【閲覧注意】
【事故後の行動】
海洋警察の警備艇が到着した時刻は、4月16日の午前9時30分頃という。
この時すでにセウォル号は左舷側に45度ほど傾いていた。
救援の到着を知った船内の生徒達は、海洋警察の到着や、待機をもとめるアナウンスが流れている事などをメッセージで船外に送っていた。
それからたったの15分後、セウォル号は62度ほどに傾く。
「船が60度傾いて沈没している」
「上から落ちてきたキャビネットに隣のクラスの子たちが下敷きになった」
「私は膝にアザができた」
などの危機的状況を訴える学生達のメッセージがSNS等で次々に送信された。
「『その場で待機、動くな』という放送の後に他の案内放送は流れていない」という内容のメッセージと、家族に助けを求める声も多く残されている。
この時、セウォル号の傾きは108.1度。
生存者の証言によると、船体の傾きが感じられてから脱出を促すアナウンスがあるまで、約1時間23分程だったという。
しかし10時15分頃に船内から送信されたメッセージの内容によると、脱出指示のアナウンスの時刻ははそれよりも遅い転覆間際となり、船内待機の指示に従っていた乗客にとっての脱出は絶望的であった。
一方、船長を始め機関士などの操船関係者15名は、全員脱出に成功している。
乗客を残し、自分達だけ専用通路(非常通路)などを使用し脱出したことに、国内外からの批判があがった。
救助艇に乗る乗務員。窓の向こうに助けを求める乗客の姿が見える。
また、乗員らが救助船に乗り移る直前に、作業服からわざわざ服を着替えていたことが判明した。
一般の乗客を装う目的だった疑いが強いが、乗員らは着替えた理由の供述を拒む。
脱出直前、機関長は半袖のシャツに着替え、航海士の1人は船室まで服を取りに戻っている。イ船長は下着姿で救助船に飛び移ったが、救助線の来る前にズボンを脱ぎ捨てた。
わかっている事は、機関長をはじめとする機関室の乗務員7人は脱出しやすい場所に集まり、救出がくるまでの30分間、沈みゆく船の対策を何もせずに、ただ待っていた事である。
機関士2人は怪我をした調理師たちを目撃したが救助しなかった。
また彼らは海洋警察の船に乗り移ってからも、負傷して動けない2人の存在を知らせなかった。
【交信記録】
4月20日、セウォル号と珍島管制センターとの交信内容が公開された。
おおまかな交信内容は以下の通り。
9:07 管:セウォル号は沈没していますか?
セ : そうです。海洋警察に早く連絡をお願いします。
9:10 セ : 今にも転覆しそうだ。
9:12 管:救命ボートへの乗船を始めましたか
セ : 乗れていない。大きく傾いていて不可能だ。
9:17 管:浸水状態は?
セ:船体が50度以上左舷に傾いていて、人が動くのは無理な状況だ。
船員をブリッジに集めたが動けない。早く来てくれ。
9:23 管:警備艇の到着まであと15分です。救命道具を着用するように放送しなさい。
セ:放送もできない状態だ。(⁂実際にはこの時点で放送は可能だった)
9:24 管:放送がだめでも、外に出て、乗客達に救命胴衣や衣装をたくさん着させて。
セ:脱出させたら、すぐに救助できるのか。
管:浮輪でも持たせて、浮かせて、早く。
9:25 管:こちらでは状況が分からないので、乗客を脱出させるか船長が早く決断して。
9:26 セ:そうじゃなくて、脱出したら、すぐ救助できるのかと聞いてる。
管:警備艇が10分以内に着く。
セ:10分以内に着くって?
管:10分くらいかかる。10分だ
9:27 管 : 1分後にヘリが到着予定です
セ : ゆっくり言ってください。
管 : すぐにヘリが到着します。
セ : 乗客が多すぎて、ヘリだけではだめだと思う。
管 : ヘリも到着するし、近くの船舶も接近中ですから耐えてください。
9:33 管:脱出した人が使えるように救命衣や救命ボートを投下しなさい。
9:37 セ:浸水状態の確認は不可能。現在、海洋警察などの船が50mに接近中。
左舷側にいる乗客が脱出を試みている。
船は60度左舷側に傾いている状態。
航空機も来たようだ。
<※以降、交信が途絶える>。
※ただし、これらの交信記録は、海洋警察側が交信内容を編集または一部を削除したという疑いがある。
大きく傾いた船体の中では自力で脱出することは難しかった。
長い通路は谷底のような崖となり、墜落死する者も多かったとみられる。
これらの様子は、SNSでほとんどライブ中継のように拡散される事となった。
結果として生存、救助されたのは乗務員らと、いち早く自己判断で海に飛び込むなどした者だけである。
船内放送に従いその場に待機していた高校生らを含むほとんどの乗客が、傾いた船内に閉じ込められ、逃げ場もなく生きたまま沈んでゆく。
【自称民間ダイバー】
4月18日、MBNのインタビューに民間ダイバーを自称する人物が出演。
「外側から客室のなかから音がするのを聞いた。生存者がいるはず」
「大勢のダイバー達が駆けつけているが捜索の協力をさせてもらえてない」
「海洋警察に、適当に時間をつぶして帰れと言われた」
などと答えて捜索活動を混乱させた。
この人物は2011年3月、東北大震災の関連で、MBCニュースにも出演していたらしい。
このときは「愛する人も友達も日本にいる、私だけが(韓国に)1人帰ることが…」などと答えたという。
しかし、これらは全て彼女の狂言であった。
問題のダイバー。黄色のジャケットを着ている。
【その他】
・船長の証言
搬送先の病院では、「私はただの船員、何も知らない」と嘘をついた。
病院内では、濡れた20万ウォン(約2万円)の紙幣を巡って言い争う姿も目撃されている。
逃げた動機については、「船員だけは何とか生きなければいけないと考えた」という。
・女性三等航海士の証言(実際の操縦士)
「教科書で学んだ通りにしただけ。
海難事故が起き、たくましい男性でも耐えられない状況のなかでは、私には何もできなかった」
・操舵手の証言(船長らとともに逮捕されている)
(船が急旋回した時の状況について)
「普段より舵が大きく動きました。私がミスした部分もあるが、異常に早く舵が回った」
・乗船客証言
「船体が突然傾き、傾きが45度を超えた時点で事故だとわかり、脱出しようと思った」
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