サイケデリック・奇譚

永遠の日常は非日常。

タグ:信仰

【百物語も】短編怪談大募集!【話が進む】

11 :名無しさん :2014/03/28(金)10:06:31 ID:???
暗くなるころあの海で

12.イソガキ
三浦半島は砂浜よりも岩場が多く、釣り人ならともかく
海水浴等の遊びには向かない土地柄だ。
そんな土地にはそれにふさわしい話が残っているもので、
以下は三浦に出かけた際、市役所の職員から聞いた話である。

 
昔からこの辺りでは、磯遊びや釣りに出かけるときは芋やカボチャを持っていけという教えがあるそうだ。
もしそれを忘れると、岩場で急に猛烈に腹が減りだし、甚だしくは
そのまま人事不省に陥ってしまうという。
地元の人はこれを「イソガキ」と呼ぶ。

 
深山に分け入った旅人が急に目が回って倒れるという「ヒダルガミ」という話とよく似ている。

あちらは握り飯をもっていれば難を逃れられるのだが、
なぜかこちらはイモタコナンキンだ。これも土地柄か。

イソガキとは磯餓鬼なのだろうが、
なぜ海に限った話なのかは判らない。




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20 :名無しさん :2014/03/28(金)23:56:49 ID:???
 暗くなるころあの海で


14.アトゥイ
アトゥイとはアイヌ語で「海」を指す。
冬になって沖が見渡す限りの流氷に覆われ、果て知らぬ平原のようになったころ、
アトゥイは現れるという。

遙か遠い水平線のあたりに、人とも獣ともつかぬ灰色の影が立ち、
沖から吹き寄せる風に乗せて悲鳴にも似た叫びをびょうびょうと響かせるのだそうだ。
網走では、厳冬期を迎えるころこのアトゥイの声を聞き、狂い死にする者が後を絶たなかったとも聞く。
 
この地に生きる人にとって、アトゥイとは海そのものへの畏れに他ならなかったのだろう。
網走の海では、今でもときおり、アトゥイと思われる声が街に響く。




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21 :名無しさん :2014/03/28(金)23:59:15 ID:???
暗くなるころあの海で


15.ヤナムン
ヤナムンとは琉球方言で「悪霊」のことだ。
もっとも現代語である悪霊という言葉のもつ意味とは若干ニュアンスが異なるが。

琉球にはユタと呼ばれる巫女信仰が根強く残る。
ユタは、カミダーリーという憑神状態を経て一人前となるのだが、
この時各地のウタキという聖地を半ば心神喪失しながら経巡るのだという。

昔、このカミダーリーの際、恩納村の海岸でヤナムンにあったユタがいたそうだ。

ヤナムンはユタを見るとともに海の底に行こうと語りかけてきた。
ユタが嫌がると、それでは代わりに
お前の別れた夫のマブイ(魂)を連れて行こうといった。
それをも嫌がるとではお前たちのかわりにもっと多くのマブイをとってくるとしようと言い放ち、
ヤナムンは潮騒の向こうに消えた。

 
ただの言い伝えなので、ヤナムンが何のことを言ったのかは判らない。
戦前の話であれば何か判ったような気もするのだろうが、これは戦後の話だという。



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70 :名無しさん :2014/04/06(日)08:07:15 ID:???
暗くなるころあの海で

55.イニンビー

沖縄の久米島といえば、行ったことがなくても焼酎の名前などでご存じの方もいるだろう。
東シナ海に面し、ほとんど日本とは思われないこの南の果ての島で
イニンビーという不思議な話を聞いた。


島にはヒヤジョウパンタと呼ばれる断崖絶壁がある。
夏に訪れれば美しい珊瑚礁を見晴るかす雄大な景色が楽しめるが、
実は荒涼と風の吹きすさぶ寂しい荒れ野という形容がしっくりとくる最果ての地で、
この先に人が住まない無限の海が広がることをまざまざと感じさせる場所でもある。

この丘にたつと、海原に
はての浜と呼ばれる不思議な島めいたものが見える。
青緑色の海の中に突然草一本ない砂浜だけがぽかりと浮かび、
なるほどはての浜なのだなと感じられるが、
秋、独りでこの地に立つとごくまれにはての浜に立つ女を見かけることがあるという。


女はたいてい白い単衣を着て、
水字貝と呼ばれる大きな棘を広げた異形の貝殻を持って立っているのだそうだ。
今にも海に呑まれてしまいそうな砂州に、
船らしきものも寄せずに独り立ち尽くす女を見かけたら、決して目を合わせてはいけない。
そんな晩には必ず、沖を一群の漁り火めいたものが
列をなして通り過ぎるのが見えるという。

女と目をあわせ、イニンビーと呼ばれる
その沖の火を見てしまった者は、大概どこかへ失せてしまうと島の者は言っていた。

イニンビーは遺念火と書く。
いつか女の姿を見たいとたびたび訪ねてみるのだが、
どうやら私にはその資格がないらしい。
消えてしまった人々がどこにいってしまったのかは誰に聞いても判らなかった。




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99 :弁天様の使い :2014/04/26(土)14:04:23 ID:???

場所は伏せられないから最初に言っておく
千葉県柏市から東京上野までの間の常磐線沿線のお話


上野には有名な不忍池の弁天様がおられるが、千葉県柏にも布施弁天という弁天様がいらっしゃる
この二社は古来より強い結びつきがあるとされた
その中の有名な話が『弁天様の使い』
江戸の頃から、白無垢を着た娘だの、純白の蛇だのが不忍池と布施の間を往来しているという

その経路というのは、今のJR常磐線と同じなのだ





100 :弁天様の使い :2014/04/26(土)14:13:13 ID:???
ある日、常磐線を通る貨物車が、何かを撥ねたというので緊急停車した
機関士がすぐさま確認に出ると、線路には純白の大蛇が血を流して横たわっている

機関士は弁天様の使いが白蛇だと知っていたので危機感を覚えたものの、
その時少しばかりダイヤが乱れていたこともあり、機関士は強引に運転を再開した


そこで悲劇は起きた
運転中の機関士の首に『何か』が巻きついたかと思うと、一瞬にして彼の意識を奪った
当然貨物車は暴走、停止信号を無視して脱線した。
更に後続の列車も次々と事故に巻き込まれていき、結局死者160人を出す大惨事となってしまった


 
101 :弁天様の使い :2014/04/26(土)14:22:39 ID:???
これがかの有名な『三河島事故』である


事故後、駅近隣の寺に慰霊観音像が建立されたが、
これは事故の死者だけでなく、弁天様の使いたる白蛇の慰霊も兼ねているという
しかしその後不忍池での霊験話がぴたりと止んでしまったというから、
その影響は大きいものである


更には今でも、霊感ある人が夜の常磐線に乗ると
白無垢の女性や白く細長い影を目撃することがあるという
しかしそれは使い魔として霊験あらたかであった頃の彼の者ではなく、
悔恨と呪怨に満ちた表情を浮かべる魔物と成り果てている


弁天様は財産を司る
もしも彼女への信仰なく、また使い魔たる白蛇の恨みを知り憐れむ事もなく、
常磐線沿線でギャンブルをしようと考えている者は注意してほしい
瞬く間に諭吉が吸われてゆくことだろう


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113 :名無しさん :2014/04/27(日)23:40:31 ID:???
柏レイソルの本拠地、日立グラウンド
行った事がある方はお気づきになったでしょうか、あの正門前、
緑ヶ丘交番前交差点に佇む石碑に

あれはその昔、野馬除土手……つまり、
野良の馬や猛獣が村へ侵入するのを防ぐための土手であった事を示すもの
即ち、それそのものはただの道標塚でしかないのだが……


ここから、日立グラウンドに向かって左側の道を少し行くと、枝垂れ桜の咲く場所がある
本来土手に木を植える行為は、土手が荒れやすく、崩れやすくなることから忌避されている
では、何故そんな所に、しかも桜などが植えられているのか
この理由は、近隣住民ですら知らない事が多いのだが、実は深い理由がある





114 :名無しさん :2014/04/27(日)23:46:56 ID:???
戦後直後の時代
その地域は空襲などの被害もなく比較的平穏であったが、
若者が戦争に駆り出された結果、地主の跡継ぎがいなくなり横領されてしまった土地が存在する
その経緯に関しては色々と問題になるため書く事はできないが……


野馬除土手の辺りは大地主がいたのだが、ここも例によって跡取りが戦争で散ってしまった
病を抱え余命幾許もない地主は、土地を手放すまいと弁護士を集めたりと奔走した
しかしその甲斐もなく、結局地主は死んでしまった
土地は横領されてしまうか……と思われたが、何故かこの土地を欲しがる者がいない


その理由は、ある日突然姿を現したとされる、
あの枝垂れ桜の所為であった



115 :名無しさん :2014/04/27(日)23:58:48 ID:???
古より陰陽道において桜は『陰木』であり、庭にあると縁起が悪いとされる
更には枝垂れ桜などその筆頭であり、家運や金運を著しく吸い取るという
しかも桜は根を深く伸ばすため植樹がしにくく、
しかし切り倒してしまうのも罰当たり
その為、誰もその土地を得ようとはしなかったのだ


……そんなある日、地主の縁戚にあたる男がここを訪れた際、
何気なく散り際の桜の花弁を見遣ると、何故か一箇所に積もっている
怪しいと思いその場所を掘ると、なんと戦争で消息不明になったはずの
地主の跡取り息子の遺体が、軍服を纏い埋まっていた

男は驚いたが、きっとこの息子の父に対する孝行であったのだろうと考え、
息子を丁重に葬ると共に自らがこの地を受け継いだ

その男こそ、当時の日立製作所社長・倉田主税である

後に日立製作所のサッカー部はこの地に本拠地を移し、現在の日立グラウンドを建設
そして日立製作所サッカー部は後に柏レイソルになるのである



116 :名無しさん :2014/04/28(月)00:02:16 ID:???
今ではこの事実を知る者も少ないのだが、
2011年にレイソルが快挙を達成した際、一部のサポーターの間で語り草になったという
時は流れども、歴史・沿革を知るということは大事な事なのである


おしまい



117 :名無しさん :2014/04/28(月)00:07:22 ID:???
蛇足……

オカ板住民ならご存知かもしれないが、陰陽道においては全てのものに陰陽がある
木も勿論陰陽が存在し、桜は陰木の代表として有名で、柳などは陽木である
陰と陽が同時に存在するのが良いと考える陰陽道の考えは今も日本人の心に深くかかわっている


柳の下に幽霊がいるのも陰陽、桜の下で宴会をするのも陰陽
なんとも、知れば興味深いものである



118 :名無しさん :2014/04/29(火)06:30:37 ID:???
なーるほど。安吾の桜の森の満開の下もなんとなくそういう気分反映してるのかもね。面白い話乙




http://toro.open2ch.net/test/read.cgi/occult/1395834994/l50

120 :ちーばくん :2014/04/29(火)22:48:35 ID:???
ご存じの方も多いでしょう、有名な心霊スポット『八柱霊園』。
様々な体験談が語られる事の多い場所ですが、
実はオカルト的な意味では八柱霊園は安全な墓地の部類に入ります。
そもそも危険な墓場というのは、
例えば無縁仏の墓であったり、管理人不在の整備されていない墓が殆どなのです。
八柱霊園はそのアクセスのしやすさ、歩きやすさ、
程よい郊外の静寂感と相まって、有名になったのでしょう。
しかして、本当に怖い心霊スポットというのはあまり有名にならない場所にこそあるものなのです。


その一つ、某所にある『首塚』。
その存在自体は割と有名で、建立したのは後の江戸城主・太田道灌。
文明十年、1478年に起きた千葉孝胤との酒井根合戦の跡で、
道灌は敵味方関係なく死体を丁重に葬ったと言われている。


さて……これから語るのは私の実体験ですが、
私自身霊との遭遇は度々あるので恐怖感は薄いかもしれません。
予めご了承くださいませ。





121 :ちーばくん :2014/04/29(火)22:55:53 ID:???
私は知り合いの家を訪ねており、その首塚の近くを通った。
太田道灌の手厚い葬儀のおかげで、首塚の辺りにうろつく霊は気性も穏やかだ。
しかし、ふとある道路に入った途端、寒気がした……
どうやらはぐれ者の霊がいるらしい。

私はその日、その道の近くにある知り合いの家に泊まる予定だったので、しばらく道を観察する事にした。

夜になると、たしかに数体ほど、
新しめの魂魄(何故そう断言できるのかといわれると曖昧だが…)が漂っている。

しかし暫く観察していると、首塚の方面から鈴の音が聞こえてくる。
音に導かれるように、霊たちは首塚の方へと向かったのだが…


突然、金属音のような鋭く不快な音が響いたかと思うと、霊たちが身を翻し逃げてゆく。
私はその様子が気になり、翌朝、知り合いと共に詳しく調べてみる事にした。



122 :ちーばくん :2014/04/29(火)23:04:38 ID:???
その知り合いもまた霊感のある人物で、
時折見かける『霊が逃げる』光景には彼女も疑問を持っていたという。
そこで、彼女と共に私は
首塚のある敷地の管理人(警備員経由なので時間は要したが)に事情を話した。

管理人の方が言うには、鈴の音というのは度々聞かれるが、
金属音と霊が逃げるという光景には出くわした事がないという。

管理人の方は偶然にも居合を心得た方であった。
件の金属音はどうやら刀を擦り合わせる、即ち『鎬を削る』音が近いらしい。

……ここからは私の推測に過ぎないが、彼女と共にある仮説を打ちたてた。

太田道灌は埋葬の際、敵味方なく一緒に葬ったという。もしかしたら、
武者の霊たちは未だ争っているのではないか。

気性が穏やかであるのは対外的なモノで、実際には『浮遊霊も逃げ出す程』
禍々しい怨念が未だ残っているのではないか。

これを解明すべく、私は彼女の家にもう一泊し、そして今度は道のすぐ脇で観察した。



123 :ちーばくん :2014/04/29(火)23:12:40 ID:???
鈴の音は聞こえてきた。そして、金属音。
私たちは首塚のある方を双眼鏡で見遣り、観察する。

霊は見えた。
しかしそれは異様な光景であった。

錆びついたような色合いの日本刀が数本、刃を下に向け、円を描いて宙を舞っている。
漫画『BLEACH』の殲景・千本桜景巌の光景を思い浮かべてもらえればわかりやすいかもしれない。
その中央にあるのは、小さなお堂であった。

首塚ではない事に驚きつつも、私と彼女はもう暫く観察を続けた。

その時、昨日のものとは違う浮遊霊が一体、その近くを通りかかった。
すると、刀はその例の方に鋩を向ける。
霊は慌てて逃げ出す。
夜毎現れるその刀の群れは、
その小さなお堂を敵対者から守っているように、少なくとも私と彼女の目には映ったのである。



124 :ちーばくん :2014/04/29(火)23:20:30 ID:???
翌朝、管理人の方にお堂の件を話すと、その方は神妙な表情で語ってくれた。

そのお堂は首塚と対を為す『刀塚』の跡で、合戦で殉じた者の武具を纏めて祀ってあるという。


実は管理人の方もその正体に気付いていたらしい。
あの刀の群れは、
『付喪神に憑かれた刀が持ち主を喪った為に、拾ってもらうのを待ち続けている』ものなのだそうだ。
刀たちを意識的に見た者は付喪神に試されるらしいとのこと。
だから、金輪際あの浮遊する刀を見かけても
絶対に気にかけてはいけないとも念を押された我々であった。


八百万の神とはいうが、成程悲惨な運命を辿るのは人魂だけではないようだ。
しかし、もし仮に私たちがあの様子を観察している事が刀の付喪神たちに悟られてしまっていたら。
もしかしたら、私たちも危なかったのかもしれない。


人間の霊より動物霊の方が恐ろしいのは言葉が通じないからだという。
そういう意味では、物体の霊、付喪神の残留思念などは最たる危険なモノなのだろう。
皆さまも、そういったモノにはお近づきにならないよう……。




http://toro.open2ch.net/test/read.cgi/occult/1395834994/l50

170 :ちーばくん :2014/05/13(火)21:35:03 ID:???
東京葛飾区、南蔵院という寺院の江戸時代のお話です


ある呉服問屋の男が荷運びの最中、この南蔵院の境内で休んでいた
しかし男は疲れが溜まっていたからかその場でぐっすりと寝てしまう
目を覚ますと、品物の反物がなくなっている
男は慌てて奉行所に飛び込んだ

当時の南町奉行所はかの有名な大岡越前守忠相が担当していた
呉服問屋の男が忠相に事情を話すと、
なんと忠相は
「不届き者は南蔵院の地蔵である」
などと言い出し、部下の者に地蔵を縄打って白洲へ引き出せと命ずる
被害者の男は勿論、岡っ引き一同もその命令に首をかしげながら、命じられた通り地蔵を引いてくる

忠相は地蔵を白洲に置き、そのまま普段と同じように判を開始した
この情報にはさすがに驚いた江戸っ子たち、野次馬が奉行所の周りに集まってくる





171 :ちーばくん :2014/05/13(火)21:40:00 ID:???
すると忠相、頃を見計らい奉行所の門扉を閉めると、野次馬に告げた
「天下の奉行所に押し入るとは不届き至極、罰として反物一反を提出せよ」

野次馬たちは氏名や住んでいる長屋まで記録された挙句にようやく返される

数日後、集まった反物を調べると盗品の反物が見つかる
名前と長屋まで記録されていた為に
犯人は呆気なく御用となり、芋づる式に盗賊団までも一網打尽
忠相は地蔵を使い真犯人を炙り出したのである


この一件以降、南蔵院の地蔵はしばられ地蔵と称されるようになった
願い事を縄に託して地蔵に結ぶと願いが叶うという
願いが叶ったら感謝の意を表しながら縄を解けば、更に幸せを得られると噂になったのであった



172 :ちーばくん :2014/05/13(火)21:50:20 ID:???
さて……ここからは時代を現代に戻す

南蔵院のしばられ地蔵に肖ろうと、日本各地で似たようなしばられ地蔵がたくさんできたという
しかし忠相は白洲の後に地蔵に非礼を詫びて丁重に祭り上げたが、
無数に作られた《偽物たち》はそうもいかない


これは私の知り合いBの体験談
Bは実家が九州(詳しい場所は伏す)にあり、その近くにも江戸時代の流行に乗せられた
しばられ地蔵があった
しかしその地蔵は元々普通の道祖神、適当に縛られた挙句にそのまま放置されていたらしい
なんでも一番古い江戸時代の頃の縄がまだ残っているという
近隣住民もただの道標としてしか見ていない、哀れな地蔵様なのだとBは言っていた


数年前の冬頃、Bが実家に帰ると、なんとその地蔵がなくなっていた
親に話を聞いたところ、いつの間にかなくなっていたという
重いし、つまるところただの石と縄の塊なので盗まれたという事もないだろう
ある日気付いたらなくなっていた地蔵に
近隣住民はなんとも思わなかったが、Bだけは何か嫌な予感を感じたという



173 :ちーばくん :2014/05/13(火)22:03:52 ID:???
気になって調べてみると、住民がなくなった事に気付いたのは彼が実家に到着する僅か数日前
生来の野次馬気質のBは地蔵の行方を徹底的に探した
折しも時期はお彼岸……というか、本来Bが帰った理由も彼岸の墓参りなのだが
Bは目撃者の捜索などを一日かけて行った


残念ながら目撃者も情報も皆無だった
ただでさえ知られていない地蔵、なくなったところで誰も気にしないのだ

Bは休憩がてらバス停のベンチに座り、ビールを飲み始めた

その時、ふとベンチの反対側を見ると、板の隙間に何かが挟まっている
縄であった……しかも相当古く、半ば朽ちかけている
Bはそのバス停付近を徹底的に捜索し始めた

すると出るわ出るわ、古びた縄があちらこちらに散乱していた
しかもその縄は全て"解かれた"縄ではなく、"結ばれたままの"縄だったという
つまり、縄の中から地蔵だけが忽然と姿を消したのである


お彼岸が終わり、Bが実家を発ったその僅か数日後、
彼の実家の近辺では古い血筋の家の者が次々と失踪するという事件が起きた

もしかしたら地蔵は遂に縄の拘束を潜り抜ける方法を発見し、
不届き者の子孫たちに復讐を開始したのではないか

そう語るBもまた、地域では有名な古い農家の跡取り息子

彼がその数か月後に忽然と失踪したのは、偶然だろうか
彼の失踪を実家に伝えようとしても、家の電話に誰も出なかったとは大学の教授の談である
数年経つが、彼は未だに見つかっていない


おしまい



174 :ちーばくん:2014/05/13(火)22:07:25 ID:???
失踪事件に関しては調べたらわかるかもしれないので書きます
・2年前
・M県西部
・10人ほどが失踪
・全員が地元の人間で、未解決


ご存じの方はいらっしゃるでしょうか
まぁ、私はとばっちりが嫌なので深入りしないようにはしていますが…



http://toro.open2ch.net/test/read.cgi/occult/1395834994/l50
  

206 :ちーばくん :2014/11/15(土)01:56:00 ID:???
久々に…
寅さんの縁の地として知られる、東京下町にある『柴又帝釈天』
私も家の宗派の関係上毎年行くのだが、ある年に寺務さんから聞いた話
よくある寓話系のお話です

ある日とても敬虔な青年が参道を歩いていると、突然大きなムカデが飛び出してきて彼を襲った
身体に纏わりつかれて青年は倒されるが、
ムカデは毘沙門天(帝釈天内に祀られている)の使いである為反撃できない
彼が反撃しないのを見ると、ムカデはゆっくりと彼から離れ、言う


「すまなかった青年、少しお主を試させてもろうた。お主の信心は本物よ」


ムカデは本当に毘沙門天の使いで、
その信心深さを認められた青年はその日以降瞬く間に成功し、大きな商店を構えた
青年はその後も帝釈天を参拝し続け、そしてその度に成功していった





207 :ちーばくん :2014/11/15(土)02:06:54 ID:???
これを聞いた近所の軽薄な男、自分もあやかろうと普段は行かない帝釈天を参拝する
その帰り道の参道で、やはり大ムカデが現れて男を襲った
どうせすぐに離れると高を括っていた男だが、ムカデはいつまで経っても離れようとしない
そればかりか、猛毒の牙を剥いて噛みつこうとしているではないか

「畜生、こいつは偽物か!」

男は怒り、懐に忍ばせていた短刀でムカデの胴を裂き脱出、這う這うの体で家に帰る


しかしその夜、家で寝ていると枕元に気配が…
ふと目を覚ますと、果たしてそこにいたのは大ムカデであった
腹からまるで人間のような赤黒い鮮血を滴らせ、猛然と男を襲う
そして一瞬にして彼の腹を裂き、臓物を引きちぎって殺してしまった


「利益の為の刹那の信奉など無意味千万、ましてや得物を持ち参拝するなど言語道断である」

男が最期に聞いた声は、毘沙門天の怒りの声であった…


毘沙門天は商売繁盛も司るが、それ以上に仏教有数の武者である
毘沙門天を怒らせればただでは済まないのだ


…という話を聞かされて以降、私は自分の守り神や家の宗派の寺以外は行かなくなったなぁ
成田山新勝寺のお不動様などは私の守り神様なのでよく行く




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281 :名無しさん@おーぷん :2015/08/16(日)10:18:19 ID:???
地獄の釜が開くから盆に海には入るなって話は誰しも聞いたことがあると思う
山も正直お勧めできない

ただどこもかしこも危険な海とは違って、山には絶対的に危険な場所がある
霊道といわれる霊の通り道

普段は敏感な人なら何か感じるかもしれないが程度

しかし盆になるととたんに大量の霊の通り道になるため危険度が増す

盆に山に入って虹色の柱が見えたら「近づくな」「触れるな」「手をだすな」
これが鉄則

生きている人間がただ眺めるだけなら何の影響もない

触ったり、いたずら心で物を投げたりなんて絶対してはいけない

あの世とこの世を行き来する霊の道だから
死にたくなかったら眺めるだけにしてほしい

長年林業をしている叔父が実際にこれを見ている
盆は山も案外危険だよと知っておいて欲しい



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