サイケデリック・奇譚

永遠の日常は非日常。

カテゴリ: 有名洒落怖編

219 :『ハッピー・タッチ』 ◆XhRvhH3v3M:2006/05/29(月) 03:20:27 ID:/lsJmPn1O
『中年女』はこちらに一切目を合わせず、軽く会釈をし、ゴミを回収し始めた。
俺は何と声を掛けていいのかわからず、しばらく中年女の様子を伺っていたが、
淳が『おばさん!どーゆーつもりだよ?』と 切り出した。
中年女はピタッと作業の手を止め、俯いたまま静止した。


淳は続けて、『あんた、俺の事覚えてたんだろ?俺には謝罪の言葉一つも無いの?』
俺はドキドキした。
まさか淳が急にキレ口調で話すなんて、予想外だった。
中年女は俯いたまま、『ごめんねぇ・・・』と、か細い声を出した。
淳はその素直な返答に驚いたのか、キョトンとした目で俺を見て来た。

俺は『おばさん・・・本当に反省してるんだよね?』と聞いてみた。

すると中年女はこちらを向き、
『本当にごめんなさい。私があんな事したから淳君、こんな事故に遭っちゃって・・・
私があんな事したから・・・ほんとゴメンね!』と。
俺と淳は更にキョトンとした。何か話がズレてないか?
俺は『いや、昔あんた、犬に酷い事したり、俺ん家にきたり、すべてひっくるめて!』と言った。





221 :ハッピー・タッチ 』◆XhRvhH3v3M:2006/05/29(月) 03:44:26 ID:/lsJmPn1O
中年女は、『本当にごめんなさい!私が、私があんな事さえしなければ・・・
こんな事故・・・ごめんね!本当にごめんね!』
と、泣きそうな声で言った。

その態度、会話を聞いていた病室内の患者の視線が、一斉にこちらに注目していた。
静まり返った病室に、『ゴメンね!ごめんなさい!ゴメンなさぃ!』と、中年女の声だけが響いた。
淳は少し恥ずかしそうに、
『もういいよ!だいたい、俺が事故ったの、アンタとは一切関係ねーよ!』と吐き捨てた。

中年女はペコペコ頭を下げながら、淳のベットのゴミを回収し、
最後に『ごめんなさい・・・』と言い、そそくさと病室から出て行った。

その光景を周りの患者が見ていたので、しばらく病室は変な空気が流れた。

淳は『何なんだよ!あのオバハン!俺は普通に事故っただけだっつーの。何勘違いしてやがんだよ!』
と言いながら枕をドツイた。
俺は『中年女』の行動、言動を聞いていてハッキリと思った。 やはり『中年女』は少しおかしい。
いや、謝罪は心からしているのだろうが、アイツは呪いの儀式を行った事を謝っていた。
呪いを本気で信じているようだった。



222 :ハッピー・タッチ 』◆XhRvhH3v3M:2006/05/29(月) 03:58:35 ID:/lsJmPn1O
淳は、『あの頃は無茶苦茶怖い存在やって、今だにトラウマでビビってたけど、
さっき喋って思ったんは、単なるオカルト信者のオバはんやって事やな!』
と、何処かしら憑き物が取れたと言うか、清々しい表情で言った。

俺は『あぁ昔と違って、俺らの方が体もデカくなったしな!』と調子を合わせた。
『さて、とりあえず一件落着したし、俺帰るわ!』
『おぅ!また暇な時来てや!』
と言葉を交わし、俺は病室を出た。


家に帰る途中、俺は慎の事を思い出した。 アイツにもこの事を伝えてやろうと。
アイツも今回の話を聞かせてやれば、あの日のトラウマが無くなるのでは無いか、と。



250 :247の前:2006/06/02(金) 02:39:56 ID:6rqtwJH50
ハッピー・タッチ 』◆XhRvhH3v3M:06/06/01 02:47:31 ID:HcpydJoy
家に帰り早速、慎と同じサッカー部だった奴に電話をかけ、慎の携帯番号を聞いた。
そして慎の携帯に電話を掛けた。
『おう!ひさしぶり!』
なつかしい慎の声。

俺はしばし慎と、最近どうよ?的な話をした後、
淳が事故って入院したこと、その病院に『中年女』が清掃員として働いていること、
『中年女』が昔と別人のように、心を入れ替えている事を話した。

慎は『中年女』が謝罪してきたことに対し、たいそう驚いていた。
そして最後に慎は、『淳が退院したら三人で快気祝いをしよう』と言った。
もちろん俺は賛成し、『淳の退院のメドがつき次第連絡する』と伝えた。


その翌日、俺は病院に行き、
淳に『慎がおまえの退院が決まり次第、こっちに帰って来て快気祝いしようってよ!』と伝えた。
淳はたいそう喜んでいた。



247 :ハッピー・タッチ 』◆XhRvhH3v3M:2006/06/02(金) 00:51:34 ID:Cc3LUK3SO
それから一週間程、病院に見舞いには行っていなかった。
別に理由は無いが、新学期も始まり、なかなか行く時間が無かったというのもある。
それに『中年女』が更正(?)しているようだったので、心配も以前ほどはしていなかった。
何かあれば、淳から電話があるだろうと思っていた。


そんなある日、淳から電話が掛かってきた。 内容は、『来週退院する!』との事だった。
俺は『良かったな!』と祝福の言葉と共に、『中年女』の動向を聞いたが、
『普通にゴミ回収の仕事をしている。特に何もない』との事だった。


そして、さらに一週間が経ち、淳は退院した。
俺は学校帰りに、淳の家に立ち寄った。チャイムを押すと、松葉杖をつきながら淳が出てきた。
『おぅ!上がれよ!』
足にはギブスをはめたままだったが、すっかり元気そうだった。
淳の部屋でしばし雑談をした。

夕方になり俺は帰宅。夕飯を喰った後、慎に電話をした。
『淳、退院したぜ!』
『まぢ!そっか、じゃあ快気祝いしなくちゃな!
すぐにでも行きたいけど、部活が忙しいから、月末頃にそっち行くよ!』との事だった。



280 :ハッピー・タッチ 』◆XhRvhH3v3M:2006/06/05(月) 01:40:06 ID:ZlsKc24yO
そして月末の土曜日。
俺、慎、淳。小学校以来、久しぶりの三人での再会だった。
昼に駅前のマクドで落ち合った。
久しぶりに会った慎は、冬なのに浅黒く日焼けし、少しギャル男気味だった。
まぁそれはさておき、夕方まで色々と語った。
それぞれの高校の話。
恋の話。
昔の思い出話・・・


もちろん、『中年女』の話題も出てきた。
あの時、それぞれが何よりも恐ろしく感じていた『中年女』も、今となればゴミ回収のおばさん。
病院での出来事を、俺と淳が慎に詳しく話してやると、
慎は『あの頃と違って、今ならアイツが襲って来てもブッ飛ばせるしな!』と笑いとばした。
もう俺達にとって『中年女』は過去の人物、遠い昔話で、トラウマでも無くなっていた。



282 :ハッピー・タッチ 』◆XhRvhH3v3M:2006/06/05(月) 01:59:26 ID:ZlsKc24yO
夕方になり、俺達はカラオケBOXに行った。
久しぶりの三人での再会と言うこともあり、俺達は再会を祝して酒を注文した。
まぁ酒と言っても酎ハイだが・・・
当時の俺達は充分に酔えた。 各々、4、5杯ぐらい飲み、皆ほろ酔いだった。
いい気分で歌を歌い、かなりHIGHテンションだった。


そして二時間経ち、歌にも飽き出した時、慎がある提案をした。
『よーし、今から秘密基地に行くぞ!あの時、見捨てちまったハッピーとタッチの供養をしに行くぞ!』と。

一瞬、空気が凍った。
俺も淳も言葉を失った。 まさか、あの場所に行こうなんて、予想外の発言だったから。
慎はそんな俺達を挑発するように、
『オメーら変わってねーな!まぢでビビっんの?!ハハッ!』と、少し悪酔い?していた。
その言葉に酔っ払い淳が反応し、『あ?誰がビビるかよ!喧嘩売ってんのか慎?』とキレ出した。



283 :ハッピー・タッチ 』◆XhRvhH3v3M:2006/06/05(月) 02:18:28 ID:ZlsKc24yO
俺は酔いながらも空気を読み、
『おいおい、やめとけって!第一、淳まだ杖突いてんだぜ?』と言うと
慎がすかさず、『あ、そっか。杖ツイてちゃ逃げれねーしな。ハハハ♪』と、かなりの悪酔いしていた。
淳は益々ムキになり、
『うるせーよ!行きてーんなら行ってやるよ!お前こそ途中でビビんぢゃねーぞ?』
と、まるで子供の喧嘩のようになり、
結局『ハッピーとタッチの冥福を祈りに』と言う名目で行くことになった。
慎、淳は二人とも結構酔っていたのと、引くに引けなかったんだと思う。

まぁ、ハッピーとタッチの供養はいずれしなければならないと思っていたので、いい機会かもと少し思った。
三人なら恐さも薄れるし。

カラオケBOXを出てコンビニに寄り、あの2匹が大好きだった『うまい棒』と『コーラ』を買い込み、
タクシーで一旦俺の家に寄り、照明道具を取って来てから、あの裏山へ向かった。



293 ::ハッピー・タッチ 』◆XhRvhH3v3M:2006/06/06(火) 10:37:00 ID:UBma/3yTO
タクシー運転手に怪しげな目で見られつつ、山の入口でタクシーを降りた。
俺は三人でよく遊んだ裏山という懐かしさと共に、あの日の出来事を思い出した。
こんな夜更けに、また入ることになるとは・・・
そんな俺の気持ちも知らずに、
淳は意気揚々と『さぁ、入ろうぜ!』と、杖を突きながらズカズカと入っていく。
その後ろをニヤニヤしながら慎が、明かりを燈しながらついて行った。
俺は『淳、足元気つけろよ!』と言い、慎に続いた。


いざ山に入ると、昔と景色が変わっていることに驚いた。
いや、景色が変わったのでは無く、俺達がデカくなったから景色が変わって見えているのか?
登山途中、慎が淳をからかうように、
『中年女がいたらどーする?俺、お前置いて逃げるけど♪』等、冗談ばかり言っていた。
思いの外スムーズに進め、30分程であの場所に到達した。



295 :ハッピー・タッチ 』◆XhRvhH3v3M:2006/06/06(火) 11:27:49 ID:UBma/3yTO
初めて『中年女』と会った場所。
俺達は黙り込み、ゆっくりと明かりを燈しながら、あの樹に近づいた。
あの日、中年女が呪いの儀式をしていた樹・・・
間近に寄り、明かりを燈した。

今は何も打ち込まれておらず、普通の大木になっていた。
しかし、古い釘痕は残っていた。所々、穴が開いていた。
恐らく、警察がすべて抜いたのだろう。

しばらく三人で釘痕を眺めていた。

そして慎が、『ここらへんでハッピーが死んでたんだよな・・・』と、地面を照らした。
さすがにもうハッピーの遺体は無かったが、ハッキリとその場所は覚えている。
俺はその場に『うまい棒』と『コーラ』を供えた。
そして三人で手を合わせ、次は『タッチ』の元へ。秘密基地跡へ向かった。



320 :ハッピー・タッチ 』◆XhRvhH3v3M:2006/06/07(水) 09:30:31 ID:dXfc2GpkO
秘密基地に向かう途中、淳が『色々あったけど、やっぱ懐かしいよな』とポツリと言った。
すると慎が、『あぁ。あの夜、秘密基地に泊まりに来なければ、
嫌な思い出なんて無かっただろうな』と言った。
確かに。この山で『中年女』に会わなければ、ここは俺達にとっては聖地だったはずだ。


『ここらへんだったよな・・・』
慎が立ち止まった。
秘密基地跡地。もう跡形も無かった。
あの日バラバラにされていた材木すら、一枚も無かった。
淳が無言でしゃがみ込み、『うまい棒』『コーラ』を置き、手を合わせた。
俺と慎も手を合わせた。

しばらく黙祷したのち、慎が言った。
『ハッピーとタッチがいなけりゃ・・・今頃俺達いなかったかもな』
淳『あぁ・・・』
俺『そうだよな・・・結局、『中年女』も更正して、なんだか、やっと悪夢から解放された感じだな』
しばらく沈黙が続いた。


ふと慎が、周囲や目の前の池を電灯で照らし、
『この場所、あの頃は俺らだけの秘密の場所だったのに、結構来てる奴いるみたいだな』と。
慎が燈す場所を見ると、スナック菓子の袋や空き缶が、結構落ちていることに気付いた。



323 :ハッピー・タッチ 』◆XhRvhH3v3M:2006/06/07(水) 09:53:04 ID:dXfc2GpkO
俺は『ほんとだな。あの頃はゴミなんて全然無かったもんな。
今の小学生、この場所しってんのかな?』と言った。
淳が続けて、『あの時は俺ら、まじめにゴミは持ち帰ってたもんな』と言った。
その時、慎が『うわっ!何だこれ!』と叫んだ。
俺と淳はその声に驚き、慎の照らす明かりの先に視線をやった。

一本の木に、何やらゴミが張り付いている。
よく見ると、無数の菓子袋や空き缶、雑誌が木に釘で打ち付けられていた。

『なんだこれ?!』

慎が明かりを照らしながら近づいていった。
俺と淳も後をついて行った。
『誰かのイタズラ??』
俺はマジマジと、打ち付けられたゴミを見た。

その時、『あぁぁぁ・・・これ・・・俺の、ゴミぃ・・・ぁぁぁぁあ・・・』 と、淳が震えた声で言いながら硬直した。
『は?!』
俺と慎は聞き直した。
淳は、『あ゛ぁぁぁ・・・俺が、病院で捨てた・・・あぁぁ・・・』と言いながら後ずさりした。



325 :ハッピー・タッチ 』◆XhRvhH3v3M:2006/06/07(水) 10:06:39 ID:dXfc2GpkO
慎が『おい!淳!しっかりしろ!んなわけねーだろ!』と怒鳴りながら、
釘で打たれた一枚の菓子袋を引きちぎった。
それを見て淳は、『あー、ぁあぁ・・・』と奇妙な声を出し、尻餅を付いた。
その行動に俺と慎は呆気に取られたが、
次の瞬間『うわっ!』と、慎が手に持っていた袋を投げた。

『え?!』と俺がその袋に目をやると、袋の裏に『淳呪殺』とマジックで書かれていた。
俺はまさか?と思い、木に釘打たれたゴミを片っ端から引き剥がし、裏を見た。

『淳呪殺』
『淳呪殺』
『淳呪殺』
『淳呪殺』

すべてのゴミに書かれていた。
淳は口をパクパクさせながら、尻餅を付いた状態で固まっていた。
慎が何気に周囲に落ちていたゴミを拾い、『おい!これ!』と俺に見せてきた。

『淳呪殺』

なんと、周囲に落ちているゴミにも書かれていた。



328 :ハッピー・タッチ 』◆XhRvhH3v3M:2006/06/07(水) 10:21:17 ID:dXfc2GpkO
俺はその時、初めて気付いた。
『中年女』は更正なんて、はじめからしていなかったんだ。ずっと俺達を怨んでいたんだ。
病院でゴム手袋をして必死で分別していたのも、淳のゴミだけを分けていたんだ!
俺達に『ごめんね』と言っていたのも全部嘘だったんだ。

俺は急にとてつもなく寒気を感じ、此処にいてはいけない!と本能的に思い、
淳に『おい!しっかりしろ!行くぞ!』と言ったが、
『俺の・・・ゴミ・・・俺のゴミ・・・』と、淳は壊れていた。発狂していた。
とりあえず慎と俺で淳を担ぎ、山を降りた。


あれから8年、あの日以来、もちろん山には行っていない。
『中年女』とも会っていない。
まだ俺達を怨んでいるんだろうか? どこかで見られているんだろうか?

しかし、俺達三人は生きている。
ただ、未だに淳は歩く事が出来ない。


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282 :『ハッピー・タッチ』 ◆XhRvhH3v3M:2006/06/05(月) 01:59:26 ID:ZlsKc24yO
夕方になり、俺達はカラオケBOXに行った。
久しぶりの三人での再会と言うこともあり、俺達は再会を祝して酒を注文した。
まぁ酒と言っても酎ハイだが・・・
当時の俺達は充分に酔えた。 各々、4、5杯ぐらい飲み、皆ほろ酔いだった。
いい気分で歌を歌い、かなりHIGHテンションだった。


そして二時間経ち、歌にも飽き出した時、慎がある提案をした。
『よーし、今から秘密基地に行くぞ!あの時、見捨てちまったハッピーとタッチの供養をしに行くぞ!』と。

一瞬、空気が凍った。
俺も淳も言葉を失った。 まさか、あの場所に行こうなんて、予想外の発言だったから。
慎はそんな俺達を挑発するように、
『オメーら変わってねーな!まぢでビビっんの?!ハハッ!』と、少し悪酔い?していた。
その言葉に酔っ払い淳が反応し、『あ?誰がビビるかよ!喧嘩売ってんのか慎?』とキレ出した。





283 :『ハッピー・タッチ』 ◆XhRvhH3v3M:2006/06/05(月) 02:18:28 ID:ZlsKc24yO
俺は酔いながらも空気を読み、
『おいおい、やめとけって!第一、淳まだ杖突いてんだぜ?』と言うと
慎がすかさず、『あ、そっか。杖ツイてちゃ逃げれねーしな。ハハハ♪』と、かなりの悪酔いしていた。
淳は益々ムキになり、
『うるせーよ!行きてーんなら行ってやるよ!お前こそ途中でビビんぢゃねーぞ?』
と、まるで子供の喧嘩のようになり、
結局『ハッピーとタッチの冥福を祈りに』と言う名目で行くことになった。
慎、淳は二人とも結構酔っていたのと、引くに引けなかったんだと思う。

まぁ、ハッピーとタッチの供養はいずれしなければならないと思っていたので、いい機会かもと少し思った。
三人なら恐さも薄れるし。

カラオケBOXを出てコンビニに寄り、あの2匹が大好きだった『うまい棒』と『コーラ』を買い込み、
タクシーで一旦俺の家に寄り、照明道具を取って来てから、あの裏山へ向かった。



293 :ハッピー・タッチ ◆XhRvhH3v3M:2006/06/06(火) 10:37:00 ID:UBma/3yTO
タクシー運転手に怪しげな目で見られつつ、山の入口でタクシーを降りた。
俺は三人でよく遊んだ裏山という懐かしさと共に、あの日の出来事を思い出した。
こんな夜更けに、また入ることになるとは・・・
そんな俺の気持ちも知らずに、
淳は意気揚々と『さぁ、入ろうぜ!』と、杖を突きながらズカズカと入っていく。
その後ろをニヤニヤしながら慎が、明かりを燈しながらついて行った。
俺は『淳、足元気つけろよ!』と言い、慎に続いた。


いざ山に入ると、昔と景色が変わっていることに驚いた。
いや、景色が変わったのでは無く、俺達がデカくなったから景色が変わって見えているのか?
登山途中、慎が淳をからかうように、
『中年女がいたらどーする?俺、お前置いて逃げるけど♪』等、冗談ばかり言っていた。
思いの外スムーズに進め、30分程であの場所に到達した。



295 :ハッピー・タッチ ◆XhRvhH3v3M:2006/06/06(火) 11:27:49 ID:UBma/3yTO
初めて『中年女』と会った場所。
俺達は黙り込み、ゆっくりと明かりを燈しながら、あの樹に近づいた。
あの日、中年女が呪いの儀式をしていた樹・・・
間近に寄り、明かりを燈した。

今は何も打ち込まれておらず、普通の大木になっていた。
しかし、古い釘痕は残っていた。所々、穴が開いていた。
恐らく、警察がすべて抜いたのだろう。

しばらく三人で釘痕を眺めていた。

そして慎が、『ここらへんでハッピーが死んでたんだよな・・・』と、地面を照らした。
さすがにもうハッピーの遺体は無かったが、ハッキリとその場所は覚えている。
俺はその場に『うまい棒』と『コーラ』を供えた。
そして三人で手を合わせ、次は『タッチ』の元へ。秘密基地跡へ向かった。



320 :ハッピー・タッチ ◆XhRvhH3v3M:2006/06/07(水) 09:30:31 ID:dXfc2GpkO
秘密基地に向かう途中、淳が『色々あったけど、やっぱ懐かしいよな』とポツリと言った。
すると慎が、『あぁ。あの夜、秘密基地に泊まりに来なければ、嫌な思い出なんて無かっただろうな』と言った。
確かに。この山で『中年女』に会わなければ、ここは俺達にとっては聖地だったはずだ。


『ここらへんだったよな・・・』
慎が立ち止まった。
秘密基地跡地。もう跡形も無かった。
あの日バラバラにされていた材木すら、一枚も無かった。
淳が無言でしゃがみ込み、『うまい棒』『コーラ』を置き、手を合わせた。
俺と慎も手を合わせた。

しばらく黙祷したのち、慎が言った。
『ハッピーとタッチがいなけりゃ・・・今頃俺達いなかったかもな』
淳『あぁ・・・』
俺『そうだよな・・・結局、『中年女』も更正して、なんだか、やっと悪夢から解放された感じだな』
しばらく沈黙が続いた。


ふと慎が、周囲や目の前の池を電灯で照らし、
『この場所、あの頃は俺らだけの秘密の場所だったのに、結構来てる奴いるみたいだな』と。
慎が燈す場所を見ると、スナック菓子の袋や空き缶が、結構落ちていることに気付いた。



323 :ハッピー・タッチ ◆XhRvhH3v3M:2006/06/07(水) 09:53:04 ID:dXfc2GpkO
俺は『ほんとだな。あの頃はゴミなんて全然無かったもんな。
今の小学生、この場所しってんのかな?』と言った。
淳が続けて、『あの時は俺ら、まじめにゴミは持ち帰ってたもんな』と言った。
その時、慎が『うわっ!何だこれ!』と叫んだ。
俺と淳はその声に驚き、慎の照らす明かりの先に視線をやった。

一本の木に、何やらゴミが張り付いている。
よく見ると、無数の菓子袋や空き缶、雑誌が木に釘で打ち付けられていた。

『なんだこれ?!』

慎が明かりを照らしながら近づいていった。
俺と淳も後をついて行った。
『誰かのイタズラ??』
俺はマジマジと、打ち付けられたゴミを見た。

その時、『あぁぁぁ・・・これ・・・俺の、ゴミぃ・・・ぁぁぁぁあ・・・』 と、淳が震えた声で言いながら硬直した。
『は?!』
俺と慎は聞き直した。
淳は、『あ゛ぁぁぁ・・・俺が、病院で捨てた・・・あぁぁ・・・』と言いながら後ずさりした。



325 :ハッピー・タッチ ◆XhRvhH3v3M:2006/06/07(水) 10:06:39 ID:dXfc2GpkO
慎が『おい!淳!しっかりしろ!んなわけねーだろ!』と怒鳴りながら、
釘で打たれた一枚の菓子袋を引きちぎった。
それを見て淳は、『あー、ぁあぁ・・・』と奇妙な声を出し、尻餅を付いた。
その行動に俺と慎は呆気に取られたが、
次の瞬間『うわっ!』と、慎が手に持っていた袋を投げた。

『え?!』と俺がその袋に目をやると、袋の裏に『淳呪殺』とマジックで書かれていた。
俺はまさか?と思い、木に釘打たれたゴミを片っ端から引き剥がし、裏を見た。

『淳呪殺』
『淳呪殺』
『淳呪殺』
『淳呪殺』

すべてのゴミに書かれていた。
淳は口をパクパクさせながら、尻餅を付いた状態で固まっていた。
慎が何気に周囲に落ちていたゴミを拾い、『おい!これ!』と俺に見せてきた。

『淳呪殺』

なんと、周囲に落ちているゴミにも書かれていた。



328 :『ハッピー・タッチ』 ◆XhRvhH3v3M:2006/06/07(水) 10:21:17 ID:dXfc2GpkO
俺はその時、初めて気付いた。
『中年女』は更正なんて、はじめからしていなかったんだ。ずっと俺達を怨んでいたんだ。
病院でゴム手袋をして必死で分別していたのも、淳のゴミだけを分けていたんだ!
俺達に『ごめんね』と言っていたのも全部嘘だったんだ。

俺は急にとてつもなく寒気を感じ、此処にいてはいけない!と本能的に思い、
淳に『おい!しっかりしろ!行くぞ!』と言ったが、
『俺の・・・ゴミ・・・俺のゴミ・・・』と、淳は壊れていた。発狂していた。
とりあえず慎と俺で淳を担ぎ、山を降りた。


あれから8年、あの日以来、もちろん山には行っていない。
『中年女』とも会っていない。
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しかし、俺達三人は生きている。
ただ、未だに淳は歩く事が出来ない。


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死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?


951 :本当にあった怖い名無し:2011/05/31(火) 22:57:27.90 ID:BndriAnC0
ドルフィンリングと言うイルカの形をした指輪が流行った大昔の話。
当時私はリア消(低学年)で、10歳年の離れた姉がいるんだけど、
姉はいわゆるDQNで、
夏休みになるとほぼ毎晩DQN仲間をうちに連れてきては、親と喧嘩をしていた。


で、この当時、子供嫌いのお兄さん(以下A)、優しいお姉さん(以下B)と言う二人が、
いつも家に遊びに来ていた。
Aさんは私が姉の部屋に近づくと凄い怒って、「ガキがくんじゃねーよ!」って怒鳴り散らすのね。
その度にBさんや他の人たちが、「小さい子にそんな事言うなよ~」
とフォローしてくれて、「Cちゃん(私)だって遊びたかったんだよね」とか言って
お菓子くれたり、部屋に入れてくれた。

正直私はAさんが嫌いだった。
だって人の家に来て泊っていったりするのに優しくしてくれないし、
私が姉の部屋に近づこうとすると、「チッ!」って舌打ちして威嚇するし、
たまに外で会っても「ガンくれてんじゃねーぞ!」とか言ったりして、とにかく怖かったから。

逆にBさんのことは大好きだった。
BさんはAさんと違ってて、うちに来る度に花火やお菓子をくれたり、Aさんのフォローもしてくれたり、
外で会えば必ず声をかけてくれて、
友達のいない私が寂しいだろうからって、一緒に遊んでくれたりもしたんだ。
Bさんの口癖は、「Cちゃんが私の妹ならいいのに」だった。





956 :本当にあった怖い名無し:2011/05/31(火) 23:16:50.90 ID:BndriAnC0
そんな荒れた夏休み(我が家の黒歴史)が終りに差し掛かったある日、
急にAさんがドルフィンリングをくれた。

姉の部屋にも行かず私の部屋に来て、「ほら」って投げてよこした
ピンクのラッピングした箱に入ってた。
誕生日でもなんでもない普通の日なのにおかしいな?っとは思ったけど、
友達いなさ過ぎて頭がお花畑だった私は、
やっとこのお兄さんとも仲良くできるんだ!って思った。
当時の流行り物だったし、初めてAさんがプレゼントしてくれた物で、
当時の私の指には親指でもブカブカだったけど凄く嬉しくて、貰った日は握りしめて寝たんだ。
そしたら真夜中に手が熱くなって、びっくりして目が覚めた。



959 :本当にあった怖い名無し:2011/05/31(火) 23:22:24.41 ID:BndriAnC0
Aさんから貰った指輪が焼けたように熱くなってた。
せっかく貰った指輪が壊れた~!って、熱いわ寝ぼけてるわで
ギャン泣きしたのを今でも覚えてるんだけど、誰も様子を見に来てくれないのね。
真夜中だからしょうがないんだけど、
横に寝てたはずの母もいなくて、流石におかしいなっと思った。

指輪はそのころには熱くなくなってて、
その指輪を握りしめて明かりがついてたリビングに行ったら、
両親が真っ青な顔して「お姉ちゃんが事故にあった」って言った。

この辺りはもうほとんど覚えてないんだけど、
姉とそのDQN仲間たちが、バイクでどこぞの山に遊びに行って、
その帰りに仲間全員、バイクの玉突き事故?にあったらしい。
姉の容態は電話じゃよくわからなかったけど、とにかく危ない状態だったらしい。
なのに両親、リビングにいてちっとも病院に行こうとしないの。



961 :本当にあった怖い名無し:2011/05/31(火) 23:25:33.45 ID:BndriAnC0
私はパニックになって、
「おねーちゃんが死んじゃうかも知れない!病院に行こうよ!」って泣いて訴えたが、
両親は頑として動かなかったのね。
で、私が自棄になって、「私だけでも行くから!」ってパジャマのまま玄関に向かったら、
父が全身で阻止してきた。
私はAAのズサーみたいな感じでドアに突っ込んでいく父の異常さが怖くてまた泣いた。
母親は「Cちゃんお部屋にもどろ?ね?ね?」って、
一生懸命宥めてくれるんだけど、その母親の顔も、泣きそうっていうかおびえまくってた。
その両親の異常な雰囲気で、私も『あ、コリャなんか変だぞ?』って
妙に冷静になって、よく見ると両親、ちゃんと外着に着替えてたんだ。

何でだろうっと思った瞬間、
ピンポンが鳴ってBさんの声が聞こえて、
「Cちゃん迎えに来たよ。お姉ちゃんの所においでー!」みたいな事を言ってた。



963 :本当にあった怖い名無し:2011/05/31(火) 23:28:56.66 ID:BndriAnC0
私は「Bさんが迎えにきた!おねーちゃんところ行こう」って親に言ったんだけど、
両親ガクブルして顔真っ青なの。
母親は私を全力で抱き締めて締めて苦しかったし、
父親は何かブツブツ言い出すし、かなり異常な状況だった。
あまりに異常すぎて、私は親が狂った!っと思って、Bさんの名前を呼びまくった。
「Bさん怖いよ!おねーちゃんが死んじゃう!パパとママがおかしくなった!!Bさん!Bさん!!」って。

でも、相変わらずBさんは助けてくれるどころか、
玄関の外で「Cちゃん、お姉ちゃんのところにおいで」しか言わないの。
しかも声は凄く冷静…っていうかむしろ楽しそうな感じ。



966:本当にあった怖い名無し:2011/05/31(火) 23:32:55.08 ID:BndriAnC0
「Cちゃーん、お姉ちゃんの所おいでー」
「Bさん怖いよ!たすけて!」
どのくらいそのままギャーギャーしてたかわからないけど、
急にまたAさんから貰った指輪が熱くなって、
手をはなそうと思ったんだけど、
手だけ金縛りにあったみたいにグーの形のまま動かない。
その内喉が苦しくなって声がうまく出なくなってきて、しまいには、
叫んでるつもりが全く声が出なくなった。

母親が、口をパクパクさせてるのに声が出なくなった私を見てぎょっとしてたけど、
声が出なくなったせいで
更にパニックが加速して、暴れる私を抱き締めてる力は緩めてくれなかった。
その間もBさんは、楽しそうに私を呼んでた。
その内かすれた声が出てきたなっと思ったら、今度は勝手に言葉が溢れてきた。



969 :本当にあった怖い名無し:2011/05/31(火) 23:36:29.10 ID:BndriAnC0
「お前なんか私のお姉ちゃんじゃない!私のお姉ちゃんは○○(姉のフルネーム)だ!!
私は知ってるんだぞ。
私に友達がいなくなったのは、お前(Bさん)が私の友達をいじめて、
『私に近寄るな』って言ったからだ!!
お前が持ってきたお菓子や花火は、全部□□(近所の商店)で盗んだ物だ!気持ち悪い!!
お前なんか大嫌いだ!お前は私のお姉ちゃんじゃない!帰れ!二度と家に来るな!
私の家族は全員こっちにいる!私をそっちに連れて行こうとするな!!!」


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971 :本当にあった怖い名無し:2011/05/31(火) 23:42:58.36 ID:BndriAnC0
実際はもっと田舎のヤンキー口調で方言も入ってたけど、大体こんなことを叫んだ。
と言うか、この叫んだ内容は私は全然知らなかった。
Bさんが私の友達を苛めてなくした事も、いつもくれるお菓子が盗品だった事も。
パニック状態だったのに更にパニックに陥って、そこから何も覚えてない。
たぶん気を失ったんだと思う。

目が覚めたらもう朝で、泣きはらした母親とげっそりした父親がいた。

そして、「病院から連絡があった。
お姉ちゃんは足を折っただけだよ。お昼になったらお見舞いに行こう」って言ってくれた。
そして、そのときは理解できなかったけど、
「A君にお礼を言いなさい。その指輪は一生大事にしなさい」って言われた。





973 :本当にあった怖い名無し:2011/05/31(火) 23:47:00.45 ID:BndriAnC0
ここまで書いたらもう察しがついてる人もいるけど、姉たちが起こした事故でBさんは亡くなってました。
それも両親が病院から連絡を貰うより前…多分即死に近かったんだと思います。
それなのに両親が病院に行こうとしたら、玄関の向こう側にBさんが見えたらしい。
(玄関の一部がすりガラスになって外が見えるタイプだった)
姉と一緒に出かけたはずの彼女が無事でいるはずない!っと思った両親は
家から出るに出られず、
時々「Cちゃんを迎えに来ました。あけてください」と言う声が怖くて、リビングにいたそうな。

そしてAさんも、事故当時は意識がなくて危うい状況でしたが意識を取り戻し、
面会できるまで回復を待ってお見舞いにいった時、
Aさんはろれつの回らない状態ですが、泣きながらぽつぽつと話してくれた。



974 :本当にあった怖い名無し:2011/05/31(火) 23:49:44.28 ID:BndriAnC0
Bさんがなぜか私に執着して、
「Cちゃんは妹のようだ」「妹にしたい」
「C(私)は私の妹!他のこと仲良くさせたくない、一緒にいる!」となってた事や、
万引きしたお菓子などを与えてた事など。
そして、Bさんになついてた私を遠ざける方法が解らなくて、むやみに怒鳴ったりして申し訳なかった。
流行のアクセサリーを持ってれば、女の子だから友達ができるんじゃないかと思って
指輪をあげた…と話してくれました。


あれからもう15年以上経つけど、私は毎年夏はお盆が終るまで帰省できないでいる。
Bさんが私を諦めて無いからだって姉や両親は言うけど、
確かに夏場になると例の指輪が、
(熱くなりようがない状況でも)焼けたように熱くなって変な事が起きる時があるんですが、
それはまた別の話。
長文失礼しました。



986 :本当にあった怖い名無し:2011/06/01(水) 00:12:18.05 ID:S3yXHJYM0
>Bが毎年家にやってくるのを実家の家族は見ているのか

Bさんの姿を両親が見たのはこれっきりですが、姉(婿とって実家に住んでる)は毎年見ているそうです。
年を重ねるごとに輪郭が変わってきて、
ここ数年ほぼ別人(数年前には大きな犬っぽかったらしい)のようになってるらしいですが、
お盆の送り盆(お盆最後の晩)に来るそうです。
お祓いは何度か頼んでますが、やはりお盆の時だけはきてしまうそうで…

私はBさん関係以外の霊感は全くないので分かりませんが、
姉は『なんとなくわかる』という人なので、そういうものかもしれないと納得?しています。
実家も引越しを考えましたそうなんですが、よくわかりませんがなぜか引越しをしていません。
私だけ、中学進学と同時に父方の叔母の家に預けられていました。



989 :本当にあった怖い名無し:2011/06/01(水) 00:14:40.25 ID:crfTp+i40
犬っぽいってどういうことだろうね
成仏できなくてさ迷ってるうちに妖怪化してきたんだろうか?



996 :本当にあった怖い名無し:2011/06/01(水) 00:41:03.40 ID:S3yXHJYM0
この辺りは私も本当にわからない。
見て無いから…っていうのもあるんだけど、姉が妙に落ち着いてる事もわからないし、
私の部屋が小学卒業当時のまま保存されてる(掃除はされてる)のも
疑問と言えば疑問。

あと、帰省のときは、この歳になっても必ず姉が迎えに来てくれるんだけど、
それも回り道したりして、地元についてからもわざわざ一回休憩はさんで家に帰ってる。
でもぶっちゃけ聞くのが怖いから、
夫や子供には『我が家のしきたり』って事で済ませてる。


――――――――――――――――

235 :本当にあった怖い名無し:2011/06/02(木) 17:06:10.16 ID:agV42d8J0
前スレでドルフィンリングの話を書いた者ですが、
今日用事があって姉と電話したので、
AさんとBさんについて、聞きづらかったけど聞いてみました。


姉はその話が嫌らしく渋ってましたが、聞き出せのは、
なぜ親が、例の私がひとりでにBさんの所業を暴露した後、「Aさんに感謝しろ」と言ったのか、
という質問の回答だけでした。
姉曰く、「A君は地元の方言とそっくりな方言だけど、
地味に違った言い回しがあって特徴的だったから、それで親もわかったんじゃないか」とのことです。
なんだが拍子抜けしてしまいましたが、
確かに私もあの日の夜は、寝るまでにその指輪を貰った事を親に話してたので、
なんとなく察してくれたんじゃないでしょうか。


そして、これはBさんのことと関係があるのかはわかりませんが、
知らなかったけど、うちの家族(両親と姉と弟妹)たちは、
私以外『わかる人・見える人・呼ぶ&呼ばれる人』らしいです。

そのことを聞いて、私は『あぁ、だから私は実家に住めなくなっちゃったのかな?』っと納得して、
「私はなんで違うのかな?」っと聞いたところ、姉は、
「Cも昔はそれなりに『わかる人』だったのに、私(姉)がぐれ始めたころから鈍化していった。
私が拾ってきたり持って帰ってたモノを、感じちゃったのかは知らないけど、
あんたはどんどんそういうのを閉じていって、しまいにはわからくなったんじゃない?」
と言ってました。

そういう感覚って、簡単に蓋みたいに閉じれるのかは疑問ですけど、実際
私はちょいちょい死体を見つけたりはしますけど、
特に何も変なことは起きてないので、そんなものなんだと思います。
指輪が熱くなるのは、たいていお盆の時期(Bさんの時期)ですし。


以上、なんでもない話で恐縮ですが、
前スレで疑問があったようなので書き込んでおきます。


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48 :本当にあった怖い名無し:2009/05/24(日) 04:11:21 ID:B3+fEFe10
最近2ちゃんで、とあるコピペを見つけた。
それを見て、忘れかけていた、数年前に起きたとある事件を思い出したので、ここに書こうとおもう。


たしか、今から5年前の夏休み。
俺が中学生の頃、実家のすぐ近くにあるお寺で、盗難事件が発生した。
お寺の2つある宝物庫のうちの、1つの中身が盗難にあったらしい。
それだけならただの盗難事件なのだが、何か様子がおかしかった。

うちは代々そこの檀家を勤めているのだが、うちも含め、
檀家や周辺の家の人たちが事件の翌日に集められ、大人達で何事か話し合っているようだった。
当時俺はガキだったので、色々大変なんだな、としか思わず、
その時はあまり気にしていなかった。


数日後、俺や同い年の従弟やその他数人の友達が、
お寺の裏山でエアガンでサバイバルゲーム(というかごっこだなw)をしていると、
和尚さんが俺達のところへやってきて、
「○○(俺)と○○(従弟)、ちょっと来なさい。話があるから」と呼ばれた。

俺たちは、お寺の裏山で大騒ぎしていたのを叱られるのだ、と思い、
ビクビクしながら和尚さんについていくと、
和尚さんはお寺の本堂に俺達を入れて、「ひとまず座りなさい」と俺達に促した。

和尚さんはほんとうに神妙な顔つきで、
俺と従弟は、こりゃまずいな…と縮こまっていると、予想とは裏腹に、
説教ではなく別の話をし始めた。
和尚さんの話は俄かには信じられず、何か荒唐無稽な話に聞こえたが、
とにかく、真剣な顔つきで話していたのを覚えている。





49 :本当にあった怖い名無し:2009/05/24(日) 04:12:17 ID:B3+fEFe10
その話というのは、和尚さんによると、2つある宝物庫のうち、
1つは確かにお寺に伝わる経典や仏像など、価値のあるものを収めているのだが、
もう一つの宝物庫は、宝物庫とは名前だけで、別の物を保管しているらしい。
その『別の物』とは。
元来お寺や神社には、不吉な物や呪物などを、
『お払いして欲しい』或いは『引き取って欲しい』と頼み込んで来る人が、結構どこでもいるとか。

しかし、普通は気のせいや偶然が重なっただけの物が多く、
基本的にそういう物の受け取りは拒否するか、
気休め程度に祈祷をして、本人に納得してもらう方法を取っているらしい。

しかし、どうしてもと押し付けられてしまう場合や、
稀に本当に危険なものが持ち込まれるため、その場合は仕方なく引き受けるらしい。
その倉庫には、そういった『いわく付き』の品々が収められていたとか。
これら『いわく付き』の品物の数々を、
時間をかけてお払いするために、倉庫は存在していたわけだった。


ただし、そうやってお寺に持ち込まれたものは、金銭的な価値があるようなものではなく、
ただ単に霊的、或いは祟りとして危険なだけなものなため、
普通は盗まれるなんて事は無い。

しかし、今回そういう『いわく付き』のものが盗まれてしまった。
盗まれたのは2つらしいが、
そのうち1つが俺の一族に縁のある品物らしく、その話をしておきたいと呼んだという。



50 :本当にあった怖い名無し:2009/05/24(日) 04:13:07 ID:B3+fEFe10
今回盗難事件にあったのは、要するに『いわく付き』の品物がある倉庫の方だった。
泥棒は、警備の厳重なほうの宝物庫に、価値があるものがあると考えたのだろう。
『いわく付き』の方の宝物庫は、
外に出してはいけない物がいくつもあったので、
本来の宝物庫よりも、ずっと施錠などが厳重だった。


盗まれた『いわく付き』の品物2つの説明をすると、
一つは一振りの日本刀、もう一つは金でできた仏像らしい。
俺は、なるほど、売れば高そうだな、と思った。

刀のほうは俺の一族とは無縁なため、
説明は大雑把にするだけにするが、これは和尚さんの先代が住職を勤めていた頃、
男の人が、「とにかくこれを引き取ってくれ」と持ち込んだもの。
当時の住職は、「許可が無いと犯罪になってしまうから」と断ったが、
無理に押し付けられるような形で、その男の人は置いていってしまったのだという。

その刀は和尚さん曰く、
「専門家でないから価値はわからないが、相当に古いもので、
なぜか銘の部分が削り取られていた」らしい。
ちなみにこの刀は、「所持していると自分が人を切り殺す夢」を何度も見てしまうというもので、
持ち込んだ男の人は、「そのうち自分が人殺しをしてしまうのではないか」
と不安になり持ち込んだとか。

ちなみに、住職はその話を信じていなかったが、
引き取ったその日から、本当に自分が刀で人を切り殺す夢を何度も見るようになってしまい、
これは大事だと、『いわく付き』のほうへ保管したとか。
銃刀法関連は、当時の住職が警察と話し合って、
詳しくは知らないがどうにかなって、今までお寺に保管されていたらしい。


そしてもう一つの、金でできた仏像。
これが俺の一族に関係する物だった。
ちなみに仏像と呼んでいるが、実際は和尚さんがいうには、
「今までこんな形の仏像は見た事が無く、便宜上形が似ているためそう呼ばれていただけ」
のもので、厳密には仏像ではない。



51 :本当にあった怖い名無し:2009/05/24(日) 04:14:01 ID:B3+fEFe10
この仏像という像は、今から150年近く前、
俺のご先祖様が地元で起きた大洪水の翌日、土石流の片付け中に、
泥と瓦礫の山の中から見つけた品物。
金で出来ている事や、見た目が仏像に似ていることから、何かありがたいものであろう、
ということで持ち帰り、そのまま家の仏間にかざっていた。
和尚さんが言うには、洪水で山の上のほうから流れてきたのではないか、との事だった。
(ただし、俺の地域は元々山深い場所で、俺の住んでいた地域より上に村などは無い)


その像を持ち帰ってから数日後。
あちこちで異変がおき始めた。
始めは家で飼っている猫や家畜が、謎の病気で死にはじめ、
それはご先祖様の家だけでなく、周辺の家々でも起き始めた。
更に暫らくすると、子沢山だったご先祖様の家の子供が次々と死に始め、
10人いた子供が、たった半年の間に3人にまで減ってしまった。
当初疫病かと思われ、村で様々な対策がされたらしいが、何一つ効果が無かった。


ご先祖様の家以外の子供が死に始めた頃、
その金の像に、ある異変が起きている事に気が付いた。

拾ってきた当初、その像は無表情に近い顔をしていて、
感情を読み取れるようなものは何も無かった。
しかし、ふとご先祖様が像を見てみると、
明らかにニヤニヤという感じの、笑い顔に表情が変わっていたとか。

更に不気味な事に、像の足元辺りから上のほうへ、
まるで血管のような赤い線がいくつも伸び始めてきていた。

当初は「気のせいだ」と見なかった事にしていたご先祖様だが、
その血管のようなものが、人が死ぬたびにどんどん上のほうへ広がっていくのを見て、
これはもう手に負えないと、当時のお寺の住職に持ち込んだらしい。
金で出来ていたので、手放すのが惜しかったというのもあるだろう。



52 :本当にあった怖い名無し:2009/05/24(日) 04:15:04 ID:B3+fEFe10
当時の住職は、像の噂は聞いていたが、一度も見た事は無く、
その日初めて像を見たらしいが、
一目見て「これは危険なものだ」と感づいたらしい。

像が何のために作られ、どうやってこの村へやってきたかは分からない。
しかし、相当に危険な呪物である事は間違いが無く、
このまま放置しておけば、村が全滅しかねないほど危険だったため、
当時の住職は、すぐにお払いの祈祷を始めた。


しかし、祈祷を始めてから数時間後。
その住職は両目両耳から血を流して、恐怖に歪んだ表情のまま死んでいるのが本堂で発見された。
死因は不明。
ただし、像が何らかの形で関係しているのは間違いなかった。

なぜなら、祈祷をする前には、腰の辺りまでしかなかった血管のような模様が、
一気に首の辺りにまで達していたから。

それを見た村人たちは、これはもう手に負えないと、
像をどこかに捨てる計画を立てていたらしい。


次に本山からやって来た住職が、
「一度に御払いをするのは、恐らく危険すぎて無理だろう。
お寺で災いが外に漏れぬよう保管をして、何代もかけてゆっくり穢れを浄化するしかない。
捨てて解決できるようなものではない」
と村人達を説得し、現在まで少しずつ祈祷で呪いを払いながら、お寺で厳重に保管されてきていた。

長くなってしまったが、
ここまでが和尚さんが俺達に話した、盗品に関する『いわく』の話。



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韓国人窃盗団

53 :本当にあった怖い名無し:2009/05/24(日) 04:15:47 ID:B3+fEFe10
和尚さんは、続けてこんな話をし始めた。
ここ数年(当時で数年なので今からだと10年ほど前)、
お寺や神社の宝物庫への窃盗事件が増えており、どうも大半が、外国人の窃盗団によるものらしい。
ここで問題となるのが、最初に書いたとおり、
『問題のある品物』を、便宜上宝物庫と呼ばれている場所に保管している
お寺や神社は、ここ以外にも多数あり、そういった品物が、
やはりあちこちで盗まれているとか。

当時から少し2ちゃんをやっていた俺は、コピペなどで情報を得ていたため、
「ああ、かの国の窃盗団だな」とすぐに分かり、
和尚さんに聞いてみたが、曖昧な返事しかしてくれなかった。

その代わり、別の話をしてくれた。

仮にの話として、もし一連の寺社への窃盗事件が、かの国の窃盗団によるものだとすると、
『いわく付き』の品物が次々とかの国へ、
何の保護措置もしないまま送られ続けている事になる。

これは非常に危険な行為で、一つの国に何の措置もしないまま、
無秩序に『いわく付き』の品物が集められたら、一体何が起きるのか想像も出来ない。

「普通、そんな何の利益にもならない、バカな事をする人はいないだろう」
と和尚さんは言っていた。
おかしな話だが、呪いの類にも、人間関係のような相性があって、
人で喩えるなら、意気投合するものもあれば、性質が合わずに反目しあうものもあるらしい。
そういったものが何の規則性も無く、
制限無く集められていっているとしたら、
「恐らくとんでもない事になる。何が起きるのかは分からないが・・・」とも言っていた。





54 :本当にあった怖い名無し:2009/05/24(日) 04:18:14 ID:B3+fEFe10
そこで俺は、こう和尚さんに言ってみた。
「でも、外国に持ち出されたなら、俺達は安心じゃん。その国にいかなければ害も無いでしょ?」と。

しかし和尚さんは、
「そうではない。仮に行かなくとも、
これだけ大きく無秩序な呪物の集合の場合、『縁』を持っただけでも危ない。
『縁』が軽い場合や一時的なものだったとしても、一体どういう影響があるのか全く予想も出来ない。
もしお前達が『縁』を持ちそうになったら、何があってもそこから逃げろ」
と言われた。


これが当時、俺が聞かされた話の全て。
ぶっちゃけて言うと、俺はこの話を信じていなかった。
だから最近まで、ほぼ完全に忘れていたのだが、そこで最初に話した、あるコピペが関係してくる。
そのコピペを見て、もしかしてこれがその影響か?と直感的に感じたから。



55 :ラスト:2009/05/24(日) 04:19:00 ID:B3+fEFe10
以下がそのコピペ。

新種の精神障害『危険水準(2004年)』
――前頭葉が破壊されてる韓国人激増。火病と同根かも知れないがこれは脳損壊である
・症状は、前頭葉の損壊――最も高度な部位。創造的な文化が皆無なのにも理由があった訳。
・1997年~2004年で子供の発病率が100倍に急増。遺伝子的欠陥なので指数関数的に蔓延する。
・現在2008年には、1997年(基準年?)の数千倍の発病率になっていても不思議じゃ無い。

現在でも国民的な病だが、
『子供の』発病が21世紀に入って急増したという事で、
彼等が成人を迎える10年後辺りからは、民族としての、更なる壊滅的様相が想定される。
――これはもう、セルフ・ホロコーストになるかも…


時期的にも、窃盗団が日本に来始めた頃と合致する。
俺は絶対に、かの国との『縁』を持たないようにしようと思った。
無知というのは、ほんとうに恐ろしい・・・・・


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韓国人窃盗団

【百物語も】短編怪談大募集!【話が進む】

194 :名無しさん@おーぷん :2014/08/12(火)02:18:38 ID:???
あるネトゲで怪談大会してて、
その主催の人が語ってい た話がなかなか怖かった。

人間というものは生きていると、
その生活というか、 生きざまが身体に出てくるということがあります。
意地の悪い人は意地の悪い顔つきになる、
怒りっぽい人は怒りっぽい顔になるとよういいますけど、その通りだと思います。
特に手というのは嘘がつけないもので、
職人さんの手はやはり仕事が染み付いた立派な手をしておられます。

うちの近くにある古武道の師範の手は分厚く立派なものでした。
その師範が自分の手の一部を指して、
「人を殺めたもんにはこういうのが出てくる。戦争の時に出来たが、まだ消えへん」

そんな事があるんやろかと思ってましたが、
うちのじいちゃんが死んだ時に手を見てみると、その特徴がありました。

じいちゃんも戦争に行った人なので、あの世代の方々は
そういうことを抱えて生きてらしたのだとしみじみ思いました。
その特徴ですがここでは教えられません。

分かりにくいっていうのもあるんですが、
オフ会でお会いしたときに私が困りますので。



家系にまつわるオカルト2代目


446 :本当にあった怖い名無し:2006/11/23(木) 19:01:14 ID:JeDB8hUv0
あんまりたいしたいわれじゃないけれど、
うちの家系は、神様にお祈りしてようが幽霊に罰当たりなことをしようが、
なんにも影響を受けることが出来ない家系なのだそうな。

そのせいか、蔵に良く分からない預かりものが沢山おいてある。

お札で包まれた箱とか、人の腕のミイラみたいなのとか、お経の書いてある壷とか。

信じるとか信じないとか言うのとは別の次元で、
たとえば縁起を担ぐとか、そういうのが一切の効果を発揮しないのだそうな。




448 :本当にあった怖い名無し:2006/11/23(木) 19:23:51 ID:7Axqr+WoO
じゃあ事故物件に住めてお得だよねw
初詣は行くの?



450 :本当にあった怖い名無し:2006/11/23(木) 19:26:38 ID:JeDB8hUv0
たぶん、人が死んだ場所でも住めると思う。初詣は、行っていい神社とダメな神社があるよ。



452 :本当にあった怖い名無し:2006/11/23(木) 19:31:13 ID:7Axqr+WoO
ちょw俺は清水なんだがw
浅間さんや秋葉山みたいに、特定の系列がダメだったりってこと?



453 :本当にあった怖い名無し:2006/11/23(木) 19:33:53 ID:JeDB8hUv0
おせんげんさんは行っても平気だね、迷惑かけないはず。
奉ってる神社じゃなくて、
意味があって存在している神社だと、迷惑をかけてしまうことがあると聞いたよ。



454 :本当にあった怖い名無し:2006/11/23(木) 19:38:29 ID:7Axqr+WoO
じゃあ、何かいわくつきの物等を封印するためや、
死人の怒りを抑えるために作られたような所がダメってこと?
出来れば特定の場所を知りたいな。



455 :本当にあった怖い名無し:2006/11/23(木) 19:44:32 ID:JeDB8hUv0
>>454
サンシャイン



456 :本当にあった怖い名無し:2006/11/23(木) 19:51:24 ID:7Axqr+WoO
ん?俺は釣られちゃったのか?www それともマジ?



457 :本当にあった怖い名無し:2006/11/23(木) 19:55:53 ID:JeDB8hUv0
つったつもりはないんだけれどな、分かりやすい場所のつもりだったんだ。
池袋のサンシャインの地下、多分駐車場はダメだと思う。
ダメって言われたから。
でも、これは多分稀有な例じゃないかな。

もうちょっと曰くありげな場所だと、実家の近くにある『悪』っていう字のつく神社。
具体的に書くとばれちゃうので勘弁ね。



458 :本当にあった怖い名無し:2006/11/23(木) 20:12:31 ID:7Axqr+WoO
そうか、スマン。
やっぱ戦犯を収容してたからかな…?

行くとどうなるか知ってる?



459 :本当にあった怖い名無し:2006/11/23(木) 20:19:39 ID:JeDB8hUv0
自分には何も起こらないのでよくはわからないのだけれど、
知り合い曰く、線路に置き石するようなものだそうな。



460 :本当にあった怖い名無し:2006/11/23(木) 20:33:52 ID:7Axqr+WoO
ん?君の家系だよね?
家族や先祖の話はナッシン?


463 :本当にあった怖い名無し:2006/11/23(木) 20:45:24 ID:JeDB8hUv0
具体的にどうなるのかは家族の誰も知らない。
人様に迷惑かけたくないから試さないよ。

家族の話すごくしたいのだけれど、
一番最初に前置きしたように、何もないのが特徴だから、逸話らしい逸話はないよ。
荷物を持ち込む人も、ばあちゃんが見たこと有るとか其の程度だから。
強いてあげると、何年かに一回、自分の木にお参りするくらい



461 :本当にあった怖い名無し:2006/11/23(木) 20:36:51 ID:nqueuYGF0
お稲荷様ですか?
それとも昔、人だったりした方をお方を祀ってたりする所ですか?


464 :本当にあった怖い名無し:2006/11/23(木) 20:48:51 ID:JeDB8hUv0
お稲荷さんはどうだろう。
形だけのところとかがほとんどみたいだから、あんまり気にしない。
地理的に流れを止めちゃいけないところとかだそうだけれど


地元のは火の神様だって聞いたよ。



465 :本当にあった怖い名無し:2006/11/23(木) 21:13:47 ID:7Axqr+WoO
そっか。
行ってはいけない所の存在が伝わってるってことは、先祖の身に起ったことも伝わってると思ったんだが。



466 :本当にあった怖い名無し:2006/11/23(木) 21:26:01 ID:RAcM7Eji0
プラスもマイナスの霊験も、一切を無力化かよ?



467 :本当にあった怖い名無し:2006/11/23(木) 21:43:42 ID:JeDB8hUv0
>>465
ご先祖、どうだろう。なにかあるか聞いてみるよ。

>>466
単に影響を受けないだけだと思う。



475 :446:2006/11/24(金) 13:06:40 ID:Au4zIGJk0
ばあさまに話を聞いてみたよ。

人にも呪われないし、神様にも祝福されないけれど、
その理由は根っこの部分で呪われているからだそうな。

なんでも、ご先祖が悪い神様をこらしめるために、神様の左腕を切り落としたそうな。
すると、神様の左腕から溶岩が噴出してしまったと。
ご先祖様は、これはやばいと思い、とっさに切り落とした腕を食らったそうな。

腕を食らったおかげで焼けずにすんだけれど、
以来あんまりにも不吉なもんで、幽霊も神様も呪いも祝詞も近寄ってくれなくなったそうです。


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今日ここで、私が9年前から苦しめられつづけている、
後悔と恐怖の記憶を、
この話を見た人に、ほんの少しづつ持っていってもらえればいいなと思い、
ここにこうして書かしてもらいます。

実際になにかが憑くわけではありませんが、
そう記述する事で、私自身の記憶の影がほんの少しだけ明るくなるので・・・。





9年前の体験、それは私は某保険会社に入社し、3年目に突入した矢先の出来事でした。
私は係長になり、4人の部下が居て、
その中の3人(I君T君Yさん)は一週に2回、欠かさず飲みに行くくらいの仲でした。
残りの一人はこの物語には関係無いので省略させてもらいます。


その日も私達は4人で行き付けの居酒屋で食べた後、
割り勘で支払いを済ませ帰る途中でした。
いきなりI君が、りんご一個がちょうど入るくらいの大きさの、
見るからにぼろぼろな木箱を取り出して見せました。

それは変なしかけのある箱で、以前流行ったルービックキューブのように、
色(木目)がきちんと合うようにそろえると開く、と言う箱でした。

彼の言うには、父からもらったもので、ずいぶん昔のものらしいです。
なんでも、戦争前からあったそうです。

「父は開けれないし、どうせ戦後の焼け跡で拾ったものだから、と僕に譲ってくれました」と言ってました。
その箱を彼は、二世代隔てた今でも未だに開けられずにいるそうです。

僕はその箱を見たときから、なんとなく言いようの無い悪寒を感じていました。
僕は霊感があるほうなのでしょうか、
時々、上半身と下半身の釣り合いがとれてない人とか、
足の足りない(もしくは無い)小動物等を見かけることがあるのです。

なので僕は、T君とYさんが代わりばんこに
その木箱の節目をずらしたり、引っ張ってみたりしているのを見ていて、なぜかひやひやしていました。
開け放ってしまうことを、僕の霊感が恐れていたんだと思います。


結局、その日はその木箱は開きませんでした。
店を出て、帰りのタクシーがつかまるまでの5分間くらいしか時間が無かったので、さすがに無理でした。
その後、その日は全員何事も無く帰宅しました。


次の日にI君が、前日私以外の2人に好評だった木箱を会社に持ってきて、
昼休みにデスクワークをしていた私の元へ、Yさん、T君を連れてやってきました。
私はその途端、付き合いが悪いと思われるのを覚悟で、彼らに忠告しました。
「その箱は、開けないほうがいいと思う」と。

彼はいぶかしげな顔をしながら、僕に「兄と同じことを言うんですね」と返しながらも、
得意げに「きっと近いうちに開けて見せますよ」と言いました。
そしてデスクワークをしている私に気を使い、それきり昼休みは話しませんでした。


その日の仕事が終わった後、4人で桜見をしようと言うことになり、
近くの公園で、Yさんのお母さんの差し入れで筑紫のお吸い物をすすりながら、桜を堪能していました。
そんなときにT君が、
「この素晴らしい風景を、四人一緒に写真に収めておこう!」と言って、ポラロイドカメラを出し、
それでひときわ幹の太い立派な桜をバックに写真を撮りました。
見事なな写真が撮れました。

でも、変なのです。
夜だから余計な光が入る心配も無し、
開けた場所だからフラッシュが反射して変色する心配も無いんですけど、
写真がなんとなく薄い赤色を全体的に帯びているのです。

T君は「こういうこともあるさ」と言って、もう一回全員で写真を撮りました。
しかし、またも同じ現象が起こったのです。
T君は「広い範囲で撮るから、余計なものが入るのかもしれない。
フィルムに余裕はあるし、一人づつ撮ろう」と言って、私、Yさん、I君、T君の順番で撮ることになりました。

まず、私の撮影です。コレはうまく行きました。
つぎのYさん、うまく行きました。
問題はそのつぎのI君でした。
1度目で撮れた写真は、さっき撮ったのよりなんとなく赤みが強くなっているように見える写真でした。

そこでもう一回。
今度はなんだかI君の周りに赤ではなく、
黄色に近い色の薄いビニールのようなものが写っている写真でした。
気味悪がりながらも、Iくんはもう一回撮るようにT君にお願いしました。
そして出てきた写真を見て、
T君は「なんだあ、なんか変だ!」と言って、私達のほうに駆け寄ってきて、その写真を見せました。

その内容はかなり凄惨なもので、
I君の手や顔はほとんど隠されるほどに、数え切れないほどの黄色い手が
I君の体に四方八方から絡んできて、
さらに、I君の体の黄色の手に絡まれていない部分(下半身)も、鮮烈な赤色に染まっていました。

I君はこれを見せられた後、一つの事実を告白しました。
その内容は次のようなものでした。

「今日、昼休みの後、
印刷室でコピー気を回してる間、木箱をいじっていたら、ついに木箱が開いたんですよ。
だけど、中からはぼろぼろの布袋が出てきて、それに『天皇ノタメ 名誉の死ヲタタエテ』って書いてました。
開けてみたら、大量に爪と髪の毛の束が出てきて、不気味だから焼却炉に捨ててしまいました」


私達はすぐにそれをお寺に持っていって、
その話をして、写真を供養してもらえるように頼んだんですけど、
お寺の住職さんは、

「あなたのしたことは、とても危険なことです。
あなたがたの持ってきたその写真を供養しても、霊の怒りは静まりません。
その木箱を持っていらっしゃい。
それを供養してあげれば、中に閉じ込められていた魂も救われます。
ぜひ持ってきてください」

と言って、寺の住職はひとまず今日は帰るように促しました。
しかし結局、I君と会うのはその日が最後になりました。


次の日の朝、I君が昨日の帰宅途中、自宅近くで自動車に衝突され、
胴体が切断され、下半身は炎上する車のタイヤに巻き込まれたまま一緒に焼け焦げ、
上半身はそこから20メートルくらい離れたところにあり、即死だったとのことです。


その日、私とT君とYさんは、彼の母親から木箱を譲ってもらい、
それを寺の住職さんのところに持っていきました。
しかし寺の住職さんは、
「この箱は怨念そのものです。それも、もはや人のものではなくなっています。
この霊たちの怒りを静めるのは難しいです。
供養して差し上げたいですが、時間がかかります。それでもよろしいですか?」
と言いました。

I君が霊に憑かれる行いをしてから、
たったの半日で命を落としたのを見ている私達は、それではいけないと思い、
自分達で読経を覚えることにしました。


その年の12月、私達が霊の恐怖を忘れかけていた頃になって、Yさんが火事で亡くなりました。
発火の原因は、ストーブの不完全燃焼だったらしいです。
残された私とT君は気味が悪くなり、会社に転勤を希望しました。
事が起きたこの地を離れれば、霊たちも私達のことを追って来れないのではないか、と思ったからです。

しかし、考えたくありませんが、すでに私と彼のどちらかが憑かれている可能性もあるわけなので、
お互いの了解で、別々の場所に転勤させてもらうことにしました。
しかし、その考えは甘かったと、後から思い知らされることになりました。


それから9年が経過しました。
まさに悪夢のような9年間でした。

T君は転勤後、2年目にして結婚。
その後、一人目の子供が生まれて半月で肺炎で亡くなり、二人目の子供も流産で亡くなりました。
それと同じに、二度にわたる流産でT君の妻も体を悪くし、脳に腫瘍がデキ、
植物人間になって、次第に体力が衰えていき、最後には死に至る重い病気を患いました。
そして、6年目の秋に亡くなったといいます。

T君も精神的に参っていたのでしょう。
翌年の春に、会社の屋上から飛び降り自殺をしてしまいました。


それから2年がたち、現在に至ります。
このごろになって、頻繁に激しい動悸に見まわれるようになりました。
さらに、夢に先に逝った3人が出てくることも度々ありました。

私はこの先どうなるのかわかりません。
今の持病の動悸も、恐怖によるストレスからくる一時的なものでありたいと思いますが、
私を除いた3人がすでに他界してしまっていることから、私ももう長くないかもしれません。


この長く読みづらい素人文書を、最後まで読んでくださった人は、
私に憑いている霊を鎮める手助けをすると思って、
手を合わせて簡単な読経をお願いしたいと思います。

「南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」と。



死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?128


836 :第一夜:2006/05/10(水) 13:23:57 ID:0zfG5UVO0
へへへ、おはようございます。流石に皆さん怖い話をしなさる。
今日は生憎天気が悪いようで。あの時も丁度今日みたいな雨空だったな。
あ、いえね、こっちの話でして。
え?聞きたい?そんな事誰も言ってない?はぁはぁ、すみませんね、
私も毎日苦しくて。正直、この話を誰かに打ち明けないと気が狂いそうでして。
それでは、早速暇つぶしにでもお読み下さい…へへへ。


もう10年ほど前になりますかね。
当時、私はとある地方の寂れたスナックで働いてましてね。
そこで、店の女の子の1人と良い仲になっちまったんですよ。ま、良くある話です。へへへ。
アパートに同棲してまして。
スナックのママも他の従業員もみな承知の上でしてね。
まぁそこそこ気楽に楽しく暮らしてましたわ。

しかし、この、仮に晴美としましょうか。 晴美はかなりのギャンブル狂でして。
パチンコ・競馬・競艇・競輪・ポーカー・マージャン、なんでもござれでして。
これが勝ちゃ良いんですが、弱いんですよ。
賭け事にも才能ってありますよね。 案の定、借金まみれになっちまった。
それでも何とか、働きながら返してたんですよ。
え?私はどうかって?私はあなた、ギャンブルなんてやりませんよ。
そんな勝つか負けるか分からないのに大金賭けられますかいな。以外に堅実派なんですよ。へへへ。

…話を戻しましょうか。

同棲しだして、2年ほど経った頃でしたかね。とうとう、にっちもさっちも行かなくなっちまった。
切羽詰まった晴美は、借りちゃいけない所から金借りちゃったんですよ。
まぁヤクザもんですよね。

ある夜、アパートに2人でいる時に、男が2人やって来ましてね。見るからにそれモンですよ。
後は大概、お分かりですよね?TVや映画で良くある展開と同じですよ。
笑っちまうくらい同じです。
「金が返せないのなら風俗に沈める」の脅し文句ですよ。
それでも晴美は、「1週間、1ヶ月待って下さい」と、先延ばししながら働いてましたよ。

え?私?
私は何も出きゃしませんよ。ヤクザもんですよ?とばっちりは御免です。
え?同棲しておいてそれはないだろうって?
はぁはぁ、ごもっとも。
でもね、皆さんも、いざ私のような環境に置かれると分かりますって。





837 :第二夜:2006/05/10(水) 13:25:14 ID:0zfG5UVO0
ある夜、いつもの様にアパートに取立てがやって来ましてね。
ところがちょっと様子が違うんですよ。 幹部って言うんですか?お偉いさん来ちゃいまして。
一通り晴美と話した後、つかつか~と私の方にやって来まして、「お前があいつの男か?」と聞くんですよ。
ここで「違う」とは言えませんわね。
認めると、「お前にあいつの借金の肩代わりが出来るのか?」と聞くんですよ。
出来るわけないですよ。
その頃には借金、1千万近くに膨れ上がってましたからね。当然無理だと言いましたよ。
そしたらその男が、あぁ、今思えば北村一輝に似た中々の良い男でしたね。あ、へへへ、すみません。
話を戻しましょうか。


その男が、「ならあの女は俺らがもらう」ってんですよ。
仕方が無いな、ともう諦めの境地でしたよ。私に害が及ばないのであれば、どうぞご自由に、と。
え?鬼?悪魔?鬼畜?
はぁはぁ、ごもっとも。
でもね、水商売なんて、心を殺さないとやってけないんですよ。
晴美に惚れてたならまだしも、正直体にしか興味ありませんでしたからね。
え?やっぱり鬼畜?はぁはぁ、結構です。


それでもって、男が妙な事を言い出したんですよ。
「あの女の事を今後一切忘れ、他言しない事を誓うならば、これを受け取れ」と言うと、
私に膨れた茶封筒を差し出したんですよ。丁度百万入ってましたよ。
でもね、嫌じゃないですか。ヤクザから金もらうなんて。
下手したら後で、あの時の百万利子つけて返してもらおうか、何て言われちゃたまりませんからね。
断りましたよ。

そしたら、その幹部の連れのチンピラが、ポラロイドカメラでもって私を撮ったんですよ。
そしてその幹部が、「この金を受け取らなかったら殺す」って言うんですよ。
何で私がこんな目に、と思いましたよね。
渋々受け取りましたよ。
そして、「もし今後、今日の事を他言する様な事があれば、お前が世界のどこにいても探し出して殺す」と。
その時、私は漠然とですが、晴美は風俗に沈められるのでは無く、
他の事に使われるんだな、と思ったんですよ。
もっと惨い事に。



838 :第三夜:2006/05/10(水) 13:26:40 ID:0zfG5UVO0
晴美はある程度の衣服やその他諸々を旅行鞄に詰め込み、そのまま連れて行かれました。
別れ際も、私の方なんて見ずにつつ~と出て行きましたね。結構気丈な女なんですよ。
1人残されたアパートで、私はしばらくボーッとしてました。
明日にでもスナック辞めて、どこかへ引っ越そうと思いましたね。
嫌ですよ。ヤクザに知られてるアパートなんて。

ふと、晴美が使っていた鏡台に目がいったんですよ。
リボンのついた箱が置いてあるんです。
空けて見ると、以前から私の欲しがってた時計でした。あぁ、そういえば明日は私の誕生日だ。
こんな私でも、涙がつーっと出てきましてね。
その時初めて、晴美に惚れてたんだな、と気がつきました。

え?それでヤクザの事務所に晴美を取り返しに行ったかって?
はぁはぁはぁ、映画じゃないんですから。これは現実の、しょぼくれた男のお話ですよ。


翌日、早速スナックを辞めた私は、百万を資金に引っ越す事にしたんです。
出来るだけ遠くに行きたかったんで、
当時私の住んでた明太子で有名な都市から、雪祭りで有名な都市まで移動しました。
そこを新たな生活の場にしようと思った訳です。


住む場所も見つかり、一段落したので、次は仕事探しですよ。
もう水商売はこりごりだったので、
何かないかなと探していると、夜型の私にピッタリの、夜間警備の仕事がありました。
面接に行くと、後日採用され、そこで働くことになったんですよ。

それから約10年。飽きっぽい私にしては珍しく、同じ職場で働きました。

え?晴美の事?
時々は思い出してましたよ。
あの時計はずっとつけてました。
北国へ来てから新しい女が出来たり出来なかったりで、それはそれで、
楽しくは無いですが平凡に暮らしてましたよ。
私、こう見えてもたま~にですが、川崎麻世に似てるって言われるんですよ。
え?誰も聞いてない?キャバ嬢のお世辞?はぁはぁ、失礼しました。



839 :第四夜:2006/05/10(水) 13:28:25 ID:0zfG5UVO0
それで、つい1ヶ月前ほどの話です。
同僚のMが、「凄いビデオがある」って言うんですよ。
どうせ裏モンのAVか何かだろうと私は思いました。こいつから何回か借りた事があったので。

そしたらMが、「スナッフビデオって知ってる?」って言うんですよ。
私もどちらかと言うと、インターネットとか好きな方なんで、暇な時は結構見たりするんですよ。
だから、知識はありました。
海外のサイトとか凄いですよねぇ。実際の事故映像、死体画像、などなど。
で、「ある筋から手に入れて今日持って来てるんだが、見ないか?」ってMが言うんですよ。
深夜3時頃の休憩時間でしたからね、
まぁ暇つぶしくらいにはなるだろうってんで、見ることにしたんですよ。
私は、どうせフェイクだろうと疑ってかかったんですけどね。


ビデオをデッキに入れ、Mが再生ボタンを押しました。
若い全裸の女が、広い檻の中に横たわっていました。
髪の毛も下の毛も、ツルツルに剃りあげられていました。
薬か何かで動けなのか、しきりに眼球だけが激しく動いていました。
晴美でした。

私は席を立ちたかった。
でも、何故か動けないんですよ。

やがて、檻の中に巨大なアナコンダが入れられました。何か太いチューブの様な物を通って。
大げさじゃなしに、10m以上はあったんじゃないでしょうかね。
それはゆっくりと晴美の方に近づいて来るんですよ。
Mが凄いだろと言わんばかりに、得意げに私の方をチラチラと横目で見てきます。

それは、ゆっくりと巨体をしならせ、晴美の体に巻きつきました。
声帯か舌もやられてるんでしょうか、晴美は恐怖の表情を浮かべながらも、声ひとつあげませんでした。
パキパキと言う、野菜スティックを2つに折った様な音がしました。
晴美の体がグニャグニャと、まるで軟体動物の様になっていったんです。

10分ほど経ったでしょうか。
それが大口を開けました。晴美のツルツルになった頭を飲み込んだんですよ。

「ここからが長いんだ」とMは言い、早送りを始めました。
それは、晴美の頭部を飲み込み終えると、さらに大口を開け、今度は肩を飲み込み始めました。
胴体に達したとたん、テープが終わりました。

「続きが後2本あるんだ」とMが言ったんです。
「もういい」と私は言うと、逃げるようにビルの巡回に戻りました。



840 :第五夜:2006/05/10(水) 13:32:52 ID:0zfG5UVO0
それからなんですけどね、いつも同じ夢を見るんです。
晴美の顔をした大蛇が私に巻きつき、締め付けてくるんですよ。
そして体中の骨を砕かれ、頭から晴美に飲み込まれるんです。
凄まじい激痛なんですが、逆にこれが何とも言えない快感でしてね。
晴美の腹の中でゆっくり溶かされ始める私は、
まるで母親の胎内に戻った様な安心感さえ感じるんですよ。

え?そのビデオはどうしたかって?
Mから私が買い取りましたよ。それこそ、給料何ヶ月分かの大枚はたいてね。
3本全部見て少し泣いた後、私は全てビデオを叩き壊しました。



841 :終夜:2006/05/10(水) 13:34:02 ID:0zfG5UVO0
それで、深夜仕事をしてると、晴美を感じるんですよ。
ビルなどの屋内を1人で見回るでしょう?すると、後ろからピチャピチャと足音が聞こえてくるんですよ。
振り返ると、誰もいない。
でまた歩き出すと、濡れた雑巾が床に叩きつけられる様な音で、ピチャピチャと。
晴美かな、と思うんだけれども、一向に姿を現さないんですよ。感じるのは気配と足音だけ。
そんな事が数日続き、流石に精神的にまいってしまいましてね。
今現在、休暇と言う事で仕事を休んでるんですよ。


3日前です。とうとう晴美が現れたんですよ。
深夜、自宅のベッドでボーッと煙草をふかしていたら、白い煙の様な物が目の前に揺れ始めたんですよ。
煙草の紫煙かな、と思ったんですが、動きがおかしい。
まるで生きてるように、煙がゆ~らゆ~らと形をとり始めたんですよ。
晴美でした。
既に溶けかかり、骨が砕けた全身を、マリオネットの様に揺らし、
まだある方の眼球で、私を見つめてきました。
何かを言いたげに口を動かしていますが、舌が無いのか声帯が潰されているのか、
声にならない声で呻いていました。

どの位の時間が経ったでしょうかね。いつの間にか晴美は消えていたんですよ。
恥ずかしい話、私は失禁と脱糞をしていました。
はぁはぁはぁ、汚くてすみませんねぇ。


次の日の夜も晴美はやってきました。
もう私はね、晴美に呪い殺されてもしょうがないんじゃないか、と思い始めてましてね。
晴美が再び現れるのを、心待ちにしてた部分もあったんです。
やはり、晴美は何か言いたげに口を動かしています。
私は駆け寄り、
「何が言いたい?私はどうすれば良いんだ?
時計、時計、時計ありがとう、
あの時何もしてやれなくてすまない、時計は大事に持ってる、時計は、時計は」
半狂乱のまま、私は叫び続けたんです。

すると、晴美が折れた首を健気に私の方に近づけて、言ったんです。
途切れ途切れながらも、ハッキリと聞き取れました。
「わたし、あんたのこどもほしかったな」

今日も夜が来る。



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