【百物語も】短編怪談大募集!【話が進む】

11 :名無しさん :2014/03/28(金)10:06:31 ID:???
暗くなるころあの海で

12.イソガキ
三浦半島は砂浜よりも岩場が多く、釣り人ならともかく
海水浴等の遊びには向かない土地柄だ。
そんな土地にはそれにふさわしい話が残っているもので、
以下は三浦に出かけた際、市役所の職員から聞いた話である。

 
昔からこの辺りでは、磯遊びや釣りに出かけるときは芋やカボチャを持っていけという教えがあるそうだ。
もしそれを忘れると、岩場で急に猛烈に腹が減りだし、甚だしくは
そのまま人事不省に陥ってしまうという。
地元の人はこれを「イソガキ」と呼ぶ。

 
深山に分け入った旅人が急に目が回って倒れるという「ヒダルガミ」という話とよく似ている。

あちらは握り飯をもっていれば難を逃れられるのだが、
なぜかこちらはイモタコナンキンだ。これも土地柄か。

イソガキとは磯餓鬼なのだろうが、
なぜ海に限った話なのかは判らない。