サイケデリック・奇譚

永遠の日常は非日常。

タグ:因果

心霊体験なんて本当にあるの?


426 : アキレス腱固め(東京都):2014/03/02(日) 21:41:01.18 ID:ADWhFtlX0
じいちゃんの葬式が終わってひと段落ついて、
俺の家(本家)に親戚一同が集まって飲み食いしてたとき、
甥っ子が「仏壇のそばにおじいさんが立ってるよ」って言い出した。

親戚みんなで、「それはきっとおじいちゃんだね」
「おじいちゃんも賑やかな席でみんなが楽しそうにしてて嬉しいんだね」とか言ってた。


俺は酔いがまわって一足先に二階の寝室へ退散して、
横になって寝入りばな、頭をガツン!と殴られたような衝撃があって、
耳元で明らかにじいちゃんの声で『あれはわしじゃない!孫に気を付けろ!』って怒鳴られた。
飛び起きて一階に戻ると、大騒ぎになっていた。

甥っ子(死んだ爺ちゃんの孫)がひきつけをおこして痙攣していた。
自分は当時(わけあって今はしがないサラリーマン・・・)医者のはしくれだったので、
とりあえずの処置を行ったため、幸い大事には至らなかったので良かった。


オチも何もなくて恐縮だけど、実話です。




http://hayabusa3.2ch.sc/test/read.cgi/news/1401730969/


827 : レインメーカー(catv?):2014/06/05(木) 16:12:02.24 ID:uYLCcJgp0.net
マリオ系のバイトしてて、あるお宅にお邪魔したときの話。

夏休みのクソ暑い昼間に、車の中で子供達が遊んでたんだ。
「げ~dqnかよ」と思ってたら、施主は見た目フツーのおばちゃんだった。

dqn親が孫を預けに来て手をやいてるパターンかなとか思いつつ、
淡々と打ち合わせを済ませた。
そのお宅から出たらもう子供は居なくなってて、ちょっと安心した。

次行ったら、また子供が車で遊んでて、今度は腕を出したり引っ込めたりして遊んでた。





831 : レインメーカー(catv?):2014/06/05(木) 16:26:36.28 ID:uYLCcJgp0.net
施工は無事に一通り終わったんだけど、おかしいんだよ。車。
ワゴン車って一番後ろの窓って開かないだろ?
だいたいが嵌め込んであるタイプだと思う。 その車も後ろは開かないやつだった。
なのに、子供の腕が出たり入ったりしてたのさ。

アフターサービスの聞き取りで最終訪問したとき、新車に変わってた。

それとなく施主さんに聞いてみたら、事故って買い替えたらしい。
あれは中古で買った車だったそうだ。

心霊現象とは関係なく、事故車ってフレームやらシャフトが微妙にひずんでたりするから、
修理しても事故りやすいらしいから気をつけな。



海にまつわる怖い話・不思議な話


362 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/07/10 12:58 (p)ID:YhqFLS5G(2)
大物女優が、有名な歴史上の人物を演じる舞台をやってた時に、
その人物と同じ死に方をしたっていうのを聞いた事があるが・・・
海で水死。





364 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/07/10 13:21 ID:W4dcZcq8
太地喜和子な。
1992年に『唐人お吉』の舞台の最中に事故死。

生前、本人は異常に水を怖がっていたけど、皮肉なことに乗っていた車が海につっこんで水死した。
唐人お吉の方は入水自殺。因縁があったのかな。



379 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:04/07/11 12:12 ID:MgYEW3zk
太地喜和子も唐人お吉も、伊豆の海で死んだんだよ。役に引っ張られたのかねぇ。
太地が亡くなったまさにその時間、
東京にいたマネージャーの家でいきなり、ねじも巻いていないオルゴールが鳴り出したそうだ。
そのオルゴールは、マネージャーが太地から貰った物。


今日ここで、私が9年前から苦しめられつづけている、
後悔と恐怖の記憶を、
この話を見た人に、ほんの少しづつ持っていってもらえればいいなと思い、
ここにこうして書かしてもらいます。

実際になにかが憑くわけではありませんが、
そう記述する事で、私自身の記憶の影がほんの少しだけ明るくなるので・・・。





9年前の体験、それは私は某保険会社に入社し、3年目に突入した矢先の出来事でした。
私は係長になり、4人の部下が居て、
その中の3人(I君T君Yさん)は一週に2回、欠かさず飲みに行くくらいの仲でした。
残りの一人はこの物語には関係無いので省略させてもらいます。


その日も私達は4人で行き付けの居酒屋で食べた後、
割り勘で支払いを済ませ帰る途中でした。
いきなりI君が、りんご一個がちょうど入るくらいの大きさの、
見るからにぼろぼろな木箱を取り出して見せました。

それは変なしかけのある箱で、以前流行ったルービックキューブのように、
色(木目)がきちんと合うようにそろえると開く、と言う箱でした。

彼の言うには、父からもらったもので、ずいぶん昔のものらしいです。
なんでも、戦争前からあったそうです。

「父は開けれないし、どうせ戦後の焼け跡で拾ったものだから、と僕に譲ってくれました」と言ってました。
その箱を彼は、二世代隔てた今でも未だに開けられずにいるそうです。

僕はその箱を見たときから、なんとなく言いようの無い悪寒を感じていました。
僕は霊感があるほうなのでしょうか、
時々、上半身と下半身の釣り合いがとれてない人とか、
足の足りない(もしくは無い)小動物等を見かけることがあるのです。

なので僕は、T君とYさんが代わりばんこに
その木箱の節目をずらしたり、引っ張ってみたりしているのを見ていて、なぜかひやひやしていました。
開け放ってしまうことを、僕の霊感が恐れていたんだと思います。


結局、その日はその木箱は開きませんでした。
店を出て、帰りのタクシーがつかまるまでの5分間くらいしか時間が無かったので、さすがに無理でした。
その後、その日は全員何事も無く帰宅しました。


次の日にI君が、前日私以外の2人に好評だった木箱を会社に持ってきて、
昼休みにデスクワークをしていた私の元へ、Yさん、T君を連れてやってきました。
私はその途端、付き合いが悪いと思われるのを覚悟で、彼らに忠告しました。
「その箱は、開けないほうがいいと思う」と。

彼はいぶかしげな顔をしながら、僕に「兄と同じことを言うんですね」と返しながらも、
得意げに「きっと近いうちに開けて見せますよ」と言いました。
そしてデスクワークをしている私に気を使い、それきり昼休みは話しませんでした。


その日の仕事が終わった後、4人で桜見をしようと言うことになり、
近くの公園で、Yさんのお母さんの差し入れで筑紫のお吸い物をすすりながら、桜を堪能していました。
そんなときにT君が、
「この素晴らしい風景を、四人一緒に写真に収めておこう!」と言って、ポラロイドカメラを出し、
それでひときわ幹の太い立派な桜をバックに写真を撮りました。
見事なな写真が撮れました。

でも、変なのです。
夜だから余計な光が入る心配も無し、
開けた場所だからフラッシュが反射して変色する心配も無いんですけど、
写真がなんとなく薄い赤色を全体的に帯びているのです。

T君は「こういうこともあるさ」と言って、もう一回全員で写真を撮りました。
しかし、またも同じ現象が起こったのです。
T君は「広い範囲で撮るから、余計なものが入るのかもしれない。
フィルムに余裕はあるし、一人づつ撮ろう」と言って、私、Yさん、I君、T君の順番で撮ることになりました。

まず、私の撮影です。コレはうまく行きました。
つぎのYさん、うまく行きました。
問題はそのつぎのI君でした。
1度目で撮れた写真は、さっき撮ったのよりなんとなく赤みが強くなっているように見える写真でした。

そこでもう一回。
今度はなんだかI君の周りに赤ではなく、
黄色に近い色の薄いビニールのようなものが写っている写真でした。
気味悪がりながらも、Iくんはもう一回撮るようにT君にお願いしました。
そして出てきた写真を見て、
T君は「なんだあ、なんか変だ!」と言って、私達のほうに駆け寄ってきて、その写真を見せました。

その内容はかなり凄惨なもので、
I君の手や顔はほとんど隠されるほどに、数え切れないほどの黄色い手が
I君の体に四方八方から絡んできて、
さらに、I君の体の黄色の手に絡まれていない部分(下半身)も、鮮烈な赤色に染まっていました。

I君はこれを見せられた後、一つの事実を告白しました。
その内容は次のようなものでした。

「今日、昼休みの後、
印刷室でコピー気を回してる間、木箱をいじっていたら、ついに木箱が開いたんですよ。
だけど、中からはぼろぼろの布袋が出てきて、それに『天皇ノタメ 名誉の死ヲタタエテ』って書いてました。
開けてみたら、大量に爪と髪の毛の束が出てきて、不気味だから焼却炉に捨ててしまいました」


私達はすぐにそれをお寺に持っていって、
その話をして、写真を供養してもらえるように頼んだんですけど、
お寺の住職さんは、

「あなたのしたことは、とても危険なことです。
あなたがたの持ってきたその写真を供養しても、霊の怒りは静まりません。
その木箱を持っていらっしゃい。
それを供養してあげれば、中に閉じ込められていた魂も救われます。
ぜひ持ってきてください」

と言って、寺の住職はひとまず今日は帰るように促しました。
しかし結局、I君と会うのはその日が最後になりました。


次の日の朝、I君が昨日の帰宅途中、自宅近くで自動車に衝突され、
胴体が切断され、下半身は炎上する車のタイヤに巻き込まれたまま一緒に焼け焦げ、
上半身はそこから20メートルくらい離れたところにあり、即死だったとのことです。


その日、私とT君とYさんは、彼の母親から木箱を譲ってもらい、
それを寺の住職さんのところに持っていきました。
しかし寺の住職さんは、
「この箱は怨念そのものです。それも、もはや人のものではなくなっています。
この霊たちの怒りを静めるのは難しいです。
供養して差し上げたいですが、時間がかかります。それでもよろしいですか?」
と言いました。

I君が霊に憑かれる行いをしてから、
たったの半日で命を落としたのを見ている私達は、それではいけないと思い、
自分達で読経を覚えることにしました。


その年の12月、私達が霊の恐怖を忘れかけていた頃になって、Yさんが火事で亡くなりました。
発火の原因は、ストーブの不完全燃焼だったらしいです。
残された私とT君は気味が悪くなり、会社に転勤を希望しました。
事が起きたこの地を離れれば、霊たちも私達のことを追って来れないのではないか、と思ったからです。

しかし、考えたくありませんが、すでに私と彼のどちらかが憑かれている可能性もあるわけなので、
お互いの了解で、別々の場所に転勤させてもらうことにしました。
しかし、その考えは甘かったと、後から思い知らされることになりました。


それから9年が経過しました。
まさに悪夢のような9年間でした。

T君は転勤後、2年目にして結婚。
その後、一人目の子供が生まれて半月で肺炎で亡くなり、二人目の子供も流産で亡くなりました。
それと同じに、二度にわたる流産でT君の妻も体を悪くし、脳に腫瘍がデキ、
植物人間になって、次第に体力が衰えていき、最後には死に至る重い病気を患いました。
そして、6年目の秋に亡くなったといいます。

T君も精神的に参っていたのでしょう。
翌年の春に、会社の屋上から飛び降り自殺をしてしまいました。


それから2年がたち、現在に至ります。
このごろになって、頻繁に激しい動悸に見まわれるようになりました。
さらに、夢に先に逝った3人が出てくることも度々ありました。

私はこの先どうなるのかわかりません。
今の持病の動悸も、恐怖によるストレスからくる一時的なものでありたいと思いますが、
私を除いた3人がすでに他界してしまっていることから、私ももう長くないかもしれません。


この長く読みづらい素人文書を、最後まで読んでくださった人は、
私に憑いている霊を鎮める手助けをすると思って、
手を合わせて簡単な読経をお願いしたいと思います。

「南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」と。



何でもいいから怖い話を集めてみない?


486 :本当にあった怖い名無し:2012/06/06(水) 18:58:45.89 ID:MDvy3SQS0
自分の親父と骨董の話を書きます。

親父は紡績の工場を経営していましたが、何を思ったか50歳のときにすっぱりとやめてしまい、
経営権から何から一切を売り払ってしまいました。

これは当時で十億近い金になり、
親父は「生活には孫の代まで困らんから、これから好きなことをやらせてもらう」と言い出しました。
しかしそれまで仕事一筋だった父ですから、
急に趣味に生きようと思っても、これといってやりたいことも見つからず、途方に暮れた感じでした。
あれこれ手を出しても長続きせず、最後に残ったのが骨董品の蒐集でした。


最初は小さな物から買い始めました。
ありがちなぐい呑みや煙草の根付けなどです。
「初めから高額の物を買ったりして、騙されちゃいかんからな。小遣い程度でやるよ」
と言って、骨董市で赤いサンゴ玉がいくつか付いた根付けを買ってきました。

「何となく見ていてぴーんとひらめいたんだよ。
このサンゴ玉は元々はかんざしに付いていたのかもしれないね」などと言って、
書斎に準備した大きなガラスケースに綿に乗せて置きました。
これが我が家の異変の始まりです。

まず親父になついていたはずの飼い猫が書斎に入らなくなりました。
親父が抱き上げて連れて行ってもすぐに逃げ出してしまうのです。

さらに家の中の物がなんだか腐りやすくなりました。
梅雨時でもないのに食パンなどは買ってすぐに黴に覆われてしまったりして、
台所は常に饐えた臭いがするようになりました。
それから家には小さいながら庭もあったのですが、全体的に植木の元気がなくなり、
中には立ち枯れるものも出始めました。

また屋根の上の一ヶ所につねに黒い煙いのようなものが溜まり、
何人もの通行人に火事ではないかと言われたりもしました。
しかしはしごをかけて屋根に上ってみてもそこには何もないのです。





487 :本当にあった怖い名無し:2012/06/06(水) 18:59:09.09 ID:MDvy3SQS0
その頃、親父は時宝堂という骨董屋の主人と親しくなりました。
その人は小柄な老人で、
親父が金があると目をつけたのか、ちょくちょく家に尋ねてくるようになったのです。


ある日、親父は家族に向かって、
「この間から、家の中がちょっと変だったろう。どうもあのサンゴの根付けが原因らしい。
時宝堂さんから聞いたんだが、ああいうものはお女郎さんの恨みがこもってるかもしれないってね。
だが、そういうのを打ち消す方法もあるって話だ。 それでこれを買うことにしたよ」
と言って、一幅の掛け軸を見せました。

それはよくある寒山拾得(中国唐代の2人の禅僧)を描いた中国製で、
それほど高い物には思えませんでした。
そしてそれは和室の床の間に飾られることになりました。

掛け軸が来てから家の中の異変はいったん収まったようでした。
相変わらず猫は書斎へは入らないものの、
植木は元気を取り戻し、物が腐りやすいということもなくなったのです。

親父は、
「古い物はほとんどが人間の一生以上の歴史を持っていて、
中には悪い気を溜め込んでしまっている物もある。
そういうのの調和を取るのが骨董の醍醐味だと、時宝堂さんから聞いたよ」
と悦に入っていました。


ある日のことです。
当時自分は中学生でしたので和室に入る用などめったになかったのですが、
たまたま家族が留守の時、
学校で応援に使ううちわが和室の欄間に挿されていたのを思い出して、取りに行ったのです。

すると家の中には誰もいないはずなのに、なぜか人の話し声が聞こえてきます。
ごく小さな声ですが和室の中からです。
ふすまの前で聞いているとこんな感じです。

「・・・・これで収まったと思うなら浅はかな・・・」
「ただ臭いものに蓋をしたにすぎないだろ・・・今にもっとヒドイことが・・・」

どうも二人の人物が会話をしているようです。
コミカルな声調だったのであまり怖いとも思わず、一気にふすまを開けて見ました。
しかし当然ながらそこには誰もいませんでした。
ただ床の間の絵を見たときに、
なんだか2人の僧の立っている位置が前とは違っている気がしました。

そしてそれから2,3日後、
夜中に家に小型トラックが突っ込んでくるという事故が起きたのです。
塀と玄関の一部を壊しましたが、幸い家族にケガ人はありませんでした。



488 :本当にあった怖い名無し:2012/06/06(水) 18:59:41.27 ID:MDvy3SQS0
親父はこの事故のことでずいぶんと考え込んでいましたが、
それからはますます骨董買いに拍車がかかりました。
古めかしい香炉、室町時代といわれる脇差、大正時代のガラス器などなど。

そしてそのたびに家に変事が起こり、また収まり、
そしてもっとヒドイことが発生するといったくり返しになりました。
骨董に遣ったお金もそうとうな額にのぼったと思います。

「あっちを収めればこっちの障りが出てくる、考えなきゃいけないことが十も二十もある。こらたまらんな」
親父はノイローゼのようになっていました。


そして今にして思えば骨董蒐集の最後になったのが、江戸時代の幽霊画でした。
これはずいぶん高価なものだったはずです。
それは白装束の足のない女の幽霊が柳の木の下に浮かんでいる絵柄で、
高名な画家の弟子が描いたものだろうということでした。

親父は、
「この絵はお前たちは不気味に思うかもしれんが、実に力を持った絵だよ。
この家の運気を高めてくれる」
と言っていました。
そしてその絵が家に来た晩から、小学校低学年の妹がうなされるようになったのです。

妹は両親と一緒に寝室で寝ていたのですが、
決まって夜中の2時過ぎになるとひーっと叫んで飛び起きます。
そして聞いたこともない異国の言葉のようなものを発し、両親に揺さぶられて我に返るのです。
もちろん病院に連れて行きましたが、何の異常も認められないとのことでした。

家の者はまた骨董のせいではないかと疑っていましたが、
それを親父に言い出すことはできませんでした。

時宝堂が来ていたときに親父がこの話をしたら、
「おお、それはいよいよ生まれるのですな」と意味不明のことを言っていたそうです。

そしてその日の夜のことです。
やはり2時過ぎ、妹はうなされていたのが
白目をむいて立ち上がり、
「がっ、がっ、あらほれそんがや~」というような言葉とともに、
大人の拳ほどの白い透明感のある石を、大量のよだれとともに口から吐き出しました。

次の日、時宝堂が来て、その白い石をかなり高額で買っていったそうです。

親父はこのことを契機に時宝堂とのつき合いを断ち、骨董の蒐集もすっぱりやめてしまいました。

「家族には迷惑をかけられないからな。みんなの健康が何よりだよ。
これからは庭いじりでもやることにする」
そして我が家の異変は完全に収まったのです。


【百物語も】短編怪談大募集!【話が進む】

194 :名無しさん@おーぷん :2014/08/12(火)02:18:38 ID:???
あるネトゲで怪談大会してて、
その主催の人が語ってい た話がなかなか怖かった。

人間というものは生きていると、
その生活というか、 生きざまが身体に出てくるということがあります。
意地の悪い人は意地の悪い顔つきになる、
怒りっぽい人は怒りっぽい顔になるとよういいますけど、その通りだと思います。
特に手というのは嘘がつけないもので、
職人さんの手はやはり仕事が染み付いた立派な手をしておられます。

うちの近くにある古武道の師範の手は分厚く立派なものでした。
その師範が自分の手の一部を指して、
「人を殺めたもんにはこういうのが出てくる。戦争の時に出来たが、まだ消えへん」

そんな事があるんやろかと思ってましたが、
うちのじいちゃんが死んだ時に手を見てみると、その特徴がありました。

じいちゃんも戦争に行った人なので、あの世代の方々は
そういうことを抱えて生きてらしたのだとしみじみ思いました。
その特徴ですがここでは教えられません。

分かりにくいっていうのもあるんですが、
オフ会でお会いしたときに私が困りますので。



53 :本当にあった怖い名無し:2009/05/24(日) 04:15:47 ID:B3+fEFe10
和尚さんは、続けてこんな話をし始めた。
ここ数年(当時で数年なので今からだと10年ほど前)、
お寺や神社の宝物庫への窃盗事件が増えており、どうも大半が、外国人の窃盗団によるものらしい。
ここで問題となるのが、最初に書いたとおり、
『問題のある品物』を、便宜上宝物庫と呼ばれている場所に保管している
お寺や神社は、ここ以外にも多数あり、そういった品物が、
やはりあちこちで盗まれているとか。

当時から少し2ちゃんをやっていた俺は、コピペなどで情報を得ていたため、
「ああ、かの国の窃盗団だな」とすぐに分かり、
和尚さんに聞いてみたが、曖昧な返事しかしてくれなかった。

その代わり、別の話をしてくれた。

仮にの話として、もし一連の寺社への窃盗事件が、かの国の窃盗団によるものだとすると、
『いわく付き』の品物が次々とかの国へ、
何の保護措置もしないまま送られ続けている事になる。

これは非常に危険な行為で、一つの国に何の措置もしないまま、
無秩序に『いわく付き』の品物が集められたら、一体何が起きるのか想像も出来ない。

「普通、そんな何の利益にもならない、バカな事をする人はいないだろう」
と和尚さんは言っていた。
おかしな話だが、呪いの類にも、人間関係のような相性があって、
人で喩えるなら、意気投合するものもあれば、性質が合わずに反目しあうものもあるらしい。
そういったものが何の規則性も無く、
制限無く集められていっているとしたら、
「恐らくとんでもない事になる。何が起きるのかは分からないが・・・」とも言っていた。





54 :本当にあった怖い名無し:2009/05/24(日) 04:18:14 ID:B3+fEFe10
そこで俺は、こう和尚さんに言ってみた。
「でも、外国に持ち出されたなら、俺達は安心じゃん。その国にいかなければ害も無いでしょ?」と。

しかし和尚さんは、
「そうではない。仮に行かなくとも、
これだけ大きく無秩序な呪物の集合の場合、『縁』を持っただけでも危ない。
『縁』が軽い場合や一時的なものだったとしても、一体どういう影響があるのか全く予想も出来ない。
もしお前達が『縁』を持ちそうになったら、何があってもそこから逃げろ」
と言われた。


これが当時、俺が聞かされた話の全て。
ぶっちゃけて言うと、俺はこの話を信じていなかった。
だから最近まで、ほぼ完全に忘れていたのだが、そこで最初に話した、あるコピペが関係してくる。
そのコピペを見て、もしかしてこれがその影響か?と直感的に感じたから。



55 :ラスト:2009/05/24(日) 04:19:00 ID:B3+fEFe10
以下がそのコピペ。

新種の精神障害『危険水準(2004年)』
――前頭葉が破壊されてる韓国人激増。火病と同根かも知れないがこれは脳損壊である
・症状は、前頭葉の損壊――最も高度な部位。創造的な文化が皆無なのにも理由があった訳。
・1997年~2004年で子供の発病率が100倍に急増。遺伝子的欠陥なので指数関数的に蔓延する。
・現在2008年には、1997年(基準年?)の数千倍の発病率になっていても不思議じゃ無い。

現在でも国民的な病だが、
『子供の』発病が21世紀に入って急増したという事で、
彼等が成人を迎える10年後辺りからは、民族としての、更なる壊滅的様相が想定される。
――これはもう、セルフ・ホロコーストになるかも…


時期的にも、窃盗団が日本に来始めた頃と合致する。
俺は絶対に、かの国との『縁』を持たないようにしようと思った。
無知というのは、ほんとうに恐ろしい・・・・・


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死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?192


898 :本当にあった怖い名無し:2008/05/08(木) 00:21:08 ID:lKlWGRUk0
私は怖くないけど、友人が怖い怖いと言うので自分をネタにしてみる。

私は動物好きだ。
でも友人は、「それは違う」と言う。
特に小動物が好きで、手にふわふわした毛皮の感触があるのが楽しい。
大学で実験用のネズミを掴んだときは、もぞもぞ動くのが可愛くて撫で回してた。
そしたら友人が、「何やってんの?メチャメチャ苦しがってるじゃん!」と言ってひったくられた。


なるほど、友人の手に移ったネズミは大人しくなった。
掴み方が悪かったのかと次のを掴んだら、やっぱりじたじた動いてた。
楽しかったから、今度は友人に渡さずに堪能してたら、凄く気味悪そうに見られた。
「誰が見ても、首を絞められて苦しんで暴れてると分かる様子なのに、
何ひとつ感じないで笑ってる私が怖い」
と言っていた。
別に首を絞めたつもりはなかったし、
手触りが気持ちよかったから夢中で気づかなかった。


実家に帰省したら、親が猫を飼ってた。
可愛いなと思って近寄ったら逃げた。
捕まえて抑えて撫で回してたら叱られた。
私は遊んでるつもりだったが、猫は本気で苦しがってたらしい。


ついでに言うと、私は赤ちゃんも好きだ。
でも、友人宅で抱かせてもらったら、赤ちゃんが泣き喚いて、
慌てて抱き取った友人は、2度と触らせてくれなかった。
抱えてただけのつもりだったけど、何か変な持ち方してたらしい。

で、今妊娠中。
友人に話すと、何だか皆が奇妙な顔になる。
さすがに自分の子くらいちゃんと育てられる、と思いたいが、
ちょっぴり不安になる今日このごろ。





900 :本当にあった怖い名無し:2008/05/08(木) 00:43:11 ID:8dZBGUVs0
風船を持つと割れちゃうとか?



902 :898:2008/05/08(木) 00:53:41 ID:lKlWGRUk0
風船はないけど、細かい物や壊れ易いものは、うっかり壊しちゃうことはある。
ただ、動物を握り潰したことはないので、大丈夫かと思ってたんだが、
友人に言わせると、
「苦しんでるのを気づきもしなければ、気にもしない時点で既に怖い。
殺さなきゃいいってもんじゃない」
だそうです。



906 :本当にあった怖い名無し:2008/05/08(木) 01:04:32 ID:RBk0Sa/h0
問題は、「相手が苦しんでいる様子を、苦しんでいると認識出来ない」所にあるようだけど、
それは育児において、ものすごくヤバい障碍だと思う。
(赤ん坊が苦しがってても気付けない訳だから、病気になっても放置してしまう)

パートナーに、赤ん坊の様子を逐一観察してもらってた方がいい。



907 :898:2008/05/08(木) 01:13:50 ID:lKlWGRUk0
ああ・・・多分それですね。友人一同が危惧してるのは。

いや、言語で、
「俺は今、熱があってだるい。頭も痛い。薬と消化の良い食べ物をすぐに用意しろ」
とか言われたらやるんですけどね。
それで、夫は私が変とは思ってないようです。

ただ、言葉を使わない動物や赤ちゃんが、動いたり鳴いたりする様子は、
可愛いなあと思うだけなんですが、どうもその中に、本気で苦しんでるケースがあるらしいです。

脈拍や呼吸や心音が弱まってきたら気づきますし、
明らかな外傷や火傷は見て分かるから、
経験からしても、殺してしまうことはないと思うんですけどね・・・・



910 :898:2008/05/08(木) 01:33:08 ID:lKlWGRUk0
あ、いえ、別にそこまで本気に悩んでるわけじゃないです。
お気遣いありがとうございます。


ただ、妊娠報告した友人が複雑な反応を返すので。
その中に、学生時代に私を「怖い怖い」と言っていた人がいたので、思い出してネタにしてしまいました。

生まれてくるまでに十分に勉強して、きちんと子供の状態と安全に気を配れるように注意します。
自分だけで不十分なら、実母なり姑なり医師なりのアドバイスを仰ぐつもりです。
さすがに子殺しの母になるのは嫌なので、
子供が言葉で自己主張できる年齢まで気をつけていきます。

スレチ気味なので、これで失礼します。



914 :本当にあった怖い名無し:2008/05/08(木) 09:28:30 ID:iRrEasMoO 
他者の感情や苦痛を、感覚的に理解できないんだな。
そして、その『異常』を自覚できていない。

確かにこれは洒落にならんくらい怖いわ・・・



216:リアル:2011/05/13(金) 13:37:20.60 ID:rKgs8JSd0
Tちゃんへ
ご無沙汰しています。Sです。あれから大分経ったわねぇ。 もう大丈夫?
怖い思いをしてなければいいのだけど…。
いけませんね、
年をとると回りくどくなっちゃって。

今日はね、Tちゃんに謝りたくてお手紙を書いたの。
でも悪い事をした訳じゃ無いのよ。あの時はしょうがなかったの。
でも…、ごめんなさいね。

あの日、Tちゃんがウチに来た時、先生本当は凄く怖かったの。
だってTちゃんが連れていたのはとてもじゃ無いけど先生の手に負えなかったから。
だけどTちゃん怯えてたでしょう?
だから先生が怖がっちゃいけないって、そう思ったの。


本当の事を言うとね、いくら手を差し伸べても見向きもされないって事もあるの。
あの時は、運が良かったのね。

Tちゃん、本山での生活はどうだった?
少しでも気が紛れたかしら?
Tちゃんと会う度に先生まだ駄目よって言ったでしょう? 覚えてる?

このまま帰ったら酷い事になるって思ったの。
だから、Tちゃんみたいな若い子には退屈だとは分かってたんだけど帰らせられなかったのね。
先生、毎日お祈りしたんだけど中々何処かへ行ってくれなくて。


でも、もう大丈夫なはずよ。近くにいなくなったみたいだから。
でもねTちゃん、もし…もしもまた辛い思いをしたらすぐに本山に行きなさい。
あそこなら多分Tちゃんの方が強くなれるから中々手を出せないはずよ。





218:リアル:2011/05/13(金) 14:02:03.21 ID:rKgs8JSd0
S先生の手紙の続き


最後にね、ちゃんと教えておかないといけない事があるの。
あまりにも辛かったら、仏様に身を委ねなさい。
もう辛い事しか無くなってしまった時には、心を決めなさい。

決してTちゃんを死なせたい訳じゃないのよ。
でもね、もしもまだ終っていないとしたらTちゃんにとっては辛い時間が終らないって事なの。


Tちゃんも本山で何人もお会いしたでしょう?

本当に悪いモノはね、ゆっくりと時間をかけて苦しめるの。決して終らせないの。
苦しんでる姿を見てニンマリとほくそ笑みたいのね。
悔しいけど、先生達の力が及ばなくて目の前で苦しんでいても何もしてあげられない事もあるの。
あの人達も助けてあげたいけど…、どうにも出来ない事が多くて…。

先生何とかTちゃんだけは助けたくて手を尽くしたんだけど、正直自信が持てないの。
気配は感じないし、いなくなったとも思うけど、まだ安心しちゃ駄目。
安心して気を弛めるのを待っているかも知れないから。


いい?Tちゃん。 決して安心しきっては駄目よ。
いつも気を付けて、怪しい場所には近付かず、 余計な事はしないでおきなさい。先生を信じて。ね?

嘘ばかりついてごめんなさい。
信じてって言う方が虫が良すぎるのは分かっています。
それでも、最後まで仏様にお願いしていた事は信じてね。
Tちゃんが健やかに毎日を過ごせるよう、いつも祈ってます。



219:リアル:2011/05/13(金) 14:04:20.50 ID:rKgs8JSd0
読みながら、手紙を持つ手が震えているのが分かる。
気持ちの悪い汗もかいている。
鼓動が早まる一方だ。

一体、どうすればいい?
まだ…、終っていないのか?

急にアイツが何処かから見ているような気がしてきた。
もう、逃れられないんじゃないか?
もしかしたら、隠れてただけでその気になればいつでも俺の目の前に現れる事が出来るんじゃないか?
一度疑い始めたら、もうどうしようもない。
全てが疑わしく思えてくる。


S先生は、ひょっとしたらアイツに苦しめられたんじゃないか?
だから、こんな手紙を遺してくれたんじゃないか?
結局…、何も変わっていないんじゃないか?

林は、ひょっとしたらアイツに付きまとわれてしまったんじゃないか?
一体アイツに何を囁かれたんだ。
俺とは違う、もっと直接的な事を言われて…、おかしくなったんじゃないか?


S先生は、俺を心配させないように嘘をついてくれたけど、
「嘘をつかなければならないほど」の事だったのか…。
結局、それが分かってるからS先生は最後まで心配してたんじゃないのか?

疑えば疑うほど混乱してくる。
どうしたらいいのかまるで分からない。



220:リアル:2011/05/13(金) 14:06:27.13 ID:rKgs8JSd0
ここまでしか…俺が知っている事はない。
二年半に渡り今でも終ったかどうか定かではない話の全てだ。

結局、理由も分からないし、
都合よく解決できたり何かを知ってる人がすぐそばにいるなんて事は無かった。
何処から得たか定かではない知識が招いたものなのか、
あるいはそれが何かしらの因果関係にあったのか…。
俺には全く理解できないし、偶々としか言えない。


でも、偶々にしてはあまりにも辛すぎる。
果たしてここまで苦しむような罪を犯したのだろうか?犯していないだろう?
だとしたら…何でなんだ?不公平過ぎるだろう。それが正直な気持ちだ。


俺に言える事があるとしたらこれだけだ。
「何かに取り憑かれたり狙われたり付きまとわれたりしたら、マジで洒落にならんことを改めて言っておく。
最後まで、誰かが終ったって言ったとしても気を抜いちゃ駄目だ」



222:リアル(最後):2011/05/13(金) 14:10:29.09 ID:rKgs8JSd0
そして…、最後の最後で申し訳ないが俺には謝らなければいけない事があるんだ。
この話の中には小さな嘘が幾つもある。
これは多少なりとも分かり易くするためだったり、
俺には分からない事もあっての事なので目をつぶって欲しい。
おかげで意味がよく分からない箇所も多かったと思う。合わせてお詫びとさせて欲しい。


ただ…、謝りたいのはそこじゃあない。
もっと、この話の成り立ちに関わる根本的な部分で俺は嘘をついている。
気付かなかったと思うし、気付かれないように気を付けた。
そうしなければ伝わらないと思ったから。
矛盾を感じる事もあるだろう。がっかりされてしまうかもしれない…。
でもこの話を誰かに知って欲しかった。


俺は○○だよ。

‥今更悔やんでも悔やみきれない。


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204:リアル:2011/05/13(金) 13:00:19.41 ID:rKgs8JSd0
「パン!!」

その音で俺は跳び上がった。
正座してたから体が倒れそうになりながら後に振り向いてすぐ走り出した。
何か考えてた訳じゃなく体が勝手に動いたんだよね。

でも慣れない正座のせいで足が痺れてまともに走れないのよ。
痺れて足が縺れた事とあんまりにも前を見てないせいで
頭から壁に突っ込んだがちっとも痛くなかった。
額から血がだらだら出てたのに…、それだけテンパって周りが見えてなかったって事だな。


血が目に入って何も見えない。
手をブン回して出口を探した。けど的外れの方ばっかり探してたみたい。

「まだいけません!」

いきなりS先生が大きい声を出した。
障子の向こうにいる両親や祖父母に言ったのか俺に言ったのか分からなかった。
分からなかったがその声は俺の動きを止めるには十分だった。
ビクってなってその場で硬直。

またもや頭の中では物凄い回転で事態を把握しようとしていた。
っつーか把握なんて出来る筈もなく、S先生の言うことに従っただけなんだけどね。

俺の動きが止まり、仏間に入ろうとする両親と祖父母の動きが止まった事を確認するかのように
少しの間を置いてからS先生が話始めた。


S先生「Tちゃんごめんなさいね。怖かったわね。もう大丈夫だからこっちに戻ってらっしゃい」

「Iさん、大丈夫ですからもう少し待ってて下さいね」

障子(襖だったかも)の向こうからしきりに何か言ってのは聞こえてたけど覚えてない。

血を拭いながらS先生の前に戻ると手拭いを貸してくれた。
お香なのかしんないけどいい匂いがしたな。
ここに来てやっとあの音はS先生が手を叩いた音だって気付いた。
(質問出来る余裕は無かったけど)





206:リアル:2011/05/13(金) 13:08:17.87 ID:rKgs8JSd0
S先生「Tちゃん、見えたわね?聞こえた?」
俺「見えました…どーして?って繰り返してました。」
この時にはもうS先生の顔はいつもの優しい顔になってたんだ。
俺も今度はゆっくりと、出来るだけ落ち着いて答える事だけに集中した。
まぁ…考えるのを諦めたんだけどね。


S先生「そうね。どうして?って聞いてたわね。何だと思った?」
さっぱり分からなかった。考えようなんて思わなかったしね。

俺「?? …いや…、ぅぅん?…分かりません」
S先生「Tちゃんはさっきの怖い?」
俺「怖い…です」
S先生「何が怖いの?」
俺「いや…、だって普通じゃないし。幽霊だし…」

ここらへんで俺の脳は思考能力の限界を越えてたな。
S先生が何が言いたいのかさっぱりだった。

S先生「でも何もされてないわよねぇ?」
俺「いや…首から血が出たし、それに何かお札みたいなの捲ろうとしてたし。明らかに普通じゃないし…」
S先生「そうよねぇ。でも、それ以外は無いわよねぇ」
俺「…」
S先生「難しいわねぇ」
俺「あの、よく分からなくて…すいません」
S先生「いいのよ」


S先生は、俺にも分かるように話してくれた。
諭すっていった方がいいかもしれない。
まず、アイツは幽霊とかお化けって呼ばれるもので間違いない。
じゃあ所謂悪霊ってヤツかって言うとそう言いきっていいかS先生には難しいらしかった。
明らかにタチが悪い部類に入るらしいけど、
S先生には悪意は感じられなかったって言っていた。
 
俺に起きた事は何なのかに対してはこう答えた。
「悪気は無くても強すぎるとこうなっちゃうのよ。あの人ずっと寂しかったのね。
話したい、触れたい、見て欲しい、気付いて気付いてーって、ずっと思ってたのね」

「Tちゃんはね、分からないかもしれないけど暖かいのよ。
色んな人によく思われてて、それがきっと“いいな~。優しそうだな~って思ったのね。
だから自分に気付いてくれた事が嬉しくて仕方なかったんじゃないかしら」

「でもね、Tちゃんはあの人と比べると全然弱いのね。
だから、近くに居るだけでも怖くなっちゃって体が反応しちゃうのね」
S先生は、まるで子供に話すようにゆっくりと、難しい言葉を使わないように話してくれた。



207:リアル:2011/05/13(金) 13:12:17.31 ID:rKgs8JSd0
俺はどうすればいいのか分からなくなったよ。
アイツは絶対に悪霊とかタチの悪いヤツだと決めつけてたから。
S先生にお祓いしてもらえばそれで終ると思ってたから…。
それなのにS先生がアイツを庇うように話してたから…。


S先生「さて、それじゃあ今度は何とかしないといけないわね。
Tちゃん、時間かかりますけど何とかしてあげますからね」
この一言には本当に救われたよ。
あぁ、もういいんだ。終るんだって思った。やっと安心したんだ。

S先生に教えられたことを書きます。
俺にとって一生忘れたくない言葉です。


「見た目が怖くても、自分が知らないものでも自分と同じように苦しんでると思いなさい。
救いの手を差し伸べてくれるのを待っていると思いなさい」


S先生はお経をあげ始めた。
お祓いのためじゃ無くアイツが成仏出来るように。
その晩、額は裂けてたしよくよく見れば首の痕が大きく破けて痛かったけど本当にぐっすり眠れた。
(お経終わってもキョドってた俺のために笑いながらその日は泊めてくれた)



208:リアル:2011/05/13(金) 13:13:45.30 ID:rKgs8JSd0
翌日、朝早く起きたつもりがS先生はすでに朝のお祈りを終らしてた。
S先生「おはよう、Tちゃん。さ、顔洗って朝御飯食べてらっしゃい。
食べ終わったら本山に向かいますからね」


関係者でも何でもないんであまり書くのはどうかと思うが少しだけ。
S先生が属している宗派は前にも書いた通り教科書に載るくらい歴史があって、
信者の方も修行されてる方も日本全国にいらっしゃるのね。
教えは一緒なんだけど地理的な問題から東と西それぞれに本山があるんだって。
 俺が連れていってもらったのが西の本山。
本山に暫くお世話になって、
自分が元々持っている徳(未だにどんなものか説明できないけど)を高める事と
アイツが少しでも早く成仏出来るように
本山で供養してあげられるためってS先生は言ってた。

その話を聞いて一番喜んだのが祖母、まだ信じられなそうだったのが親父。
最後は俺が「もう大丈夫。行ってくる」って言ったから反対しなかったけど。


本山に着くと迎えの若い方が待っていて、S先生に丁寧に挨拶してた。
本堂の横奥にある小屋(小屋って呼ぶのが憚れるほど広くて立派だったが)で本山の方々にご挨拶。
ここでもS先生にはかなりの低姿勢だったな。
S先生、実は凄い人らしく、
望めばかなりの地位(「寂しいけど序列ができちゃうのね」ってS先生は言ってた)にいても
不思議じゃないんだって後から聞いた。

俺は本山に暫く厄介になり、まぁ客人扱いではあったけど皆さんと同じような生活をした。
多分、S先生の言葉添えがあったからだろうな。



210:リアル:2011/05/13(金) 13:21:22.89 ID:rKgs8JSd0
その中で、自分が本当に幸運なんだなって実感したよ。
もう四十年間ずっと蛇の怨霊に苦しめられている女性や、
家族親族まで祟りで没落してしまって身寄りが無くなってしまったけど、家系を辿れば
立派な士族の末裔の人とか…
俺なんかよりよっぽど辛い思いしてる人がこんなにいるなんて知らなかったから…。

厳しい生活の中にいたからなのか、場所がそうだからなのか、
あるいはS先生の話があったからなのか恐怖は大分薄れた。
(とは言うものの、ふと瞬間にアイツがそばに来てる気がしてかなり怯えたけど)

本山に預けてもらって一ヶ月経った頃S先生がいらっしゃった。

S先生「あらあら、随分良くなったみたいね」
俺「えぇ、S先生のおかげですね」
S先生「あれから見えたりした?」
俺「いや…一回も。多分成仏したかどっかにいったんじゃないですか?ここ、本山だし」
S先生「そんな事ないわよ?」

顔がひきつった。


S先生「あら、ごめんなさい。また怖くなっちゃうわよね」
「でもねTちゃん、ここには沢山の苦しんでる人がいるの。 
その人達を少しでも多く助けてあげるのが私達の仕事なのよ」
多分だけどS先生の言葉にはアイツも含まれてたんだと思う。


S先生「Tちゃん、もう少しここにいて勉強しなさい。折角なんだから」

俺はS先生の言葉に従った。
あの時の事がまだまだ尾を引いていて、まだここにいたいって思ってたからね。
それに一日はあっという間なんだけど…何て言うか時間がゆっくり流れてような感じが好きだったな。
(何か矛盾してるけどね)

そんなこんなが続いて、結局三ヶ月も居座ってしまった。
その間S先生は(二ヶ月前に来たきり)こっちには顔を出さなかった。
やっぱりS先生の言葉がないと不安だからね。
でも、哀しいかな
流石に三ヶ月もそれまで自分がいた騒々しい世界から隔離去れると物足りない気持ちが強くなってた。



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