サイケデリック・奇譚

永遠の日常は非日常。

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1999年(平成11年)3月23日に発生した、数隻の不審船による日本領海侵犯事件とその逃走時に生起した海上自衛隊および海上保安庁による追跡行の一連の騒動を指す。


【概要】
・能登半島沖において、複数の不審船が目撃された。
明らかな日本領海侵犯であり、海上自衛隊は追跡・警告を続けた。
(当時は集団自衛権がなかったため、威嚇及び警告以外の方法は取れず、またその状況を理解してか不審船の領海侵犯は何度も起きていた)

この時事態は切迫しており、不審船らは、警告射撃や対戦爆弾投下、イージス艦の主砲での威嚇にもひるまず猛スピードで逃走を続けたという。
が、何故か突然停船する。(エンジントラブルの可能性が指摘されている)

このような事態は初めてであったため、政府は初の海上警備行動を発令。追跡を行っていたイージス艇「みょうこう」に立ち入り検査を命じた。

しかしながら、何もかも初めての事態である。
隊員たちには自衛のために急遽銃が配布され、ボディーアーマーがないため分厚い雑誌などをぐるぐる巻きにし、覚悟を決めて立ち入り検査に臨んだ。

北朝鮮の不審船はもうだめだという時は自爆を行う。もし、そのような事態になれば、隊員たちが生還できる保障もなかった。


しかし、不審船は立ち入り検査直前に再び動き始め、結果として立ち入り検査を行う事は出来なかった。

その後も数時間の追跡を経て、不審船は北朝鮮の領海内に逃げ込んでいった。
それ以上の追跡は不可能であった。


また、この不審船には、数名の拉致被害者が乗せられていた可能性が高く、だが、その身元は不明のままである。

この後、この事件を教訓に海上自衛隊では特殊部隊「特別警備隊」が編成されることとなる。


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今考えるとやばい子供の頃の思い出


571 :本当にあった怖い名無し :2007/03/20(火) 10:10:02 ID:80A7PwcD0
今からもう10年以上前の話で、確かではありませんが、5歳ぐらいの頃の事だと思います。

私の住んでいたところは、山奥の村(?)でした。
電気も電話も無く、道さえ舗装されてないような、時代錯誤も甚だしいような場所です。

その村に住んでいたのは、私と私のおじいちゃん、
そして双子のヒサシとトモユキと、そのおじいちゃんおばあちゃんの6人だけでした。

二人は障害を持っていて、
ヒサは口が聞けず、トモは生まれ付いての虚弱体質で、一人ではろくに歩けもしないほどでした。
それでも私たちは仲が良く、いつも一緒に遊んでいました。

ヒサとトモは二人で一つのような存在で、
何処かへ行く時はヒサがトモを背負い、話をする時はいつもトモが喋っていました。
学校は近くになかったし、街へも出た事がありませんでしたが、
勉強は二人のおばあちゃんが教えてくれるので、何不自由なく暮らしていました。


そんなある日、私たちが村の大鳥居のところで遊んでいると、
ヒサたちのおじいちゃんが大慌てで走ってきます。
その顔があんまりに嬉しそうなので、
「何か良い事があったのかな?」
「今日はご馳走かな?」
なんて3人で話していました。

案の定おじいちゃんは、
「今日はめでたいことがあったけんご馳走じゃ」と、私たちを家に連れていきました。

ヒサたちの家に着くと、私のおじいちゃんも待っていてくれましたが、
何故か暗い顔をしていたのを覚えています。
今思えば私のおじいちゃんは、これから起こる事を知っていたんだと思います。

だけどその時は、
「なんで悲しい顔をしてるんだろう?何処か具合でも悪いのかな?」と考えていました。





572 :本当にあった怖い名無し :2007/03/20(火) 10:10:36 ID:80A7PwcD0
食間に通された私たちに出されたのは、黄金色に透き通ったお酢みたいなものでした。
私たちがそれぞれに「何だろう?」と怪訝そうな表情を浮かべていると、
「神様から頂いたありがたいお酒だから、飲みなさい」と、ヒサたちのおじいちゃんが急かします。

ヒサが意を決して飲み干し、そしてトモにも飲ませていましたが、
私はどうしてもその気になれませんでした。

すると後ろに居た私のおじいちゃんが、
「サトコ、お前の分は薄くしてあるけん、めんだな(面倒な)事にはならん。飲め」と言いました。
私はおじいちゃんが大好きだったので、「おじいちゃんが言うなら大丈夫だ」と、
一気にそれを飲み干しました。

しかし、そんな私の信頼を裏切るかのように、途端に目が回り始めました。
定まらない視界をヒサたちの方へ向けると、二人とも既に倒れこんでいるように見えました。
その直後、私も体を支えられなくなり、その場に倒れこんでしまいました。


しばらくして意識を取り戻すと、地面がガタガタと揺れていましたが、すぐに私は車の中だと気付きました。
私たちは一体どうしたんだろう?と考えますが、どうにも朦朧として考えが回りませんでした。
でも、誰かの話し声はうっすらと聞き取れました。

「わーがえなもん(お前みたいな奴)死んだが良かったんじゃ」と声を荒げるのは、私のおじいちゃん。
「やくたいもねこと(しょうもない事)いつまでも」と切り捨てるような声は、ヒサたちのおばあちゃん。
「しちねんぶりのいんび(いみび?)だけん諦め!」と怒鳴るのは、ヒサたちのおじいちゃん。
私たちはこれから何をされるのだろう?
怖くて怖くてたまりませんでした。



573 :本当にあった怖い名無し :2007/03/20(火) 10:11:14 ID:80A7PwcD0
それからどれくらい走ったのか、おじいちゃんたちは車を止めました。
私たち三人を車から降ろして、どこかに連れて行こうとしていましたが、私は怖くて狸寝入りをしていました。
途中までずっと怒鳴っていたおじいちゃんは、
私を抱えながら、「わりしこだった、わりしこだった(すまなかった)」と泣いていました。


暗い納屋のような場所に私たちを寝かせると、
ヒサたちのおじいちゃんは、お経のようなものを読み始めました。
私は、きっと殺されるんだと思い、恐怖で体が震え、体中から冷や汗がどっと噴出しました。
心の中で何度も何度も、おじいちゃん助けて!と叫びましたが、
おじいちゃんは顔を伏せたまま気付いてくれません。


お経のようなものが終わり、ヒサたちのおじいちゃんは、
懐から錆びた小刀のようなものを取り出して私に向けました。

もう駄目だ!
そう思ったとき私のおじいちゃんが、ヒサたちのおじいちゃんに飛びかかりました。

「おじいちゃん!」
私は力の入らない体を、それでも必死に起こしました。
「逃げえ!ヒサもトモももうあかん!お前だけでも逃げえ!」
と取っ組み合いになりながらも、おじいちゃんは叫びました。
私は必死に立ち上がり、出口の方に駆け出しました。

後ろからヒサたちのおばあちゃんが、
「あかん!お前は逃げたらあかんのんじゃ!」
と叫びながら追って来るのがわかりましたが、それでも必死に走り続けました。

おじいちゃんの事もヒサたちの事も心配でしたが、
必死に必死にその建物から飛び出し、海沿いの道を走り続けました。



574 :本当にあった怖い名無し :2007/03/20(火) 10:13:33 ID:80A7PwcD0
どれくらい走り続けたのかは、もう覚えていません。
裸足たった私の足は、皮が破れて血まみれになっていました。
痛みに耐えかねて、よたよたとよろめきながら歩く姿に、何かあったのだと感じたのでしょう。
通りかかったパトカーが止まり、降りてきた警察官が声をかけてきました。

助かった!
私はさっきの出来事を上手く説明出来ないながらも、必死に事情を説明しました。
自分でも、うそ臭い作り話に聞こえるような話し方になってしまいましたが、
なんとか事情を理解してもらう事が出来ました。

私はパトカーに乗せられ、元来た道を警察官と一緒に戻っていきました。
しかし私たちが戻ると、みんなの姿は無く、しんと静まり返っていました。
警察官と二人で二階も探してみましたが、何処にもいなくなっていました。


その後、私は警察署に連れて行かれて、色々な事を聞かれました。
何があったのか、私の名前、住所や電話番号、家族の事。
でも答えられたのは、
『サトコ』という下の名前と、さっき起こった出来事だけでした。

その時まで気付いていませんでしたが、私は両親のことも、住んでいた村の名前も覚えていなかった。
いえ、知らなかったんです。


行方不明の届けにも該当せず、帰る所も身寄りも無い私は、施設に預けられました。
今では7歳の頃に養子として貰われた家で、色々と問題も有るものの、平和に暮らせています。
でも、今でもこの時の事を夢に見て、思い出すことがあります。

おじいちゃんたち、そしてヒサシとトモユキは何処へ行ったのか。
あの時おじいちゃんたちは、何をしようとしていたのか。



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845 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/05 23:20
■発見されたミイラ船
1927年10月31日、カナダ西海岸バンクーバー島。
ワシントンのシアトル港への帰路についていた、アメリカの貨物船「マーガレット・ダラー」号は、
行方不明になっていた小型漁船「良栄丸」を発見した。

ボロボロに朽ち果てた船体、ミイラの転がる甲板、激しい死臭、白骨体、足の無い死体。
船室には、頭蓋骨を砕かれた白骨体とミイラがあった。
船室奥の部屋には、おびただしい血痕が染み付いていた。

船室奥の部屋には、おびただしい血痕が染み付いていた。
船尾の司厨室では、海鳥の白い羽が至るところに散らばっており、
コンロの上にあった石油缶の中には、人の腕が入っていた。
船内には食物も飲料水も無く、エンジン機関部は全て破損していた。

ところが、船長室から見つかった3冊のノートには、信じられない惨状が書かれていたのだった。
そのノートによると、良栄丸の情報は以下の通りだ。


重量は19tで1本マスト
船主は和歌山県の藤井三四郎
船長は三鬼時蔵
機関長は細井伝次郎
乗組員は12名
神奈川県の三崎港を出港したのは1926年12月5日
約1年間漂流していた
ここで疑問が浮かぶ。
発見された死体は9体、記録には12名とある。
3名はどうなったのだろうか。





846 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/05 23:22
■不幸な漁船
1926年12月5日、
神奈川県の三崎港を出港した良栄丸は、千葉県銚子沖にマグロを求めて進んでいた。
天候も思わしくなく、エンジンが調子の悪い排気音を立てていたため、
翌12月6日に銚子港に寄港した。
しかし、エンジンに故障はなく、銚子の沖合いで大量のマグロを水揚げした。
が、暴風に見舞われて航行不能に陥ってしまった。
そして12月15日、銚子の東方沖合い1000マイルほど流された時、
紀州船によく似た船が現れたので、
信号を送ったり船員が叫んだりしたのに、応答も無く通り過ぎてしまったという。

三鬼船長は漂流を決意、
記録には「4ヶ月間は食べられる」と書いてあった。

12月16日にも「東洋汽船」と書かれた船が近くを通ったが、
応答はなかったという。
なんとか日本へ戻ろうと努力したが、どうやっても逆に流されていった。

記録にはこう書かれている。
「どう工夫しても西北へ船は走らず絶望。ただ汽船を待つばかり。反対にアメリカへ漂着することに決定。
帆に風を七三にうけて北東に進む・・・。
しかし、漁船で米国にたどりつこうとするは、コロンブスのアメリカ大陸発見より困難なりと心得るべし」



847 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/05 23:26
■恐怖の記録
ここからは説明は要らないだろう。
記録文のみで充分に迫力が伝わってくる。


「12月27日。カツオ10本つる」

「1月27日。外国船を発見。応答なし。雨が降るとオケに雨水をため、これを飲料水とした」

「2月17日。いよいよ食料少なし」

「3月6日。魚一匹もとれず。食料はひとつのこらず底をついた。
恐ろしい飢えと死神がじょじょにやってきた」

「3月7日。最初の犠牲者がでた。機関長・細井伝次郎は、
「ひとめ見たい・・・日本の土を一足ふみたい」とうめきながら死んでいった。全員で水葬にする」

「3月9日。サメの大きなやつが一本つれたが、直江常次は食べる気力もなく、やせおとろえて死亡。
水葬に処す」

「3月15日。それまで航海日誌をつけていた井沢捨次が病死。かわって松本源之助が筆をとる。
井沢の遺体を水葬にするのに、やっとのありさま。
全員、顔は青白くヤマアラシのごとくヒゲがのび、ふらふらと亡霊そっくりの歩きざまは悲し」

「3月27日。寺田初造と横田良之助のふたりは、突然うわごとを発し、
「おーい富士山だ。アメリカにつきやがった。ああ、にじが見える・・・。」などと狂気を発して、
左舷の板にがりがりと歯をくいこませて悶死する。いよいよ地獄の底も近い」



848 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/05 23:26
「3月29日。メバチ一匹を吉田藤吉がつりあげたるを見て、
三谷寅吉は突然として逆上し、オノを振りあげるや、吉田藤吉の頭をめった打ちにする。
その恐ろしき光景にも、みな立ち上がる気力もなく、しばしぼう然。
のこる者は野菜の不足から、壊血病となりて
歯という歯から血液したたるは、みな妖怪変化のすさまじき様相となる。ああ、仏様よ」

「4月4日。三鬼船長は甲板上を低く飛びかすめる大鳥を、ヘビのごとき速さで手づかみにとらえる。
全員、人食いアリのごとくむらがり、羽をむしりとって、生きたままの大鳥をむさぼる。
血がしたたる生肉をくらうは、これほどの美味なるものはなしと心得たい。
これもみな、餓鬼畜生となせる業か」

「4月6日。辻門良治、血へどを吐きて死亡」

「4月14日。沢山勘十郎、船室にて不意に狂暴と化して発狂し死骸を切り刻む姿は地獄か。
人肉食べる気力あれば、まだ救いあり」

「4月19日。富山和男、沢村勘十郎の二名、料理室にて人肉を争う。
地獄の鬼と化すも、ただ、ただ生きて日本に帰りたき一心のみなり。
同夜、二名とも血だるまにて、ころげまわり死亡」



849 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/05 23:26
「5月6日。三鬼船長、ついに一歩も動けず。乗組員十二名のうち残るは船長と日記記録係の私のみ。
ふたりとも重いカッケ病で小便、大便にも動けず、そのままたれ流すはしかたなし」

「5月11日。曇り。北西の風やや強し。南に西に、船はただ風のままに流れる。
山影も見えず、陸地も見えず。船影はなし。
あまいサトウ粒ひとつなめて死にたし。
友の死骸は肉がどろどろに腐り、溶けて流れた血肉の死臭のみがあり。
白骨のぞきて、この世の終わりとするや・・・」


日記はここで切れている。
だが三鬼船長は、杉板に鉛筆で、以下のような家族宛ての遺書を残していた。


「とうさんのいうことを、ヨクヨク聞きなされ。
もし、大きくなっても、ケッシテリョウシニナッテハナラヌ・・・。
私は、シアワセノワルイコトデス・・・ふたりの子どもたのみます。
カナラズカナラズ、リョウシニダケハサセヌヨウニ、タノミマス。
いつまで書いてもおなじこと・・・でも私の好きなのは、ソウメンとモチガシでしたが・・・
帰レナクナッテ、モウシワケナイ・・・ユルシテクダサイ・・・」



851 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/05 23:27
■奇妙な事実
しかし、記録を調べるうちに、奇怪な事実が浮かびあがった。
数十回に渡って他の船にであっていながら、救助に応答する船は一隻としてなかったことだ。
そして、吉栄丸は太平洋横断の途中、たった一つの島さえも発見できなかったのである。

しかし、アメリカの貨物船
「ウエスト・アイソン」号のリチャード・ヒーリィ船長は、次のように述べている。 

「1926年12月23日、
シアトルから約1000キロの太平洋上で波間に漂う木造船を発見したが、
救助信号を送っても返事が無いので近づきました。
しかし、吉栄丸の船窓や甲板に立ってこっちを見ていた10人ほどの船員は、誰一人として応えず、
馬鹿らしくなって引き上げたのです」

だが吉栄丸の記録にこのことは書かれていない。
一体、彼らにはなにが起こっていたというのだろうか。


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【閲覧注意】
死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?26


918 :1/5:03/02/12 18:36
私が今から話すことは、所謂『オカルト』といった性質のものではない。
しかし、私にとっては本当に洒落にならない経験だった。
だから、かなりの長文ではあるが、ここに書き込むことにする。
霊の類の話を期待している向きには申し訳ないが、しばらくの間、我慢して欲しい。


私は昨年まで外資系の企業に勤めていた。
ある時、私に「C国へ出向しないか」という打診があった。
会社はC国に工場を所有しており、そこの技術者に
日本国内の工場で採用されているシステムを修得させるのが目的の、長期出向だった。
長期とは言っても、現地スタッフによる運用が可能となるまでの、
期間限定の出向だったし、 現地での待遇も、帰ってきてからのポストも、非常に良い条件だった。
私は少し考えた上で承諾した。


C国の工場で引継を終えた夜、私は前任者と食事を共にした。
前任者(仮にT氏としておく)は赴任してから半年後に、健康上の理由から日本への帰国を希望していた。
目の前のT氏は確かに頬がこけていて顔色が悪く、心身共に疲れ切っているような印象だった。

T氏は、現地での生活について様々なアドバイスをしてくれたのだが、
中でも「倉庫の裏にある丘には決して近づくな」というようなことを、ことさら強調した。
私がその理由を尋ねても、T氏は口を噤んだままだった。

やがてT氏は帰国し、私のC国での生活が始まった。





919 :2/5:03/02/12 18:37
C国は最近まで激しい内戦が続き、それが国民の生活に大きな影を落としていた。
工場の周辺は農村地帯だったので、
破壊行為の跡などはあまり見られなかったが、
ゲリラによる虐殺や略奪は、このあたりの集落にも及んでいるようだった。
働き手や財産を内戦で失った家庭などは、日々の生活すらも全く困窮している有様だった。
そんな家の子供は工場へと続く道端で、半ば物乞いのような事をさせられていた。

また、工場に雇われている労働者には、夫を亡くした女が優先的に採用されており、
彼女らの子供は、母親が仕事を終えるまで工場の近くで遊んでいる。
工場の周辺には、そんな訳ありの子供が大勢集まっていた。

私はいつの頃からか、そんな子供達と仲良くなり、
昼休みや仕事がヒマな時などは、彼らの遊び相手になることもしばしばだった。


ある昼休みのことだった。
いつも工場の周りで遊んでいるKという子供が、
「面白い所があるから一緒に行ってみよう」と私を誘った。
「すぐ近くだから」と言うK君の言葉を信じて、
私はK君と彼の妹のSちゃんと一緒に、工場の脇の林に向かって歩きだした。

しばらく木立の中を歩いていくと急に視界が開けて、広い空き地のような所に出た。
K君とSちゃんは、そこでサッカーのようなことをして遊び始めた。

私も混ざってみたけれど、K君のボール捌きはなかなかのもので、
本気にならなければK君のボールを奪うことは出来なかった。

そうこうするうちに昼休みも終わり、私は職場へ戻った。


何日かして、K君とSちゃんと私はやはりあの空き地へやって来た。
その日は、私は木陰でぼんやりとK君とSちゃんの遊ぶ姿を眺めていた。
ふと視線を工場の方に向けると、少し離れたところに倉庫が見えた。
そこで、以前T氏が言っていたことを思い出した。
『倉庫の裏にある丘には決して近づくな』
そういえば、ここの地形は少し盛り上がっていて、丘のような感じがする・・・



921 :3/5:03/02/12 18:38
私は近くにいたK君を呼びかけ、もう帰ろうと誘った。
Sちゃんを探すと、反対側の木立の辺りに立って、何かをジッと見つめているようだった。
見ると、黄色いオモチャのようなモノが落ちている。
それを拾おうとして、Sちゃんはしゃがみ込んだ。
私はSちゃんの方へ足を踏み出し、『帰るよ』と呼びかけようとした。
すると、K君が袖を掴んで軽く引っ張った。
私は思わずK君の方を向いた。

ドンッ!

突然、腹に響くような大きな音がして、私はSちゃんの方を振り向いた。
Sちゃんは地面に倒れていた。
私は急いで駆け寄ったがダメだった。
足や手があり得ない方向に曲がっていて、体の下から血が溢れている。
しばらく呆然と立ち竦んでいた。
が、不意に、Sちゃんの拾おうとしていた黄色いモノが、地雷であったことに気付いた。


もちろん、対人地雷のことはC国に来る前から聞いていた。
子供が興味を持つような色や形の地雷があることも、
世界各国で、それらの犠牲となり、手足を失った子供の写真も見たことがある。
しかし、私には実感がなかった。
情けない話だが、
Sちゃんの無惨な遺体を見るまでは、私の目の前で幼い子供が犠牲になるなど考えてもみなかった。

振り返ると、K君が顔をクシャクシャにして泣いていた。



922 :4/5:03/02/12 18:39
Sちゃんが死んだ丘は、法的には工場の敷地だった。
実際には、地雷の危険性があったということで、立ち入り禁止となってた。
しかし、そこを囲っていた有刺鉄線はとっくに盗まれていた、ということだった。


私はSちゃんの家族に会って謝ろうと思ったが、工場長をはじめ現地のスタッフは皆反対した。
「あれは事故だ。断じてあなたのせいではない」
皆がそう言って私を慰めてくれた。
後に工場長から、Sちゃんの家族には会社から見舞金が渡された、と聞かされた。

私はしばらくの間、自宅で休養した。

工場に戻っても、以前のように子供と遊ぶ気にはならなかった。
K君と会うことも二度となかった。



923 :5/5:03/02/12 18:40
やがて月日がたち、当初の目的を果たした私は、日本へ帰ることになった。
帰国した私は、真っ先にT氏に連絡を取り、会う約束を取り付けた。

T氏は私を見るなり何かに気付いたようで、深いため息をついて言った。
「ご愁傷様だな」

私は少し間をおいてT氏に尋ねた。
「あなたも、あそこで同じような体験をしたんですね」
「ああ、私の時は男の子だったよ。赤い地雷だった」
「・・・その後は?」
「たぶん君と同じだ。一月もすると別の子供が誘いに来た。
行ってみると、有刺鉄線などどこにもなかった」
T氏はひどく悲しそうな目をしていた。
「それからは、ひっきりなしだ。兄弟連れで、何人も何人も・・・」


Sちゃんの家族の手に渡った見舞金。
我々にとってははした金程度のものでも、C国では家族を数年養えるだけの価値がある。
おまけに養う口は一つ減るのだ。しばらくの間T氏と私は、子供達の運命を呪うように黙って俯いていた。



926 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/02/12 18:46
もしかして口減らしのために地雷に・・・?



929 :918:03/02/12 18:50
多分そうだと思う。
考えたくはないけれど。
地雷も持ち込んだんじゃないか、と。



932 :918:03/02/12 18:52
T氏には確信がなかったそうだ。
でも、私の話を聞いて後悔していたのを憶えてる。



939 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/02/12 19:55
なぜ地雷があるってはっきり言えないんだよ、Tのバカ!



943 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/02/12 20:08
同意。
確信が無かったって、「地雷があるよ」って言って
実際は無かったって、殺されるわけじゃなかろーに!!!!
Tのアホ、Tのバカ、Tの人殺し!!
もし一言教えてくれてれば、少なくともSちゃんは死なずに済んだかも知れない!!



946 :魔界一号:03/02/12 20:12
そう、感情的になるなよ。
例えSちゃんは死なずに済んだかもしれないが、海の水をたらいで汲み出すみたいなもんだよ。
根本的な解決にはならない。



969 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/02/12 22:06
大変面白く読めました。

しかし、輸入商社の私から見ると、
「日本の企業(特に工場をもつメーカー)が、そんな危険な地域に進出するだろうか?」と
つっこんで見るテスト。
商社は危険地帯でもガンガン行く事あるけどなー。

作り話なら、なおさら上手いなぁ、と思います。
でも、本当だとしたら…書き込んだ本人が地雷の犠牲者になる可能性を考えると、
Tがこの事を伝えなかったのは…ハッ!!もしや!!



976 :918:03/02/12 22:37
T氏によると、事故の後に丘を調べたところ、地雷は無かったそうです。
私の時は会社の人間で調べたのですが、地雷の捜索は素人には非常に難しい。
現地のNGOに地雷の除去を頼んだらどうか、という意見も出ましたが、結局実現しませんでした。


私見ですが、あの時会社からの見舞金がなければ、K君の家族は全滅していたかもしれません。
その場合、死ぬ順番はやっぱりSちゃんのほうが早かったでしょうね。
本当に、やり切れない思いです。

>>969
そうですか。
国内メーカーは、何と言うか腰が引けていますね。
ヨーロッパ系の会社は、そのへんがシビアというか、政治に介入してでも、
橋頭堡は確保しようとする傾向がありますね。

今思えば、「過去に地雷で事故があった」という一言ぐらいは、あってもよかったような気がします。<T氏
これを見てレスをくれるという可能性は・・・まあ無いでしょうね。

板違いの長文レス、すみませんでした。
あ、口調が変わってますね。



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601 ◆Tly.nEzXF2:2006/05/17(水) 01:53:49
ウチの爺さんのオヤジだか爺さんだか、つまり俺のひい爺さんだかひいひい爺さんだか、
ちょっとはっきりしないんだけど、そのあたりの人が体験したっていう話。
自分が子供のころ、爺さんから聞いた話。
もう爺さんも死んでて、事実関係とか調べようもないんだけど。
 



603 ◆Tly.nEzXF2:2006/05/17(水) 01:56:11
仮にそのひいひい爺さんをG、さんとしておく。

Gさんはある関西の地方都市の人で、
今で言う市役所の戸籍係みたいな、そういう仕事をずっとしてたらしいのね。
当時は市じゃなくて、町だか村だかかもしれないし、
県庁とかの役所なのかもしれないけど、俺には詳しいことはわからない。



607 ◆Tly.nEzXF2:2006/05/17(水) 01:59:28
ともかく、Gさんは戸籍係みたいな仕事で、
仕事柄、町のいろんな人の名前を目にすることができる立場だったらしい。

で、当時まだ大正時代だかそんくらいで、
昔の身分制度の名残りみたいなのが、名前にけっこう残ってたらしいのね。
士族だったらこういう苗字が多いとか、下の名前もこういうのが多いとか。
平民階級でも、やれこの苗字は農民出身だの、
この苗字はたぶん染物屋だの、この苗字はたぶん金貸しの血筋だのって。

まあ、はずれることもあるんだろうけど、
なんとなく傾向みたいなのはあったみたい。



608 ◆Tly.nEzXF2:2006/05/17(水) 02:01:39
で、まあ予想つくかもしれないけど、
そういう名前の特徴がわりとはっきり出ちゃうのは、2ちゃん用語で言うとBの人。
いわゆる被差別B落ね。

当時はもう平民扱いではあるんだけど、やっぱいろいろあったみたいで、
苗字もそれとわかる、変なの名乗らされてる場合もあったみたい。

もちろん、自分がそういうのであることを隠すために、
普通に田中とか佐藤とかって場合もあるみたいだけど。



609 ◆Tly.nEzXF2:2006/05/17(水) 02:04:19
Gさんの町では、やっぱり関西だからなのか、
一部それとわかる苗字の人たちってのが、何種類かいたらしいのね。
こう、仕事がそういうアレの人たちのやりそうな仕事で、その仕事に関係ありそうな
苗字だったりしたみたい。

つっても、この話を聞いたとき自分も子供だったから、詳しくどうっていうのは覚えてないんだけど、
爺さんもそのへんぼかして話してた気がするし。



612 ◆Tly.nEzXF2:2006/05/17(水) 02:08:12
で、話もどすと、
Gさんはあるとき、町に何軒か、ある珍しい苗字の一族がいることに気づいたのね。
これがさ、苗字からすると、士族とか商人とか農民っぽくない、強いて言えば、
神主とかそういう家系っぽい感じの名前。

これは民俗学とかかじるとよく目にする話題だけど、
昔コジキ坊主とか、お払い屋とか拝み屋とか、そういうのをやるBの人ってのは多かったらしい。
江戸時代からそういう風習があるみたい。
まあ、土地持ってる農民とは違うから、
土地を離れて流浪の、お祓いの押し売りみたいな感じなのかな。
で、Gさんが見つけた一族ってのも、いかにもそういう仕事やってそうな名前なわけね。



613 ◆Tly.nEzXF2:2006/05/17(水) 02:11:19
ただもちろん、近代化された後の話だから、
浮浪者ってわけじゃなくて、ちゃんと戸籍があるし住所もある。
ただ、どうも不自然なことがふたつあるの。

ひとつは住所。
どうやら一族はみんな血が繋がってるらしいのに、
(珍しい苗字だし、偶然同じ苗字ってことはなさそう)住んでるところはえらく離れてる。
離れてるって言うよりか、離してあるって感じに。
町の中心的な大通りと、町の外との境目にあたるような、住所にちらばってるのよ。



615 ◆Tly.nEzXF2:2006/05/17(水) 02:13:33
なんていうのかな、町の『入り口』みたいな場所があるじゃん。
昔からあるでっかい道路とかが、町を何箇所か貫いていくとして、
その道路と市街地が接点になるような場所っていうか、円と直径の交点みたいな。
そういう場所が町に何箇所かあるんだけど、そこにそれぞれ住んでる。
ちょうど『門番』って感じに住んでるのよ。



619 ◆Tly.nEzXF2:2006/05/17(水) 02:18:33
それでね、もう一つ不審なことっていうのは、この一族が、とにかくみんな若いうちに死んでるのよ。
今よりも死亡率がずっと高い時代なんだろうけど、
それでも普通に考えてありえないくらいに、新生児の死亡が多い。
10人とか産んで、全部2~3年で死んでるとかそんな感じ。
単に貧乏で衛生事情が悪いとか、そういうのかもしれないけど、町のどの部分に住んでるのも、
一族みんなとにかく死ぬ。
世帯主30歳くらいで、それも病死とか。

そもそもこの死亡届けの多さで、「この苗字の人はよく死ぬなあ」って、Gさんが気づいたのが
話の発端らしいんだけど。



621 ◆Tly.nEzXF2:2006/05/17(水) 02:20:27
それでGさんは最初、何か犯罪があるんじゃないかと思ったんだって。
子供殺して食うとか、血を売るとか。
そういうことを疑うこと自体、Bに対する偏見だったってことに、あとで気づかされるんだけど。



623 ◆Tly.nEzXF2:2006/05/17(水) 02:22:17
たださ、Gさんがいくら怪しいと考えても、誰に相談するべきかわからないじゃない。
一応他人の戸籍とか住所の話だし、
仕事中に勝手に調べて怪しいと思いましたってのも、
今よりもプライバシーとか気にしない時代とはいえ、ちょっとどうかと思って、
誰にいうでもなく、何年かはそのまま放置してた。



625 ◆Tly.nEzXF2:2006/05/17(水) 02:24:37
でもね、同じ月に同じ家の家族が、立て続けに(何日かおきに)3人くらい死んだことがあって、
さすがに怪しいと思ったんだって。

で、じゃあとりあえずこの目で見てこようと。
その住所の家を見てきて、何かおかしなヤツが出入りしてるとか、そういう感じだったら、
警察にいってみようと。
そう考えて、休みの日にその家までいってみることにした。



627 ◆Tly.nEzXF2:2006/05/17(水) 02:27:06
それは夏の初めのすごく暑い日で、
自宅を出てすぐのときは、こんな暑い日にわざわざ行くんじゃなかった。何をやってるんだ俺は。
と思いながらも、歩いていったんだって。
車とかは、金持ちじゃないとなかなか持ってないしね
地方公務員じゃ、徒歩しかなかったんだろうと思う。

ところがね、その該当する家のすぐ近くまで行くと、暑さも和らいできて、
ああちょうどよかったって。



628 ◆Tly.nEzXF2:2006/05/17(水) 02:29:40
と思ってたら、そんな生易しいもんじゃないのね。
その家のすぐ近くまでいったら、なぜかすっごい寒いの。
暑いのに寒いのね。
炎天下で、明らかに日のあたるところを歩いてて、
肌は太陽の光を感じるんだけど、でも寒くてなぜか震えるんだって。

「熱い風呂にいきなり入って、サブイボでるときあるやろ。あれやろうな」って。
これはGさんじゃなくて爺さんの解説だから当てにならないけど。



630 ◆Tly.nEzXF2:2006/05/17(水) 02:31:36
それで、どの家がその住所の家なのかも、探すまでもなかったって。
まあ、さっきも言ったように、大通りに面した町の一番ハズレだから、みりゃわかるんだろうけど、
それ以上に、調べるまでもないくらいに、
『ここに近づいちゃいけない』って感じがするんだって。
ここには何かよくないモノがいる、って感じ。



631 ◆Tly.nEzXF2:2006/05/17(水) 02:36:13
それでも、もう何かに取り付かれたように、その家の庭が見えるところまでいったんだって。
家自体もオンボロの古い家だったんだけど、庭も雑草で荒れ放題なのね。
ただ、貧乏って感じはするんだけど、何か犯罪が行われてるって感じではない。
別に死臭とかするわけでもないのね。
ただ、何かすごくイヤな感じがするし、寒気がするのよ。


おかしいな?こんなにいい天気なのになんで寒いんだろ?って思って、
何気なく家の屋根の上をみたらね。
小さい黒いサルみたいなのが、視界の隅にいるのね。
で、あっと思って、そっちをみたらもういないの。



633 ◆Tly.nEzXF2:2006/05/17(水) 02:38:46
それでGさんは、なんとなく直感的にまず考えたわけ。
この家は何かに憑かれてて、それであんなに死人が出るんだと。
じゃあ、他の場所にある同じ苗字の一族も、みんな何かに憑かれてるのか?
一族まるごと呪われてるのか?と思ったわけよ。

それはそれでおかしな話だし、何かフに落ちないわな。
そこで、そこまでの経緯を、信頼できる上司に相談することに決めたんだって。



634 ◆Tly.nEzXF2:2006/05/17(水) 02:40:44
それで上司に報告して、黒いサルみたいなのを見たことまで、正直にいったのよ。
そしたら上司が深刻な顔をして、「おまえ、それ他に誰にもいうなよ」みたいなことを言うんだって。
上司に「何か知っているんですか」って問いただしたんだけど、
最初はシラをきろうとするんだって。



636 ◆Tly.nEzXF2:2006/05/17(水) 02:45:57
でも食い下がって、一体なんなのかって
しつこく問いただしたら、上司は覚悟を決めて教えてくれたらしい。
「それは○○(町の名前)のニエや」って。


つまりその一族は、町に邪悪な何かとか祟り神とかが入ってきたときに、わざと取り憑かせて、
町を守るための生贄だってことらしいのね。
だから、町の入り口みたいなところに住まわせてあるんだって。
室町だか江戸だか知らないけど、かなり昔から
この町は、そういう役目を被差別Bの人にさせてたらしいのね。
ただ、その一族の人は、それをやらされてるとは知らないみたいなんだって。

何か気づいてるのかもしれないけど、とにかく建前上は、別の理由でそこに住まわせていて、
場合によっては本人たちも気づいてない。
でも気づいてないけど、死人が出たり事故や病気になったりすることは、ほかの家よりもずっと多いと。



640 ◆Tly.nEzXF2:2006/05/17(水) 02:50:07
町によっては、Bに押し付けるとは限らなくて、
何か悪いことをした家とか、お家騒動があった名家とか、町に後から来たよそ者とかに、
そういう役目を押し付けて、ヤバイ場所に住まわせるってことをするんだって。
もちろん本人には教えないで。



641 ◆Tly.nEzXF2:2006/05/17(水) 02:52:29
「今でもそんなんをやっとるところもあるやろから、引っ越しするときは気ィつけなあかんで」って、
そういう教訓めいた話として、爺さんはこの話を結んだ。

それで、一人暮らし始めるときとか、
知らない街の不動産屋さんに、なぜか一軒を執拗に勧められるときは、怪しんだほうがイイみたい。
自分がニエを押し付けられてるかもしれないよ。



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788 :本当にあった怖い名無し:2008/02/18(月) 18:30:40 ID:HEX3Pcn/0
母親の部屋の襖に描かれた壷の絵から、
河童みたいなのが飛び出して去ってった事があったんだよね…
一緒の布団に入ってた妹もその事覚えてるし、母親もその話するといきなり不機嫌になる。

今ではその絵の前に、玄関に置いてあった靴箱を無理矢理置いちゃって、
部屋がとんでもなく微妙なレイアウトになってる。
母の部屋が靴だらけで笑うしかない。


10年くらい前には、何も入ってなかった屋敷神様の祠に、妹が紙粘土で狐の人形を作って入れて、
その直後に妹は狂ったように暴れる、
徘徊癖、部屋に入ると1ヶ月近く何も食べない出てこない…
(屋敷神様の祠の直ぐ隣にお稲荷さんの祠もあるので、妹はこっちも御狐様かと勘違いしたのかも)

これだけじゃないけど…
正直、自分の家なのに凄く怖いです。

知らないおじいさんと子供もいるみたいで、
外にある鉄の階段を上り下りする音が、毎年初夏の早朝聞こえてきたり。
何なんだろう。
とにかく家が歪んでるみたいな気がして怖いです。
外に出かけると稀に脳みそに直接響くみたいな感じで、周りに誰も居ないのに
超至近距離で囁かれたりします。





791 :本当にあった怖い名無し:2008/02/18(月) 20:25:39 ID:Y+qDG4GDO
古い家だったりするの?
それとも曰くのある土地だったり。



792 :本当にあった怖い名無し:2008/02/18(月) 20:28:34 ID:HEX3Pcn/0
788です。
住んでるのは富士山麓・・・
えっと、正直に言うと富士五湖周辺の某地です。
家も古いし、土地も人の住むような場所じゃない所を、無理矢理整地した様な溶岩台地の上に住んでます。
やっぱり土地が悪いのでしょうか。



794 :本当にあった怖い名無し:2008/02/18(月) 20:53:06 ID:HEX3Pcn/0
初めの書き込みがあまりに支離滅裂で申し訳ありません。
もう少しだけ詳しく書きますね…。
連続での書き込みをお許し下さい。


河童っぽいヤツ
→とにかく頭と目が身体に対して物凄く大きい。 サッカーボール程の頭に布切れみたいな身体(?)。
でも地元では、河童信仰というものは全くありません。


祠事件(と我が家では呼んでます)
→妹の部屋の入り口に、おにぎりやお茶を置いても手を付けた形跡全く無し。
いきなり失踪したかと思えば、裸足で河○湖まで素足で徘徊。
親も流石にヤバイと思い、部屋から叫びまくる妹を無理矢理引きずり出して御祓い。
その後は以前よりマシにはなりました。
神主さんに言われて、今でも毎月24日ごろに、
卵やお米等、色んなお供え物をして祠と御社を祀ってます。


家に居る知らないおじいさんの霊みたいなのは、
屋敷神様の祠に住み着いた隣の人の霊だと、御祓いしてくれた神主様に言われました。
(これは話すと長くなります;)


子供は謎です。
夏になると聞こえる足跡が軽いので、子供だと思うのですが…


…書き込みながら色々思い出して、またパニックになりかけてしまいました。
読んで下さった方には、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいですorz



803 :本当にあった怖い名無し:2008/02/19(火) 02:58:26 ID:CwfHQw0B0
794…というか788です
アンカーの付け方を知らないので解り辛いですね;すみません。
私の話に耳を傾けて下さる方がいらしてくれて嬉しいです…
有り難う御座います。


えと、妹は数年前の御祓い後、段々と普通の女の子の様になってきましたが、
その時に中学3年生だったので高校入試に間に合わず、
結局は中卒になってしまい、現在は自宅にて通信教育をして、今までの遅れを取り戻そうと頑張ってます。
(因みに20代前半です)

御祓い等、その時の事は触れないようにしているのですが…
あの時に自分で自分の髪をむしってしまって、今はウイッグで誤魔化してます。
毛根にダメージがいってしまったのか、全然生えてこないんです。髪が。
また…ふとしたきっかけで、今度は別の家族の誰かがああなりそうで怖いです。


屋敷神様の件なのですが、
今の新しい社に変える前の古い社に、何故か隣のお爺さん(かなり昔に亡くなられてる方です)の
名前が書かれた、お札が入っていたそうです。
お彼岸とかでお墓参りする時に、その人のお墓にもお線香をあげに行ってます。


そういえば台所にも、台所の神様に隠しているような感じで、別の神様がいます。
真っ黒い、握りこぶし大のダルマのような神様です。
これといった話は無いのですが、不思議で堪りません。
新米とイワシを食べる日には必ず、この神様にもお供えします。
誰なんだろう?


裏庭にも小さい神様が居るので、ほぼ家の四隅に何かしらの神様を祀ってます。
友達や知り合いに聞いてみたのですが、
屋敷神様や神棚はあっても、私の家の様に沢山は祀っていないそうです。


あと外の鉄製の階段。
その階段を下りると、目の前にお稲荷さんと屋敷神様の社があるので、夜は降りるの怖いです。
霊感が少しでもある人なら、先ずココで気持ち悪い、寒いって思うらしいです。
神様なのになんでだろう…と不安になります。

父の部屋に飾られた刺繍絵の湖の水面が動いたと、家に遊びに来た友達が騒いだ事もありました。


面白い、と思って下さったのなら、勇気を出して書き込んだ甲斐があります。
本当は「これからどうしよう」っていう気持ちでいっぱいなのですが;
今後が心配だし、とにかく怖いです。
毎回長文ですみません。



807 :本当にあった怖い名無し:2008/02/19(火) 03:22:48 ID:bo5iRB1+O
>屋敷神様の祠の直ぐ隣にお稲荷さんの祠もあるので、


これはマズくないの?
祠だから大丈夫なのかね…よく分からんが。ずっと昔からそういう状態なの?



808 :本当にあった怖い名無し:2008/02/19(火) 03:26:03 ID:qa18t4R50
速攻で引っ越す事をお奨めしたいな。
正直、それだけの目に逢っているのに、まだその土地に居るって事そのものが、土地に縛られてる。

隣に何時人を刺すか判らない(しかも刺した事のある)通り魔が住んでいたら、引っ越すしかないだろう?
状況はそれよりも悪い様な気がするな。



810 :本当にあった怖い名無し:2008/02/19(火) 04:54:40 ID:UqA0qGjf0
ケガレチの封印にしか見えん803の家。
もう家族全員が異常に慣れてしまってる感じ。
生贄状態なんだと思う。
家族の誰かが変死しても、それをおかしく思わないようになってくる。
まだ正気が残っている今の内に引越しするのが先決だろう。
手遅れにならない内にね。



死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?100

582 :本当にあった怖い名無し:2005/06/13(月) 21:57:51 ID:vw0jWuEv0
田舎住まいなので、通学するときにはいつも田んぼの脇道を通っていた。
その日も家に帰る為、
いつものように田んぼの脇道を、カエルの鳴声を聞きながら歩いていた。
すると田んぼの中に、ピンク色の割烹着のような服を着た人が立っているのに気が付く。

「ああ、田植えか何かしているんだな」
そう思って良く見てみると、何か動きがおかしい。

片足で腰をクネクネさせながら、
白いビニールの紐のようなものを、新体操をしているかのように、体の回りでグルグルさせている。
何と言うか、フラフープをしているような、そんな動き。

変な汗が、俺の体中からフツフツと湧き出てきた。
しかもソレは片足でケンケンしながら、少しずつコチラに近付いて来ている。





583 :ケンケンちゃん2:2005/06/13(月) 21:59:08 ID:vw0jWuEv0
ゲコゲコと蛙の鳴声が響く夕焼けの田んぼの中で、俺は何故か動けずにソレを見ていた。
腰をクネクネさせて、ピョコピョコとコチラにやって来るソレに、顔は無かった。と言うか見えなかった。
写真でブレた時みたいな、激しく顔を振っている。
そんな感じ。
体は普通に見えるのに、まるで顔の部分だけぼやけていると言うか・・・。

俺は目がかすれたのかな?と思い、
何度も目を擦ってみたが、ソレの顔は相変わらず見えない。
しかも、もう目の前まで来ている。

「ああ、こらもう俺の人生終わったな」
そう思ったと同時に、涙が物凄い勢いで流れた。
目が痛くて開けていられない程に・・・
俺はその痛みと恐怖で気絶してしまったらしく、次に目を開けた時には自宅の布団の中でした。



584 :ケンケンちゃん3:2005/06/13(月) 22:00:37 ID:vw0jWuEv0
そこには俺を囲むように、
親父と祖父、祖母と近所の坊さんが居て、なにやら念仏のようなものを、声を揃えて唱えている。
なんだかその状況が可笑しくて、
「ブフッ!」と吹き出すと、
祖母がグッっと俺の体を押さえ付けて、「ジッとしてろ!」と低い声で言った。


結局それは、俺が目覚めてから1時間程続いたのかな。
その後、祖母に聞いた話しでは、
俺が出会ったアレは『案山子の神様』とかなんだけど、
その案山子は寂しかったのか何か知らないが、俺を自分の仲間にしようとしたらしい。
「連れてかれたら、一生泥の中で暮さなきゃいけねえんだぞ」と、祖母は最後に言いました。

おかげで今でも、田んぼに
案山子がポツンと立っていると、恐くてしょうがないです。



619 :本当にあった怖い名無し:2005/06/14(火) 04:17:46 ID:9kYKDdu50
ケンケンちゃんの話すごく面白かったよ。p(^^)q

で、無粋だけどお願いあるです。
気絶してるあいだの話とか、知ってたら聞きたいんですけど。
その神様の犯行(?)だって事、なんで他の人たち解ったんだろ、とか、きっと初犯じゃないのね、とか
気になるです。



787 :ケンケンちゃん 後日談:2005/06/15(水) 22:46:14 ID:SlWRJvJy0
親父に電話で色々聞いてみました。


気絶した俺を見つけたのは近所の人だった。
田んぼの脇道に人(俺)が倒れていたので、「まさか・・」と近付くと、涙を流したまま倒れている俺。
その目の前に、俺を見下ろすような形で立っている案山子。

「やっぱり」と思い、俺の祖父や坊さんに知らせたそうです。

昔も似たような事件が、何回かあったみたいです。
殆どの人は助かっているそうです。

しかし、発見された時に、目の前の案山子を見つめたままケラケラと笑い続け、
案山子の側を離れようとしない者も、何人かいたそうです。



788 :ケンケンちゃん 後日談2:2005/06/15(水) 22:49:56 ID:SlWRJvJy0
さらに嫌な話も聞いてしまいました。
なんでも昔々の食糧難の時に、その村にいる役立たずの人を食いぶちを減らす為に殺してしまうそうです。

しかし、ただ殺すだけではと、田んぼを荒らす獣除けに、逃げられないように足を片方切断して
白装束を着せ、田んぼに立て掛けた十字型の木に縛り付けてしまう。
片足両手等を縛られて、殆ど身動き出来ないその人は、そこから抜け出そうと体をくねくねさせる。
それを遠くで見る村人は、「あれならあと2、3日は余裕で持つな」と話すそうです。
縛られた人は、大体餓死か日射病?で死ぬが、中には熊や野犬などに食われてしまう人もいるそうです。
(獣除けになっていない・・・)


まあ、そんな非道な事をやってれば、祟りや何だで、その村に色々起ったので、
(ここら辺の事は、親父も祖父に教えてもらえなかったみたいです)
生きたまま案山子にされた人を、『神様』と祭り上げた。

まあ、俺の親父も死んだ祖父も
無類の酒好きなので、何所まで本当か何所までが嘘かわからんです。



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861 :本当にあった怖い名無し:04/11/29 01:47:12 ID:ULDwsM1m
じっちゃま(J)に聞いた話。


昔Jが住んでいた村に、頭のおかしな婆さん(仮名・梅)が居た。
一緒に住んでいた息子夫婦は、新築した家に引っ越したのだが、
梅は「生まれ故郷を離れたく無い」と村に残った。
しかし他の村民の話では、「足手まといなので置いて行かれた」そうだ。


その頃から梅は狂いはじめた。
普通に話しをしているかと思うと、いきなり飛びかかり腕に噛み付く。腕の肉が削り取られる程に。

そんな事が何度かあると、
「ありゃあ、人の肉を食ろうておるんじゃなかろうか」と、村中で噂が広まった。
まだ子供だったJは、
「なぜ警察に言わんのね?」と言うが、「村からキチ○イが出るのは、村の恥になる」と大人は言い、
逆に梅の存在を、外部から隠すそぶりさえあったという。

風呂にも入らず髪の毛ボサボサ、
裸足で徘徊する梅は、常に悪臭を放ち、日に日に人間離れしていった。





862 :733 4-2:04/11/29 01:48:44 ID:ULDwsM1m
村民は常に鎌等を持ち歩き、
梅が近付くと「それ以上近寄と鎌で切るぞ」と追い払う。


そんなある日、2、3人で遊んでいた子供達が梅に襲われ、
その内の1人は小指を持っていかれた。
襲われた子の父母は激怒。
梅の家に行き、棒で何度も殴りつけた。
止める者は誰1人いなかったという。

「あの野郎、家の子の指をうまそうにしゃぶってやがった」


遂に梅は、村はずれの小屋に隔離されてしまう。
小屋の回りはロープや鉄線でグルグルに巻かれ、扉には頑丈な鍵。
食事は日に1回小屋の中に投げ込まれ、便所は垂れ流し。
「死んだら小屋ごと燃やしてしまえばええ」
それが大人達の結論であった。

無論子供達には、「あそこに近付いたらいかん」と接触を避けたが、
Jはある時、親と一緒に食事を持って行った。


小屋に近付くと凄まじい悪臭。
中からはクチャクチャと音がする。
「ちっ、忌々しい。まーた糞を食うてやがる」
小屋にある小さな窓から、おにぎり等が入った包みを投げ入れる。
「さ、行こか」と、小屋に背を向けて歩き出すと、
背後から「人でなしがぁ、人でなしがぁ」と声が聞こえた。



863 :4-3:04/11/29 01:50:18 ID:ULDwsM1m
それから数日後、Jの友人からこう言われた。
「おい、知っとるか。あの鬼婆な、自分の体を食うとるらしいぞ」
その友人は、親が話しているのをコッソリ聞いたらしい。
今では、左腕と右足が無くなっている状態だそうだ。


ある日、その友人とコッソリ例の小屋に行った。
しかし、中から聞こえる「ヴ~、ヴ~」との声にビビリ、逃げ帰った。

「ありゃあ、人の味に魅入られてしもうとる。あの姿は人間では無い。物の怪だ」
親が近所の人と話しているのを聞いた。
詳しい事を親に聞くのだが、「子供は知らんでええ」と何も教えてくれない。


ある夜に大人達がJの家にやってきて、何やら話し込んでいる。
親と一緒に来た友人は、
「きっと鬼婆の事を話しておるんじゃ」。
2人でコッソリと1階に降りて聞き耳を立てるが、何を言っているのかよくわからない。
だた、何度も「もう十分じゃろ」と話しているのが聞こえた。



864 :4-4:04/11/29 01:51:47 ID:ULDwsM1m
次の日の朝。
朝食時に、「J、今日は家から出たらいかん」と父が言うので、
「何かあるんか?」と聞くと、
「神様をまつる儀式があるで、それは子供に見られてはいかんのじゃ」と説明した。


しかたなく2階から外を眺めていると、例の小屋の方から煙りがあがっているではないか。
「お父、大変じゃ!鬼婆の小屋辺りから、煙りが出ておるぞ」
しかし父親は、
「あれは畑を燃やしておるんじゃ。下らん事気にせんと勉強せい!」と、逆に怒られた。


それから数日は、相変わらず小屋に近付く事は禁止されていた。
しかし、ある日友人とコッソリ見に行くと、小屋があった場所には何も無かったそうだ。


884 :733 5-1:04/11/29 20:11:26 ID:v6kaMasJ
小屋が無くなってから数日後、
Jの友人(A)と共通の友人(B)とで集まった時に、
Bが「Cから聞いたんじゃが、なんでも夜中に、鬼婆の霊がCの家の戸を叩きよるらしいで」と話した。


家に帰り、その事を父に伝えると、
「人は死んだら戻って来るでな。なーに、49日が過ぎれば無事成仏するで、気にする事ぁねえ」
「でも、なしてCの家に戻るのね?自分の家に戻りゃあええのに」
「梅さんは少し変わっていたでな。帰る家を間違がえてるだけだで」
とアッサリ言ったので、
Jは「なんだ、あたりまえの事なのか」と思った。


ところがそうでは無かった。
どうもCの親が、くじ引きか何かで梅がいた小屋を燃やす役目になってしまい、
それが梅の恨みを買ってしまったらしいのだ。
それは近所の大人達が、
「Cの家に、またイブシがやって来しゃったらしい」
「小屋を燃やしたもんで、怨みを買うたんじゃろ」と話をしていたのを聞いたからだ。


このイブシ?(聞いた事のない言葉だったので忘れてしまったらしい)という言葉は、
この村だけのいわゆる『隠語』というやつで、
恐らく『幽霊』の意味ではないかとじっちゃんは言った。

大人達は、「梅の霊の事は村民以外には話すな。話すと霊がその人の前にやって来る」と言うので、
それを恐れた子供達は、誰1人として話さなかった。
また、大人達は隠語を使う事により、うっかり他の場所で喋っても、村の恥部が他人に漏れずに済む。
とにかくそこの村民は、自分の村を守る事に必死だったらしい。



885 :5-2:04/11/29 20:12:21 ID:v6kaMasJ
夜な夜なやってくる梅の霊に、Cの家族は疲れてしまったのか、
「わしらも子も眠れんで困っとる。家を出るしか無かろうか?」と、Jの家に相談にやって来た。
Jの父は、
「しばらく家を捨てるしかあるまい。最悪、あの家は一度ばらしなすって、作り直しゃあええ。
その間は家に住みなっせい」
こうしてCの家族は、Jの家に同居する事に。


さっそく自分の部屋で、JはCにこう聞いた。
「なぁなぁ、Cは鬼婆のお化けを見たんか?」
「見とらん。ただ、家のドアを叩く音が毎晩するんじゃ」
「風とかじゃ無かろうか?」
「知らん。最近は耳に布切れ押し込んで寝てまうで、音は聞こえんが、
一晩中電気がつけっぱなしなもんで、全然眠れんわ」



886 :5-3:04/11/29 20:14:28 ID:v6kaMasJ
「おい。今日のイブシ除けは済みなすったか?」と、父が母に指図をする。
イブシ除けとは、いわゆる『魔除けの一種』で、玄関の軒先に、スルメや餅や果物等をぶら下げておくのだ。
この村では、人が死ぬと毎度行う儀式だった。

「朝になると、吊るしておいた食い物が無くなっとるんじゃ」とCは言うが、
「いや、猿に持っていかれたんじゃろうて」とJは否定した。

それでもJは不安だった。
「Cの家族が家に来た事で、鬼婆も家にやって来るんじゃなかろうか?」と、
嫌な予感があった。


そして夜、
Jの隣ではCがぐっすりと寝ている。
耳から詰めた布が、はみ出しているのが可笑しかった。
下の階では、ガヤガヤと大人達の声がする。
しばらく天井をボーッと見ていると、「ドンドンドン」と太鼓のような音が響いた。
同時に大人達の声も、一瞬ピタリと止んだ。

Jの予感は適中した。
梅が家の玄関を叩いてるのだ。
Jはそう思うと恐くなり、ユサユサとCを揺り起こした。
「ううん・・・なんねー」
と寝ぼけるCに事情を説明。
共に震えながら、大人達のいる1階に降りて行く。

大人達はボソボソと何かを喋っている。

Jが怯えながら「お父・・」と言うと、
「気にする事ぁねえで、さっさと寝なっせ」。
またガヤガヤと、大人達は別に気にする事なく、普通にビールを飲みはじめた。



887 :5-4:04/11/29 20:15:39 ID:v6kaMasJ
次の朝、Cと一緒に玄関を出ると、魔除けの食い物が無くなっていた。
「な?俺の言う通じゃろ?」とCが言う。
その事を親に聞くが、「あれは朝1にしまい込むでな」と答えるだけであった。


そしてソレはしばらくの間続いたが、ドアをノックする音がしなくなると、
「ああ、49日が終わったのだな」と思った。
その村では、49日が過ぎるまで墓を作らなかった。
遺体は火葬か土葬をしておき、49日が来るまでは「魂を遊ばせておく」そうだ。

村のはずれには集合墓?があり、村人はここに埋められ墓が作られる。

しかし、梅の墓は別の場所に作られる事になった。
「御先祖様の墓とキ○ガイの墓を一緒にするのは申し訳ない」という理由だそうだ。
死んでもなお村人として扱われない梅に、Jは少し同情したが、
怒られるのが恐いので、口にする事はしなかったそうだ。



888 :5-5:04/11/29 20:17:05 ID:v6kaMasJ
そして、梅の墓は川原に作られた。

墓といっても1、2本の縦長の板で出来た簡易な物で、
さらにその回りには囲いも何も無く、「ただポツンと立っていた」そうだ。
しかも、川のすぐそばに立てられている為、ちょっと強い雨が降ると、増水した川に流されてしまう。
実際梅の墓は、1ヶ月もしない内に流されてしまった。


流されるという事は、人に忘れられてしまう。まさに『水に流す』のである。
流されてしまってはしかたがない。
俺達は悪く無い。
そんな『自分勝手な不可抗力』という名の殺人や非道が、その村ではあたりまえに行われていたらしい。


身内がそばに居ないというだけで、人1人が村ぐるみで消されてしまう恐怖。
そして、それをあたりまえと思う大人達に、Jは恐怖した。
「自分も大人達の機嫌を損ねたら、何されるかわからん」と・・・

だから、その村では大人が絶対であり、
いわゆる『不良』と呼ばれる子供もいなく、子供は大人達の従順者であった。


「村落という閉鎖的な場所で、独自的な文化を持つというのは恐ろしい事で、
そこでの常識は常に非常識だった。
あのまま村で大人になったら洗脳されて、あの大人達と同じになっていただろう。
だからお前は、たくさん友人を作って、
色んな人の意見に耳を傾けて、常に自分の行動に間違いが無いか疑問を持て」と、
死んだじいちゃんは語ってくれた。



328 :小箱 ◆/7qG64DDfc :2005/06/08(水) 22:14:00 ID:0GDcLRRy0
M「そして、13年目に事件が起きた。
その時、全ての箱は1箇所に保管されてたんだが、監視を立ててね。
そして事件が起きた。
11歳になる一人の男の子が、監視の目を盗んで箱を持ち出してしまった。
最悪なのが、それがチッポウだったってこと。
箱の強さは、イッポウ<ニホウというふうに、数が増えれば強くなる。
しかも、出来上がって間もないチッポウ。

箱の外観は分かるよな・・・Sが楽しく遊んだっていうように、非常に子供の興味を引くであろう作りだ。
面白そうなおもちゃを手に入れた男の子は、
家に持ち帰り、その日のうちに、その子を含め家中の子供と女が死んだ。


住民たちは初めて箱の恐怖を、
この武器が油断すれば自分たちにも牙をむくということを改めて痛感した。
そして一度牙をむけば、止める間もなく望まぬ死人がでる。確実に。
そして恐怖に恐怖した住民は、箱を処分することを決めたそうだ」




329 :小箱 ◆/7qG64DDfc :2005/06/08(水) 22:14:15 ID:0GDcLRRy0
M「それからは大体分かるよな。
代表者5人が、俺の家に来たんだわな。そして、俺の先祖に処理を頼んだ。
しかし、箱の力が強すぎると感じた俺の先祖は、箱の薄め方を提案したんだ。

それはJさんの言った通りの方法。
そして、決して約束の年数を経ない箱を持ち込まないこと。
神社側からは決して部落に接触しないこと。
前の管理者が死んだ後、必ず報告をすること。

箱ごとの年数は、恐らく俺の先祖が大方の目安・・・
箱の強さによって110年とか、チッポウなら140年ほど。
箱の管理から逃げ出せないよう、そのルールを作ったんだ。

で、班毎に分かれたあと、一人の代表者を決め、各班にその代表者が届けた。
そしてどの箱をどの班に届けたかを俺の神社に伝え、
俺の祖先が控えた後・・・その人は殺される。
これで、どの箱をどの班がどれだけの年数保管するのかは分からない。
そして、班内以外の者同士が箱の話をするのを、タブーとしたそうだ。

なぜ全体で管理することにしなかったのかは、
恐らくだが、これは俺のじいちゃんが言ってたんだが、
全体で責任を背負って責任が薄まるよりも、少ない人数で負担を大きくすることで、
逃げられないようにしたんじゃないかな?


で、約束の年数を保管した後、持ち込まれた箱を処理したと。
じいちゃんの運の悪いところは、
約束の年数ってのが、じいちゃんとおれのひいじいさんの代に、もろ重なってたってことだ。

箱ごとの約束の年数っていうのは、
法則とかさっぱり不明で、他の箱はじいさんの代で全部処分できたんだが、
チッポウだけはやたら長くて、俺の代なんだよなぁ・・・
まだ先だと思って何もやってなかったけど、真面目にせにゃ・・・」



330 :小箱 ◆/7qG64DDfc :2005/06/08(水) 22:15:10 ID:0GDcLRRy0
M「これで全部だ。箱に関すること。俺が知ってること。
そして、俺が祓ったチッポウは、最初に作られたチッポウだってこと」


それと、Mはさっき電話で、
M「箱の年数は、どうやって決めたのかは分からない。
俺の先祖が、箱について何かしら知ってたのかも知れないし、
AAという人物からそういう話があったら、そうしてくれと頼まれていたのかもしれない」
と言ってました。


以上が昨日の夜の出来事です。
もうね、三文小説のネタにでもなりそうなお話で、
現実に箱事件を目の当たりにした俺も、何がなにやらで混乱してます。



331 :小箱 ◆/7qG64DDfc :2005/06/08(水) 22:15:22 ID:0GDcLRRy0
これ、ホントは掲載するのどうしようか、本気で迷いました。
明らかにタブーなことだろうと思うし、部落の人にとっては絶対外に漏れては困ることでしょうし・・・
ただ、箱は残りふたつってMが言ってました。

チッポウが2。
これは責任持ってMが処理するって言ってたのと、
俺ら4人、話を聞いても謎な部分が多すぎて、皆さんの力を借りたいって思ったから、
掲載することにしたんです。
冒頭で言ってた、『お願いしたいこと』って言うのがそれなんです。
この話読んだ後、なにかこれに関する情報があったら教えていただけませんか?

詳しい地域とか明かせないし、
みんなの名前も怖いから教えられないんですが、俺達の個人的な欲で知りたいんです。

Mの話を聞いても、MとMのとおちゃんにも不明なことは多いらしく、
また、Sとその家族、Kも出来うる限り知りたいと。

Mも「今の時代なら分からない部分が少しは埋まるかも」と。
オカルトチックな話で、信憑性もかな~~~り薄いことだろうと思います。
俺も箱を実際見とらんかったら信じてないと思うしw



332 :小箱 ◆/7qG64DDfc :2005/06/08(水) 22:15:40 ID:0GDcLRRy0
AAが誰なのか、もともとは何処から来たのか?
AAは箱の作り方を何処から知ったのか?
また、AAなる人物はどういう理由で隠岐に居たのかとか、
ハッカイとかいう最初の箱はドコに行ったの?とか、
AAはその後どうなったの?とか、
ハッカイ使ってAAは何をしたの?とか、

隠岐は、京都付近の政治犯が送られて来たってのは習ったんでしってますが、
この箱の作り方が、京周辺にあるものなのか?とか。


これは俺のルーツ知れるかなぁっていう、個人的な欲も含まれています。
父母が生きてた時、父方の先祖は隠岐から来たってのは聞いてたんですが、
詳しいところは不明なんで、俺がAAと関わりあるのかは不明なんです。
妹どもも、もちろん知ってるわけないし、
母方のばあちゃんに聞いてもわかるわけねぇし・・・

歴史に詳しい方、ハッカイとか言う言葉が出てくる郷土史、昔話など、情報でてこないですかね?



333 :小箱 ◆/7qG64DDfc :2005/06/08(水) 22:15:56 ID:0GDcLRRy0
箱の呼び名の由来も不明ですし。
ただ、俺の想像なんですが、
イッポウ、ニホウとかは、『一封』、『二封』~~で、ハッカイって言うのは、『八開』なのかなとも。


俺らの名前、特に俺自身の苗字を明かせない、地域の名前とか肝心な部分を伏せてるとか、
こんな状態でお願いするのはお願いになってないし、失礼だとは思いますが、
何か情報があったらぜひお願いします。
俺自身も、図書館等で郷土史など調べてみるつもりです。

何か分かったら、またここに書き込むつもりです。
よろしくお願いします。



334 :小箱 ◆/7qG64DDfc :2005/06/08(水) 22:16:28 ID:0GDcLRRy0
それと最後に。
最後のMの話なんですが、俺自身の思うところや感想を、
Mの言葉を借りて、勝手に盛り込んでる文章になってるかもしれません。
Mは「こんなかっこつけぇな話し方しねぇよ!」って言ってましたしw

ただ、それほど強烈に心に食い込む話だったんです。
何も思わず、何も語らずってこと、俺には出来ないです。
でしゃばりかもしれませんが、お許しください。


『2重カキコですか?』『連続投稿ですか?』って怒られるほどの長文ですが、
目を通していただけたこと、お礼を申し上げます。

サンクスコ

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320 :小箱 ◆/7qG64DDfc :2005/06/08(水) 22:10:45 ID:0GDcLRRy0
M「それと、たぶんみんな、あの箱の中身が何かを知りたいだと思う。
ここまで話したら、もう最後まで聞いてほしい。
俺も全部は知らんけど、知ってることを話す。 ここはもう箱終わったけん、問題ないと思うし。
正直、残りの箱はあと二つ、
たぶん俺が祓わんといけんもんだけん、俺の決意ってのもある。
それと、S父さんは本来知っておかんといけん話だけん。
それとAは、たぶん今話とかんとしつこいけんなぁw


あの箱はな、子取り箱っていって、間引かれた子供の身体を入れた箱でな、
作られたのは1860年代後半~80年代前半頃。
この部落(俺らの言葉では部落といいませんが、差別用語です)は、
このあたりでも特にひどい差別、迫害を受けた地域なんよ。

で、余りにもひどい迫害だったもんで、間引きもけっこう行われていた。
△▼(地域名です)の管轄にあったんだが、特に△▼からの直接の迫害がひどかったらしい。
で、働き手が欲しいから子供は作るが、
まともな給料がなく生活が苦しいから、子供を間引くと・・・これは一応わかるよな?」





321 :小箱 ◆/7qG64DDfc :2005/06/08(水) 22:11:08 ID:0GDcLRRy0
M「で、1860年代後半かな?隠岐の島で反乱があったのはしっちょるか?
その反乱は1年ほどで平定されたらしいんだけど、
そのときの反乱を起こした側の一人が、この部落に逃れてきた。
島帰りってやつだな・・・
反乱の理由とかは学校で少し習ったろ?隠岐がすごい裕福な土地だったってこととかも。
まぁ、それはいいや。
で、その島帰りの人間、名前がな・・・◎○って言うんだよ」
(俺の苗字と同じでした。なんだか訳わかんね・・・)
◎○⇒以下AAとしますね。


M「AAは反乱が平定されて、こっちに連れてこられた時に、隙を見て逃げ出してきたそうだ。
話によるとだけどな。
この部落まで逃げてきたと。
部落の人らは、余計な厄介ごとを抱えると、さらに迫害を受けると思って、AAを殺そうとしたんだって。
で、AAが『命を助けてくれたら、お前たちに武器をやる』というようなことを言ったそうだ。
その武器って言うのがな、小箱だ。小箱の作り方。
部落の人はその武器がどのようなものかを聞き、相談した結果、条件を飲むことにしたんだ」



322 :小箱 ◆/7qG64DDfc :2005/06/08(水) 22:11:25 ID:0GDcLRRy0
M「AAはもう一つ条件を出してきた。
武器(小箱)の作り方を教えるが、最初に作る箱は自分に譲って欲しいということ。
それが飲めるなら教える。どうしてもダメなら殺せと。
部落の人はそれを飲んだ。
そしてAAは、箱の作り方を教えた・・・
『作り方を聞いてからやめてもいい。そして殺してくれてもいい』とも、AAは言ったそうだよ。
それだけ禍々しいものだけん、この小箱ってのは。
AAも思うところがあったのかもな。
ただ、『やり遂げたら自分も命を絶つが、それでもやらなければならないことがある』
そうAAは言ってたそうだ」



323 :小箱 ◆/7qG64DDfc :2005/06/08(水) 22:11:38 ID:0GDcLRRy0
*箱の作り方
全部載せるとさすがにやばそうなので?いくつか省きますね。


M「それでその方法がな、最初に、複雑に木の組み合わさった木箱をつくること。
これは、ちょっとやそっとじゃ木箱を開けられないようにするための細工らしい。
これが一番難しい作業らしい。
お前らもちょっと見ただろ?あのパズルみたいな箱。
アレを作るんだ。


次に、その木箱の中を、雌の畜生の血で満たして、1週間待つ。
そして、血が乾ききらないうちに蓋をする。


次に、中身を作るんだが、これが子取り箱の由来だと思う。
想像通りだと思うが、間引いた子供の体の一部を入れるんだ。

生まれた直後の子は、臍の緒と人差し指の先。第一間接くらいまでの。
そして、ハラワタから絞った血を。
7つまでの子は、人差し指の先と、その子のハラワタから絞った血を。
10までの子は、人差し指の先を。
そして蓋をする。


閉じ込めた子供の数、歳の数で箱の名前が変わる。
一人でイッポウ、二人でニホウ、三人でサンポウ、四人でシッポウ、
五人でゴホウ、六人でロッポウ、七人でチッポウ。
『それ以上は絶対にダメだ』と、AAは念を押したそうだ。


そして、それぞれの箱に、目印として印をつける。
イッポウは△、ニホウは■といった具合に。
ただ、自分が持っていく箱のハッカイだけは、7つまでの子を八人をくれと。
そして、ハッカイとは別に、女1人と子供を1人くれと。
『ハッカイは、最初の1個以外は決して作るな』とも言ったそうだ」



324 :小箱 ◆/7qG64DDfc :2005/06/08(水) 22:11:53 ID:0GDcLRRy0
M「普通、そんな話まで聞いて、実行なんか出来ないよな。
そんな胡散臭い人間の話。
ましてや、そんな最悪の話。
いくら生活苦しくても、自分の子供を殺すのでさえ耐え切れない辛さなのに、
さらに殺した子供の死体にそんな仕打ち・・・
でもな、ここの先祖はそれを飲んだんだ。やったんだよ。
どういった動機、心境だったのかは全部はわからないけど、それだけものすごい迫害だったんだろうね。
子供を犠牲にしても、武器を手にしないといけないほどに、すごい・・・


そして、最初の小箱を作ったんだと。
各家、相談に相談を重ねて、どの子を殺すかっていう最悪の相談。
そして実行されたんだ。
そして・・・ハッカイが出来上がった。

AAは、この箱がどれほどのもので、どういう効果なのかを説明した。
要望にあった子供と女を使ってね。

その子供と女の名前は、□■と$*(伏せますね)。
そして、犠牲になった8人の子供の名前は _______(伏せますね)。
聞いたことあるろ?」
(俺らは知ってる名前です。でもいえません。ほんとにごめんなさい)



325 :小箱 ◆/7qG64DDfc :2005/06/08(水) 22:13:00 ID:0GDcLRRy0
M「で、効果はAに言ってたようなものだ。
女と子供を取り殺す。それも苦しみぬく形で。
何故か、徐々に内臓が千切れるんだ。触れるどころか周囲にいるだけでね。

そして、その効果を目の当たりにした住民は、続けて箱を作ることにした。
住民が自分たちのために最初に作った箱はチッポウだった。俺が祓った奴だな。
7人の子供の・・・箱・・・
わずか2週間足らずの間に、15人の子供と、女1人が殺されたんだよ。今の時代じゃないだろ?
・・・ひどいよな・・・

そして、出来上がった箱を、△▼の庄屋に上納したんだ。
普通に。住民からの気持ち、誠意の印という名目で。

庄屋の家は・・・ひどい有様だったらしい。
女子供が血反吐を吐いて、苦しみぬいて死んだそうだ」



326 :小箱 ◆/7qG64DDfc :2005/06/08(水) 22:13:22 ID:0GDcLRRy0
M「そしてな、住民は△▼のお偉方達、△▼以外の周囲地域にも伝えたそうだ。
今後一切部落に関わらないこと。放って置いて欲しいこと。
今までの怨みを許すことは出来ないが、ほうっておいてくれれば何もしないということ。
守ってくれるのなら、△▼へ仕事に出ている部落の者も、今後△▼に行くこともしないということ。
そして、もしこのことに仕返しをすれば、この呪いを再び振りまくということ。
庄屋に送った箱は、直ちに部落に返すこと。
なぜ部落を放置するのか、その理由は広めないこと。ただ、放置することだけを徹底すること。

そして・・・この箱はこれからも作り続けること。
既に箱は7つ存在していること。

7つあるっていうのは、これはハッタリだったんだろうなと思う。
そう思いたい・・・
言い方は失礼なんだけど、読み書きすら出来なかった当時の住民に、
これだけのことが思いつくはずは無いと思うんだが・・・AAの知恵だったんだろうか。


△▼含め、周りの地域は全てこの条件を了承したらしい。
この事件は、その一時期は周辺に噂としてでも広まったのだろうかな、
すぐさま部落への干渉が一切止んだそうだ」



327 :小箱 ◆/7qG64DDfc :2005/06/08(水) 22:13:47 ID:0GDcLRRy0
M「で、この部落の大人たちは、それでも作り続けたんだよ。この箱をね。
すでにAAはどこかに行ってたらしいんだが、箱の管理の仕方を残していったそうだ。
女子供を絶対に近づけないこと。
必ず箱は暗く湿った場所に安置すること。
そして箱の中身は、年を経るごとに次第に弱くなっていくということ。
もし必要なくなった、もしくは手に余るようなら、○を祭る神社に処理を頼むこと。
寺ではダメ。必ず処分は○を祭る神社であること。
 
そして住民たちは、13年に渡って箱を作り続けたそうだ。
ただ、最初の箱以外は、どうしても間引きを行わなければならない時にだけ。
間引いた子の身体を作り置いておいた箱に入れた、ということらしい。

子供たちを殺すとき、大人たちは
『△▼を怨め、△▼を憎め』というようなことを言いながら殺したらしい。
殺す罪悪感から少しでも逃れたいから、△▼に反らそうとしてたんだろうな。


箱を作り続けて13年目、16個目の箱が出来上がっていた。
イッポウ6つ、ニホウ2つ、ゴホウ5つ、チッポウ3つ。
単純に計算しても、56人の子供・・・
作成に失敗した箱もあったという話だから、もっと多かったんだろうな」



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