サイケデリック・奇譚

永遠の日常は非日常。

タグ:もの

実話恐怖体験談 拾九段目

360 :1/2:2013/03/22(金) 16:53:12.00 ID:0gaPZEu4O
住んでるマンションで怪異連発中なので話を聞いてくれ。
オカ板は初めてなので力入ってたらゴメン。

5LDKの家族向けの
やや広めのマンションなんだが、今年2月に単身で住んでいた中年男性が失踪した。
昼夜を問わず人の出入りがある家で、彼は「自宅開業の心理カウンセラー」だと説明していた。
実際は、浄霊・除霊・霊媒が生業で、
いわくつきの遺品や人形を引き受けることもあったようだ。
で、問題は彼が消えたあと。

まず、予約したのに
彼にすっぽかされた依頼人が、玄関ポーチ前に人形やら遺品の衣類を置き去りにする。
(オートロックじゃないので玄関先まで誰でも来れる)
14階建てのマンションだが、
全ての階で廊下を走る音や、群集のざわめく声が聞こえるようになった。
棟集会を開いて、地元の神主さんにお祓いして貰ったが効果なし。


361 :2/2:2013/03/22(金) 16:53:13.00 ID:0gaPZEu4O
各戸の内側でも怪異が起きていて、
特に酷い家は立派な仏壇を構えて朝夕のおつとめ(=読経)をしている家。

読経を始めると壁から人のうなり声がして、襖がガタガタ揺れるそうだ。
奥さんとおばあさんが、
「救いを求めているに違いない」と頑張ってお経を聞かせているが、
4ヶ月経ってもちっともよくならないという。

我がは同じ棟の下のフロアだが、
日が沈むと沢山の手が窓をコツコツ叩く音がする。
ずーって石つぶてでも浴びてるような感じ。
以前はなかった。
勇気を振り絞ってカーテンを開けても何も見えない。
しばらく経つと、またコツコツ、コツコツ。
全部の窓とベランダのガラス戸が鳴る。
怖いので家族全員でリビングに寝てます。
大半の住民が同じ部屋で寝ていると聞いた。
背伸びして買った広めのマンションなのに。。

住人がツテを頼って霊能者を頼もうとしても、
「大量の霊は手に負えない」と断られると言っていた。
消えた霊能者も手に負えなくて逃げたか、
気がふれたのか。。
無責任な行為に怒りを覚えるけど、
死んでるかもしれないから悪く言いたくない。



810 :本当にあった怖い名無し:2008/12/06(土) 17:15:14 ID:o5rrNflS0
家は昔質屋だったと言っても、
じいちゃんが17歳の頃までだから、私は話でしか知らないのだけど、結構面白い話を聞けた。

修理が終われば購入を考えているのだろうか、
その客は毎日の様に店に現れ、『修理中』の紙が貼られたラジオをいつも眺めていた。
茶の間から店を覗くと、時折彼と目が合う。
するとにこりと笑いかけてくれる、愛想の良い客だった。
そんな客とは正反対に、彼がお金にならない客と判断してか、
全く接客をしないで
黙々と帳簿を付ける無愛想な親父をみて、喜一はあきれたのをよく覚えている。

『修理中のラジオ』

「喜一、ちょっくら出てくる店頼むぞ」
親父は喜一の返事も聞かずにさっさと出かけて行き、喜一は否応無しに店へとかり出された。
大きなあくびをしながら
店へと出ると、思わずあくびが止まる。『彼』がいたのだ。

喜一に気づき「やぁ…こんにちは」と、彼の方から挨拶してきた。
痩せた優しそうなおじさんだ。
喜一も軽く挨拶をすると、彼はまた骨董を眺め出した。

特別する事も話す事も無い喜一は、ボケっと人間観察をしていた。
すると喜一の視線に気づいたのか、彼の方から話しかけてきた。
「ここはいいね。いい骨董屋だ。品もキレイに監理されている」

そう言われると、骨董屋と言う職に誇りなんて持ってはいなかったが、悪い気はしない。
喜一は気恥ずかしくも礼を言うと、何だか彼と親しくなれた気がした。

そんな彼が、いつからか「あれは何だろう…?」と店の外を指さす様になった。
「あれ?」
店の外は、ただの寂れた商店街通り。
この時間は人も歩いていないのに、彼は何に反応したのだろう?
首をひねらすと彼は、
「いや、いいんだ。田舎町は初めてだからかな。すぐ何でも珍しがってしまうんだ」と言うだけだった。

喜一もその時は気にもしなかったが、

「また、あれが来ているね」

「あれはずっとあの形なのかな?」

「あれはどうして少しづつ近づくのだろう」などと、

彼の発言は、日に日に喜一の好奇心をふくらませて行った。

喜一が「どこどこ?」と店を飛び出すたびにアレは消えてしまうらしく、
喜一は一度も目にする事は出来なかった。


811 :本当にあった怖い名無し:2008/12/06(土) 17:16:32 ID:o5rrNflS0
彼を見る様になって1ヶ月ほど経とうとする頃、久々に店番をしていた喜一の前に彼が現れた。

ところが様子が変だ。
番台にいる喜一の前に立ち、下を向いたまま動かない…
何事か?と思った喜一も、緊迫した空気に飲まれ動けずにいると、ゆっくり顔を上げた彼が、
「ねぇ…あれが見えるかい?」
喜一の顔をじっと見て、冷や汗をかき、必死な顔で言うのだ。
いつもの様に外を指さすわけではなく。

その瞬間、喜一は急に恐ろしくなった。アレが解らないし見えない。
喜一は正直に頭を横に振ると、逃げるように去って行った。

彼はその日を最後に、謎を残したまま現れなくなった。

それから数日後。
はたきがけを手伝わされた喜一は、あのラジオの埃を取り払うと、ふと彼を思いだし店の外を眺めた。
外は何でもない商店街の風景…小さな子どもが縄跳びをしている……

「アレは何だったんだろう…」
独り言の様にぽつりと言うと、親父が帳簿に視線を落としたまま答えた。
「あぁ……迎えか?」

親父はアレを知っていた。

「迎え?何の?」
驚いた喜一を見て、今度は親父が驚いた顔をした。
「四十九日だよ。…おめぇ、あいつが人間に見えたのか?」

そう言うと親父はラジオの前に立ち、
「迎えが来て助かった。
あのまま憑き物にでもなられたら、祓い代もバカにならんからな」と言うと、
ラジオに貼ってあった『修理中』の紙をビッと剥がし、クシャクシャと丸めて捨ててしまった。

修理中のラジオの『修理』の意味と、客では無かった『彼』と、
四十九日かけて迎えに来る『アレ』の正体がようやくわかった喜一は、ふと思う。
「あのとき自分は、何に恐ろしくなったのだろう?」と。


関連記事
喜一じいちゃんの話 1
喜一じいちゃんの話 2 ~夕暮れの壷~ 
喜一じいちゃんの話 3 ~赤子火鉢~
喜一じいちゃんの話 4 ~見せ物小屋~
喜一じいちゃんの話 5 ~なきにんぎょう~
喜一じいちゃんの話 6 ~銀時計~
喜一じいちゃんの話 7 ~電話機~
喜一じいちゃんの話 8 ~人魚職人~
喜一じいちゃんの話 9 ~骨董男~
喜一じいちゃんの話 10 ~修理中のラジオ~

不可解な体験、謎な話~enigma~ Part38

304 :本当にあった怖い名無し:2007/04/19(木) 12:23:59 ID:mArsrUAv0
家は昔質屋だったと言っても、
じいちゃんが17歳の頃までだから、私は話でしか知らないのだけど、
結構面白い話を聞けた。

『骨董男』

その日の喜一は店番をしていた。
喜一がレジ台に顎を乗せて、晴天の空を恨めしそうに見上げていたとき、
「もし、坊やここの主はどこかね?」
喜一はビクっと体を大きくはねらせた。

全く人の気配が無かったのに、急に太った男が店の前に現れたのだ。
「えっと、親父は骨董市に出かけてて、夜まで戻らないよ」

喜一の言葉に、男は急に挙動不振になった、
「どうしよう…どうしようか?…いやしかし…」
男は何やらぶつくさ言い出した。
男はもう水無月になると言うのに、大きな虫食いだらけのコートを羽織り、帽子を深くかぶっていた。
男の成りを見て喜一は、
こいつは金に困ってガラクタを押し売りに来たタイプだな、
動きがせわしないのは、きっと取立にでも追われているのだろう、と喜一は考えた。

男の独り言は、まるで相談の様。
「どうする?しかし時間が無いぞ、
この子に任せてはどうだろう?でもこんなガキに全てを任せるのは…」
喜一は男の態度にイライラし、
「おじさん、
冷やかしなら帰ってくれよ。今は買い取り出来ないからさ」
喜一がきつく言うと、
男はガラクタがあふれ出るパンパンのカバンを悲しげに見つめて、無言で出て行った。

その日の夕方、「おいキー坊」。店に駐在さんがやってきた。
「なななな何俺何にもしてないよ」
身に覚えは無いが、喜一は体を強張らせた。

「はは、お前に用はねぇよ。親父さんいるかい?」
今日の親父は人気物だ。

「夜まで戻らないけど、親父がどーしたの?」
喜一の声に、
「そうか、困ったな。
たぶんお前さんちの落とし物だと思って持ってきたんだけどよ、
確認の使用がねぇな」

髭をさすりながら駐在さんが荷車で運ばせた物は、昼にきた客の持ち物だった。
持ち物だけじゃない。
服、靴、帽子全てだった。
「こんな骨董品扱ってるのなんて、お前さん家ぐらいだろう?
でも、落とし物としては不自然でな。
カバンの中だけじゃなく、服の中にまでパンパンに骨董品が詰まっててよ。帽子の中にまでだぜ?」

喜一はごくりとつばを飲んだ。
何かが起こった。
もしくは、起こっていると感じたからだ。
駐在さんには
見覚えがあると言い、荷物を店で預かり、一つ一つを広げてみた。


305 :本当にあった怖い名無し:2007/04/19(木) 12:24:39 ID:mArsrUAv0
乱雑にガラクタが詰まっていた鞄の中から、一つだけ立派な桐の箱が出て来た。
「へその緒か?」
喜一は箱の中が気になったが、
恐ろしさもあったため箱は開けず、親父の帰りを待つ事にした。

夜になり親父が帰って来た。
喜一は店から居間に入り、玄関の親父の元へと走った。
「親父!ちょっと来て!」
喜一の声に、ほろ酔いだった親父の目つきが変わる。

店に入りガラクタの山を見るなり、
「そうか、そうだったか…喜一、俺宛の郵便持って来い」
喜一が何を言うわけでもなく、親父には何か解ったのか、喜一に命令した。

親父はここ3日、
他県の骨董市(一種の寄合)に顔を出していたため、2日分の郵便物が貯まっていた。
親父は一つのハガキを見つけるとため息をつき、

「すまなかったなぁ…」と、ガラクタに向かってぽつりと言った。

親父は数ヶ月程前、旧友の家に招かれた。
古い納屋を近々取り壊すため、中の骨董品を鑑定して欲しいと言われたのだ。
高値で売れれば、
骨董品を頭金に納屋を新調しようとしていたのだが、
どれも商品になる様な物は無く、旧友は納屋の新調を先延ばしにする事にした。
ガラクタばかりだったが、
親父は何かを感じたのか、納屋を取り壊すさい、
「骨董品を引き取らせて欲しい」と言い、旧友も快く承諾した。

ハガキは、『言い忘れていたが、取り壊しを2日後行う』と言う内容の物。
あのガラクタ達は、納屋ごと捨てられるのを恐れ、親父の約束を信じ、ここまでやってきたのだ。

小さな小さな力を集め、ぎゅうぎゅうになってここまで来たが親父は留守。
そして道ばたで力つきたのだった。

「これは?」
親父が桐の箱に気付いた。
「こんな物、あいつの家で見なかったが…」
親父が桐の箱を開けた。
「こいつは…凄いな…」
中には綺麗な石が入っていた。
何かの宝石の様だ。

自分達がお金にならない事を分っていたのか、喜一にはそれが引き取り金に見えた。

「はは…律儀なもんだな」
そう言うと親父は、一つ一つを磨きだした。

ガラクタの中には、何に使うのか分らないような古い道具まであった。
修理された跡があり、大切に使われていた事がわかる。
喜一は後悔した。
昼間の事を。

ガラクタを丁寧に磨く親父の背中を見て
喜一は、物も人にも大切に接すれば、
いつか自分にも、こんな素敵な奇跡が起るだろうか?

そんな事を思いながら、
親父と一緒に遅くまでガラクタ達を磨いたのだった。


関連記事
喜一じいちゃんの話 1
喜一じいちゃんの話 2 ~夕暮れの壷~ 
喜一じいちゃんの話 3 ~赤子火鉢~
喜一じいちゃんの話 4 ~見せ物小屋~
喜一じいちゃんの話 5 ~なきにんぎょう~
喜一じいちゃんの話 6 ~銀時計~
喜一じいちゃんの話 7 ~電話機~
喜一じいちゃんの話 8 ~人魚職人~
喜一じいちゃんの話 9 ~骨董男~
喜一じいちゃんの話 10 ~修理中のラジオ~

不可解な体験、謎な話~enigma~ Part37

562 :本当にあった怖い名無し:2007/02/24(土) 17:48:05 ID:qHMt0DXA0
家は昔質屋だったと言っても、
じいちゃんが17歳の頃までだから、私は話でしか知らないのだけど、結構面白い話を聞けた。

『人魚職人』

「おぉーい喜一」
釣りから帰ったばかりの喜一を、店から誰かが呼んだ。
この声の主は「トチロウおじさん!?」。親父の友人の変人学者だ。

「面白いもん見せてやるよ」
シシシと笑いながら、おじさんは木箱から何かを取り出した。
中から出てきた物に「人魚!?」。喜一は大きな声を上げて驚いた。
それは大根ほどの大きさで、頭は人型、下半身は魚の人魚のミイラだった。

「なーすげーだろ?港町で異人をたまたま助けた礼に貰ったんだ」
何故こんな物を感謝の気持ちにしたのだ?と普通は思うが、
喜一には、大方トチロウがこれを欲しがったのだろう、と推測できた。

話しがトチロウの武勇伝に変わろうとすると、
「で、この紛い物を俺にどーしろって言うんだ」
帳簿を書きながら、まるでおじさんの話しにも人魚にも興味がない様に親父が言った。
「えっこれ偽物なの?」
喜一が目を開いて親父を見る。

「あたりめぇだろ。猿と鯉を繋げた物だ。干物にすれば繋ぎもめだたんからな。
異人にはこう言った物が売れるんだ」
親父の言葉を確かめる様にトチロウの顔を見上げると、トチロウは肩をすくめて、
「残念ながら偽物だ。だけどこういう精巧な作り物は、俺は芸術だと思うんだよ」と言ったが、
芸術に興味のない喜一には、残念でしかたがなかった。

トチロウは人魚を実家に持って帰ったが気味悪がられ、
根無し草なトチロウは置き場所に困り、結局家へ持ってきたのだった。
「頼むよ、預かっててくれ。気に入ってるから売りたくは無いんだ」
懇願するトチロウに親父は少し考え、人魚を手に鑑定をするかのようにまじまじと見だした。
「…おっおい、売らないからな」

心配そうにトチロウが言うと、親父は変わった条件を出してきた。


563 :本当にあった怖い名無し:2007/02/24(土) 17:49:22 ID:qHMt0DXA0
「この人魚の職人を調べて見ろよ。お前好みな事が解るかもしれんぞ。
俺も少し興味があるからな、何か解れば話しを聞かせろよ。それが条件だ」
こんな素っ頓狂な取引に、トチロウはまじめに腕を組んで考えた。

「最近は暇だしな…俺好み…」
悩むトチロウをよそに、親父は人魚を片づけ出す。

「解ったいいだろう。しかし、全く何にも無かったら蔵の商品を一つ貰うからな」

そう言い捨てると、トチロウは親父の返事も聞かず店を飛び出して行った。

親父の口から「好かん」と言う言葉は出なかったが、
親父がこんな事を言うときは、必ず何かあると知っていた喜一は、トチロウを心配した。

トチロウは港を歩き回り数日後、何とか人魚職人を捜し出した。
雨が降っていても、宿も取らずに傘もささずに、聞いた住所の家へと直ぐさま足を運ばせた。
が、家主は留守。
不用心にも鍵がかかっていないのをいい事に、トチロウは早速家の中を調べだした。

もし見つかりでもしたら大事だと言うのに、トチロウの余裕っぷりは場数を物語っていた。
家には細工に使う道具、猿の干物やら薄気味の悪い物が山ほど出てきたが、
トチロウ好みの謎は見あたらなかった。
それもそのはず、探している本人が何を探せば良いのか解らないのだ。

「ふー」と一息つこうとしたときだった。
「て…ててめぇ何もんだ」後ろから太い男の声。
振り向くと、トチロウに庖丁を突きつける男が立っていた。

「少し見ていたが、物取りじゃ無さそうだな…せせせ政府の人間か?」
男はトチロウを前に落ち着かない様子。

「おいおい、俺が政府のお偉いさんに見えるか?
それに、たかが人魚の偽物ごときで訴える人間もいねぇだろぅ?」
トチロウはまるで刃物が見えていないかの様にへらへらと笑う。

男はトチロウの姿がそんなにひどい物だったのか、上から下まで見定めると、
「見たところ丸腰だな」そう言って庖丁を下ろした。

「じゃあ一体、人の家のガギを壊してまでの用ったぁ何だ?」
「鍵?鍵は知らねぇが…ええっと、無病息災に効く人魚様を買いに来たのよ」
トチロウの適当な答えに、
「ウチは出荷はしてるが売りはやってねぇ。周り近所にも人魚細工の事は言ってない。
お前、何処かの港町の商人からここを聞いて来たんだろう?
何故そこで人魚を買わず、こんな町はずれまで来た?
第一、お前が家を詮索している間から、人魚は足下に転がっていただろう?」


564 :本当にあった怖い名無し:2007/02/24(土) 17:50:32 ID:qHMt0DXA0
また怪しまれ、刃物を前に出された。
殺すつもりなら
とっくに刺していると解っていたトチロウにとって、刃物は効果が無かったが、
ここに来た理由をどう言えば信じてもらえるのかを、首をひねらせて考えていた。
この状況で
余裕さえ感じるトチロウの物腰に、男の方が内心怯みかけていると、

「えーっとあれだ。こんな安っぽいのじゃなくて、御利益があるいいヤツが欲しかったんだよ」
また適当に答えたのだが、
意外と確信を付いたのか、男がピクリと反応した。
トチロウはそれを見逃さなかった。

「あるんだろう?とっておきのが?」
相手の顔色を伺いながら話しを作って行った。
「聞いたんだよ。御利益がある特別な人魚の話しを…」

男はトチロウの話しを聞き終える前に、庖丁をトチロウに振りかざした。

かと思えばそのままトチロウの後ろへ行き、
沢山の人魚細工の中から一匹掴むと、そのまま抱えて窓から逃げ出したのだ。
一瞬何が起こったのか解らなかったが、慌ててトチロウは後を追った。

雨の中どれだけ走ったろうか、男がドロに滑り派手に転んだ。

すかさず取り押さえようと男の腕を掴んだとき、水溜まりに転げ落ちた人魚細工が跳ねたのだ。

まるで喜んでいるかの様に、水溜まりの中へ潜って行ったのだ。

トチロウは自分の目を疑ったが、直ぐさま横たわる男を飛び越え泥水の中を手探りで探していると、
「わぁぁぁ」
後ろで男の叫び声がした。

振り向くと誰もいない…さっきまで男が転がっていたのに、どこにもいない。
周りはただっ広い畑で、隠れようがないのだ。

人魚細工も男も消え、土砂降りの中、トチロウただ一人がぽつんと立っていた。


565 :本当にあった怖い名無し:2007/02/24(土) 17:51:10 ID:qHMt0DXA0
手がかりを無くし、
聞き込みも虚しく途方に暮れトチロウは帰って来た。

トチロウの話しをあらかた聞くと、
「ふーんなるほどな、そいつが俺を呼んでいたのかもなぁ」
のんきにキセルをくわえながらそう言う親父に、
「おい、本物の人魚なのか?どーなんだ?」と、トチロウは親父に言い寄った。

「どうと言われてもな、俺はお前の細工物から禍々しい移り香を感じただけだからなぁ。
本物だったんじゃねぇのか…」
適当な親父の答えに不満なのか、トチロウはブツブツと考え込んでしまった。

親父の中では何か納得出来たのか、すでにこの話にはもう興味がない様に、
「木を隠すなら森の中…人魚を隠すなら……」と一言言うと、腰を上げ仕事に戻ってしまった。

「だけどそれじゃあ逆効果じゃねぇのか!?」
親父を追う様に席を立ち、あーでも無いこーでも無いと、いつもの二人の会話が延々と続いたのだった。

こうしてトチロウの人魚細工の事はすっかり忘れられ、「武者事件」まで人魚細工は蔵で埃をかぶるのだが、
その話はまたの機会に……


関連記事
喜一じいちゃんの話 1
喜一じいちゃんの話 2 ~夕暮れの壷~ 
喜一じいちゃんの話 3 ~赤子火鉢~
喜一じいちゃんの話 4 ~見せ物小屋~
喜一じいちゃんの話 5 ~なきにんぎょう~
喜一じいちゃんの話 6 ~銀時計~
喜一じいちゃんの話 7 ~電話機~
喜一じいちゃんの話 8 ~人魚職人~
喜一じいちゃんの話 9 ~骨董男~
喜一じいちゃんの話 10 ~修理中のラジオ~

不可解な体験、謎な話~enigma~ Part36

950 :本当にあった怖い名無し:2007/01/13(土) 12:34:39 ID:Lc2CebrJ0
家は昔質屋だったと言っても、
じいちゃんが17歳の頃までだから、私は話でしか知らないのだけど、結構面白い話を聞けた。

『電話機』

喜一じいちゃんの時代は電話が無かった。
無かったと言っても一般家庭での話しで、お役所や大手の企業等は所有していた。
喜一だって何度か市役所で見たことがあったが、
それでも少年にとっては未知の世界の機械。

ある日、そんな特別な電話機を蔵で発見したのだ。
それはもう、喜一にとっては大事だった。

蔵を飛び出し、ドタドタと縁側を駆け抜け店へと走る。
「何で何で!!電話機が蔵に!蔵に!?」
大興奮の喜一の言葉は片言だったが、親父には充分だった。
「おめぇまた勝手に蔵に入りやがったな…」
じろりと喜一を睨んだが、今の喜一には全く効果は無かった。

「なぁなぁあれしゃべれるんだろ?隣町のじっちゃんとも話せるのかな?」
目をキラキラさせながら話す喜一をしり目に、親父は足の爪を切りながら、
「あほう。家に電話線なんてあるか。
それに電話機ちゅーのは、向こう側にも電話機がねぇと話せねーんだよ」
親父の冷めた口調に、喜一の興奮もあっという間に冷めてしまった。
「この辺で電話機がある所っちゃぁ、市役所、軍の事務所、隣町の呉服屋ぐれーだろ。
どっちにせよ、お前みたいなガキには縁の無い物だな」

ガキ扱いされた上に邪魔だと店を追い出され、すっかり喜一は機嫌をそこねた。
電話機はもう買い手が決まっているらしく、家の蔵にいるのはほんの数週間。
電話機自体壊れていたが、みえっぱりな金持ちの壁のオブジェになるそうだった。
(当時の電話は、壁に掛る大きな物だった)

それでも喜一は、親父の目を盗んで電話機の受話器を取って話しをしていた。
と言ってもただの独り言だ。

「…それで親父はカンカンだし、かーちゃんは大泣きするしで…」

『フフ…』
「え?」
喜一の話に誰かが笑った。
喜一は周りを見渡したが、誰かがいるはずも無い。と言うことは、電話の向こうだ。


951 :本当にあった怖い名無し:2007/01/13(土) 12:36:44 ID:Lc2CebrJ0
「も…もしもーし、どなたですか?」
喜一がおそるおそる訪ねると、
「…申し申し?」
返答があった。

親父のヤツ。
俺を電話機に近づけまいとして、壊れてるなんて嘘を付いたんだな。

そう思った喜一は、嬉しくて嬉しくて電話の向こうに話しかけた。
「こ…こんにちは」
暫くすると、
「こんにちは…声を出すつもりは無かったんだが、君の話が面白くてね。
盗み聞きになってしまったな。すまない」
相手はとても紳士な感じがした。

「そんなこと気にしなくていいよ。それよりさ、そっちは何県なの?」
喜一は電話の向こうが気になって仕方がなかった。
「そうだな…とても遠い遠い所だよ。君の知らない所だ」
彼の答えに、喜一は「外国!?遠いって蘭よりも遠いのか?」
そう聞くと彼は笑いながら、
「そうだねきっと蘭よりも遠いだろう」と答えてくれた。

それから喜一は毎晩、親父が寝静まった後に蔵で電話をした。
電話の話相手は、喜一が受話器を取って「もしもし」と言うと、必ず「申し申し」と答えてくれた。
彼の話はとても面白くリアルだった。

ある日、「おじさんはどんな仕事をしてるの?」と喜一が聞くと、
彼は少し困った様に、
「うーんそうだな。前は人を幸せにする仕事をしていたんだ」。
曖昧な答えに、「幸せって?」と聞き返した。

「まぁいろいろあるけど、たとえばお金とかが良く入るようにしていたよ」
それを聞いて喜一は、かってに銀行関係の人だと思った。
「ふーん、じゃあ今は?」

今度の質問には、少し彼の声のトーンが下がった。
「前の仕事は任期が終わってしまってね。
今は逆の仕事をしているんだ…でも、また暫くすれば、幸せにする方の仕事に戻れるんだけどね」
喜一は考えた。
お金を与える仕事と逆って事は、奪うんだな…

きっとヤクザの取立屋だ!銀行員になったり取立屋になったり。
それは大変そうだと思った喜一は、彼をねぎらったのだった。

そんな楽しい電話生活もあっという間に過ぎ、とうとう明日電話機の受渡と言う日になった。
「申し申し…今日は何だか元気が無いね。どうしたんだい?」
心配されてしまった喜一は、
ここが質屋で、電話を出来るのが今日で最後だと言うことを彼に話し、寂しがった。
「そうか…それは寂しいね。
でもよかった。実は私も、そろそろ自分の仕事を抑えるのが限界だったんだよ。
君に迷惑がかからなくて良かった」


952 :本当にあった怖い名無し:2007/01/13(土) 12:37:18 ID:Lc2CebrJ0
喜一には彼の言っていることが良く解らなかったが、
彼も寂しがってくれている事が解ったので、少し嬉しかった。

「最後に聞きたいのだが、この電話機の持ち主になる家はお金持ちかい?」
彼が不思議なことを尋ねた。
「?うん、お金持ちだよ。
でも嫌なヤツだって親父が言ってたから、明日からは電話しない方がいいかもね」
喜一がそう教えてあげると、
「ハハハ…そうか。それならよかった…また会えるといいね」
彼の言葉に喜一は、
「まだ会ってないよ。いつか会えるといいねだろ?」そう訂正し最後の電話を切った。

翌日、店に電話機の主人になる人が来た。
親父の横で電話機を見送ると、
「お前、ずいぶんと電話機と親しくなったみてぇだな」

喜一は心臓が飛び出るかと思うほど驚いた。
「なっな何のこと」
白を切ろうとしたが、親父にはお見通しだった様だ。
「お前があの貧乏神と仲良くやってくれたおかげで、
受渡まで家に災難は無かったし、むしろ売上上々だったしな」
さらに喜一は驚いた。

「貧乏神!?あの電話が?電話の相手は?」
「おめぇ繋がらない電話に人間が出るわけねぇだろ」
喜一には、電話線と言う物がよく分かっていなかったのだ。

「ねぇ、貧乏神なんか憑いてる物売っちゃっていいの!?」
喜一がハッと気づいて問うと、
「いくら何でも、神さんを払うわけにいくめぇ。
それにあそこの親父は、昔から嫌なヤツだからな。
少し痛い目に遭えばいいさ。
金に困れば、また家に売りに来るだろう。
その頃には福の神に変わってねぇかなぁ」
クククと喉を鳴らした親父は、大きなあくびをして茶の間へと姿を消した。

喜一はあの電話の会話をいろいろ回想していると、思い出した様に茶の間から顔を出した親父が、
「今回は特別に泳がせてやったが、
調子に乗ってまた蔵に入るんじゃねーぞ。
次勝手に入ってみやがれ。裏の木に吊すからな」
そう言ってキッと喜一を一睨みすると、喜一はブルっと身を強張らせた。
親父の恐ろしさを改めて思い知らされた今の喜一には、充分効果があった。

それからあの電話機がどうなったかは解らない。
じいちゃんは初めて電話線が繋がっている電話をとるとき、
「申し申し」とまた聞こえないだろうかと期待したもんだ、と語っていた。


関連記事
喜一じいちゃんの話 1
喜一じいちゃんの話 2 ~夕暮れの壷~ 
喜一じいちゃんの話 3 ~赤子火鉢~
喜一じいちゃんの話 4 ~見せ物小屋~
喜一じいちゃんの話 5 ~なきにんぎょう~
喜一じいちゃんの話 6 ~銀時計~
喜一じいちゃんの話 7 ~電話機~
喜一じいちゃんの話 8 ~人魚職人~
喜一じいちゃんの話 9 ~骨董男~
喜一じいちゃんの話 10 ~修理中のラジオ~

不可解な体験、謎な話~enigma~ Part30

571 :525:2006/01/11(水) 08:41:47 ID:AqisYW3Y0
家は昔質屋だったと言っても、じいちゃんが17歳の頃までだから、
私は話でしか知らないのだけど、結構面白い話を聞けた。

『夕暮れの壷』

おやじは鑑定士の仕事もしていて、依頼の品が大きな物の場合はお客の家まで出かけるため、
喜一じいちゃんはその間店番をさせられた。
店番と言っても目利きが出来るわけでは無いので、
売りに来たお客は明日にしてもらい、買いに来た客の相手だけ。

しかし、田舎の質屋に客なんてほとんど来ない…

ところが珍しく客が大きな荷物でやって来た。
こりゃ売りか鑑定の客だ、と思い
帰ってもらおうとすると、ふろしきをドンっと置き、出て来たのは立派な朱い壷だった。

ボコボコしていて荒々しく、模様かと思えば木々の絵が黒い上薬で描かれていた。
おやじは居ないと言うと、太った客は語りだした。

客は趣味で骨董を集めている方で、
この壷は無名の作家の作品で価値のある物では無いのだけれど、
人によっては全財産を投げ打ってもいいと言い出す人がいれば、ゴミ同然と言う人もいるので、
どう言った物なのか詳しく知りたい。
もし良く無い物なら、どうすれば良いか聞きに来たそうだ。

フーンとまったく壷に興味の無い喜一は、話を聞きながら壷の模様を目で追っていた…
すると、壷から何かが聞こえて来た…。


572 :525:2006/01/11(水) 08:42:21 ID:AqisYW3Y0
客はペラペラ語りだし止まらない。

「…それでね、私は後者側でこの壷の価値が解らないんだけど、
前者の間で勝手に呼ばれている名前があってね…」
喜一が「ヒグラシ!?」と言うと、客はビックリしていた。
「そうなんだ。ヒグラシと呼ばれているんだ!何で判ったんだい?」
客に聞かれたが、喜一にはハッキリと聞こえた。
壷をジーっと見つめるとヒグラシの鳴声が聞こえ、まさに夏の夕暮れそのものだった。

「お客さんコレ駄目だよ!!良く無い物だ。人の魂を吸い取る壷だ。お払いしなくちゃいけない。
危険だからうちで引き取るよ」

喜一は思わず嘘をついてしまった。
喜一もこの壷に魅せられてしまった。何としても手に入れたくなったのだった。
慌てた客は壷を置いて行ってくれた。

喜一は壷を眺めながらとても良い事をしたと思った。
あんな価値が解らない奴が持っているより、ウチにあった方がよっぽどいい。

それに、タダでこんないい物を手に入れられたんだから、おやじも喜ぶだろう…とほくそ笑んでいた。

ところが、帰って来たおやじに喜んで壷の事を説明すると、大目玉を食らった。

「バカやろう。ウチは鑑定屋だぞ。信用が第一なんだ。
そんな事して商品手に入れてたんじゃ、誰が買うってんだ!!
物の価値を決めるのが商売。客の価値なんて誰がつけろって言った!!」
と怒鳴られ、結局壷は持ち主に帰されてしまった。

じいちゃんは、もう一度ヒグラシに出会えたなら全財産投げ打ってもいい、と言っていたが、
戦争になって行方は分らなくなってしまったそうだ。


関連記事
喜一じいちゃんの話 1
喜一じいちゃんの話 2 ~夕暮れの壷~ 
喜一じいちゃんの話 3 ~赤子火鉢~
喜一じいちゃんの話 4 ~見せ物小屋~
喜一じいちゃんの話 5 ~なきにんぎょう~
喜一じいちゃんの話 6 ~銀時計~
喜一じいちゃんの話 7 ~電話機~
喜一じいちゃんの話 8 ~人魚職人~
喜一じいちゃんの話 9 ~骨董男~
喜一じいちゃんの話 10 ~修理中のラジオ~

不可解な体験、謎な話~enigma~ Part30

525 :本当にあった怖い名無し:2006/01/10(火) 00:55:55 ID:RUvjkLBT0
じいちゃんの昔話をします。

家は昔、質屋だった。
と言っても、じいちゃんが17歳の頃までだから、
私は話でしか知らないのだけど、結構面白い話を聞けた。

田舎なのもあるけど、じいちゃんが小学生の頃は、
幽霊は勿論、神様とか妖怪やら祟りなど、非科学的な物が当たり前に信じられていた時代で、
そう言った物を質屋に持ち込む人は少なくは無かったそうだ。
どういった基準で値段をつけていたのかは分らないが、
じいちゃん曰く、
「おやじには霊感があったから、そう言う神がかった物は見分ける事ができたんだ」と言っていた。

一番印象に残った話を書きます。
喜一じいちゃんが小学生の頃の話。

壷や皿、人形に石…蔵は薄暗く物がとにかく多い。
子供心をくすぐられ、おやじに怒られるのを承知で喜一はよく遊んでいた。
中でも喜一が興味をもったのは、竹で作られた笛。
作りは荒くて、誰かの手作りのようだった。

笛何て吹けないのにどんな音が出るのやら?と喜一が吹いてみると、「ぴょろろ~」と音が出た!
ただ音が出るだけじゃ無く、ちゃんと音楽になっていた!
音を変える穴がある笛では無く、只の竹筒の笛なのに、空気を吹込むだけで音楽が鳴り出し、
聞いた事も無い音が蔵中に響いた。


526 :本当にあった怖い名無し:2006/01/10(火) 00:56:59 ID:RUvjkLBT0
不思議だなぁと思い笛を覗き込むと、竹笛の中には綿が詰められていた…

「綿が詰まっているのに音が出るなんて…??」
不思議に思った喜一は綿を抜いて覗いて見たが、只の竹笛である事に変わりは無かった。
もう一度吹いて見ると、ニョロっと白い物が出て来た!?
よく見ると、うどん程の蛇が出て来たのだ。
蛇は笛から飛び出ると、サササっと逃げて行ってしまった。

何が起ったのかよく解らず、ボーっとしていると蔵の扉が開いた。
扉の向こうには、鬼の形相をしたおやじが立っていた…

案の定こっぴどく叱られ、蔵での出来事を話すと、
「笛の音がしたからまさかと思ったら…あぁ~これじゃ商品になりゃしねぇ」と愚痴ると、
おやじが喜一に笛をポイっと投げ渡した。
「もう一度吹いてみろ」と言われ、恐る恐る吹くと音が出ない…

何度強く吹いても、優しく吹いても、空気が吹出る音しかしなかった。

「いいか、お前が逃がしちまった物は、大事な神さんだったんだよ!
これに懲りたら二度と蔵の物に手ぇ出すな!!」
と怒られたのでした。

しかしこの話を聞いた後も、じいちゃんから蔵の商品の話をいくつも聞いたので、
じいちゃんはきっと懲りて無かったんだなぁ…

もう亡くなっちゃったけど、ちん毛を金髪にしたり、味噌汁用の乾燥ワカメをおやつに食べて、
ワカメが胃の中で膨らみ黒いゲロを吐いたり…
愉快な人だった。


関連記事
喜一じいちゃんの話 1
喜一じいちゃんの話 2 ~夕暮れの壷~ 
喜一じいちゃんの話 3 ~赤子火鉢~
喜一じいちゃんの話 4 ~見せ物小屋~
喜一じいちゃんの話 5 ~なきにんぎょう~
喜一じいちゃんの話 6 ~銀時計~
喜一じいちゃんの話 7 ~電話機~
喜一じいちゃんの話 8 ~人魚職人~
喜一じいちゃんの話 9 ~骨董男~
喜一じいちゃんの話 10 ~修理中のラジオ~

http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read_archive.cgi/study/9405/1209619007/-100

1246
名無しさん:2011/04/15(金) 21:22:54 ID:jxtKX2PI0

「シギリギ」

この言葉を聞いたら振り返ってはいけません。
それは、あなたに  
俺がまだ、小学校の頃。この話を聞きました。
先生が話しているのを思い出したので
カキコします。
俺も実際体験しているのでそっちを書かせてもらいます。

俺は、学校行事で肝試しに行くことになった。
俺はその当時から変わっていたから、友達がいなかった訳だけども。
別に昔からそういうことには慣れていたから一人でもよかった。
結局、最後に一人で学校内を探索することになった。

学校のチェックポイントの一部一部に先生を配置しているから、大丈夫だと安心していたんだ。
その時は。

30人もいるから時間がかかる。
皆がぞろぞろと入っていく。チェックポイントを通過すると先生がトランシーバーを持っていて、
「大丈夫です」という。

チェックポイントは5つあって、みんな「大丈夫です」といった。

でも、いつまでたっても出てこない。
「大丈夫です」
「大丈夫です」
「大丈夫です」
「大丈夫です」
「大丈夫です」

最初は、迷っているものなんだろうと思った。
だってまだキャーとかギャーとか叫んでいるから。
聞こえるところもばらばらで、体育館、保健室、2階廊下、男子トイレ、その他etc・・・

でも、一番最後の俺の番が来るまで誰一人として出てこなかった。
先生は心配して一緒についてきてくれた。
俺は、学校を一周して外にでた。
誰とも合わずに。

「やっぱり・・・おかしい。」
先生はまた学校に戻った。俺にトランシーバーを押し付けて。
「そこで待ってな。もしどこかの先生から連絡があったら俺が出てきたとき教えてくれ。」
「先生は?」
「持ってないんだ。頼むぞ。」
そういって学校内へ走って行った。

それからしばらくして、先生は出てきた。
「何のことはない。
みんな階段のところで怖がっていたよ。一人の先生が追いかけすぎたようでね。
みんな怖がって逃げたんだよ。
そしたら一か所で震えちゃったみたいでさぁ。
君もちょっと行ってみてきな?
なんかあったらトランシーバーで連絡しな。」
そういわれた。
俺は安心して、入っていったんだ。

チェックポイントに到着した。
まだ、だれも見ていない。
「大丈夫か?」
「はい特に問題ありません。」

二つ目に到着した。
誰も見ていない。
「大丈夫か?」
「別に変化はないです。」

三つ目、ここは階段のところ。
先生が言っていた。階段のところ。
「       」
よく聞こえなかった。
「シfdsj」
よく聞こえなかった。
「シギリギ」
今度はよく聞こえた。誰の声でもない。

少なくとも俺の知っている声ではなかった。
俺は後ろを振り向かず走った。危ないと、なんとなく感じた。
後ろから追ってくるのがわかる。背中で寒気がした。
ゴンッ!
鈍い音とともに俺は気を失った。

目を覚ましたら、真っ暗な空間にいた。
手元にあったペンライトで周りを照らした。
そしたら、周りに顔があったんだ。
一瞬驚いたけど、よく見たら出てこなかった皆だった。
その中には先生たちもいて、トランシーバーが5つ纏めて置いてあった。
恐らく、これで俺たちのトランシーバーに通信していたのだと思った。
みんな怯えたような顔をしていた。
俺は立ち上がって周りをよく確認した。
そしたら皆毛布みたいなのを掛けているんだ。
そのことに気が付いた友達がそれを確認しようとして。

絶叫した。

叫んだのは、そいつの前にいた女の子だった。
俺も確認して血の気が引いた。
その毛布だと思っていたのは、横に開いた人の皮のようなものだった。
いや、明るいところで見たらもっと分かりやすかったかもしれない。
髪や服まで着て本物のようだった。
そいつの後ろに僅かな明りが見えた。
ペンライトを向けたら取っ手が見えた。
横に引くと、簡単に外に出れた。
そこは体育館の倉庫だった。
今は使われておらず、段ボールでドアの光を遮断した密室だった。
先生も絶叫で目を覚ましたらしく頭を押さえたり目頭を抑えたりして起きた。
トランシーバーも全部回収して、その日はお開きになった。

その日から、あの見に行った先生は学校に来なくなった。
体育倉庫の人の皮も消えていた。
そして誰も、このことを覚えていなかった。
それでお話は終わりです。
いかがでしたか?
このスレを見て久々に思い出しましたよ。

んーでもですねぇ、
まさかそのあと違う学校で同じことを聞くとは思いませんでした。
「死切り着」っちゃぁ恐ろしいもんですね。
あの後気づきましたよ。
俺トランシーバーで誰と話してたんですかね。
トランシーバーっていk


人形の怖い話ありませんか?(ΦДΦ)<三巻目

874 :もしもし、わたし名無しよ:2006/11/09(木) 00:00:57
オクでポチったモヘアウィッグに髪の毛が縫い込んであった。偶然と言うにはあまりにもたくさん。
前出品者もこれがイヤで手放したのか?と疑いたくなる程。
塚、これって製作者『たまごめ』…?




876 :もしもし、わたし名無しよ:2006/11/09(木) 00:09:48
なんか不気味だね…知らない人の毛ってのがまた何とも


877 :もしもし、わたし名無しよ:2006/11/09(木) 00:53:30
>>874です。
件のウィッグは結局処分しますた。
まさかまたオク出しする訳には行かないし、これも一つの勉強(?)だと思って。
ふわふわのモヘアウィッグでうちのお人形(キャストドール)にはとっても似合ってたんだけど、
なにせ金髪の中に黒い人毛(ストレート)が多数…。
本当に気味の悪いウィッグだった。


878 :もしもし、わたし名無しよ:2006/11/09(木) 16:10:21
ふんわりモヘアとて、黒い直毛が混ざっているのがデフォのものもある…
ってのは、野暮な指摘だよね。


879 :もしもし、わたし名無しよ:2006/11/09(木) 16:18:05
さすがに人毛はそれとわかるんじゃないか?


880 :もしもし、わたし名無しよ:2006/11/10(金) 01:35:57
毛糸に縒り込むには人毛は太いもんな


881 :もしもし、わたし名無しよ:2006/11/10(金) 09:58:45
黒ストレートだったから、ぱっと見で人毛と勘違いしたんじゃないのか?


884 :もしもし、わたし名無しよ:2006/11/10(金) 12:44:47
>>880の言う通り太さが違うし、
一本抜いてみたら毛根があったので、人毛に間違いないと判断しますた。
縫い目の荒い手縫いのウィッグでした。

怖い話から離れて来ました。
ごめんなさい。


http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read_archive.cgi/study/9405/1209619007/-100

770
attack:2010/05/24(月) 13:32:38 ID:vZZP/fAM0

誤字脱字許して。

とある田舎村にA君という中学生がいた。
A君には、特によく遊ぶ、B君、C君という同級生がいた。
三人は好奇心旺盛な三人組だ。

ある年の夏休み、A君は、B君、C君と一緒に山を越えてS街へ行き、
一日泊まって、色々遊ぶという、自転車旅行を提案した。
B君もC君も賛成し、村の集会所に集まることにした。

当日、三人は集まった。
A「忘れもんないか~。」
B「ないよ。」
C「俺も。」
B「行こか~。」

S街までは20㎞くらいある。
出発して山を越えているとき、暑いんで休憩をとっていたりして、
山のふもとについて、後2、3㎞くらいだろうか。三人はあまりの暑さに木の下で休んでいた。
しばらくすると、お婆さんが話しかけてきた。

お婆「こんな暑い日にどこに行くんだい。」
A「S街です。」
お婆「こんな暑いのに…、休んでくかい?」
三人「良いんですか?」

ここは関西なので、気前がいいわけだ。
遠慮なく三人はお婆さんについて行った。

お婆「これ食べや。」
三人「ありがとうございます。」
お婆さんにフルーツ杏仁をもらった。(渋っ)
お婆さんの家の付近には、他に家が4件しかない。
三人はお婆さんにお礼を言うと、S街へと向かった。

三人は色々遊んで一日泊まって、お世話になったお婆さんにお土産を買うことにした。
帰り道、お婆さんの家に立ち寄ると、

ピンポーン

ガラガラ

出てきたのはもちろんお婆さん。

お婆「おやおや昨日の…」
三人「お世話になりました。これどうぞ」
お婆「まあお上がり。」
少しだけと言って三人は上がらしてもらった。
茶の間に案内された三人、お婆さんは奥へ行ってしまった。


771attack:2010/05/24(月) 13:37:40 ID:vZZP/fAM0

A「疲れた~。」
C「なんか気持ちわりぃ。」
B「何が?」
C「いや、昨日来た時と、何だか雰囲気が違うんだよな。あのお婆さん。
さっきから怪しい笑みを浮かべて…」
A「お婆さんが来たぞ。」

ススー
襖が開いて、お婆さんが顔を出した。

お婆「これお食べ。」
三人「ありがとうございます。」
C「あの~そろそろお邪魔なんでぇ…」
お婆「いや良いの良いの。もう少し休んでお行き…」
妙な笑みでできる細目が少し気味が悪い。

お婆さんはまた奥へ行った。

C「俺たちを帰らさない気だな。」
B「確かに昨日とは雰囲気が妙に違うよな。」
A「失礼なこと言うなよ。」
B「お前も気持ち悪いんじゃねーかぁ?」
A「まぁ、確かに…。」
C「もう出ようぜ。」
三人は立ち上がった。

廊下を歩く……。

おかしい…。

いくら歩けど玄関にたどり着かない。
それどころかこんなに距離があるはずがない。
とうとう三人は迷ってしまった。
そしてある襖の前に立ち止まった。

B「どうする?」
C「あのお婆さん人間じゃなさそうだ…なぁ。」
A「そうだなぁ。」
C「この中入ってみる?」
A、B「うん。」


772attack:2010/05/24(月) 13:40:17 ID:vZZP/fAM0

Cは目の前にあるふすまを開けた。

………さっきの部屋だ。
B「どういうことだよ!」
A「このまま出れないのかよ。」

三人はどれだけ歩き続けたか。
ふと見慣れない扉があった。

台所だ…。お婆さんはいない。妙な寒さに三人は身震いする。

B「Aがお土産買うなんて言うからこうなってん!」
A「こうなるとは思ってないやろが。」
C「静かにしろ!!うわっ、誰か来た。…隠れろっ!!」
三人は台所の奥にある、襖を開けて中に入って隠れた。
お婆さんが入ってきた。

お婆「あいつら、逃げやがって・・・。まあどうせ、ここから出れんやろう。
それにしてもあいつら、リンゴパイなんか買って来よって…、めまいがするわ…。」

そうして、お婆さんはどこかへ行ってしまった。


773attack:2010/05/24(月) 13:41:45 ID:vZZP/fAM0

三人が部屋から出ると、お土産のリンゴパイがゴミ箱に捨ててあった。

A「リンゴパイで目眩がするって言ってたなぁ。」
C「うわっ!!」
B「どうした??」
C「れ・・冷蔵庫の中…。」
B「おぇっ。」
A「何これ…。」

冷蔵庫の中には、人の頭が入っていた。
骨がところどころ見えている。
体の部分が他に入ってたけど、三人は見るまでも無く扉を閉めた。

A「俺らを食う気やったんや…。」
B「マジでそうや。」
C「アイツはリンゴが嫌いなんかなぁ。」
B「そうや!」

三人はヤツにリンゴをぶつけることにした。それしか方法が浮かばなかった。
リンゴパイのリンゴは比較的、特大サイズだったので、台所にあるおろし金ですりつぶした。
そっちの方が効果が強いと思ったからだ。
まだリンゴに弱いと決まったわけではないが……。

三人が探せど奴は現れない。
むしろそっちの方がいいが、何より、相手を倒すのが先だ。


774attack:2010/05/24(月) 13:44:10 ID:vZZP/fAM0

A「まだかな。」
B「こういう時に限ってなんで出てこんねん。」
C「止まって!」

三人が止まる。
所が足音が続く…。三人は一か八か物陰に隠れた。

ズィ ズィ ズィ

三人(来たっ!!)

三人は各自持っていたリンゴおろしを僅かだが、投げつけた。

ギャーーーーーーーーァ!!!!!

凄まじいうめき声と一緒に奴の動きは止まったが、逆に巨大化してしまった。
その姿に人間の面影はない。化け物が正体を現したようだ。

A「何なんだよ!逆にパワーアップしたじゃねぇかよ。」
B「おい、逃げるぞ!!」
C「…。」
B「C!早く!!」

三人は無我夢中で逃げた。
そしてある部屋に入った。

B「Cのせいで逃げ遅れるとこやったやんか。」
C「アイツの後ろに玄関があったんや。」
A「なんで言わへんかったんや!!」
C「ごめん…。恐ろしさで声が出んかった。」
B「もう一回行ってみよう…。」
C「あれ?」
A「どうした?」
C「リンゴや……。」

テーブルの上にボールがある。
中には、果物が入っている。リンゴも…。
おろし金は台所に置きっぱなしだ。
仕方なく、手で押しつぶした。
リンゴを全部使った。


775attack:2010/05/24(月) 13:45:27 ID:vZZP/fAM0

A「これをかけるぞ。」
B、C「おう。」

何分か、歩いてると、案の定、声が聞こえてきた。 

?「ウギャー…ギャゥ…

段々声がでかくなってきた。

三人(よし!!)

覚悟を決め物陰に隠れた。

?「グア…

B「今だっ!」

Aはリンゴをかけた。

?「ウギャーーーーーァ!!」

三人「今だっ。」

後ろに玄関が見えたので、三人はヤツを追い越して飛び出した。
光が洩れてきた。

A「ふー。」
B「やっと出れた。」
C「おい、逃げるぞ。」
三人は一目散に逃げた。


776attack:2010/05/24(月) 13:46:43 ID:vZZP/fAM0

三人とも帰ってきたときは、高熱で一週間くらい寝込んだそうだ。

その数日後、気になった三人はその家に行ってみると、何も変わりなかったんで、
怖かったが、インターホンを押した。

ピンポーン

誰も出ない。

ピンポーン

ピンポーン

すると、隣の家からお爺さんが出てきた。
お爺「僕ら、何しに来たん?その家空き家やで。」

三人はあれはなんだったんだろうと思った。
三人はあの化け物はリンゴによって化け物の魔力が弱まって、玄関が出てきたんだろうなと思った。
実際は巨大化したんだが…。

帰ろうとして三人が後ろを向いたとき、
窓からお婆さんが怪しい笑みを浮かべてこっちを見ていた。

三人は一目散に村に戻った。
以来三人はそこに寄っていない。


↑このページのトップヘ