サイケデリック・奇譚

永遠の日常は非日常。

タグ:意味不明

289 : 安納芋 ◆hJ/HYR69s6:2015/08/30(日) 04:33:37.15
数年前郊外に引っ越してから、様々な鳥のさえずりを耳にする様になった。
山鳩やカッコウもいいけれど、特に気に入ったのが
初夏の日没後から夜明けまで、水笛に似た声で鳴く鳥だ。
裏の土手にある緑地や川向こうの山から聞こえて来る。

ピョキョキョ、ピキョキョキョキョ……
調べたところホトトギスの声が一番近い。良い声で鳴くものだ。
鳴き声が聞こえる晩はたびたび窓を開けホトトギスのさえずりを楽しんでいた。

今年の6月の事。
夜1時過ぎに帰宅し車から降りるとホトトギスの鳴き声がする。かなり近くからだ。
何処にいるんだろう?
見える訳もないのに音のする方向…真っ暗な土手に目を凝らした。
すると、小さな明かりが土手の上を移動している。
高さや大きさ、スピードからして自転車のライトらしい。

夜中にサイクリングをする人もいるだろうが…
おかしな事に、どうもライトが近づくにつれホトトギスの声が大きくなっている様なのだ。
耳を澄まし土手を見上げる私の前を、鳴き声と共にライトが通り過ぎる。
自転車から鳴き声が聞こえているのに違いなかった。

深夜、真っ暗な土手を自転車で走りながら、水笛を吹いてる人がいる…

正直ゾッとした。
今まで聞いてきたホトトギスの声の内幾つかはコレだったのではないか?
そう考えると恐ろしくなり、慌てて家に入ろうとした。
そんな私の目に再び明かりが飛び込んで来る。

あの自転車がUターンして戻って来た。
いや、自転車にしてはありえない動きの明かりがこちらに向かって来たのだ。
それはまるで蛇の様に上下にくねり、大きさも先程の三倍はある。
鳴き声はキャキャキャア!ギャギャギャア!と原型を留めていなかった。
今度こそ家に駆け込んだ。
それでも鳴き声が聞こえそうで、布団を頭から被り耳を塞いで朝を待った。

幸い、この夜以降コレには遭遇していない。
が、今ではホトトギスの声が聞こえると、窓を閉め鍵をかけている。



158: 本当にあった怖い名無し:2010/11/27(土) 19:39:02.01
俺物心つく前に親父が死んじゃってて、お袋が女手一つで俺とアネキの事育ててくれてたのよ。
実際すげー優しかったし、本当に愛情込めて育ててくれたと思う。
そんなお袋も10年前の俺が二十歳の時に死んじまったんだな。

これがそりゃーショックだったよ、アネキも俺も放心状態
でも親類関係って一切かかわった事ないし、
連絡先も知らないから自分たちですべてやるしかなかったのね、
まぁ近所のおばさんなんかが手伝ってくれたしアドバイスくれたりで
淡々と葬式の準備は進んでったわけよ。

その時アネキが近所のおばさんと区役所に死亡届を出しに行ってたんだけど
2人して真っ青な顔して帰ってくるのよ
もうね本当の青って感じwアネキなんか今更おお泣きするしw
んでそのおばさんに何があったのか聞いてみたら
お袋18年前に死んでますってwwwwwww
確かに保険証にお袋の名前なかったのはおかしいと思ってたんだけど・・・
俺の事20年間育ててくれたのはいったい誰だったんだ?


161: 本当にあった怖い名無し:2010/11/27(土) 19:53:40.61 
コピペじゃないなら悲しいとしか言い様がないなぁ
母親じゃなくても誰なのか知りたいな




707:本当にあった怖い名無し:2011/07/28(木) 00:16:18.33 
五年前、学生時代の体験
深夜暗い田舎道を車で走っていると、急にエンジンが停まってしまった
俺はあまり車に詳しくないので、JAF を呼び車内で待っていた

しばらくすると、正面の道から強烈な光が近寄ってきた
もう来てくれたのか、早いなあと思ったがよく見ると様子がおかしい
光は俺の車前方50メートルほどで止まりそのまま動かない
ヘッドライトのように2つに別れておらず
光源はどうやら1つのよう
その光量は半端じゃなく、光源と俺の車の一直線上だけがまるで昼間のようだった
少し不安に思ったが、とりあえず近づいてみると
向こうからも人が近づいて来るのが見えた

三人

後光が強すぎて何者かわからなかったが、近づくにつれ見えてきた
三人とも背が高く、2メートルはあったかと思う
線が細く、馬面というか、顔が長い
顔立ちや髪形は子細は異なるものの、よく似ていた
服装はシャツやポロシャツ、ジーンズにチノパン、まあ普通だがどこか古臭い雰囲気がある

1人が話しかけてきた
どことなくイントネーションが標準語とは異なり、聞き取りづらかったが、
どこから来た?困っているんだな、直してやる
みたいなことを言う

直感的に怪しく感じ、いや、JAF 呼んだから大丈夫ですと答えたが、
いや、俺たちが直してやる、としつこい
次第にこっちの車に乗れ、とか
お前のはもうだめだ、話がずれてきた

このあたりで何故か俺の思考が曖昧になってきて、
ああ、助けてくれるならついていくのもいいかな
と思い始めてきた

聞かれるがままに俺の自己紹介などしながら三人と光に向かって歩いていくと、
突然携帯が鳴った
JAF からだった


708:本当にあった怖い名無し:2011/07/28(木) 00:18:42.22 
近くまできたと思うのだが、詳しい場所を教えてくれという内容だった
その電話で我に帰り、三人の申し出を断ると
三人は怒りだし早口でよく聞き取れないことをわめき始めた

俺の好意を無駄にするのか、とか
早く来ないと間に合わないとか言っていた気がする
俺は三人を振りほどき、車内に戻った

三人は車外でしばらく何か訴えていたが、諦めて光に戻っていった
このとき印象的だったのが、1人が手のひらを横にして
おでこにピタッと当てると、他の二人も同じジェスチャーをした
それが合図であるかのように、バタリと黙り
背を向けると歩いていってしまった
三人が光の奥に消えると、光は猛スピードで後進しそのまま消え去った

ほどなくしてJAFが正面の道から現れた
車は職員が操作するといとも簡単にエンジンがかかった
さっきまでまったく動かなかったのに

JAFの車は真っ直ぐ道を走ってきたが、そのような光には出会わなかったという
俺は無事帰宅できたが、次の朝全身に発疹ができていた
皮膚科で診てもらったが、原因は不明とのことだった

関係あるのかわからないが、発疹は軟膏をつけていたら10日程で消えた
この話を二年後に合コンでしたら1人の女が食いついてきた
女は彼氏とドライブ中、二回その付近で空を飛ぶ発光体を目撃したことがあるという
君が見たのはUFOや宇宙人だったのではないかという

そんな説はにわかには信じがたいが、あの時
あのまま三人についていったら、と思うと何か得たいの知れない恐怖を感じゾッとする
そして何故怪しい連中についていこうという気になってしまったのか全然わからない
こんな話です




359 :本当にあった怖い名無し:2018/12/08(土) 12:46:40.52
石じじいの話です。

(1)
ある日、山歩きから戻ってきたら
途中まで乗ってきて停めておいた自分の車の運転席のシートの上に
お弁当が置いてあったことがあったそうです。
おにぎり3つに、おこうこうが経木の折りに入って。

お腹が空いていたので食べようかと思ったのですが
そのときはドアに鍵をかけていたので思いとどまったそうです。
当時は、車に鍵を挿したままドアも閉めずに停めておいて山に行くことも多かったと。

(2)
幅の狭い林道の道端に止まって地図を確認していたときに
後ろから黒いセダンがやってきて、じじいの車の横を勢いよく走り去ったそうです。
片側は谷川だったので危ないなと思いましたが
高級そうな車だったので、営林署の偉い人の視察だろうか?と思って納得したそうです。
昔は役人は威張っていました。

しかし、普通は、そんなところに偉い人はやってこないし
営林署の車はジープ(本物のジープ)だった。

狭い曲がりくねった林道を苦労して行くと道はなくなって河原に出たそうです。
そこが車が通れる林道の部分の終点でした。
先にいった件の車はいなかったそうです。
脇に分かれる道はなかったのに。

「その車はどこにいったん?」私
「わからん。谷に落ちたんやないか思うて
注意して帰ってきたけんど落ちとらんかったもんな。」

いわゆる「消える自動車」です。



https://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1535920044/-100

504:本当にあった怖い名無し:2006/04/17(月) 02:23:30 
俺が保育園の頃の話
秋口で日が落ちるのも早いってのに
迎えが遅い園児たち(俺含む)でカクレンボすることになったんだよ

俺が隠れたのは玄関の有るとこと保育部屋があるとこの繋ぎになってるちょっと奥まった所
竹ヒゴで作った日除けとか色んなモンが置いてあったんだが、
奥に入って蹲ると外から見えないだろうと思ってソコに隠れたのね

隠れて、もうちょっと奥に行こうと思い移動して
ソコにしゃがんだ瞬間、膝がちょっと「ちくっ」とした

なんか引っかかったのかなーとか思ってたら
後ろら辺から「いたい?」って聞かれたのよ
(あれ?他にもココに来た奴居たんだ)って思いながら
「ん~ん、ちょっとチクってしたけど、いたくないよ?」って答えた
続けざまに後ろの“誰か”が俺に話しかけてくる
「いたい?いたい?」
「いたいよ、いたいよ、もっといたいよ」
気の所為かまたちょっとチクっとした
「いたい?いたい?」
「いたいよね?いたいよね?もっといたいよ」
ジワジワと膝の辺りが痛い、しかもなんか湿っぽい


505:本当にあった怖い名無し:2006/04/17(月) 02:35:26
「いたい?いたい?」
「いたいよね?いたいよね?ひろがるよ」
その瞬間、膝に激痛が走って「いたーい!!!!!」って叫んでた
ソレを聞いた“誰か”は
「きゃはははははは!!またね!!」って笑いながら奥に行った・・・・
奥は行き止まりなのにね

俺はというとワンワン泣きながら外に出て行った
泣きながら出てくる俺を見て園長先生と他の大人は青ざめた顔してた
何故って?
俺の膝には幅1cmくらいの竹ヒゴが思いっきり刺さっててプラプラしてたからさ

園長先生が駆け寄ってきて竹ヒゴを抜こうとするんだけど中々抜けない
丁度迎えに来ていた俺の母親も抜こうとするけどコレも無理
「いたい!いたい!」って俺が泣くもんだから
当時看護婦だった母が自分の病院に連れて行って外科処置で抜くことにしたんだ

両端を切り広げるとアッサリ出てきたんだが医者が首を傾げた
刺さってた竹ヒゴが扇状に広がっていたんだよ
「これ・・・刺さんねぇよな・・・」って母と話してたりするけど俺には分ってた
あの後ろに居た“誰か”の所為だって

それからというもの、俺はカクレンボの時にソコを使うのは止めたよ
近づくとまたあの笑い声が聞こえてきそうだったから
「またね」って事は次に行った時はコレくらいじゃ済まないんじゃとも思ってたから

終わり
PS:今でも膝にその時の傷痕が残ってたりするw



350 :本当にあった怖い名無し:2018/12/07(金) 12:17:36.19
無駄に長いけど怖くない

子供の頃毎年夏休みに母方の祖父母のところに遊びに行っていた
遊ぶといえば川だけの集落で、ものすごいド田舎なので
夜は少ない外灯だけが頼りの暗闇になるけど
寝る前なんかにカエルの声をききながら婆ちゃんとよく散歩した

で、その夜も婆ちゃんと手をつないで散歩してたら
突然「あそこ見ぃ」と山の方を指さしたので目線を向けると
遠くの暗闇の中でぽつぽつと三つほど小さな火のようなものが見える

火みたいといっても別に赤くはなく
イメージとしては松明を持った人が山にいるのかなって
「何?」と訊ねたら「狐火で、あれ」
狐火についての簡単な説明をされ「へー」って
そういうものがあるんだなぁって思ったぐらいで
その後怖い事も特に起きず家に帰った

あと、そこはお盆に川に入ると足を引っ張られるから絶対入るなと言われてるんだけど
我慢できず一度だけ盆に泳いだことがある
本当に溺れて水中で緑っぽい茶色の細い何かが足元にいたのを見た
必死に上にあがろうとしてる最中だったから
じっくりは見られず何かはわからないけどその先の暗い水底と相まってかなり怖かった
以来ちゃんと言いつけを守った

狐火を見たのも溺れたのもこの一度きり
溺れたのは本当にただ溺れただけかもしれないですが

大人になってからは夜に妹と橋の上から川を見ていたら
(暗くて見えないんだけども)
犬の鳴き声がして遠くの民家で飼ってる犬かな?って思ってたら
次の瞬間すぐそばに鳴き声が来た
そこは道もなく家も川原もない辺りなので
川の中にいるのでもない限り不可能な場所だし
移動が早すぎる
え?おかしくない?って
妹と顔見合わせたら急にゾッとして二人で本気で走って帰った

ちなみにそこは狸に化かされた類の話やお化けを見たなんてのが結構ある地方
父も同じ県出身なんだけど怖い話は父方の地域の方に多かった



https://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1535920044/-100

681:本当にあった怖い名無し:2006/04/19(水) 06:28:53 
高校の頃の体験
塾の帰り、滅多に使わない公園の脇の裏道を通った。
その1年前程の夜にそこで日本刀持った男が
通りがかった人に斬りつけるとか言う事件が起こり(軽傷だったらしいが)
それ以外にも変質者が現れる等の話があり
親や学校からも暗くなったら通るなとお達しが出てた場所であった。

いつもは言いつけ通り使わなかったんだが
その日は塾に少し長く居すぎたせいで時間は10時を越えていたので
近道についそこを通ってしまった。

横にある誰も居ない公園の外灯から漏れる薄い明かりに照らされながら歩いてると、
前の方から一人の女が歩いてきた。
場所も場所だけに少し不気味で、刺されないだろうかとか少々飛んだ事を考えながらも
歩は進み、女との距離が近づいていく。

少しビビりながら女を見ていると、不意に違和感が沸いてきた。女はもう目の前だ。
すれ違った瞬間、俺は違和感の理由を理解すると共に、背筋に激しい悪寒が走った。
(・・・・首が無い)
その女の胴体と頭を繋げる首の部分が無く、女の頭が胴体の上にゆらゆらと浮いてたのだ。
見間違いだろうと思いつつも俺はしばらく振り向けずに歩いていたが、
いろいろ考えた末、50M近く歩いた後に意を決して振り返ってみた。

女は俺とすれ違った場所に居た。胴体こそ後ろを向いた状態だった。
しかし頭。頭だけが俺の方向を向き、俺を見ながら声こそ聞こえなかったが
口を大きく開けて高らかに笑っていた。

声も出せず、腰砕けになりながらも俺は即座に走って逃げた。
以後、その道を昼間でも通った事は無い。




503:本当にあった怖い名無し:2013/01/28(月) 23:55:15.15 
最初に書いとくけど、面白い話でもないし、オチもない話。
俺が毎日通勤に使ってる道ある。
田舎だから交通量は大したことないし歩行者なんて一人もいない
でも道幅だけは無駄に広い田舎にありがちなバイパス。
高校時代から現在(27歳)まで毎日といっていいほど使っている道だから
その日も特になにも考えず車で通勤。
このときは何事もなかった。

問題は帰り道。その日は急な仕事で少し帰りが遅くなった(23時頃)
街灯もロクになく、時間も時間なので車もほとんど走ってない
もちろん歩行者なんて一人もいない…と思ってたら
一人の背の高い人が横断歩道の手前で立ち止まっていた。
こんな時間にこんな暗い道を散歩か~物好きやな~なんて考えながら
俺は車内で信号が青になるのを待っていた。

…が、よく考えるとおかしい。
俺が自動車用の信号に引っ掛かって止まっているんだから
歩行者信号は青のはず、何故渡らないんだ?
暗いので目を凝らしてその人を見ると、全身真っ白。
白い服を着ているとかそういうことじゃなく、ただひたすら白い。
次の瞬間俺はゾッとした。こいつ両腕がねぇ!
しかも身長が高いという次元ぞゃない、細長すぎる。
後から思い出すと顔まで真っ白で、のっぺらぼう状態だった気がする。
不気味で仕方ない、信号が青になった瞬間俺はアクセルをベタ踏みして急発進。
あんなものを見たのは初めてだったので一刻も早くその場を離れたかった。




504:本当にあった怖い名無し:2013/01/28(月) 23:57:06.94 
サイドミラーに映る白い奴がどんどん小さくなっていく、
ベタな怪談話のように追っかけてくる気配もない
俺はホッとしたが体の震えが止まらない。
温かい飲み物でも買おうとバイパス沿いにあるセブンイレブンに車を停めた。
車から降りるとすぐ近くのバス停にあいつがいた。

こちらを見ているのかどうかはさっぱりわからないが、
コンビニの光のせいで先程より鮮明に奴の姿が見えた。
やっぱり両腕がない
そして上半身だけ左右にゆらゆら揺れている。
ヤバイ、直感的にそう思った俺は降りたばかりの車に飛び乗り家まで直帰した。
自宅に逃げるように駆け込むと居間に母が座っていた。
母が振り向き俺に言った。
あんたどぎゃんした?鼻血垂れ流しとーがね。

鼻血が出たのなんて産まれて初めてだった
これがあいつのせいなのか、恐怖のあまり鼻血が出たのか、それともただの偶然かはわからない。
しかしいずれにしてもあの道は二度と使わない。

よく考えるとあいつを最初に見た交差点の少し奥には階段があって、
その先には草がおいしげし手入れなど全くされていない神社がある。
あいつはあの神社関係の何かだったのかもしれない。

文章に起こすと全く怖くないね、
でも実際体験してとんでもなく怖かったので書き込ませて貰いました。
駄文申し訳ありません。



356:本当にあった怖い名無し:2008/08/16(土) 19:34:10 I
昔ね、友達と海に行った時の話なんだけど。
砂風呂をやろうとして、あんまり人目が多い場所だとちょっと恥ずかしいから、
あんまり人気のないところで友達に砂かけて埋めてもらったんだ。
顔には日よけのパラソルがかかるようにしてもらって快適だったし、すぐにウトウトし始めた。

その時、不意に誰かが近づいてくる気配がして
「オキテタラヤル」と、若くはない女性の声でしゃべったのよ。
友達の声じゃなかったし妙に抑揚が無いしゃべり方だった。
かなり眠かったから無視したんだけど
結局、それきり声はかけてこなくて気配もすぐ立ち去った。

しばらくして、砂から出て海で遊んでたんだけど、人も少なくなった帰りの時間に
パラソルをあの場所に置いてきてしまったことを思い出して取りにいったのね。
言い忘れてたけど、あの時、砂から出る際に人がまだいるかのように
砂を盛り上げて、パラソルも顔に当たる部分が見えないように配置していたわけよ。
友達を驚かそうとしていたんだけど、
結局、待つのがめんどくさくてすぐに別の場所で合流してしまったんだけどね。

で、パラソルを取りに戻った俺が見たのは
俺のじゃない別のパラソルが砂の盛り上がった部分に何本も突き刺さっていたのね。
俺のパラソルは切り裂かれて、顔があるべきはずだった場所に垂直に突き刺さっていた。

あと何故かカミソリが頭と胴体の間にめり込んでいた。
正直、怖かったし。怖い話のテンプレみたいだなとも考える自分もいたけど。
とりあえずゴミはまずいから自分の分のパラソルの残骸は持って帰ろうと思って
思いっきり深く刺さってたそれを軽い怒りと共に引き抜いたのね。

そしたらさ、遠くからなんか声が聞こえてきて。
視線を向けると結構長い砂浜の向こうからものすごい勢いで
走ってくる奴がいるのよ。
で、そいつがなんか叫んでるの。
まだ残っていた人たちが、そいつからあとずさっているのはよく見えた。
もう俺もすぐに走って車に戻って、よくわかんない顔してる友達を車に乗せてさっさと逃げた。

焦ってはいたが、距離はかなりあったから結構余裕ではあったが、
笑いながら「オキテル」「オキテル」と走ってくる姿は忘れない。




706:本当にあった怖い名無し:2006/04/20(木) 01:54:48 
2年ほど前の話。
とある駅ビルのカフェレストランで昼食をとっていた時のこと。
食事もほぼ終わり、セットのデザートが出された頃、
女性2人と子供2人の4人連れが入店してきた。

女性達は主婦仲間なのか、畳んだベビーカーを引いていて、
子供は3歳くらいの男の子と、1歳くらいの女の子。
あまり子供が好きじゃない私は、こっちの席に来て欲しくないな・・と思っていた。
しかしその願いもむなしく、店員は私の斜め後ろ辺りの壁際の席を案内し、
4人はそこへと歩いてきたのだが、その途端、唐突に子供が泣き始めた。

私はそちらに目を向けるのも嫌だったのだが、声から泣いてるのは男の子だと分かった。
突然堰を切ったように激しく泣き出し、何かを嫌がっているようだった。
しまいには、「こわい~~~!!」と大声で泣き、母親たちも困惑している様子。
私はそれでも無視していたのだが、ついに耐え切れなくなり、その親子連れへ目を向けた。

すると、母親に抱きかかえられた男の子は、案内されるはずだった席の上方を指差して、
「やだ、こわい~~~!!」とひどく怯えていた。
この店内には洒落た絵画などが飾られていたから、きっと変な絵でもあったんだろうと、
指差す方に目を向けると、そこにはただ、真っ白な壁があるだけだった。

しかし男の子は、母親が一歩でもそこへ近付こうとするとより一層激しく抵抗する。
背筋に何か冷たいものが走った。店内の客もみな唖然としている。
店員も困惑していたが、母親が
「すみません。何かよく分からないんですけど、他の席にしてもらってもいいですか?」
と伝えると、あっさり別の席へと案内した。

あの席から離れると、すぐに男の子は泣き止んだ。
彼には一体、何が見えていたんだろうか…。
残された客の間には、嫌な空気が漂っていた。



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