850 :763 ◆MOBqqkAfh6 :2007/03/15(木) 05:55:54 ID:nyVgvoIt0
その後、K達はYさんの家に行ったそうだが、
Hさん以外は大人にメチャメチャ怒られて家に帰された。

でもその時に、Kはめちゃめちゃ怖かったらしい。
怒ってるって表現は、皆同様のものだと思う。目を吊り上げて、顔を少ししかめたような感じで。
でもこのときの怒ってるは、かなり奇怪、奇妙な感じ。
笑いながら注意する感じ。
怒られてるほうも、笑いながら怒られてる。
Kだけあっけにとられて、キョロキョロ辺りを見渡してるって感じ。
それは怖いとか、恐れるとかのものとかけ離れてる存在。
あり得ないもの、見てはだめなもの、って感じのモノ。


その後、何があったわけでもなくGの家に帰り、
「今日見たことは絶対誰にも言うな」とGの兄に念押しされ、寝る事になったらしい。
ただKは、変なのに関わってしまった、っていうのと、
Gの部屋の電気を消した後の真っ暗さ、
カエルなのか虫なのか、
それとも家畜なのかわからないようなものの鳴き声。
そして極めつけは、その日の夜に起こった金縛り。
それら全てに、ココに来た事への後悔を押し当てられた。

金縛りにあったからと言って、別に霊が出た訳でもない、
目を薄めにしたら、自分のおなかの上におばあさんがとか、お経が聞こえた、とかも無かったらしく、
ただの金縛り。体が動かないだけ。
ただし、ナニカの鳴き声。
それだけでもう十分に恐怖だった。
そして、金縛りが途切れる瞬間に聞いたのがGの寝言。
というか、Gが寝ながら笑ってたとの事。
金縛りが途切れたのは、意識が睡眠状態になった瞬間らしい。
というか、寝ただけだと思う。





851 :763 ◆MOBqqkAfh6 :2007/03/15(木) 05:57:47 ID:nyVgvoIt0
次の日の朝、朝飯の用意がしてあり、Gの両親は不在だった。
Gのアニキは、その時間に起きる気なしだったらしく、
GとKで朝食をとり、これからどうするかを話してたらしい。

それから一本の電話があり、GがGの兄を起しに行って、Gのアニキが誰かと変わり真剣に話しをしてる。
Gはソワソワしだして、その電話が終るのを待ってる状態。
そして電話が終了した後に、Gの兄がKに対して「今日はもう帰れ」っていきなり言い出した。

Kはかなりびっくりしたらしく、Gのほうを向いたら、
Gの兄がGに、「Hのアニキが死んだけん、通夜と葬式の用意するっち」と言って部屋に戻っていった。
Gも、ちょっと悪いって感じの言い方で、
「すまんが今日は帰って。そういう事情やから」とのことで、Kは帰ることになった。

そして家に帰る準備をして、Gの兄に挨拶をしバス停に向かった。
バス停でバスを待っていたときに、Gの知り合いのおばあさんも一人待ってた。
バスが来るまでの間、GがKに色々事情を話してたらしい。



852 :763 ◆MOBqqkAfh6 :2007/03/15(木) 05:58:59 ID:nyVgvoIt0
以下会話。


G「わりぃね、急に」
K「いや、いいよ。っていうか、マジでびっくりするわ。昨日の今日で」
G「うん、っていうか、お前家に帰るバスの中で、Yさんの家が見えると思うよ。そこの前通る時笑えよ」
K「は??なんて???」
G「いや、その前通る時に笑顔でもいいけん、笑って通れよって」
K「いや、人が死んどるんやない???あほかお前。笑えるわけないし」
G「いいけん、この地域の人らは、個人が死んだときに笑顔で送り出そう、っていう感じなんよ。
だけ死んで悲しそうな顔しとったら、霊が憑いてくるけん」

おばあさん「ほっか、そん子はこっちの子やないんか?いらん事こっちにきたりしたら
大変なことになんぞ?」
G「あ、うん。昨日とまりきとったんやけど、今朝H君の兄ちゃんが亡くなったんや」
おばあさん「そりゃ、そりゃ。Yんとこ行ったんか?あ?それやったらあかんな」

K「いや、でも笑うのはおかしいやろ。
ちゅうか普通に考えて、呪われるとしたら普通は笑ったほうが怖いし」
おばあさん「きさんはあほか??この地域の神さんと、きさんとこが一緒と思っとったらくわれるんぞ」

G「おばあちゃん、そんな怒らんでもええやろ、知らんのやし」
おばあさん「知らんかったで死ぬんで?死んだら終わりやろうが」
K「あ、はい。わかりました。笑えばいいんですよね?」(少しビビッたらしい)
G「うん、すまんけど、おねがいやわ」


こんな感じのやり取りがあったらしい。
その時にKは、もう絶対に裏S区に行かないって決めたとの事。



853 :763 ◆MOBqqkAfh6 :2007/03/15(木) 05:59:36 ID:nyVgvoIt0
それからバスが来てGと分かれて戻る際に、Gの笑い方がめちゃめちゃ怖かったらしくて、
(目は笑ってないけど笑ってるって感じ)
直ぐにGが見えない位置に座った。

それからが『恐怖、混沌、異常』
そんな感じの世界観をバスが包みこむ。


まずバスに、K以外におばあさんを入れて7人座ってる。
ただ、Kが座ろうとしたときに、後ろに座ってたおばさんが「ちっ」っていう舌打ちをした。
その後、斜め後ろに座ってる人や、前のほうに座ってる人に睨まれてる。 そんな感じの雰囲気。
凄く嫌な気がしてたので、下を俯いたままで座ってたら突然、

「あはははははははは」
「はーはははははははははは」
「はははは」って、バスに乗ってる人が笑い始めた。


もう、Kはパニック。
何があったのかもわからないし、自分を睨んでたりとかしてたことがそんなに面白いんか?って感じで、
顔真っ赤にして涙目になって俯いてた。
その瞬間に、後ろのおばさんに肩をポンポンって叩かれて、
後ろをキッ!って睨み返したら、
そのおばさんの異様な怖さに萎縮しまくったらしい。



854 :763 ◆MOBqqkAfh6 :2007/03/15(木) 06:01:32 ID:nyVgvoIt0
ケタケタケタ笑ってるのに目は怒ってる。
(理解不能でしょ?目が怒ってるのに笑うこと事態が、あり得るのかどうかもわからんけど、
一回試しに鏡に向かってやってみて。
目が笑ってないのに、顔と声だけ笑ってる状態っていうのは、めちゃめちゃ怖いから)

「ははははははあはは」ってずっと声がでてて、目が怒ってて、ナノに顔は笑ってる状態。

その直ぐ後に、バス停で待ってたおばあさんがクィって顎で場所を指して、直ぐに気付いたらしい。

窓から見える家に、喪服姿の人がいっぱい集まってて、皆笑ってる。
本当にケタケタって表現がぴったりな感じで、そこに居る十数人がケタケタケタケタ笑ってるっていう状況。
Gの両親やGの兄貴、友人、Hもいたらしい。
もちろん目から涙をながしながらの人もいるし、怒ったような人もいるけど、顔は笑顔。

Kは唖然として笑えなかったらしいけど、
再度後ろのおばさんに肩をバシって叩かれて、どうにか笑顔を作ったらしい。
異様で異常。
バスの外も中も笑顔だらけ。
普通の人の形をした全く違うニンゲン。



855 :763 ◆MOBqqkAfh6 :2007/03/15(木) 06:04:13 ID:nyVgvoIt0
霊にとり憑かれない為、霊を追い払う為、そう言われても納得できないぐらいの恐怖。
寧ろ、この人達自体がとり憑かれている感じ。

バスの外から聞こえて来るのには変な笑い声も混じってるらしく、
「ギギギギギギギギギギギ」
というバスのゆっくり進む音に紛れ込んでる、
「あははははは」や「ギャガヤギャガ」って感じの変な声。
「ギィッギッギギギギギギアハハハハギギギギハハギャギャアアハハ」っていう奇怪なコエ。
(これはKの頭が混乱してて、こう聞こえたんじゃないかと思う)

それが1分ぐらい続く。

その1分がかなり長くて、Kが言うには、
「世にも奇妙な物語ってあるやん?あれでよく異次元とか、そんな感じで言いよるけど、
あーいう状態こそソレそのものやね。っていうか、現実世界であそこまでするか?
そりゃこっちでは、避けられるんけんね。
それを避けれるように、あの人等を避けるのは当たり前やろ」との事。
(意味不明)



856 :763 ◆MOBqqkAfh6 :2007/03/15(木) 06:06:35 ID:nyVgvoIt0
その後、その家をずっと後ろになってから皆が笑いを止めたので、Kも笑うのをやめた。
そしたら、バスの運転手に向かって前のおじさんが、
「~ちゃん、ちゃんとゆっくり言ってくれてありがとね」と言い出し、
運転手も「いや、しょうがないけんねー。××××さんつかれたらたまらん」とか言い出したらしい。
つまり、1分間もそこを通るのにかけたのは、
運転手もその部落のモンで、それを理解しててゆっくり、というか黙祷代わりに、
1分間もかけてそこを通り過ぎた。と。

それに気付いた瞬間に、Kは怖さでブルブル震えてしまって、バスの中で泣き始めた。
「人前で泣くのはアホよ」とかかっこつけてるKが泣いたらしい。
K曰く、「そこにヒトはおらんかったけね」との事。
そこに居る全員、Kと同じニンゲンとは異なるモノだったらしい。
(いやいや、ありえんやろ?って思ったけど、Bを知ってる、又見た限りでは、分かる気もする)


その後、バスがS区のバス停についた瞬間に、
家から一番離れてる場所ではあるけども、
それ以上そのバスに乗ってるだけで恐怖心が増したため、降りて歩いて帰ったらしい。



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