サイケデリック・奇譚

永遠の日常は非日常。

タグ:占い

https://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1535920044/-100

304:本当にあった怖い名無し:2018/11/23(金) ID:H9xaBW9K0.net
石じじいの話です。 

小石を畳に撒いて、人の将来を占う子がいたそうです。 
その子供は、まだ小さかったのですが、いつの間にか白い小さな石を5つ持っていました。 
それを畳に投げ撒いて、石の配置で人の死「のみ」を占ったそうです。 
石をどこから手に入れたのかその子は言わなかったので、
そのへんで拾ったのだろうということでした。 

最初は、子供の遊び、と思っていた大人たちでしたが、ある時、
その子が「もうすぐ、XXのおじさんが死ぬ」と言ったそうです。 
家族のものは子供をたしなめましたが、老人でもないそのおじさんは、すぐに死んだそうです。 
その後も、何度か、他人の死の予想を的中させました。 
その子は、自分の占いのことを『めいしん』と呼んでいたそうです。 
漢字で書く、いわゆる「迷信」とは違った意味だということでしたが。 

ある時、その子は、「うちらは、みんな死ぬんで」と家族のものに言った後、
行方不明になりました。 
彼は、ため池に浮かんで死んでいたそうです。 
石は、その子の座机の引き出しに残されていました。 
事故だったのか?入水自殺だったのか?(ちいさな子供が自殺するとも思えませんが) 
その後、その子の家族は、戦争(出征して戦死、空襲で死亡)で全滅しました。 
結果論ですが、その子の占いは当たったわけです・・・ 

まあ、「みんな死ぬ」という占いの結果は、絶対にはずれないのですが。 

「あの子の持っとった石は後に見せてもろうたけど軽うてな。
石やのうて骨を磨いたもんのように見えたけんどね。古そうなもんやったな。」


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298 :本当にあった怖い名無し:2018/11/21(水) 12:59:44.48 
石じじいの話です。 

時によって、重さの変わる石があったそうです。 
それは、青黒い石で、川岸の小さな祠に祀ってありました。 
台座の石の上にのっていましたが、
台座は苔むしているのに、その石はぴかぴかしていたそうです。 
たぶん、その石が、たまに占いに使われていたからだろうということです。 
願い事がある時に、その石を持ち上げて、その重さの違いで吉凶を占ったのだそうです。 
重ければ吉、軽ければ凶と。(逆かもしれない) 

ただし、その石に「祈って」も、願いが叶うわけではありませんでした。 
この石には、定期的に「肉」が供えられていました。 
それは、トカゲやヘビ、ネズミ、うさぎのような動物だったそうです。 
それらの死体が腐って匂うので、吉凶を占うときちょっとこまったと。 

だれが供えているかわからなかったそうです。 
気がつくと、お供え物が替わっている。 

ある時、その祠の前で犬が死んでいることがありました。 
その石は、台風が来て大水が出たときに流失してしまったそうです。 

死んでいた犬が、その石への「供物」だったかどうかはわかりませんが、
もっと大きな「供物」があったのでしょうか?


299 :本当にあった怖い名無し:2018/11/21(水) 21:11:03.47 
おもかる石 は全国にあるねー占いに使われるのも一緒だし 
肉のお供えは今では廃れたのかも


関連記事

http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1439136803/
素人でも使える、体感できる魔術ってない?

1 :本当にあった怖い名無し:2015/08/10(月) 01:13:23.72 ID:9x8lpqV70.net
わかり易いのを頼む
できれば危険は小さいものを


2 :本当にあった怖い名無し:2015/08/10(月) 01:21:04.99 ID:9x8lpqV70.net
実在するか確かめてみたいんだ


4 :本当にあった怖い名無し:2015/08/10(月) 02:10:35.74 ID:4U+PCnuO0.net
びっくりするほどユートピア!


5 :本当にあった怖い名無し:2015/08/10(月) 02:32:47.46 ID:9x8lpqV70.net
それってあんま意味ないってきいたぞ
後霊が出た時しか使えん





8 :本当にあった怖い名無し:2015/08/10(月) 16:44:36.04 ID:2b+H2nv60.net
縦縞のハンカチを一瞬で横縞に変える魔術をだな


9 :本当にあった怖い名無し:2015/08/10(月) 18:36:06.38 ID:9x8lpqV70.net
マジックじゃねえかw


10 :本当にあった怖い名無し:2015/08/10(月) 19:20:58.75 ID:g4sbUEZg0.net
素人が体感できたらそれは魔術でもなんでもないような?
誰でもできるってことだろ?


11 :本当にあった怖い名無し:2015/08/10(月) 21:53:52.54 ID:wdLxJQir0.net
飽きた
異世界エレベータ


12 :本当にあった怖い名無し:2015/08/10(月) 21:58:50.83 ID:WkHEslGw0.net
>>11
それは魔術とはちょっと違う


15 :本当にあった怖い名無し:2015/08/11(火) 00:14:02.39 ID:RKNBcnbS0.net
やっぱ修行とか積まないとできないの?


16 :本当にあった怖い名無し:2015/08/11(火) 00:15:01.13 ID:RKNBcnbS0.net
あ、ID変わってるけど1です。一応


20 :本当にあった怖い名無し:2015/08/11(火) 17:26:10.98 ID:vREGG5/N0.net
幼なじみがしょっちゅう幽体離脱してたな
どうすればできるか聞いたことあるけど教えてもらえなかった
多分本人もわかってなかったしな


22 :本当にあった怖い名無し:2015/08/11(火) 17:47:51.90 ID:hv+qqahx0.net
妖精を呼び出す方法
深夜、部屋の蛍光灯の下でゆっくりと両手を前に出しつつ
押しつぶしたような声で「エンカブツ!」と叫び中腰になる。
そして中腰のまま裏声で「ヲンヲンヲン!」と叫びながらぐるぐると回転し、
「ジベラバ、オツコテツ!」と念じる。
多少の霊感があれば妖精が現れる。


24 :本当にあった怖い名無し:2015/08/11(火) 19:29:35.84 ID:RKNBcnbS0.net[
それマジ?
本当なら今日やるわ


26 :本本当にあった怖い名無し:2015/08/11(火) 21:44:46.86 ID:RKNBcnbS0.net
>>22
検索したらタイムリープ出てきたぞ
違うじゃん


27 :22:2015/08/11(火) 21:52:50.26 ID:hv+qqahx0.net
超自然的な能力を引き出す呪術なのでいろいろなことが出来ます。
あなたが妖精を呼びたいと強く願って実施すると妖精が召喚されます。


28 :本当にあった怖い名無し:2015/08/11(火) 22:19:07.84 ID:RKNBcnbS0.net
じゃやってみるよ
動画はちょっと無理だが


32 :本当にあった怖い名無し:2015/08/12(水) 06:26:07.27 ID:JIijV71B0.net
こういう能力は魔術に必要な基本的認識力を与えてくれる
ただまぁ、術として組み上げるのはまた別の技術で、
国語で言えば読解力がついたっていう話
それイコール本を一冊書き上げる能力という訳じゃないのと同様、
魔術を作る力が即つくわけではない

昔からマナやオドと呼ばれる霊気霊子がある
それを認識できるかどうかということだね
魔術に関わるには正しい意識が必要
それが欠けると周囲を巻き込んで身を滅ぼす
だから、無理に学ぼうとせず運命に流れを預けることが大事だね


33 :本当にあった怖い名無し:2015/08/12(水) 15:25:39.83 ID:UX/GI7NK0.net
>>1は間違って異世界へ行ってしまったようだ


34 :本当にあった怖い名無し:2015/08/12(水) 18:59:06.51 ID:VBYNkIzU0.net
ちゃんとこっちの世界にいるぞ


35 :本当にあった怖い名無し:2015/08/12(水) 19:01:27.56 ID:UX/GI7NK0.net
成功した?


36 :本当にあった怖い名無し:2015/08/12(水) 19:02:24.43 ID:VBYNkIzU0.net
魔術って言ったら儀式とか想像してたんだがそういうので何かいいのないか?


37 :本当にあった怖い名無し:2015/08/12(水) 19:13:26.66 ID:UX/GI7NK0.net
儀式は上に書いた通り。
もっと専門的なのがいい?


38 :本当にあった怖い名無し:2015/08/12(水) 19:19:35.67 ID:VBYNkIzU0.net
教えてくれるなら是非
前のやつはなんもおこらなかった


40 :本当にあった怖い名無し:2015/08/12(水) 20:22:17.91 ID:UX/GI7NK0.net
呪術は場所の選定も重要な気がするよ。
道具の選定も。
空中に浮いた部屋で行わないと厳しい。


41 :本当にあった怖い名無し:2015/08/12(水) 20:25:23.38 ID:VBYNkIzU0.net
床下あるから一応ぢ面から少し浮いてる


43 :本当にあった怖い名無し:2015/08/14(金) 03:54:41.09 ID:0Xe+qB/+0.net
構造物で繋がってたらダメ。


45 :本当にあった怖い名無し:2015/08/16(日) 21:43:32.85 ID:Y1jCdZLS0.net 
でもそんな場所存在する?


49 :本当にあった怖い名無し:2015/08/19(水) 03:22:09.70 ID:YIr+yoiz0.net
水晶玉あれば大概は誰でも出来ると聞くよ
面白いこと見せてもらったことあるし
ただパワーストーンみたいなスピ系の小遣いになるゴミの水晶じゃなく
小さくてもいいから汚れやキズがない綺麗な丸玉が必要だけど
本物の石屋の丸玉って高いんだよな
結局お金は必要ってこった


50 :本当にあった怖い名無し:2015/08/21(金) 22:21:28.73 ID:SzDeoaST0.net
ほうそうなのか
どんなことができるか詳しく頼む


51 :本当にあった怖い名無し:2015/08/24(月) 11:55:23.19 ID:YClHtnvA0.net
簡単にできるやつねぇ…
思い続ける事は実現する かなあ、やっぱ
いわゆる引き寄せ効果って奴だけど、ねがわない事はかなわない。
これも立派な魔術だよ。


52 :本当にあった怖い名無し:2015/08/28(金) 09:57:15.17 ID:tfGdylOE0.net 
私、五年間思い続けていることが実現しないし、
願わないことが起こるしだよ。
どうしたらいい?


54 :本当にあった怖い名無し:2015/08/29(土) 15:29:50.86 ID:4uQg/rkp0.net
想い続けると逆になっていく。


55 :本当にあった怖い名無し:2015/08/29(土) 18:50:38.88 ID:Xd8MemXr0.net
どういうこと?詳しく


56 :本当にあった怖い名無し:2015/08/29(土) 21:43:24.00 ID:4uQg/rkp0.net
いや、そのまんまです。
こうなってほしいとずっと想い続けていたら
最も嫌な方向に唐突に強力な力が働いてなったんです。
ほぼすべての想いがそうなります。 


59 :本当にあった怖い名無し:2015/08/30(日) 09:40:36.30 ID:KjKPIw6I0.net
呼吸をできるだけゆっくりすることを癖づけていく。
これはおすすめ。
ヨガとか難しいことは考えなくてもいい。
日中とかは運動量によって難しい時もあるので、なんとなく程度。
寝る前は本気で挑戦するみたいな。

体感することは主に意識、知覚の変容。
だから多少のあるあるみたいな共通点はあっても、具体的な体感は人それぞれだろう。
意識的にゆっくり呼吸することに挑戦するだけなので、
素人でも酸欠で死んだり、障害が起きるような危険なところまではいくことはない。
注意点はあくまで意識だけで挑戦すること。
効果を高めるために、素人が道具や環境などで、
呼吸に制約を与えるようなやり方をすると非常に危険。


62 :本当にあった怖い名無し:2015/09/09(水) 19:06:03.50 ID:aulHJJVM0.net
素人の願うって、一言でいってるけど場合によって意識のばらつきがあるからな
真相意識で真逆になると感じているから意識で願うとか、そういうのもある
なんでもそう容易くはないものさな



http://2ch.nvxi.jp/r8/logs/1295172583.html#308


413 名前:本当にあった怖い名無し :2011/02/12(土) 23:46:56 ID:iH3FCC770
十年ほど前。
パソコンオフ会なるものに初めて参加したときのこと。
 同じ趣味の掲示板で仲良くなった者同士の集いだったので、
すぐに打ち解け合い、十数人で飲み屋を渡り歩いた。


掲示板上で特に気のあったKさんという女性と行動を共にしたのだが、
店から店へ移動する最中、Kさんだけ
時折見知らぬ人に話しかけられる。

酔っていたのであまりはっきり覚えていないが、 
声の主はどうやら、道の角で座っている辻占いの人々らしかった。 
Kさんは「私って、よく声かけられるんですよ…
興味ないので無視しているんですけど、なんででしょうね?」
と困った顔で笑っていた。
 
辻占いの人は良く見かけるけど、
声なんかかけられたためしもない自分は曖昧に笑い返すしかなかった。


「すみません…そこのあなた、こちらにいらっしゃい…お代は要りませんから」
ひとりの辻占いがそう言っていたのをぼんやり覚えている。
何を伝えたかったんだろう。

Kさんはそれからほどなく音信不通になり、集っていた掲示板も閉鎖。
今はどこで何をしているのかも分からないままです。





414 名前:本当にあった怖い名無し :2011/02/12(土) 23:55:10 ID:JdKQ5E1i0
占いに行ったら
「あなたは占えないわ」って言われ、頑なに占うのを拒まれた人の話なら何かで読んだな。
その(拒まれた方の)人は1ヵ月後に亡くなったとか



415 名前:本当にあった怖い名無し :2011/02/13(日) 00:22:52 ID:QbAHHjuq0
神様クラスの人が憑いてて、気に入られてるが故
あまり長生きできないだろうって人いたね


418
名前:413 :2011/02/13(日) 00:58:17 ID:ep1Z4R/O0

ああ、なんだか思い当たるような…

Kさんは身体が弱く、
たびだび入退院を繰り返していました。
メールを送ってもなしのつぶて、
持っていたHPも放置のまま…

十年経った今でも残っていますが、
連絡ツールがないため どうしようもありません。
気になるけどどうしようもないな…
元気で居てくれる事を祈ります。 



【胸糞注意】
死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?


641 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/04/07 16:27
昨日、はじめてここの集計サイトに行ってみたんだけど、[
「残念ながらあなたの娘さんは」って話を読んで
思い出した事がある。

4年前に、飲み屋で知り合った女の子が語ってくれた話。
けっこう長くなったんで、
分割して書き込むことにする。


642 :641女の子の話1/2:03/04/07 16:29
彼女の姉には4才になる息子がいたんだけど、
ある時、白血病を患って入院してしまった。

小児白血病ってのは進行が速い。
昔に比べれば死亡率は飛躍的に下がったとは言え
まだまだ恐ろしい病気なんだって。
だから姉と夫は、
祈るような気持ちで毎日病院へ通っていたそうだ。

そこへ現れたのが彼女の叔母さんって人。
この人が霊とか呪いとかを信じているうえにお節介な人で、
自称霊能者って人を病院に連れてきて、
病室で霊視っぽい事をさせた。

その霊能者曰く、
「この子には悪霊が憑いている。今すぐ除霊しないと連れて行かれる」
両親は半信半疑ながらも、
藁にもすがる思いで除霊を依頼した。
ただ、病院から息子を連れ出すわけにはいかなかったので
、家で除霊の儀式を行った。

しかし、子供の病状は一向に良くならない。
するとまた叔母さんがやって来て、
その霊能者の言葉を伝えた。

「悪霊の力は思いのほか強い。
一刻も早く連れ出して除霊しないと、子供は地獄に堕ちる」
その直後、子供の容態が急変した。
まだまだ甘えん坊だった息子は、母親の手を握りしめ
「ママ怖い・・ママ怖い・・」と言いながら息を引き取ったそうだ。


643 :641女の子の話2/2:03/04/07 16:30
このことが原因で両親は離婚してしまった。
母親(語り手の姉)は下の娘を引き取って、一旦実家に戻った。
しかし、彼女の心には
「子供は地獄に堕ちる」って言葉が重くのしかかっていた。
地獄で苦しむ我が子の姿を想像すると、気が狂いそうになる。
それこそ地獄のような日々。

そんなある日、荷物を整理していたら、
死んだ息子が使っていた落書き帳が出てきた。
子供が描き殴った乱雑な絵ばかりだったが、ページをめくるたびに涙がこぼれたという。
と、彼女の目が最後のページに吸い寄せられた。

病院から落書き帳を持って帰った時、そこには何も書かれていなかったと記憶している。
だが、今見るとそのページには文字が書かれている。
鉛筆書きの拙い字でたった一言。

『だいじょうぶ』
それを見た瞬間、彼女は
「これは息子があの世から送ってくれたメッセージだ」と思ったそうだ。


「それでお姉ちゃん、一念奮起して大型免許を取って運送会社に入ったんだ。
今は実家を出て女手一つで娘を養っている。
つくづく母親って強いなぁって思うよ・・」
それっきり、
語り手の女の子はテーブルの上に俯いたまま黙ってしまった。


644 :641俺の感想?:03/04/07 16:32
冷静に考えれば、彼女が最後のページを見逃しただけなのだろう。
俺はそう思う。
でも、目の前で半泣きになっている女の子にはあえて言わなかった。
それ言っちゃあ野暮だろうって思ったから。

だって、子供を失った親というものは、
僅かな希望にでもすがりたくなるもんじゃないか?

自分は霊なんて信じていないけれど、
そんな俺だって妻子を失った時は、
せめてあの世で幸せに暮らしていて欲しいって、しばらくはそればかり願ってた。
それを糧に今日を生き延びる事ができるなら、
死後の世界を信じても良いって思ったんだ。

だから、そんな希望をうち砕くような
自称霊能者の無神経な言葉には本当に腹が立った。
ぶん殴ってやりたい。
今でもそう思う。

で、最後に頭に戻るけど、
「残念ながらあなたの娘さんは」って話、
コメント読んだら「後味悪い」って感想が多かったけど、ホントそう思うよ。
少なくとも、俺にとってはマジで洒落にならないくらい恐い話だった。
恐すぎて、思わず投票しちゃったよ。

何だかよく判らない、とりとめのない文で申し訳ない。
込み上げるもんがあったんで書き込んでみた。
ウゼェって思ったらスルーよろしく。




47 :本当にあった怖い名無し:05/01/28 23:39:34 ID:aUld27da0
土地というかT字型の突き当たりになる(ーと|のつなぎ目)場所の
家は良くないってよく言うけど。何でだろう。
あと神社の真正面も良くないらしい。



49 :本当にあった怖い名無し:05/01/29 00:05:53 ID:MLS7CMbg0
>47
T字型 → T字路?

酔っ払い運転の車に突っ込まれる。

神社の正面は良いものと思ってました。



51 :本当にあった怖い名無し:05/01/29 10:43:55 ID:TRBAzCni0
>>47
風水でも聞いた気がする。
道路からまっすぐ悪い気が入ってくるので
玄関ドアの裏にひっくり返した八卦鏡を置き、跳ね返すとか何とか。



52 :本当にあった怖い名無し:05/01/29 10:52:01 ID:LNFEXEzM0
>>47
知っているT字路のアパート、気味が悪い。
いつも空き部屋があるみたい。
少し奥まっていて暗いし
変なところにゴミ出てるし。
いつか車つっこみそうだし。
風水と関係なしに住みたくはない雰囲気。



53 :本当にあった怖い名無し:05/01/30 07:42:13 ID:ig3BArG40
神社の正面は邪気が集まるからよくないっていうよね。
鳥居が結界張っているからね。
よく寺とか神社の周りは心霊現象起きるっていうし。



54 :47:05/01/31 05:49:46 ID:D45agKYO0
>>49
酔っ払いの車 ワラタ

そうT字路の突き当たりに当たるお家とか駄目みたい。
友達から、彼女の家のそばのそういう場所にあたるお家のお子さんが
発Xしたっていう話を聞いて、
そのとき、「ああ、あそこの場所T字路の突き当たりだもんね」
みたいな事を言った人がいて何でだろうって思っていました。 
神社は神聖な場所に入れない者たちが前でウロウロ集まっているらしい?です。
>>51
でも鏡は良いものも跳ね返してしまうと聞きました。
どうしたらいいんだろうw
>>52
君が悪い、そういう風に感じるってことは、多分悪いものが集まっている証拠かも。
>>53
結界で神社に入れないっていうけど、
午後2時か3時?4時?(曖昧)以降って
中にもうじゃうじゃ集っていて逆に危ないって言うけど、
それは神様その時間はいないから?

・・え、心霊現象?そうなの?家神社の真裏じゃないけど、裏手側にあるよ。。
徒歩2、3分  ウツ・・・



55 :本当にあった怖い名無し:05/01/31 13:32:04 ID:ZQkhPvUD0
> 突き当たり
石敢當おいてみたら?本土でも効き目あるかどうか知らんけど。



63 :本当にあった怖い名無し:05/02/07 03:37:01 ID:JZw2WS0tO
私が昔住んでた社宅って、もろT字路で、
となりがお寺(そこもT字路)でした。
社宅の敷地内には白蛇様のお社、お地蔵さんがあり、
過去には井戸を潰していたり、
とっても好立地でしたヨ。



66 :本当にあった怖い名無し:05/02/07 05:20:54 ID:w1dnRrdn0
そういや近所の古い村のT字路にはお地蔵さんのほこらがあるな。




http://ikura.2ch.sc/test/read.cgi/ms/1464310495/

697 :可愛い奥様@\(^o^)/:2016/06/21(火) 08:55:45.17 ID:4N3fBBpX0.net
ショッピングモールに居た占い師に手相をみてもらったら、
いきなり死ぬ年齢を言われた。
(ショックで言葉にしたくなくて何歳かは書かずごめんなさい)

怖くて気になってしかたがない・・
あたらないこともあたることもあるんだろうけど、
芸能人とかだと占い師に言われた死期が当たってる人もいるよね・・


699 :可愛い奥様@\(^o^)/:2016/06/21(火) 08:59:55.49 ID:M/BFjjsF0.net
>>697
死期をいうのは占い師のタブー中のタブーだよ
その占い師おかしいから、占いも無視無視!


703 :可愛い奥様@\(^o^)/:2016/06/21(火) 10:52:30.66 ID:sVNnMfEl0.net
>>697
うちの旦那、
子供の頃占い師に言われた死期も死因も大ハズレ。

占い師のいう腸ではなく
肺がやられて、占い師の言葉より10年早く亡くなったよ。
本人は周りに何言われても
「俺は腸は大事にしてるから大丈夫」って煙草ガンガン吸ってたわ。
あの慢心が命を縮めたと思うし、
逆にそんなこと聞いてなかったら、
もう少し別部位の健康にも気を配って長生きできたんじゃないかと思ってる。

私の父は若い頃
よく、自分は70まで生きられたら充分だって嘯いていたらしい。
母から聞いたんだけどね。
それで69歳で亡くなった。
急な病いでたった3ヶ月の闘病だった。
自分で寿命を区切るようなことを思念すると、
体がそれを限界としてセットされちゃうんじゃないかなあ。

だから占い師に寿命を言われても気にしないで、
普通に病気や事故に気を付ければ良いよ、
普通にね。


704 :可愛い奥様@\(^o^)/:2016/06/21(火) 11:11:32.76 ID:IHfa5YWE0.net
自分で寿命を区切る、っての
私の母もだったよ。

私が2歳くらいのころ乳ガンで大きな手術をしたんだけど、
何度か再発しても、私が成人するまで、
(その後ちょっと伸びて)
結婚するまでは、とよく言っていて、
実際結婚したらその数年後に亡くなってしまった。

ただ再発する度に辛そうだったから、
本当に気力で寿命を伸ばしてたようにも今なら感じるな。
それでも、私の子供が生まれるまでは
頑張ってと言い続けてたら、
もう少し生きてくれたかなあと淋しさと共に思うときがある。



師匠シリーズ

279 :怪物  起承転「結」上◆oJUBn2VTGE :2008/08/03(日) 02:18:50 ID:ScuN9+/G0
息を切らしてやって来た私に、
驚いた顔で店のおばちゃんが近寄って来る。
「なにが要るの?」
その言葉に、息を整えながらようやく私は「はさみ」と言う。
するとおばちゃんは申し訳なさそうな顔になって、「ごめんねぇ。ちょうど売り切れてるのよ」と言った。
想像していたこととは言え、ゾクリと鳥肌が立つ感覚に襲われる。
「誰か、大口で買ってったの?」
「ううん。今週はぽつぽつ売れてて、昨日在庫がなくなっちゃったから、注文したとこ。
明日には入ると思うけど……」
どんな人が買っていったのかと聞いてみたが、若者もいれば年配の人もいたそうだ。
「どうする?明日来るなら取っとくけど」と聞くおばちゃんに、
「いい。急ぎだから他を探してみる」と言って店を出る。

少し足を伸ばし、私は鋏を置いてそうな店を片っ端から見て回った。
店仕舞いをした後の店もあったが、
閉じかけたシャッターから強引に潜り込み、「鋏を探してるんですが」と言った。
そのすべての店で、同じ答えが返って来た。
『売れ切れ』と。

最後に私は、一昨日の水曜日に鋏と本を買ったデパートに向かった。
閉店時間まぎわでまばらになった客の中を走り、まだ開いている雑貨コーナーに飛び込む。
中ほどにあった日用品の棚には、異様な光景が広がっていた。
ありとあらゆる日用雑貨が立ち並ぶなか、格子状のラックの一部だけがすっぽりと抜け落ちている。
カッターも、鉛筆も、定規も、消しゴムも、修正液も、ステープルも、
コンパスでさえ複数品目が取り揃えられているのに。
鋏だけがなかった。
ただのひとつも。
私はその棚の前に立ち尽し、生唾を飲み込んでいた。
鋏が街から消えている!
いや、消えているのではない。
その懐の奥深くに隠されて、使われるときをじっと待っているのだ。


282 :怪物  起承転「結」上◆oJUBn2VTGE :2008/08/03(日) 02:22:53 ID:ScuN9+/G0
それは今日かも知れないし、明日かも知れない。
夢を見ている少女が、母親を殺すことを決めた日に、
私たちはその殺意に囚われて、己の母親にその刃を向けることになるのかも知れない。
どうしたらいい?
どうすればいいんだ?

自らに繰り返し問い掛けながら、私は家に帰った。
するべきことが見つからない。
けれど、今動かなかったら、取り返しのつかないことになるかも知れない。
どうすればいいのか。
するべきことが見つからない。
巡る思考を持て余して、どういう道順で帰ったのかも定かではない。

兎にも角にも帰り着き、玄関からコソコソと入ると母親に見つかった。
「どこ行ってたの。もう知らないから、勝手に食べなさい」
台所にはラップで包まれた料理が置かれている。
食欲は無かったが、無理やりにでもお腹に詰め込んだ。
体力こそが気力の源だ。
あまり良くない頭にも、栄養を少しだけでも回さないといけない。
食べ終わってお風呂に入る。

今日は学校が終わってから、休む暇がないほど駆け回っていた。
それも、夏日のうだるような暑さの中を。
それでも湯船に浸かることはせず、ほとんど行水で汗だけを流して早々に上がる。
次に入る妹と脱衣場ですれ違ったとき、
「お姉ちゃん、お風呂出るの早っ。乙女じゃな~い」とからかわれた。
一発頭をどついてから、自分の部屋に戻る。

ドアを閉め、机の引き出しに入れてあった、愛用のタロットカードを取り出す。
それを手にしたままじっと考える。
時計の音がチッチッチッ、と部屋に響く。
濡れた髪がピタリと頬にくっつく。

駄目だな。
私ごときの占いが通用する状況ではない。
もっと早い段階ならば、この事態に至るまでにするべきことの指針にはなったかも知れないけれど。
今必要なのは、エキドナを、母親に殺意を抱く少女を、探し出すための具体的な方法だ。
あるいは、探し出さずとも、この事態を解決するだけの“力”だ。


283 :怪物  起承転「結」上◆oJUBn2VTGE :2008/08/03(日) 02:25:49 ID:ScuN9+/G0
私は机の上に放り投げた鞄から、同級生の住所録を取り出す。
今日の昼間、カラフルな地図を完成させるのに活躍した資料だ。
パラパラと頁を捲り、間崎京子の連絡先を探し当てる。
そこに書いてある電話番号をメモしてから
部屋を出て、階段を降りてから、1階の廊下に置いてある電話に向かう。

良かった。誰もいない。
居間の方からはテレビの音が漏れてきている。
メモに書かれた番号を押して、コール音を数える。
ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ……
『はい』
ななつめかやっつめで相手が出た。聞き覚えのある声だ。
ホッとする。良かった。
家族が出たらどうしようかと思っていた。
それどころか、使用人のような人が電話口に出ることさえ想定して、緊張していたのだ。
彼女の妙に気どった喋り方などから、前近代的なお屋敷のような家を想像していた。
そんな家には、きっと彼女のことを『お嬢様』などと呼ぶ、使用人がいるに違いないのだ。
だがひとまず、その想像は脇に置くことにする。

「あの、私、ヤマナカだけど。同じ学年の」
少しどもりながら、あまり親しくもないのにいきなり電話してしまったことを詫びる。
電話口の向こうの間崎京子は平然とした声で、
気にしなくて良い、電話してくれて嬉しい、という旨の言葉を綺麗な発音で告げる。
どう切り出そうか迷っていると、彼女はこう言った。
『エキドナを探したいのね』

ドキッとする。
私のイメージの中で、間崎京子は何度もその単語を口にしていたが、現実に耳にするのは初めてだった。
ギリシャ神話の怪物たちの名前を挙げて、共通点を探せと言った彼女の謎掛けが、
本当にこの街に起こりつつある怪現象を理解した上で、
それを端的に表現したものだったのだと、私は改めて確信する。
いったいこの女は、なにをどこまで掴んでいるのか。


284 :怪物  起承転「結」上◆oJUBn2VTGE :2008/08/03(日) 02:27:07 ID:ScuN9+/G0
母親を殺す夢を見ていないというその彼女が、何故あんなに早い時点で、
街を騒がせている怪現象が、たった一人の人間によって起こされているのだと推理出来たのか。
私のように、あちこちを駆けずり回っている様子もないのに、
怪現象の正体を、恐ろしく強大なポルターガイスト現象だと見抜いた上で、
『ファフロツキーズ』という言葉に振り回されるな、などという忠告を私にしている。
どうしてこんなにまで事態を把握できているのだろう。

「……そうだ。これからなにが起こるのか、おまえなら知っているだろう。
それを止めたい。力を貸してくれ」
『なにが起こるの?』
間崎京子は澄ました声でそう問い掛けてくる。
私は儀式的なものと割り切って、今日一日で私がしたこと、そして知ったことを話して聞かせた。
『そんなことがあったの』
面白そうにそう言った後、彼女の呼吸音が急に乱れる。
受話器から口を離した気配がして、そのすぐ後にコン、コン、と咳き込む微かな音が聞こえた。
「どうした」
私の呼び掛けに、少しして『大丈夫。ちょっとね』という返事が返って来る。

今更ながら、彼女が病欠や早退の多い生徒だったことを思い出す。
彼女は私よりも背が高いけれど、線が細く、透き通るようなその白い肌も含め、
一見して病弱そうなイメージを抱かせるような容姿をしている。

そう言えば、今日も早引けをしていたな。
そう思ったとき、つい先ほどの、駆けずり回っている様子もないのに、
どうしてこんなに事態の真相を掴んでいるのか、という疑問がもう一度浮き上がってくる。
もし。もし、だ。
もし彼女の病欠や体調が悪いからという理由の早退が、すべて嘘だとしたならば。
彼女には十分な時間がある。


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705 :天使◆oJUBn2VTGE :2008/04/30(水) 22:42:59 ID:NrJoj9WI0
あっという間に通り過ぎて見えなくなった彼女を、
その残像を睨みつけて、私は心の中で暴れる感情を抑えていた。

その日の1時間目は英語の授業だった。
黒板の英文をノートに書き写している私の机に、丸めた紙がコツンと落ちて来た。

広げると、『やい、ちひろ。おかげでケーキふたつも食っちまったゾ。
おデブちゃんになったらどうしてくれる `皿´』という文面。
『スマン。スマンついでに昼休み、ちょっとつきあってくれ』と書いたノートの切れ端を返す。
『OK』の返事。

何事もなく時間は過ぎ去り、やがて昼休みを告げるチャイムが鳴った。
ざわめきが教室に広がるなか私は立ち上がり、高野志穂の席へ向う。
「ちょっと来て」
その瞬間、緊張したような空気が周囲に流れる。
私はかまわず、金縛りにあったように身を固くした高野志穂の腕を取って強引に立たせた。

「ちょっと、ちひろ」と言いながら近づいてきたヨーコにも、
有無を言わせない口調で「一緒に来て」と告げる。
クラス中の匿名の視線を浴びながら、私は二人とともに教室を出た。
早足で校舎裏の秘密の場所に向かう。
相応しい場所はそこしかないような気がしていた。

なにかぶつぶつ言いながらもついてくるヨーコは、不機嫌な顔を隠さなかった。
高野志穂は蒼白とも言っていい顔色で、足取りもふらついて見える。
私は彼女の腕をつかむ手に軽く力を込めた。
しっかり歩け、と。


706 :天使◆oJUBn2VTGE :2008/04/30(水) 22:45:24 ID:NrJoj9WI0
誰もいないその場所に着いて、私は高野志穂を壁側に立たせた。
今は遠くのざわめきも聞こえない。
校舎の壁に反射して、陽射しが目に痛い。
白く輝きながら、夏がもうそこまで来ている。

「怖がらずに答えて欲しい」
高野志穂は生唾を飲みながら、それでもコクコクと頷く。
その目は正体なく泳いでいる。
「島崎さんが自殺しようとした理由を知ってるな」
頷く。
「そのことで、彼女は間崎京子の所へ相談に行ったな」
頷く。
「占ってもらった結果を知って、ショックを受けた彼女は思い余って手首を切った」
頷く。
「その絆創膏の下は、バレー部の練習でついた傷じゃないな」
頷く。
「島崎さんとあなた。二人とも誰かに恐喝されていたな」
……頷く。
「かなりの額のお金を脅し取られていたな」
頷く。
「他の人に言えば、もっと怖い人から酷い目に遭わされると?」
頷く。頷く。
「恐喝していたのは、こいつだな」
ヨーコが悲鳴をあげた。
私が強い力で腕を引っ張ったからだ。
「ちょ、ちょっと、なに言うのよ、ちひろ。痛い。痛いって」


707 :天使◆oJUBn2VTGE :2008/04/30(水) 22:49:04 ID:NrJoj9WI0
わめくヨーコの目の前で、高野志穂は今にも倒れそうな顔つきをしながら、
しかし、歯を食いしばるように必死で頷いていた。
私は冷たい心臓が送り出す血が、体内でチロチロと
低温の火を点しているようなイメージを抱きながら、言葉を続けた。

「あなたたちが私の方を怯えたような目で見ていたのは、
いつも隣にいたこいつを恐れていたからだったんだな」
またヨーコが悲鳴をあげる。
暴れる腕を遠慮ない力で捻りあげた。

「私は、あなたたちが想像したような人間じゃないから安心しろ。
こいつを今こうしているのが証拠だ。
だから答えてくれ。いつからだ。どうしてこいつに?」

高野志穂は震えながらも、やがてボソリ、ボソリと語り始めた。
自分と島崎さんは、奥さんと同じ小学校だった。
その頃二人は、奥さんとそのグループから酷い苛めを受けていた。
中学校に上がって、奥さんとは別の学校になれたが、
やっぱりそこでも別の人たちから苛めを受けた。
もう、この輪から抜け出すには、自分が変わるしかないと思った。
高校に上ったら運動部に入って、引っ込み思案な自分の殻を破りたい。そう思っていた。

しかし、その生まれ変わる場所のであるはずの高校には、あの奥さんがいた。
あの頃の乱暴なだけの少女とは少し違う、狡猾な顔で。
小学校の頃に命令されるままにやった
窃盗のことをバラす、などと理不尽なことで脅され、お金を要求された。
自分も島崎さんも、抵抗する気さえ起きなかった。
明るいにこやかな表情で、自分たちの腹や背中を殴り蹴りつける彼女に、
冷酷で無慈悲な悪魔をダブらせた。
バレー部に入った私には、傷が目立たないだろうと顔まで殴った。
おかげで、顔から絆創膏がな取れるとはなかった。
奥さんは、私だからまだいいんだ、と言った。
私の友だちがキレたら、おまえら“売り”をさせられるよ、と言った。
その友だちは他校の不良とつるんで、そんなことばかりしている本物の怖い人だと。


709 :天使◆oJUBn2VTGE :2008/04/30(水) 22:52:13 ID:NrJoj9WI0
「ウソよ、ウソ。あんたなにウソ言ってんのよ。謝りなさいよ。ふざけんなよ」
わめくヨーコを壁に押し付け、耳元に顔を寄せた。

「おい。私が不良だのなんだのと噂を流したのは、おまえ自身だな。
私がそんな噂に、いちいち弁解して回らないタイプの人間だと判断した上で。
あの二人の様子に私が不審を抱いた途端に、そんな噂があるとバラして、恐喝の秘密から遠ざける…… 
ずいぶんと知恵が回るじゃないか。
でもな、ずっと学校を休んでいた子が、バレー部の練習にも出てないのに、
絆創膏が増えてたってのはいただけないな。
おまえらしくないミスだ」
学校を休んでいる間にも呼び出し、口止めを図っていたのだろう。
私に動きを封じられたままヨーコは、ガチガチと歯を鳴らして涙を浮かべている。
「なによ。なによ」
私を憎しみのこもった目で睨みつけながら、そんな言葉を口の中で繰り返している。

「金がそんなに欲しかったのか。
ブランドものの服を買って、好きなものを食って。
それが他人を踏みつけて得た金でも、なにも感じないのか」
ぺっと唾が頬に飛んできた。
目をつぶり、開けた瞬間、己の中の冷たい怒りの炎が、
いつの間にか暗く悲しい色に変わっていることに気づいた。

「友だちだと、思っていたんだ、陽子」

ゆっくりとそれだけを言うと、私は彼女の頬を思い切り打った。
その勢いで身体を強く壁にうち、ヨーコは崩れ落ちた。
嗚咽が、丸めたその背中から漏れる。


710 :天使◆oJUBn2VTGE :2008/04/30(水) 22:55:22 ID:NrJoj9WI0
「落ち着いたら、高野さんに謝るんだ。
それから、島崎さんにも謝りに行こう。私もついていくから。
それが済んだら……絶交だ」
ヨーコの背中にそんな言葉を投げかけ、高野志穂には「もう教室に戻りな」と言った。

それから私は、二人を残して駆け出し校舎の中に入った。
一直線に間崎京子の教室へ向かう。
廊下でスレ違う平和ボケしたような女子生徒の顔がやけにイラつく。

「どけ」
そんな言葉を吐くと、相手は怯えたように道をあける。
自分は今どんな顔をしているのだろう。
閉まっていたドアを乱暴に開けると、教室の中からハッと驚いたような気配が返って来た。
かまわずに間崎京子の元へ歩み寄る。
彼女は席に座ったまま、肘をついた両手の指を絡ませ、
まるで来ることを知っていたかのように平然と私を見上げながら、薄っすらと微笑みを浮かべている。

「島崎いずみを脅していた相手を知っていたな」
答えない。
「事件のことで石川さんにカマをかけられた時、おまえはこう言ったな。“オリンピック・スピリッツ”と」
“オリンピック精神”と又聞きで伝えられた私には、その意味が分からなかった。
しかし、そう言い換えた石川さんは責められない。
そちらの方が確かに馴染みのある言葉だからだ。
ただ、“オリンピック・スピリッツ”には、同じ響きでもう一つ別の意味があった。
この事件の真相を言い当てる意味が。


711 :天使◆oJUBn2VTGE :2008/04/30(水) 22:58:24 ID:NrJoj9WI0
あの日。図書館で私は、天使の名前が網羅された事典を開いていた。
そこにおぼろげだった記憶の通りの名前が出てきた時に、
私はすべてを知ってしまったのだ。

天使とは、ユダヤ教やキリスト教、イスラム教などに現れる、神の使いの総称だ。
それらの天使には階級があるとされ、多くの天使がそのヒエラルキーに取り込まれている。
ミカエルやガブリエルなどの有名な四大天使は、その名の通り大天使として第8階位、
つまり下から2番目の低位につけられていたりする。
その9階位に属さない天使も数多くあり、
様々な宗派によって、その役割も象徴する意味も異なる。

その中に、オリンピアの天使と呼ばれるグループがある。
聖書ではなく魔術書に現れる天使だ。
その人間の役に立てるために使われるという性質は、どちらかと言えば天使というよりデーモンに近い。
日本語に訳される時も、『オリンピアの天使』とする場合もあれば、
『オリンピアの霊』などと表記される場合もある。
英語では『Olympic spirits(オリンピック・スピリッツ)』とも。

それらは惑星を支配する存在とされ、それぞれに象徴される7つの星が当てられる。
水星はオフィエル。金星はハギト。火星はファレグ。木星はベトール。土星はアラトロン。月はフル。
そして太陽は――オク。

奥陽子。

その名前をあげつらって、間崎京子は言ったのだ。
オリンピアの天使、オリンピック・スピリッツと。
黒魔術などのオカルトに詳しい人間でないと絶対に分からないだろう。
そういう人間だけに向けて、彼女は真相を発信したのだ。
すべてを知りながら。頼ってきた島崎いずみを言わば見殺しにして。
あまつさえ、剣の10という最悪の結末の暗示を本人に告げて。

私にはそれが許せなかった。
知っていたならば、なにか出来ることがあったはずだ。
傍観者としてなにも行動しなかった私自分にもその怒りの刃は向いて、身体の中のどこかを傷つけた。


712 :天使◆oJUBn2VTGE :2008/04/30(水) 23:02:27 ID:NrJoj9WI0
「太陽は。太陽のカードは、ケルト十字の2枚目に出ていたんだな」
答えない。

ケルト十字スプレッドにおける2枚目のカードは、1枚目の上に交差されるように置かれる。
それはやがて周囲に展開されるカードの並びの中で、十字架の真ん中の位置となる。
表すものは『障害となるもの』。
大アルカナ22枚のうちの、19番目のカードである太陽(The Sun)は、
正位置ならば『創造』『幸福』『誕生』etc. 
逆位置ならば『破局』『不安』『別離』etc.
しかしこの場合、陽子という太陽を暗示させる名前そのものを指している。
少なくとも、島崎いずみ自身にとっては。彼女の悩みの根源を成す『障害』として。

そして、いつかの私に対する警告。
『恨みはなるべく買わないほうがいい』というあれは、すべてを見透かした上での言葉だったのか。

「彼女の手にした刃物は、結局自分に向かった。それは彼女自身の選択よ」
間崎京子の口から、音楽のように言葉が滑り出した。
「おまえは何様なんだ」
周囲から、固唾を飲んでこのやりとりを注視している無数の気配を感じる。
誰も表立ってこちらを見てはいない。
しかし、その無数の悪意ある視線は、確実に私の心を削り取っていった。

「あなたも、まだあの子を救える気でいるなんて、おめでたいわね」
ヨーコのことか。
なぜそんなことをこいつに言われなくてはならない。
「7つの星に対応する数多くの象徴の中で、7つの大罪がどういう配置になっているかご存知?」
表情はまったく変えていないのに、微笑が嘲笑に変わった気がした。
その時私は、この女をはじめて恐ろしいと思った。


713 :天使 ラスト ◆oJUBn2VTGE :2008/04/30(水) 23:04:37 ID:NrJoj9WI0
「水星は大食。金星は欲情。火星は憤怒。木星は傲慢。土星は怠惰。月は嫉妬。それから太陽は――」
芝居じみた動きで彼女は指をひとつひとつと折り、
7番目となった左の人差し指を、ゆっくりと折り畳みながら言った。
「強欲」
その言葉と同時に、私は彼女の机を両手で強く叩いた。
周囲がビクリとして一瞬静かになる。
そこに冷ややかな言葉が降って来る。
「ねえ、わかるでしょう。彼女は、彼女自身の星からは逃れられないわ。
この世界には、変わろうとする人間と、変わろうとしない人間しかいない。
それはあなたのせいでも、わたしのせいでもない」

怒りだとか、悲しさだとか、悔しさだとか、
そんな様々な感情が私の中で嵐のように渦巻いて、目の前にパチパチと輝く火花を発している。
私は唇を噛んで、この氷細工のような女を殴りたい気持ちを必死で抑えていた。

そんな私の姿を、一見変わらぬ笑みで見据えながら、彼女は誘惑するような甘い囁きでこう言った。
「かわりに、わたしがあなたの友だちになってあげる」

それが、間崎京子との出会いだった。


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696 :天使 ◆oJUBn2VTGE :2008/04/30(水) 22:15:53 ID:NrJoj9WI0
それぞれのパーツがバラバラに飛び回り考えがまとまらない。
休み時間の終わりを告げるチャイムが鳴り、背中を押されるように自分の教室へ足を向ける。

席に戻ると、ヨーコが「どこ行ってたの」と囁いてくる。
「ん、ちょっと」と、
別に隠す必要もない気がしたが、なんとなくはぐらかした。
自分でも気づかないうちに、
この一連の出来事からなにか危険な匂いを感じ取っていたのかも知れない。
「奥!どこ見てる」
という教師の声にヨーコは舌を出して、授業を受ける姿勢に戻った。

その現代国語の時間中、私はノートをとることも忘れて考えていた。
占いをするという間崎京子の所へ、
クラスで肩身の狭い思いをしていた島崎いずみが行ってなにをしていたのか。

恐らく、自分の立場、居場所に関する悩み事の相談だろう。
そして、それを受けて間崎京子がしたことは、『土』の形にトランプのようなカードを並べること…… 
トランプではないのだ。
トランプのような見た目で、かつ印刷されている内容が違うもの。
そして占いに使うとなればあれしかない。
タロットカードだ。
そこまで考えて何故すぐに気づかなかったのかと、自分のバカさ加減を悔やんだ。

タロットカードは、質問に対し出たカードのパターンによって回答をする古典的な占いだ。
例外もあるが、大抵は22枚の大アルカナと呼ばれるカードのみか、
もしくは、それに56枚の小アルカナと呼ばれるカードを加えた78枚のデックで行う。
そのデックから質問に対する回答のためにカードを選ぶ方法だが、
これが様々あって、ある意味タロットカードの奥深さを表す醍醐味と言える。


697 :天使 ◆oJUBn2VTGE :2008/04/30(水) 22:19:04 ID:NrJoj9WI0
その選び方のことを、カードを並べる展開法、『スプレッド』と言い、
それぞれ並べる枚数も違えば、並べ方によるカードの意味も違ってくる。
そしてそのスプレッドのなかで、『土』の形と結びつくものがあった。

ケルト十字か……

オーソドックスなスプレッドで、
10枚のカードを並べるのだが、最後まで並べると、
『十|』という十字架の右隣に縦棒を置いたような形になるのだ。
それは時計回りに90度倒すと、そのまま『土』という漢字に見える。

私は授業が終わるとすぐに教室を出て、もう一度間崎京子の教室へ向かった。
タロットカードならば自分もよく知っている。
そこからなにかヒントがつかめるのではないかと思ったのだ。

「石川さん」
昼休みのお弁当のために机を並び替えようとしていた石川さんは、驚いた顔でこちらを見た。
それでも迷惑そうなそぶりも見せずに、仲間たちを置いて教室から出てきてくれた。

「タロットカード」という言葉を出してもピンとこなかった彼女に、
なんとかその時のことを思い出して欲しいと畳み掛ける。
「え~と、確か太陽のカードがあったかな。
それからあとは、あれ、剣が刺さって倒れちゃってる人のカード。
う~ん、あとは覚えてない。そんなマジマジ見てたわけじゃないし」

剣が刺さった男?!
私は息をのんだ。

「それ、『土』のどの部分にあった?それからどっちの方向にむいてた?
剣の柄は間崎さんから見てどっちだった?」


698 :天使 ◆oJUBn2VTGE  :2008/04/30(水) 22:23:08 ID:NrJoj9WI0
石川さんは暫く考えたあと、「確か……」と前置きしてから答えた。
「端っこだったから、『土』の最後の止めの部分かな。
柄の向きはあんまり自信ないけど、私の方に向いてたと思うから、
間崎さんから見たら、剣の先が正面になるのかな」
石川さんは「それがどうしたの」と、怪訝そうな顔で私を見つめる。

剣が刺さった男は、小アルカナの剣の10。
そして、間崎京子に切っ先が向いていたということは“正位置”。
最悪のカードだ。
個人的には、『塔』の正位置よりも不吉な感じのするカードだった。
そして、『土』の止めの部分ということは、ケルト十字における『最終結果』を表すカード。

私は心臓が高鳴りはじめたのを感じていた。
剣の10が暗示するものは、『破滅』『決定的な敗北』『希望の喪失』『さらなる苦しみ』……
間崎京子はその最終結果を、島崎いずみに飾ることなく告げたのだろう。
そして彼女は泣いた。
悩み事に対する答えとして、この仕打ちはあんまりだった。
それが良いとこ取りばかりをしない、占いのあるべき姿だとしても。
ましてそれが、島崎いずみ自身の運命だったとしても。

私は誰に向けるべきなのかも分からない波立つような怒りが、身の内に湧いて来るのを感じていた。
私の様子を不審げに見ていた石川さんが、「もう教室に戻るけど」と言うのを制して、
「これが最後だから」と、『太陽』のカードの位置を聞いた。
「確か、真ん中のへん。ごめん、ホント忘れた。え?向き?太陽に向きなんてあるの?」


699 :天使 ◆oJUBn2VTGE :2008/04/30(水) 22:26:28 ID:NrJoj9WI0
聞き出せたのはそこまでだった。
礼を言って、教室の前から立ち去る。
彼女はきっとこれから、昼ごはんを一緒に食べる仲間たちと私の噂話をするのだろう。
なんか、気持ち悪いよね。占いとかしてる人って。
石川さんも占いばかりしていた中学時代の私に、後ろ指をさしていた一人だったはずだ。
胸の中に渦巻く怒りと微かな棘の痛みが私の心を揺さぶり、平常な精神でいられなくした。

私は教室に戻らず、昼ごはんも食べないまま、校舎裏の秘密の場所で時間が過ぎるのを待った。
結局数行読んだだけで捨てたあのラブレターには、校内で見かけたという私の容姿のことばかり並んでいた。
差出人も、こんな私の本性を知れば出すのを止めただろうか。

煙草の吸殻が何本足元に落ちても誰も来なかった。
風が遠くの喧騒を運んで来る。
すこしずつ身体の中に硬い殻が形成されるようなイメージ。
誰も傷つけない。
誰からも傷つけられない。
空は高かったけれど、まがい物のような青だった。

4日後。あの日早退して以来休んでいた高野志穂がようやく登校してきた。
青白い顔をして緊張気味に唇を固く引き結んだまま、誰とも挨拶を交わそうとしない。
気がついていなかっただけで、
あるいは彼女はいつもそうだったのかも知れない。
周りのクラスメートたちは遠巻きに、そして腫れ物に触るように接していた。
彼女たちにとって島崎いずみと高野志穂は、区別のない同じ存在なのだろう。
島崎いずみはまだ学校に来ない。
退院したという噂は聞いたが、今も家に閉じこもっているのだろうか。


700 :天使 ◆oJUBn2VTGE :2008/04/30(水) 22:28:29 ID:NrJoj9WI0
学校はまったく自殺未遂のことに触れようとしない。
私たちがしている噂話を漏れ聞いていないはずはないのに。
あるいは、学校との関わりが確認されない限り、無視を決め込んでいるのかも知れない。

けれど私は、どうしてもこのままにはしておけなかった。
高野志穂に話しかけたくてうずうずしていた。
その気持ちを見透かされたのか、ヨーコが眉を寄せて私を見る。

「ちょっとちひろ。なんか嗅ぎまわってるみたいだけど、やめときなよ。こんなことに関わらない方がいいよ」
面と向かってそう言われると、確かにそうだという良識が私の中で頷く。

この数日でかなりのことが分かっていた。
同じ中学で二人とも苛めを受けていたこと。
そして今の学校での、そしてクラスでの立場。これ以上何を知っても不快なだけだ。
私自身クラスで浮いている身であり、その私がなにか出来ることなどないし、
なにより面倒くさい、どうでもいいという投げやりな気持ちの方が強かった。

休み時間にも俯いて机の上に広げたノートをじっと見ている高野志穂の姿に、
好奇心以外の気持ちが湧かない自分に気づく。
彼女はしきりに顔の絆創膏を気にして触っている。
このあいだよりまた増えていた。
その様子を見ていて、オリンピック精神という言葉が一瞬頭をよぎる。
これだけは意味が分からない。
この一連の出来事にそぐわない響きだ。
間崎京子は一体なにを思ってそんなことを言ったのか。

あれから何度かあの教室を覗いたが、
彼女はすでに早退した後か休みかのどちらかで結局会えなかった。
もともと休みがちだったというが、これはどういうことなのか。
透けるような色白で、スラリと伸びた細すぎる身体に、病弱そうな雰囲気は感じ取ったが……

ともあれ、オリンピック精神と聞けば、
『参加することに意義がある』とかいう陳腐なフレーズしか浮かばない。
それが自殺未遂にどう繋がるのだろう。


701 :天使 ◆oJUBn2VTGE :2008/04/30(水) 22:31:38 ID:NrJoj9WI0
高野志穂が在籍しているというバレー部となにか関係があるのだろうか。
そう言えば、島崎いずみの方は
いわゆる帰宅部で、中学時代からなんのクラブ活動もしていなかったらしい。
毎日の放課後、バレー部の練習のために学校に残る高野志穂と別れ、
寂しそうに一人で帰る姿をいつも目撃されている。

「オリンピック精神」

小さく口にしても、真実に迫るようなインスピレーションはなにも湧いてこない。
自殺未遂にはそぐわない健康的なイメージばかりが浮かんでは消える。
そう言えば、間崎京子はなにかクラブ活動をしているのだろうか。
そう思った時、横からヨーコに小突かれた。

「ちょっと、ちひろ。重症ね。もうそんなこと忘れてパーッといきましょう。今日、放課後、私と遊ぶ、OK?」
ヨーコはすっかりいつもの調子だった。
苦笑して頷いた。
背中に高野志穂の怯えたような視線を微かに感じながら。

「ねこがフェンスでふにゃふにゃふにゃ~」
というヨーコのでたらめな歌を聴きながら、空き地の金網のそばを歩く。
「トムキャットのフェンスって、良い曲だよ。でもカラオケに入ってないんだよね」
くるりと振り向いたかと思うとそう訴える。
ヨーコはいつも唐突だ。
一緒にいると疲れることもあるが、いつも楽しげな彼女を見ているとこちらも元気づけられる。

「そうそう、最近オープンした、おしゃれな喫茶店が近くにあるんだけど、行かない?」
連れられるまま5分ほど歩くと、
古着屋やレコードショップなど、カラフルな外観の店が立ち並ぶ通りに、目的の喫茶店が現れた。
さすがに真新しく、清潔感のある店先だ。


702 :天使 ◆oJUBn2VTGE :2008/04/30(水) 22:35:14 ID:NrJoj9WI0
中高生などの若い女性客が多く入っているのが、ウインドウ越しに見てとれた。
店内に入ると、白を基調にした壁に可愛らしい天使の絵が一面に描かれている。

「おすすめケーキふたつ。あとアイスティーもふたつ」
と勝手に注文するヨーコを尻目に、
私はなにか引っ掛かるものを店内から感じていた。
席について、いついつの情報誌にここが出ていたなどと
語るヨーコの話にも上の空で、私は壁の絵ばかりを見ていた。

「あー、これなんか見たことある」
そう言ってヨーコは一つの絵を指さした。
椅子に腰掛けて両手を胸にあてる女性に、羽の生えた人物が何かを語りかけている。
処女であるはずのマリアに、天使が受胎を告知する聖書のワンシーンだ。
しかし、随分デフォルメされてしまっていて、子どもじみた絵になっている。

「ガブリエル」
私の言葉に、ヨーコが「え?」と聞き返す。
「この天使の名前」
ヨーコは感心した表情で、「天使に名前なんてあるんだ。みんな一緒かと思ってた」とつぶやく。
私は心臓が裂けそうにドキドキと脈打つのを感じていた。
そして頭の中で言葉が鐘のように鳴る。

天使。
天使の名前。
そうだよ、ヨーコ。天使に名前はあるんだ。
私は椅子の足を鳴らせて、席を立った。


703 :天使 ◆oJUBn2VTGE :2008/04/30(水) 22:38:18 ID:NrJoj9WI0
「どうしたの」と聞くヨーコを横目で見ながら、
「ゴメン、急用思い出した。先帰る」と一方的に言って、
おすすめケーキとアイスティーの代金をテーブルに置き、出口に向かう。
ヨーコの非難するような声が背中に届いたが無視した。
店を出た後、その足を町の図書館へと向ける。
嫌な予感がする。
自分の記憶が間違っていてくれたらと思う。

けれどその30分後、広げた大きな事典の中にその名前を見つけた時、
人気の無い静かな図書館の片隅で私は深い息をついた。
心臓が冷たい血を全身に送っている。
そしてそれはぐるぐると巡り、もう一度心臓に還って来る。
すべてが繋がっていく。
とても冷酷に。
バラバラだったパズルの欠片が、ひとつひとつと繋ぎ合わされ、
見えつつある絵の向こうから、途方もなく暗い誰かの目が覗いていた。

怖い夢を見ていた気がする。
枕元の目覚まし時計を止め、身体をベッドから起こしながら思い出そうとする。
カーテンの隙間から射し込む光に目を細め、思い出そうとしたものを振り払う。
セーラー服に袖を通し、朝ごはんをかきこんで家を出た。

足がスイスイと前に出ない。
気分が沈んだまま、いつもより時間をかけて学校にたどり着いた。
人でごった返す昇降口で靴箱から上履きを出していると、廊下の方に目が行った。
スラリとした長身。ショートカットの髪が耳元に揺れる。
切れ長の涼しい目。透き通るような白い肌。
間崎京子だった。


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