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69 :本当にあった怖い名無し:2018/09/22(土) 01:01:14.92 ID:z5siIrgT0.net
石じじいの話(のようなもの)です。

まあ、じじいになってしもうたわしの備忘録おもうてや、のう。
ラジオ深夜便聞きながら書き込みよるわい。

じじいの故郷(=私の故郷)では
旧暦の10月の亥の日におこなう「亥の子」という習俗がありました。
これは、いくつかの部落の子どもたち(小中学生で男子のみ)が
夜に部落の各戸を回って、その庭で「亥の子石」とよばれる石で地面をつく
というものでした。

その石は真ん中がくびれている俵型で
そのくびれた中央部に鉄製のベルトがはまっています。
その鉄ベルトには8つくらいの鉄の輪っかが取り付けてあって、
それぞれに長く太い藁縄が結び付けられている。
これを周りから(全方向に広がって)子どもたちが引っぱると石は上に浮きますね。
そして石は落ちる。
上にあがったら力を緩めるのです。
これを繰り返すことによって石は同じところに落ちることを繰り返し
「石で庭の地面をつく」ことになります。よいとまけ、みたい。

これをつくときに歌うのが「亥の子唄」でした。
それを一曲歌ってつきおわると、その家からほんの少しのお金をもらえるのです。
集まったお金は、あとでみんなで分けます。
平日の夜に大人公認で友達と出歩いて
しかもお金ももらえる、というものすごく楽しみな年中行事でした。
亥の子をついていると縄がち切れてしまうことがあり
大人が修繕してくれたものです。

じじいが新しい縄をなってくれたこともあります。
石のベルトに結ばれるところは細く子どもたちが握る部分へ徐々に太くなっていました。
じじいの作る縄はきれいで握りやすかったことを覚えています。





70 :本当にあった怖い名無し:2018/09/22(土) 01:02:54.07 ID:z5siIrgT0.net
当時は街灯などなく真っ暗。
ボロい懐中電灯(豆球のオレンジ色のぼやっとした明かりで、これがかえって怖い)を
一人がもって、みんなで暗闇を歩きます。
お墓の横や川辺、溜池のほとりなどを通るとき怖かったものです。
田んぼわきの溝にあやまって落ちるやつもいました。

ある年、暗闇からいきなり大きな白いモノが音もなく飛び出してきて
みんながパニック状態になったことがあります。
近くの家の飼い犬シロ(仮名)(白い大型のスピッツ犬)でした。
当時犬は放し飼いが多かった。特に夜は。


71 :本当にあった怖い名無し:2018/09/22(土) 01:04:29.11 ID:z5siIrgT0.net
以下、そのときの「亥の子唄」の歌詞です。
記憶に残っている音のみをそのまま(あいまいです)。

おいのこののには
一が たらふんまいて
二で にっこりわろて
三で さーけをつーくって 
四つ よのなかよいよいに
五つ いつものごーとくに
六つ むりをそくさいに 
七つ なにごとないように 
八つ やしきをひろげたて
九つ こぐらをならべたて 
十で とっておーさめた
おーとのさーまのごうもんは、さんだんがしらにふえのおし
さーさのまわりにとびすずめ ちんちんがらりやまんがらり
なーるはたーきのみずのおと
うぐいすやー、うついすや
はじめてみやこにのぼるとき 
みやこはひろいともうせども いちやのやーどをかりかねて
うめのきこえだにやどとってひるねして はるさくはなをゆめみてさ
えいとやー、さいとや