サイケデリック・奇譚

永遠の日常は非日常。

タグ:信仰

今日ここで、私が9年前から苦しめられつづけている、
後悔と恐怖の記憶を、
この話を見た人に、ほんの少しづつ持っていってもらえればいいなと思い、
ここにこうして書かしてもらいます。

実際になにかが憑くわけではありませんが、
そう記述する事で、私自身の記憶の影がほんの少しだけ明るくなるので・・・。





9年前の体験、それは私は某保険会社に入社し、3年目に突入した矢先の出来事でした。
私は係長になり、4人の部下が居て、
その中の3人(I君T君Yさん)は一週に2回、欠かさず飲みに行くくらいの仲でした。
残りの一人はこの物語には関係無いので省略させてもらいます。


その日も私達は4人で行き付けの居酒屋で食べた後、
割り勘で支払いを済ませ帰る途中でした。
いきなりI君が、りんご一個がちょうど入るくらいの大きさの、
見るからにぼろぼろな木箱を取り出して見せました。

それは変なしかけのある箱で、以前流行ったルービックキューブのように、
色(木目)がきちんと合うようにそろえると開く、と言う箱でした。

彼の言うには、父からもらったもので、ずいぶん昔のものらしいです。
なんでも、戦争前からあったそうです。

「父は開けれないし、どうせ戦後の焼け跡で拾ったものだから、と僕に譲ってくれました」と言ってました。
その箱を彼は、二世代隔てた今でも未だに開けられずにいるそうです。

僕はその箱を見たときから、なんとなく言いようの無い悪寒を感じていました。
僕は霊感があるほうなのでしょうか、
時々、上半身と下半身の釣り合いがとれてない人とか、
足の足りない(もしくは無い)小動物等を見かけることがあるのです。

なので僕は、T君とYさんが代わりばんこに
その木箱の節目をずらしたり、引っ張ってみたりしているのを見ていて、なぜかひやひやしていました。
開け放ってしまうことを、僕の霊感が恐れていたんだと思います。


結局、その日はその木箱は開きませんでした。
店を出て、帰りのタクシーがつかまるまでの5分間くらいしか時間が無かったので、さすがに無理でした。
その後、その日は全員何事も無く帰宅しました。


次の日にI君が、前日私以外の2人に好評だった木箱を会社に持ってきて、
昼休みにデスクワークをしていた私の元へ、Yさん、T君を連れてやってきました。
私はその途端、付き合いが悪いと思われるのを覚悟で、彼らに忠告しました。
「その箱は、開けないほうがいいと思う」と。

彼はいぶかしげな顔をしながら、僕に「兄と同じことを言うんですね」と返しながらも、
得意げに「きっと近いうちに開けて見せますよ」と言いました。
そしてデスクワークをしている私に気を使い、それきり昼休みは話しませんでした。


その日の仕事が終わった後、4人で桜見をしようと言うことになり、
近くの公園で、Yさんのお母さんの差し入れで筑紫のお吸い物をすすりながら、桜を堪能していました。
そんなときにT君が、
「この素晴らしい風景を、四人一緒に写真に収めておこう!」と言って、ポラロイドカメラを出し、
それでひときわ幹の太い立派な桜をバックに写真を撮りました。
見事なな写真が撮れました。

でも、変なのです。
夜だから余計な光が入る心配も無し、
開けた場所だからフラッシュが反射して変色する心配も無いんですけど、
写真がなんとなく薄い赤色を全体的に帯びているのです。

T君は「こういうこともあるさ」と言って、もう一回全員で写真を撮りました。
しかし、またも同じ現象が起こったのです。
T君は「広い範囲で撮るから、余計なものが入るのかもしれない。
フィルムに余裕はあるし、一人づつ撮ろう」と言って、私、Yさん、I君、T君の順番で撮ることになりました。

まず、私の撮影です。コレはうまく行きました。
つぎのYさん、うまく行きました。
問題はそのつぎのI君でした。
1度目で撮れた写真は、さっき撮ったのよりなんとなく赤みが強くなっているように見える写真でした。

そこでもう一回。
今度はなんだかI君の周りに赤ではなく、
黄色に近い色の薄いビニールのようなものが写っている写真でした。
気味悪がりながらも、Iくんはもう一回撮るようにT君にお願いしました。
そして出てきた写真を見て、
T君は「なんだあ、なんか変だ!」と言って、私達のほうに駆け寄ってきて、その写真を見せました。

その内容はかなり凄惨なもので、
I君の手や顔はほとんど隠されるほどに、数え切れないほどの黄色い手が
I君の体に四方八方から絡んできて、
さらに、I君の体の黄色の手に絡まれていない部分(下半身)も、鮮烈な赤色に染まっていました。

I君はこれを見せられた後、一つの事実を告白しました。
その内容は次のようなものでした。

「今日、昼休みの後、
印刷室でコピー気を回してる間、木箱をいじっていたら、ついに木箱が開いたんですよ。
だけど、中からはぼろぼろの布袋が出てきて、それに『天皇ノタメ 名誉の死ヲタタエテ』って書いてました。
開けてみたら、大量に爪と髪の毛の束が出てきて、不気味だから焼却炉に捨ててしまいました」


私達はすぐにそれをお寺に持っていって、
その話をして、写真を供養してもらえるように頼んだんですけど、
お寺の住職さんは、

「あなたのしたことは、とても危険なことです。
あなたがたの持ってきたその写真を供養しても、霊の怒りは静まりません。
その木箱を持っていらっしゃい。
それを供養してあげれば、中に閉じ込められていた魂も救われます。
ぜひ持ってきてください」

と言って、寺の住職はひとまず今日は帰るように促しました。
しかし結局、I君と会うのはその日が最後になりました。


次の日の朝、I君が昨日の帰宅途中、自宅近くで自動車に衝突され、
胴体が切断され、下半身は炎上する車のタイヤに巻き込まれたまま一緒に焼け焦げ、
上半身はそこから20メートルくらい離れたところにあり、即死だったとのことです。


その日、私とT君とYさんは、彼の母親から木箱を譲ってもらい、
それを寺の住職さんのところに持っていきました。
しかし寺の住職さんは、
「この箱は怨念そのものです。それも、もはや人のものではなくなっています。
この霊たちの怒りを静めるのは難しいです。
供養して差し上げたいですが、時間がかかります。それでもよろしいですか?」
と言いました。

I君が霊に憑かれる行いをしてから、
たったの半日で命を落としたのを見ている私達は、それではいけないと思い、
自分達で読経を覚えることにしました。


その年の12月、私達が霊の恐怖を忘れかけていた頃になって、Yさんが火事で亡くなりました。
発火の原因は、ストーブの不完全燃焼だったらしいです。
残された私とT君は気味が悪くなり、会社に転勤を希望しました。
事が起きたこの地を離れれば、霊たちも私達のことを追って来れないのではないか、と思ったからです。

しかし、考えたくありませんが、すでに私と彼のどちらかが憑かれている可能性もあるわけなので、
お互いの了解で、別々の場所に転勤させてもらうことにしました。
しかし、その考えは甘かったと、後から思い知らされることになりました。


それから9年が経過しました。
まさに悪夢のような9年間でした。

T君は転勤後、2年目にして結婚。
その後、一人目の子供が生まれて半月で肺炎で亡くなり、二人目の子供も流産で亡くなりました。
それと同じに、二度にわたる流産でT君の妻も体を悪くし、脳に腫瘍がデキ、
植物人間になって、次第に体力が衰えていき、最後には死に至る重い病気を患いました。
そして、6年目の秋に亡くなったといいます。

T君も精神的に参っていたのでしょう。
翌年の春に、会社の屋上から飛び降り自殺をしてしまいました。


それから2年がたち、現在に至ります。
このごろになって、頻繁に激しい動悸に見まわれるようになりました。
さらに、夢に先に逝った3人が出てくることも度々ありました。

私はこの先どうなるのかわかりません。
今の持病の動悸も、恐怖によるストレスからくる一時的なものでありたいと思いますが、
私を除いた3人がすでに他界してしまっていることから、私ももう長くないかもしれません。


この長く読みづらい素人文書を、最後まで読んでくださった人は、
私に憑いている霊を鎮める手助けをすると思って、
手を合わせて簡単な読経をお願いしたいと思います。

「南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」と。



家系にまつわるオカルト2代目


446 :本当にあった怖い名無し:2006/11/23(木) 19:01:14 ID:JeDB8hUv0
あんまりたいしたいわれじゃないけれど、
うちの家系は、神様にお祈りしてようが幽霊に罰当たりなことをしようが、
なんにも影響を受けることが出来ない家系なのだそうな。

そのせいか、蔵に良く分からない預かりものが沢山おいてある。

お札で包まれた箱とか、人の腕のミイラみたいなのとか、お経の書いてある壷とか。

信じるとか信じないとか言うのとは別の次元で、
たとえば縁起を担ぐとか、そういうのが一切の効果を発揮しないのだそうな。




448 :本当にあった怖い名無し:2006/11/23(木) 19:23:51 ID:7Axqr+WoO
じゃあ事故物件に住めてお得だよねw
初詣は行くの?



450 :本当にあった怖い名無し:2006/11/23(木) 19:26:38 ID:JeDB8hUv0
たぶん、人が死んだ場所でも住めると思う。初詣は、行っていい神社とダメな神社があるよ。



452 :本当にあった怖い名無し:2006/11/23(木) 19:31:13 ID:7Axqr+WoO
ちょw俺は清水なんだがw
浅間さんや秋葉山みたいに、特定の系列がダメだったりってこと?



453 :本当にあった怖い名無し:2006/11/23(木) 19:33:53 ID:JeDB8hUv0
おせんげんさんは行っても平気だね、迷惑かけないはず。
奉ってる神社じゃなくて、
意味があって存在している神社だと、迷惑をかけてしまうことがあると聞いたよ。



454 :本当にあった怖い名無し:2006/11/23(木) 19:38:29 ID:7Axqr+WoO
じゃあ、何かいわくつきの物等を封印するためや、
死人の怒りを抑えるために作られたような所がダメってこと?
出来れば特定の場所を知りたいな。



455 :本当にあった怖い名無し:2006/11/23(木) 19:44:32 ID:JeDB8hUv0
>>454
サンシャイン



456 :本当にあった怖い名無し:2006/11/23(木) 19:51:24 ID:7Axqr+WoO
ん?俺は釣られちゃったのか?www それともマジ?



457 :本当にあった怖い名無し:2006/11/23(木) 19:55:53 ID:JeDB8hUv0
つったつもりはないんだけれどな、分かりやすい場所のつもりだったんだ。
池袋のサンシャインの地下、多分駐車場はダメだと思う。
ダメって言われたから。
でも、これは多分稀有な例じゃないかな。

もうちょっと曰くありげな場所だと、実家の近くにある『悪』っていう字のつく神社。
具体的に書くとばれちゃうので勘弁ね。



458 :本当にあった怖い名無し:2006/11/23(木) 20:12:31 ID:7Axqr+WoO
そうか、スマン。
やっぱ戦犯を収容してたからかな…?

行くとどうなるか知ってる?



459 :本当にあった怖い名無し:2006/11/23(木) 20:19:39 ID:JeDB8hUv0
自分には何も起こらないのでよくはわからないのだけれど、
知り合い曰く、線路に置き石するようなものだそうな。



460 :本当にあった怖い名無し:2006/11/23(木) 20:33:52 ID:7Axqr+WoO
ん?君の家系だよね?
家族や先祖の話はナッシン?


463 :本当にあった怖い名無し:2006/11/23(木) 20:45:24 ID:JeDB8hUv0
具体的にどうなるのかは家族の誰も知らない。
人様に迷惑かけたくないから試さないよ。

家族の話すごくしたいのだけれど、
一番最初に前置きしたように、何もないのが特徴だから、逸話らしい逸話はないよ。
荷物を持ち込む人も、ばあちゃんが見たこと有るとか其の程度だから。
強いてあげると、何年かに一回、自分の木にお参りするくらい



461 :本当にあった怖い名無し:2006/11/23(木) 20:36:51 ID:nqueuYGF0
お稲荷様ですか?
それとも昔、人だったりした方をお方を祀ってたりする所ですか?


464 :本当にあった怖い名無し:2006/11/23(木) 20:48:51 ID:JeDB8hUv0
お稲荷さんはどうだろう。
形だけのところとかがほとんどみたいだから、あんまり気にしない。
地理的に流れを止めちゃいけないところとかだそうだけれど


地元のは火の神様だって聞いたよ。



465 :本当にあった怖い名無し:2006/11/23(木) 21:13:47 ID:7Axqr+WoO
そっか。
行ってはいけない所の存在が伝わってるってことは、先祖の身に起ったことも伝わってると思ったんだが。



466 :本当にあった怖い名無し:2006/11/23(木) 21:26:01 ID:RAcM7Eji0
プラスもマイナスの霊験も、一切を無力化かよ?



467 :本当にあった怖い名無し:2006/11/23(木) 21:43:42 ID:JeDB8hUv0
>>465
ご先祖、どうだろう。なにかあるか聞いてみるよ。

>>466
単に影響を受けないだけだと思う。



475 :446:2006/11/24(金) 13:06:40 ID:Au4zIGJk0
ばあさまに話を聞いてみたよ。

人にも呪われないし、神様にも祝福されないけれど、
その理由は根っこの部分で呪われているからだそうな。

なんでも、ご先祖が悪い神様をこらしめるために、神様の左腕を切り落としたそうな。
すると、神様の左腕から溶岩が噴出してしまったと。
ご先祖様は、これはやばいと思い、とっさに切り落とした腕を食らったそうな。

腕を食らったおかげで焼けずにすんだけれど、
以来あんまりにも不吉なもんで、幽霊も神様も呪いも祝詞も近寄ってくれなくなったそうです。


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海にまつわる怖い話・不思議な話 4


135 :本当にあった怖い名無し :04/08/24 23:37 ID:/l5BbhHD
これは15歳の時、本当に体験した話。
俺の実家は海沿いの田舎町なんだけど、メチャ綺麗な海が有名なんだけど、
色々とイワクがあるんだよね・・・

幼馴染のKの実家は代々続く名家なんだけど、
『そこの家の嫡男は、15才の誕生日に海に近づくと命を落とす』って言い伝えがあったんだ。

死ぬって言うのは、
海神(地元の言い伝えでは美しい女)が死んでしまった自分の子供を生き返らせようと、
選ばれた家の嫡男の魂をもって行くって話しなんだけど、
俺もKも眉唾だと全然信じてなかったんだよね。





138 :本当にあった怖い名無し :04/08/24 23:56 ID:/l5BbhHD
誕生日当日、Kは学校を休んだ。
俺は昼休に学校を抜け出して、様子を見に行った。

Kの家に着いて呼び鈴を押すと、Kの母親が出てきた。
話を聞くと、今日は大事をとって家の座敷に缶詰状態らしい。
Kに会いたいと伝えると、「今日で最後かも知れないから・・・」と、家に上げてくれた。

俺はそんな与太話本気で信じてるのかと思ったが、
町中その噂で持ちきりだったので、ナーバスになるのも仕方ないかと、座敷に向かった。



140 :本当にあった怖い名無し :04/08/25 00:03 ID:FhrN6Mxq
座敷の前にはKのオヤジと爺さんが、ふすまの前に厳しい表情で座り込んでいた。
俺に気づいた二人に軽く挨拶をし、Kに会いたいと伝えると座敷に通してくれた。
ふすまを開けると、缶ビール片手にくわえタバコのKが、ダビスタに夢中だった。
本人は全く緊張感が無く、何故かホッとした。



141 :本当にあった怖い名無し :04/08/25 00:17 ID:FhrN6Mxq
Kが俺に気づき、オウといつもの様に挨拶を交わした。
しばらくは下らない話しをしていたのだが、
Kが急に「なぁ今日本当に俺が死んだらどうするよ?」と聞いてきた。
一瞬返答に困ったが、「俺が死に際見取ってやるよ」と冗談ぽく言った。


Kの話しでは、Kのオヤジさんも爺さんも嫡男で、
15の誕生日には同じように座敷に缶詰だったらしい。
2人とも全くその日の記憶が抜けていて、何も憶えていないとの事だった。
俺は今日一日Kと一緒に過ごすと決め、食料とタバコの買出しにコンビニへ向かった。



142 :本当にあった怖い名無し :04/08/25 00:29 ID:FhrN6Mxq
コンビニから戻ると、何やら座敷の方が慌ただしい様子だった。
何やらエライ坊さんが来て、結界だの魔よけだの準備をしていた。
Kはと言うと、酒を頭からかけられ灰をかけられ、物凄い状態になっていた。


Kが体を洗って帰って来ると、2人でお札がビッチリとはられた座敷へ戻った。
特にやる事が無いので、DESPERADOのDVDを観た。
座敷の前では、近所のオッサンどもが順番で番をしていた。



143 :本当にあった怖い名無し :04/08/25 00:39 ID:FhrN6Mxq
特に何も起こらず、夜もふけて来た11時過ぎに便所に立って、戻ると
ふすまが開き、番をしていたオッサン2人が眠りこけていた。
まさかと思い座敷を覗くとKがいない。
オッサン達をたたき起こし、家の人間にKが居ない事を告げた。


その日Kの家に詰めていた人間全員で、Kの捜索がはじまった。
俺はバイクを飛ばし、すぐに海へ向かった。

海岸線の国道を走っていると、すぐに砂浜に立っているKの姿を見つけた。
俺はすぐ携帯でKの家に連絡を入れ、Kに走り寄った。



144 :本当にあった怖い名無し :04/08/25 00:50 ID:FhrN6Mxq
「オイ、Kお前何やってんだよ」と肩をつかむと、物凄い力で振り払われた。
無言で振り返ったKを見ると、白目を剥きヨダレを垂れ流した状態だった。

これはヤバイとKを羽交い絞めにしたのだが、Kは海へと向かう足を止めない。
物凄い力で海へと引きずられてしまった。
何を言っても聞く耳を持たないので、仕方なく後頭部を力一杯ぶん殴った。
4~5発は殴ったのに、こっちのコブシが腫れ上がっただけでビクともしない。



146 :本当にあった怖い名無し :04/08/25 01:07 ID:FhrN6Mxq
そうこうしてる内に、大人達が集まって来た。
10人以上でKを取り押さえたのだが、引きずられるばかりで止める事ができない。

海水が胸位まで来た時、昼間の偉い坊さんが現れ、お経を唱え始めた。
するとKは、意識を失った様に海に沈んでしまった。

慌ててKを引き上げて浜へ上げた。

坊さんがKの額にお札をはり、お経を読み始めた。
読経は日が昇るまで続けられた。

読経が終わり、坊主がKの背中を叩き、「アイ!!」と気合を入れるとKが目を覚ました。

Kは目の前で何が起こっているのか、全く理解できていない様子だった。
「何故俺は海にいるのか?」
「何でお前まで水浸しなのか?」と、状況を理解しようと必死なようだった。
Kに昨晩起こった事を話すと、「マジ?」と唖然としていた。
本当に何も憶えていない様子だった。


それから町ではその話しで持ちきりだったが、すぐに噂は絶えて、誰もその事を口にしなくなった。
Kは今、北海道で牛を飼いながら元気に暮らしている。
来年結婚するそうだ。


最近あった不思議な出来事を書き込むスレ


950 :本当にあった怖い名無し:2013/09/15(日) 11:54:02.75 ID:Au8NAnCm0
怖くない話だけど、中学の時、
帰り道のしりとりで友人から『ケセランパサラン』の存在を知った。

最初は、なにそれロマンチックと思ってたんだが、
翌日、玄関先で『ケセランパサラン』らしきものを発見!
ちょっと運命を(私が勝手に)感じたので、慌てて捕まえて、家に連れて帰って観察した。

手に乗せると、ふよふよと動いて可愛かった。

それから、プリンの空の容器に入れて、サランラップでふたをした。
またそれを輪ゴムで止めた。
手に乗せた時にふよふよ動いたので、もしかしたら生き物だったり・・・
なんて思い込んだので、サランラップに爪楊枝でプスプスと小さな穴もあけた。
家族に「なにそれ?」と聞かれたので、
『ケセランパサラン』のことを説明したら、「なにそれwww」と笑っていたが、私は構わなかった。


それから数日間はちょっぴりいいことが続いた。
周りからも友人からも「運ないね」って言われ続けた私にとって、うれしい日々が続いた。

また、ある公的な行事で選ばれ、海外七日間の旅行をかなりの格安で行けることも決まった。
希望者も例年に比べてダントツに多く
当選の確率も結構低いものだったので、友人も家族もそうとう驚いた。
学校も関連してくる行事だったので、結果を先生に報告したら、担任も喜んでくれた。
(このあと担任から当選確率を聞いて、数はわすれたけど、
とにかく私にしてみてはよく当選したなって思える数字だった)





951 :本当にあった怖い名無し:2013/09/15(日) 11:55:15.14 ID:Au8NAnCm0
「あれ(ケセランパサラン)のおかげかな?」って、
家族もちょっぴり『ケセランパサラン』のことを感心してるように見えた。

その当選が決まって数日たたないうちに『ケセランパサラン』は消えた。

「家族に捨てたの?」と聞いたら、誰も捨ててないとのこと。
そもそも、私の部屋で置いてあったし、
爪楊枝の穴だって小さくしかあけてない、サランラップもあけてないし、
絶対に『ケセランパサラン』はでられないようにしてある。

そのあと家族も不思議に思って、くまなく家じゅう探したが、結局見つからなかった。

閉じ込めておいたら、ずっと幸運なのでは・・、と思った私の野望ををあっけなく破ってくれたww
世の中本当にうまくできてますよねwww

今でも家族全員で「謎だよね」って話してる。

『ケセランパサラン』を拾ってからいなくなるまで、本当に偶然が重なっただけかもしれないけれど、
でも私は今もふと思い出すと、心の中でそっと感謝の気持ちを述べたりする。
本当に幸運運んできてくれたと、私は思っている。

相変わらず、友人からも「運ない」って言われたり、「幸薄そう」とか言われたりするけど・・・。

今日『ケセランパサラン』を教えてくれた友人と遊びに行ったので、カキコ。


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結構身近なケサランパサラン

不可解な体験、謎な話~enigma~


437 :本当にあった怖い名無し:2007/05/03(木) 10:25:12 ID:w6JbqTXa0
くすんだケセランパサランかぁ・・・
不幸をよぶのかな。

てか、捕まえにいくの???
狙って捕まえちゃいけないんじゃなかったけ?←子供の頃TVで言ってた気がする。





438 :本当にあった怖い名無し:2007/05/03(木) 11:25:20 ID:taBCHxKG0
ケセランパサラン・・・
そんなような名前だったような・・・違うような・・・
友人は『たまちゃん』って名づけて、
いつもそう呼んでいたので、いまいちよく覚えてないんです。すみません。

>>437
捕まえにいっちゃいけなかったんですか・・・。
俺、捕まえられなくてよかった・・・。
捕まえたのが不幸になった原因なのか、くすんだ生物だったからよくなかったのか・・・。
それとも、ただの偶然なのか分からないんですよね。


今日GWで暇で、友人のところにお見舞いに逝く予定なので、生物の名前を聞いてきますね。
祭日でも病院って営業してますよね?



440 :本当にあった怖い名無し:2007/05/03(木) 17:52:16 ID:9/QXMHbo0
それはすぐに手放した方がいいと思うなあ。



442 :432:2007/05/04(金) 01:41:30 ID:YFQS7M1b0
>>432です、今日お見舞い行けました。

ケセランパサラン?
ケサラン・パサラン?
どっちだっけ・・・?
今日友人にきいたら、ケセランだかケサランって言ってました。

>>440
手放す気はないそうです・・・。
ちなみに前の白いのが『たまちゃん』でした。
今飼っているのは『ふーちゃん』だそうです。

20歳過ぎた男が、たまちゃんだのふーちゃんだのってキモイですよね・・・w


――――――――――――――

296 :本当にあった怖い名無し:2008/03/02(日) 01:19:43 ID:sdC8M4DK0
去年の春に、たぶんここのスレに書き込みをした者です。
くすんだ色のケサランの話で。


友人の家が放火が原因らしく火事になり、その火災で友人の祖父と両親、犬、猫が亡くなりました。
友人は春に事故で入院していましたが、その後また事故に遭い
再び入院していたおかげで無事。
友人姉は精神的病で入院中で無事。
友人祖母は、アルツハイマーで施設で生活していて難を逃れました。


冬に友人の姉が、一時退院で実家(火事のせいでアパートでしたが)で自殺しました。

今年のはじめ、友人が乗用車同士の事故で亡くなりました。
友人の49日が過ぎ、落ち着いたので書き込みをさせてもらいました。


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432 :本当にあった怖い名無し:2007/05/03(木) 01:29:11 ID:taBCHxKG0
友達の話なんだけど・・・。

なんか幸せを運ぶとかいう生物?がいるらしく、それを捕まえたらしいんだよ。
エコエコアザラクとかマハリクマハリタとか、なんかそんな響きの名前だったと思う。

見せてもらったことがあるけど、なんかタンポポの綿毛が大きくなったような物体。
どう見ても、動物っぽいとは思えなかったんだよ。


でも偶然か何なのか、その友人ミニロトで1等あてやがった。
同じ年のうちに、ロト6で2等もあてやがった。
1年のうちに、数千万を手に入れちゃったわけですよ。

偶然かもしれないが、さすがに俺も興味持って、友人にその生物を貸してくれと頼んだ。
しかし断られ、結局その生物のこともすっかり忘れてしまったんだが・・・。


ここまでが約2年前の話。





433 :2:2007/05/03(木) 01:29:53 ID:taBCHxKG0
2006年の夏だったと思う。
その友人が、その生物を不注意で逃がしてしまったという。
「また捕まえたいからつきあってくれ」と、群馬の山のほうまで同行させられた。
何かの木の近くによくいる、とか何とかで、
その木がたくさん生えている一番近い場所が、群馬だということだった。


大学も夏休みで暇だったので、ドライブがてら友人を乗せて群馬の山まで行ったんだ。
なんかの施設?植物園?そんな場所で男二人でうろうろ・・・。
正直、俺は半分どうでもよかった。
どうせ宝くじも偶然だろう・・・。そう思いつつも、もしいたら捕獲しようと考えてはいたんだがw


しかし夏は、群馬の山とはいえ暑い。
俺は2時間弱で限界。運転の疲れもあって、車に戻って仮眠をとった。

しばらくすると、友人がもどってきた。
おかしの空き箱を大事そうにかかえていた。
捕まえたとのこと。


みせてもらうと、以前みせてもらったやつは白かったのだが、
今度のは茶色?灰色?何かくすんだような色をしていた。
が、形は以前見せてもらったやつと一緒だった。



434 :32007/05/03(木) 01:31:15 ID:taBCHxKG0
前置きが長くなったが、ここからが本題。

その生物を捕獲してから友人がおかしいんだ。
正確には、友人の周囲がおかしくなっている、といった感じだが・・・。


一番最初は、これは笑い話なんだが、
雑貨屋で安い指輪を試着してみたら、外れなくなったそうだw
そして、そのままお買い上げをしたらしいw
まぁ1万弱だそうで、
その後消防署に行って、指輪を特殊な機械で切ってもらったそうだ。
(その生物を捕まえたすぐあとだった。
「幸運どころじゃねぇよw」と、友人が話していたのを覚えている)


最初に聞いた不幸話は指輪だが、
このあと彼女が妊娠
→堕ろすから金くれ(30万)→慰謝料もくれ(200万)→辛いから別れる。
しかし今年になって分かったことは、
その女は妊娠もしていなきゃ、友人と付き合っていたときに、他に彼氏が2人いた。



435 :4:2007/05/03(木) 01:31:57 ID:taBCHxKG0
他には、携帯をパケ放題にしてPCにつないだら、50万弱の請求が届いた。(自業自得だなw)

今年に入ってからすでに2回、自殺の瞬間をみている。
(駅で少し離れたところに立っていた女性が、電車に飛び込む。ビルから男性が降ってきた)


冬頃から友人の姉の言動がおかしくなり、手首どころか首を切ったり自傷行為に走り出した。
それまで一切メンヘルの気はなかったらしいし、俺も何度か会ってるが、
友人に似てなく、メイクが濃いが美人なOLさんって感じだった。
今は会社も辞め、そういった病院に入院して療養中とのこと。


夏から今日までで自爆、貰い事故を3回。
(原付で直進中、左折の乗用車にはねられる。車でバック中、電柱に衝突。あともう1回、何かあった)

今思い出しただけでもこれだけある。たぶんもっといっぱいあったはず。


で、友人なんだが、現在は原付の事故で太ももの骨を折ったらしく入院中。
もうすぐ退院するみたいだが、
あのくすんだ色の生物と何か関係があるんじゃないかと思うんだが・・・。
ただの偶然ならそれでいい。
偶然じゃなかったら怖いんだ。

友人はその生物を手放す気がないらしく、宝くじを購入し続けている。



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224 :名無しさん@おーぷん :2014/05/05(月)18:54:57 ID:RDMfh7rnJ
別に怖かないが、田舎の姉ちゃんの話。


父方の郷里が島根で、ガキの頃は毎夏冬に通ってた。
平屋だけどとにかく広い家で、一日中探検するのに全部は回りきれてない感覚があった。
(錯覚なんだろうけど)


ある日、本当に見覚えのない長い廊下に出て、進んでいくと木製の格子に囲まれた部屋に辿り着いた。
今ならあれが座敷牢と呼ばれるものだと分かるが
当時ガキだった俺には分からず、恐れもせずに近寄って行った。

そこで出会ったのが『田舎の姉ちゃん』。
とても綺麗な人で、花魁みたいな大袈裟な和服を着てた。
俺は『わや』と呼ばれて、色んな面白い話を聞かせてもらい、すぐに懐いた。

山に川に原っぱに変な遺跡群にと、ガキの興味をひくものは山ほどあったのに、
家から出なくなった俺を怪しんだ親父に何かあったのか聞かれたが、何となく黙ってた。





225 :名無しさん@おーぷん :2014/05/05(月)19:14:00 ID:RDMfh7rnJ
何年かして、いつの間にやら
田舎に行くのが億劫になってきて行かなくなった。

その頃、田舎の家に住んでた曾祖父さんがうちに移り住んできて、
そこそこ遠方に豪華な屋敷を持ってたはずの祖父さんもやってきて、我が家は随分狭くなってしまい、
そのことに不満を覚えた俺は親父に何があったのか聞いた。

なんでも、祖父さんがやってた事業が乗っ取りを受けたらしく、
全部を失う前にと這う這うの体で逃げてきたんだとか。

不運は続くもんで、曾祖父さんの家も
季節外れの大雨と川の決壊で床上浸水して壊滅的被害を受けたそうな。

で、ふとあの『田舎の姉ちゃん』のことを思い出して、
あの人はどうなったのかと聞いたら、

親父「そんな、アレがいまさら!?」
祖父「アレに会えたのか? まさか、出したんじゃないだろうな!?」
曾祖父「いや、さすがにないだろう。呼ばれもしてないのに」と侃々諤々の話し合いを始めた。

出すも何も、あの格子には扉も鍵もなかったと言い訳してた。
と同時に、やはりあの人は閉じ込められてたんか、と気づいた。


座敷わらし的なものだったんかな?
曾祖父はその後100歳過ぎまで生きて大往生したし、祖父は至って健康にまだ生きてる。
幸運の振り返しなんてものはないようだが、
親戚たちの話によると、結構あったはずの資産が底を尽いてたらしい。
『呼ばれ』てないってのは、俺が田舎に行きたがらなくなったってことなんかな。



226 :名無しさん@おーぷん :2014/05/05(月)19:20:40 ID:RDMfh7rnJ
思い出しついでに『わや』を調べてみたんだが、碌でもない意味なんだが…
島根の方言でもないし…やっぱ、『閉じ込めやがったクソ野郎のクソ末裔』ってことなんかな。
凄く可愛がられた覚えがあるんだが、懐かせて~と
何か企みがあったんか。


53 :本当にあった怖い名無し:2009/05/24(日) 04:15:47 ID:B3+fEFe10
和尚さんは、続けてこんな話をし始めた。
ここ数年(当時で数年なので今からだと10年ほど前)、
お寺や神社の宝物庫への窃盗事件が増えており、どうも大半が、外国人の窃盗団によるものらしい。
ここで問題となるのが、最初に書いたとおり、
『問題のある品物』を、便宜上宝物庫と呼ばれている場所に保管している
お寺や神社は、ここ以外にも多数あり、そういった品物が、
やはりあちこちで盗まれているとか。

当時から少し2ちゃんをやっていた俺は、コピペなどで情報を得ていたため、
「ああ、かの国の窃盗団だな」とすぐに分かり、
和尚さんに聞いてみたが、曖昧な返事しかしてくれなかった。

その代わり、別の話をしてくれた。

仮にの話として、もし一連の寺社への窃盗事件が、かの国の窃盗団によるものだとすると、
『いわく付き』の品物が次々とかの国へ、
何の保護措置もしないまま送られ続けている事になる。

これは非常に危険な行為で、一つの国に何の措置もしないまま、
無秩序に『いわく付き』の品物が集められたら、一体何が起きるのか想像も出来ない。

「普通、そんな何の利益にもならない、バカな事をする人はいないだろう」
と和尚さんは言っていた。
おかしな話だが、呪いの類にも、人間関係のような相性があって、
人で喩えるなら、意気投合するものもあれば、性質が合わずに反目しあうものもあるらしい。
そういったものが何の規則性も無く、
制限無く集められていっているとしたら、
「恐らくとんでもない事になる。何が起きるのかは分からないが・・・」とも言っていた。





54 :本当にあった怖い名無し:2009/05/24(日) 04:18:14 ID:B3+fEFe10
そこで俺は、こう和尚さんに言ってみた。
「でも、外国に持ち出されたなら、俺達は安心じゃん。その国にいかなければ害も無いでしょ?」と。

しかし和尚さんは、
「そうではない。仮に行かなくとも、
これだけ大きく無秩序な呪物の集合の場合、『縁』を持っただけでも危ない。
『縁』が軽い場合や一時的なものだったとしても、一体どういう影響があるのか全く予想も出来ない。
もしお前達が『縁』を持ちそうになったら、何があってもそこから逃げろ」
と言われた。


これが当時、俺が聞かされた話の全て。
ぶっちゃけて言うと、俺はこの話を信じていなかった。
だから最近まで、ほぼ完全に忘れていたのだが、そこで最初に話した、あるコピペが関係してくる。
そのコピペを見て、もしかしてこれがその影響か?と直感的に感じたから。



55 :ラスト:2009/05/24(日) 04:19:00 ID:B3+fEFe10
以下がそのコピペ。

新種の精神障害『危険水準(2004年)』
――前頭葉が破壊されてる韓国人激増。火病と同根かも知れないがこれは脳損壊である
・症状は、前頭葉の損壊――最も高度な部位。創造的な文化が皆無なのにも理由があった訳。
・1997年~2004年で子供の発病率が100倍に急増。遺伝子的欠陥なので指数関数的に蔓延する。
・現在2008年には、1997年(基準年?)の数千倍の発病率になっていても不思議じゃ無い。

現在でも国民的な病だが、
『子供の』発病が21世紀に入って急増したという事で、
彼等が成人を迎える10年後辺りからは、民族としての、更なる壊滅的様相が想定される。
――これはもう、セルフ・ホロコーストになるかも…


時期的にも、窃盗団が日本に来始めた頃と合致する。
俺は絶対に、かの国との『縁』を持たないようにしようと思った。
無知というのは、ほんとうに恐ろしい・・・・・


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48 :本当にあった怖い名無し:2009/05/24(日) 04:11:21 ID:B3+fEFe10
最近2ちゃんで、とあるコピペを見つけた。
それを見て、忘れかけていた、数年前に起きたとある事件を思い出したので、ここに書こうとおもう。


たしか、今から5年前の夏休み。
俺が中学生の頃、実家のすぐ近くにあるお寺で、盗難事件が発生した。
お寺の2つある宝物庫のうちの、1つの中身が盗難にあったらしい。
それだけならただの盗難事件なのだが、何か様子がおかしかった。

うちは代々そこの檀家を勤めているのだが、うちも含め、
檀家や周辺の家の人たちが事件の翌日に集められ、大人達で何事か話し合っているようだった。
当時俺はガキだったので、色々大変なんだな、としか思わず、
その時はあまり気にしていなかった。


数日後、俺や同い年の従弟やその他数人の友達が、
お寺の裏山でエアガンでサバイバルゲーム(というかごっこだなw)をしていると、
和尚さんが俺達のところへやってきて、
「○○(俺)と○○(従弟)、ちょっと来なさい。話があるから」と呼ばれた。

俺たちは、お寺の裏山で大騒ぎしていたのを叱られるのだ、と思い、
ビクビクしながら和尚さんについていくと、
和尚さんはお寺の本堂に俺達を入れて、「ひとまず座りなさい」と俺達に促した。

和尚さんはほんとうに神妙な顔つきで、
俺と従弟は、こりゃまずいな…と縮こまっていると、予想とは裏腹に、
説教ではなく別の話をし始めた。
和尚さんの話は俄かには信じられず、何か荒唐無稽な話に聞こえたが、
とにかく、真剣な顔つきで話していたのを覚えている。





49 :本当にあった怖い名無し:2009/05/24(日) 04:12:17 ID:B3+fEFe10
その話というのは、和尚さんによると、2つある宝物庫のうち、
1つは確かにお寺に伝わる経典や仏像など、価値のあるものを収めているのだが、
もう一つの宝物庫は、宝物庫とは名前だけで、別の物を保管しているらしい。
その『別の物』とは。
元来お寺や神社には、不吉な物や呪物などを、
『お払いして欲しい』或いは『引き取って欲しい』と頼み込んで来る人が、結構どこでもいるとか。

しかし、普通は気のせいや偶然が重なっただけの物が多く、
基本的にそういう物の受け取りは拒否するか、
気休め程度に祈祷をして、本人に納得してもらう方法を取っているらしい。

しかし、どうしてもと押し付けられてしまう場合や、
稀に本当に危険なものが持ち込まれるため、その場合は仕方なく引き受けるらしい。
その倉庫には、そういった『いわく付き』の品々が収められていたとか。
これら『いわく付き』の品物の数々を、
時間をかけてお払いするために、倉庫は存在していたわけだった。


ただし、そうやってお寺に持ち込まれたものは、金銭的な価値があるようなものではなく、
ただ単に霊的、或いは祟りとして危険なだけなものなため、
普通は盗まれるなんて事は無い。

しかし、今回そういう『いわく付き』のものが盗まれてしまった。
盗まれたのは2つらしいが、
そのうち1つが俺の一族に縁のある品物らしく、その話をしておきたいと呼んだという。



50 :本当にあった怖い名無し:2009/05/24(日) 04:13:07 ID:B3+fEFe10
今回盗難事件にあったのは、要するに『いわく付き』の品物がある倉庫の方だった。
泥棒は、警備の厳重なほうの宝物庫に、価値があるものがあると考えたのだろう。
『いわく付き』の方の宝物庫は、
外に出してはいけない物がいくつもあったので、
本来の宝物庫よりも、ずっと施錠などが厳重だった。


盗まれた『いわく付き』の品物2つの説明をすると、
一つは一振りの日本刀、もう一つは金でできた仏像らしい。
俺は、なるほど、売れば高そうだな、と思った。

刀のほうは俺の一族とは無縁なため、
説明は大雑把にするだけにするが、これは和尚さんの先代が住職を勤めていた頃、
男の人が、「とにかくこれを引き取ってくれ」と持ち込んだもの。
当時の住職は、「許可が無いと犯罪になってしまうから」と断ったが、
無理に押し付けられるような形で、その男の人は置いていってしまったのだという。

その刀は和尚さん曰く、
「専門家でないから価値はわからないが、相当に古いもので、
なぜか銘の部分が削り取られていた」らしい。
ちなみにこの刀は、「所持していると自分が人を切り殺す夢」を何度も見てしまうというもので、
持ち込んだ男の人は、「そのうち自分が人殺しをしてしまうのではないか」
と不安になり持ち込んだとか。

ちなみに、住職はその話を信じていなかったが、
引き取ったその日から、本当に自分が刀で人を切り殺す夢を何度も見るようになってしまい、
これは大事だと、『いわく付き』のほうへ保管したとか。
銃刀法関連は、当時の住職が警察と話し合って、
詳しくは知らないがどうにかなって、今までお寺に保管されていたらしい。


そしてもう一つの、金でできた仏像。
これが俺の一族に関係する物だった。
ちなみに仏像と呼んでいるが、実際は和尚さんがいうには、
「今までこんな形の仏像は見た事が無く、便宜上形が似ているためそう呼ばれていただけ」
のもので、厳密には仏像ではない。



51 :本当にあった怖い名無し:2009/05/24(日) 04:14:01 ID:B3+fEFe10
この仏像という像は、今から150年近く前、
俺のご先祖様が地元で起きた大洪水の翌日、土石流の片付け中に、
泥と瓦礫の山の中から見つけた品物。
金で出来ている事や、見た目が仏像に似ていることから、何かありがたいものであろう、
ということで持ち帰り、そのまま家の仏間にかざっていた。
和尚さんが言うには、洪水で山の上のほうから流れてきたのではないか、との事だった。
(ただし、俺の地域は元々山深い場所で、俺の住んでいた地域より上に村などは無い)


その像を持ち帰ってから数日後。
あちこちで異変がおき始めた。
始めは家で飼っている猫や家畜が、謎の病気で死にはじめ、
それはご先祖様の家だけでなく、周辺の家々でも起き始めた。
更に暫らくすると、子沢山だったご先祖様の家の子供が次々と死に始め、
10人いた子供が、たった半年の間に3人にまで減ってしまった。
当初疫病かと思われ、村で様々な対策がされたらしいが、何一つ効果が無かった。


ご先祖様の家以外の子供が死に始めた頃、
その金の像に、ある異変が起きている事に気が付いた。

拾ってきた当初、その像は無表情に近い顔をしていて、
感情を読み取れるようなものは何も無かった。
しかし、ふとご先祖様が像を見てみると、
明らかにニヤニヤという感じの、笑い顔に表情が変わっていたとか。

更に不気味な事に、像の足元辺りから上のほうへ、
まるで血管のような赤い線がいくつも伸び始めてきていた。

当初は「気のせいだ」と見なかった事にしていたご先祖様だが、
その血管のようなものが、人が死ぬたびにどんどん上のほうへ広がっていくのを見て、
これはもう手に負えないと、当時のお寺の住職に持ち込んだらしい。
金で出来ていたので、手放すのが惜しかったというのもあるだろう。



52 :本当にあった怖い名無し:2009/05/24(日) 04:15:04 ID:B3+fEFe10
当時の住職は、像の噂は聞いていたが、一度も見た事は無く、
その日初めて像を見たらしいが、
一目見て「これは危険なものだ」と感づいたらしい。

像が何のために作られ、どうやってこの村へやってきたかは分からない。
しかし、相当に危険な呪物である事は間違いが無く、
このまま放置しておけば、村が全滅しかねないほど危険だったため、
当時の住職は、すぐにお払いの祈祷を始めた。


しかし、祈祷を始めてから数時間後。
その住職は両目両耳から血を流して、恐怖に歪んだ表情のまま死んでいるのが本堂で発見された。
死因は不明。
ただし、像が何らかの形で関係しているのは間違いなかった。

なぜなら、祈祷をする前には、腰の辺りまでしかなかった血管のような模様が、
一気に首の辺りにまで達していたから。

それを見た村人たちは、これはもう手に負えないと、
像をどこかに捨てる計画を立てていたらしい。


次に本山からやって来た住職が、
「一度に御払いをするのは、恐らく危険すぎて無理だろう。
お寺で災いが外に漏れぬよう保管をして、何代もかけてゆっくり穢れを浄化するしかない。
捨てて解決できるようなものではない」
と村人達を説得し、現在まで少しずつ祈祷で呪いを払いながら、お寺で厳重に保管されてきていた。

長くなってしまったが、
ここまでが和尚さんが俺達に話した、盗品に関する『いわく』の話。



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191 :8:2011/05/19(木) 23:35:19.55 ID:GMmQg5nH0
そして、俺達はE介の手足と肩をもち、外へと運び出そうと1階までE介を運んだ。
が、そこで問題がおきた。
ドアを開けようとしたB太が、声を震わせながら大声で「ドア開かねーよ!」と言ってきた。
俺達はE介を廊下に降ろし、みんなでドアを開けようとしたのだが、
さっきは簡単に開いたのに今はびくともせず、
6人の中で一番体格の良いA也がドアにタックルしてみたのだが、
それでもまるで開く気配が無い。


俺達は軽くパニックになり顔を見合わせていると、
2階から微かに「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」と、まるで抑揚の無い機械的な声というか、
音というかが聞こえてきた。

E介はまだ床に寝転がされたまま笑っている。

とにかく外にでないといけない、
そう考えた俺は、1階のリビングが、ガラスのサッシのみで割れば出れそうな事を思い出し、
4人にそれを伝えると、リビングへと向かう事にした。

その時、ふと俺は階段の上を見て絶句した。

階段の踊り場の少し上ところから、子供の顔がのぞきこんでいる。
月明かりが逆光になっていて、表情とかは何も分からないが、
顔のサイズや髪型からさっきの子供とわかった。
相変わらず「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」という声も聞こえてくる。
どうやら声の主はこの子供らしい。





192 :9:2011/05/19(木) 23:36:01.72 ID:GMmQg5nH0
しかし何かがおかしい、違和感がある。
俺はすぐに違和感の正体に気が付いた。

子供は階段の手すりからかなり身を乗り出しているはずなのだが、なぜか頭しか見えない。
あれだけ乗り出せば、肩辺りは見えても良いはずなのだが…
俺がそんな事を考えながら階段の上を凝視していると、
C広が「おい何してんだ、早く出ようぜ、ここやべーよ!」と、
俺の腕を掴んでリビングへと引っ張った。


俺には一瞬の事に見えたが、
どうも残りの4人がE介をリビングへ運び込み、窓ガラスを割り、
打ち付けてある板を壊すまで、ずっと俺は上の子供を凝視していたらしい。
俺は何がなんだか解らず、とりあえず逃げなければいけないと、皆でE介を担いで外へとでた。

外へ出ても相変わらず、「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」という声は、家の中から聞こえてくる。
俺達はE介を担ぎ、D幸が合宿所へ先生たちを呼びに行った。



193 :ラスト:2011/05/19(木) 23:38:00.38 ID:GMmQg5nH0
その後、E介は救急車で運ばれた。
俺達は先生方に散々説教をされ、こんな事件があったので合宿はその日で中止となった。


帰宅準備をしていた昼頃、十台くらいの数の車が合宿所にやってきた。
中から20人ほどのおじさんやおじいさん、あと地元の消防団らしき人が降りて、
顧問の先生たちと何か話しをすると、
合宿所の裏に回り、例の家の周りにロープのようなものを貼り、柵?のようなものを作り始めた。

俺達は何事なのかと聞いてみたが、
顧問の先生たちは何も教えてくれず、そのままバスで地元へと帰った。

E介は2日ほど入院していたが、その後どこか別の場所へ運ばれ、
4日後には何事もなかったように帰ってきた。
後から事情を聞いてみると、
E介には、家に入ったところから昨日までの記憶が何もなかったらしい。



268 :本当にあった怖い名無し:2011/05/20(金) 21:00:48.42 ID:x83Y3WRH0
E介が帰ってきた日の夜、俺が自分の部屋で寝転がってメールしていると、
一瞬、「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」という、あの声が聞こえた気がした。
びっくりして起き上がり、カーテンを開けて外を見たりしたが、いつもの景色で何も無い。
俺は「気のせいかな?」と、起き上がったついでに
1階に飲み物を取りに行くことにした。


俺の家はL字型になっていて、自室は車庫の上に乗っかるような形になっている。
冷蔵庫からペットボトルのお茶を取り出し2階へ上がると、
丁度階段を上がったところの窓のカーテンの隙間から、僅かに自室の屋根の部分が少し見えた。
すると、屋根の上に何かがいる…


この前あんな事があったばかりなだけに、
ビビりまくった俺が窓からカーテンを少し開けて外の様子をのぞくと、
屋根の上に和服を着た子供が、両手を膝の上にそろえて正座しているのが見えた。
それだけでもかなり異様な光景なのだが、それだけではなかった。

子供は体を少し前かがみにして、下を覗きこむような姿勢なのだが、
首のあるはずの部分から、細長い真っ直ぐの棒のようなものが1mほどのびていて、
その先にある頭が、俺の部屋の窓を覗き込んでいた。



269 :本当にあった怖い名無し:2011/05/20(金) 21:01:37.39 ID:x83Y3WRH0
「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」という声も、窓越しにわずかに聞こえてくる。
俺はあまりの出来事に声も出せず、そのまま後ずさりすると1階へ下りた。

寝ている親を起そうかとも思ったが、
これで起してあれがもういなかったらそれこそ恥ずかしい…
その時なぜかそう思った俺は、そのまま1階のリビングで徹夜した。
たしか朝4時過ぎまで、「ホホホ…」という声は聞こえていたと思う。


翌朝、恐る恐る部屋に戻ってみたが、
あれはいなくなっており、室内にも特に変わった部分は無かった。

その日の昼頃、自宅の電話に顧問の先生から電話があった。
この前の件で話があるからすぐに来いという。
昨晩のこともあった俺は、嫌な予感がして大急ぎで学校へと向かう事にした。



270 :本当にあった怖い名無し:2011/05/20(金) 21:02:19.49 ID:x83Y3WRH0
学校へ到着すると、生徒会などで使っている会議室に呼ばれた。
会議室に入ると、A也、B太、それにC広とD幸までいる。
更に、うちの学校とC広たちの学校の顧問の先生たち、それと見た事の無いおじさんたちも数人いた。


まず、顧問の先生のうち1人が話し始めた。
要約すると、E介にまた同じ症状だでたらしく、とある場所に運ばれたらしい。
そして、俺達に「昨夜おかしな事はなかったか?」と聞いてきた。

俺はすぐさま昨夜のあれを思い出し、
「あのー、深夜になんか変なのが俺の部屋を覗き込んでるのが見えて…」と事情を話した。
A也、B太、C広、D幸には特に異常はなかったらしい。

するとC広が、
「そういやお前(俺)さ、あの家の中で、階段の上眺めながらボーっとしてたよな?
あれ関係あるんじゃないか?」 と言い出した。



271 :本当にあった怖い名無し:2011/05/20(金) 21:02:59.21 ID:x83Y3WRH0
そういえば… 俺はあのときの事を思い出し、
皆に「あの時さ、変な笑い声みたいなのと、なんか子供の姿見たよな?」と聞いてみた。
しかしみんなは、声はずっと聞こえていたけど、
子供の姿は最初のドアのところで見ただけで、家の中では見ていないという。

俺達がそんなやり取りをしていると、
さっきまで黙っていたおじさんが、事件の詳細を話し始めた。

非常に長い話だったので要約すると。俺達がであったのは、「ひょうせ」と呼ばれるものらしい。
これはあの土地特有の妖怪のようなもので、滅多に姿を見せないが、
稀に妊婦や不妊の家の屋根に現れて、笑い声をあげるらしい。
そうすると、妊婦は安産し、不妊の夫婦には子供が産まれるという、非常に縁起の良いものだそうな。
ただし、理由は全く分からないが、数十年に一度、
なぜか子供を襲い憑り殺してしまうという、厄介な存在でもあった。


ちなみにあの家は、全くいわくも何もなく、ただ「ひょうせ」が偶然現れただけの場所なのだが、
「ひょうせ」が子供を憑り殺そうとした場合、それに対する対抗策があり、
「ひょうせ」が最初に現れた場所に結界を作り封じ込め、
簡易的な祠をつくって奉ることで、殺されるのを防ぐ事ができるらしい。
合宿所から帰る直前、俺達が見たのは、その封じ込め作業だったわけだ。



272 :本当にあった怖い名無し:2011/05/20(金) 21:03:29.67 ID:x83Y3WRH0
おじさんは続けて、ただ今回は何かおかしいのだという。
普通、祠をつくって奉ればそれで終るはずなのだが、今回はどういうわけだが逃げられてしまって、
E介がまた被害に会い、しかも俺のところにまで現れている。

それに、そもそも現れるだけでも珍しい「ひょうせ」が、
自分達の村とその周辺以外に現れる、というのも全く前例がないうえに、
「ひょうせ」が前回子供を襲ったのは20年ほど前で、早すぎるのだそうな。

ただ、おかしいおかしいといっても、現実に起きてしまっているのだから仕方が無い。

俺達は学校で、村から来たお坊さんに簡易的な祈祷をしてもらい、お札を貰って、
「君たちはこれで大丈夫だろう」と言われ帰された。
ちなみに、E介に関しては、暫らくお寺で預かって様子を見て、
その間にもう一度祠を建てて、「ひょうせ」を奉ってみるとの事だった。


学校から帰された俺達は、各々迎えに来ていた親に連れられて帰る予定だったのだが、
話し合って、ひとまず学校から一番近い俺の家に全員で泊まることにした。
安全と言われていてもやはり不安だし、全員でいたほうが少しは心細く無いと思ったからだった。


その夜、俺達が部屋でゲームしていると、
コン…コン…コン…コン…と、窓を規則的に叩く音がした。



273 :本当にあった怖い名無し:2011/05/20(金) 21:04:40.52 ID:x83Y3WRH0
さっき説明した通り、俺の部屋は車庫の上にあり、
壁もほぼ垂直なので、よじ登って窓を叩くなどまずできない。
しかも、その窓は昨晩、例の子供が覗き込んでいた窓だ…

状況が状況だけに、全員が顔をこわばらせていると、
B太が強がって「なんだよ、流石に誰かの悪戯か風のせいだろ?」と、カーテンを開けようとした。
俺は大慌てでB太に事情を話し、カーテンをあけるのを踏みとどまらせた。


窓を叩く音はまだ続いている。
D幸が、「やっぱ正体確認したほうがよくね?分からないままのほうが余計こえーよ…」と言ってきた。
たしかに、何かその通りな気がした。
なんだか分からないものが一晩中窓を叩いている状況なんて、とても耐えられそうに無い。
俺達は階段のところまで移動し、カーテンを少し開けて、隙間から俺の部屋を見てみた。

いた…
昨日のあれが、やはり昨日と同じように首をらしき棒を伸ばし、窓から俺の部屋を覗き込んでいる。
そして時々、コン…コン…と頭を窓にぶつけている。



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