りで廻る決まりです
逆に廻ると祟られるそうです

目の前は真っ暗で、さすがに恐る恐るでしたが何もなく、ただ真っ暗なだけでした
しかし12時の2度目の見廻りの時、慣れてきて退屈してきた自分は
決まりとは逆に右回りに廻ってみようとしました。

何もあるはずがない、そう思って本殿の裏まで来たとき、
向こうから誰かが見ている感じがします。
この場に人などいるはずもないのですが真っ暗な向こう側から強い視線を感じました
蝋燭をかざしてみたり、呼んでみたりもしましたが、当然返事はありません
しかも、その視線が段々と自分に近づいてくる気配がします
自分は怖くなって走って拝殿前まで戻り、拝殿で謝ったのち、左から廻り直しました、
すると今度は何事もありませんでした

2時になって三回目の見廻り
先ほどの事が気になった自分は、もう一度確認したくてまたも右から廻ってみました。
そろりそろりと歩いて本殿の裏を曲がると、
またも強い視線を感じます!
怖ろしいのを我慢して用意していた携帯で奥の暗闇を写し、すぐ引き返しました
拝殿で謝り倒してのち、小走りで左から廻り直しました

自業自得とはいえ ここまでで精神的にかなりテンパった感じだったのですが、
3時頃ウトウトしていたら拝殿の方でバン!!と大きな音がして
何かが参道から鳥居の方へ走りぬけたような気配がしました。
慌てて拝殿を確認に行きましたが扉は閉じたままでした。

これで帰りたいモードMAXになった自分は、
最後の見廻りは素直にささっと廻って5時になったら早々に帰宅しました。


39 : 松屋の虎 ◆s8FSqGDfDY:2015/08/29(土) 20:23:32.94 ID:CHH62SdA0.net
帰宅すると、お宮籠りを達成したことでお酒を飲まされ、9時ごろに寝ました。
午後に起きてから、携帯で撮った写真を見てみましたが、ただ真っ暗なだけでした。

実は帰ってから、前に親から聞いたことを思い出したのですが
神社に祀られている○○様は夜には本殿で西の方角(京の方角)を睨んでいるそうです。
あの神社を右まわりに廻ると本殿の裏で西を睨む○○様と鉢合わせの形になりますが
そうならないように左まわりに廻っていたのかもしれません
とすれば、あのとき2度感じた強い視線は○○様だったのかもしれません

実は、帰った後で少々 変なことが続いたり体調を崩したりもするので少し怖いです
拝殿奥の路地で撮った写真を貼っておきます(真っ暗で見えません!)。