サイケデリック・奇譚

永遠の日常は非日常。

タグ:歴史

【百物語も】短編怪談大募集!【話が進む】


113 :名無しさん :2014/04/27(日)23:40:31 ID:???
柏レイソルの本拠地、日立グラウンド
行った事がある方はお気づきになったでしょうか、あの正門前、
緑ヶ丘交番前交差点に佇む石碑に

あれはその昔、野馬除土手……つまり、
野良の馬や猛獣が村へ侵入するのを防ぐための土手であった事を示すもの
即ち、それそのものはただの道標塚でしかないのだが……


ここから、日立グラウンドに向かって左側の道を少し行くと、枝垂れ桜の咲く場所がある
本来土手に木を植える行為は、土手が荒れやすく、崩れやすくなることから忌避されている
では、何故そんな所に、しかも桜などが植えられているのか
この理由は、近隣住民ですら知らない事が多いのだが、実は深い理由がある





114 :名無しさん :2014/04/27(日)23:46:56 ID:???
戦後直後の時代
その地域は空襲などの被害もなく比較的平穏であったが、
若者が戦争に駆り出された結果、地主の跡継ぎがいなくなり横領されてしまった土地が存在する
その経緯に関しては色々と問題になるため書く事はできないが……


野馬除土手の辺りは大地主がいたのだが、ここも例によって跡取りが戦争で散ってしまった
病を抱え余命幾許もない地主は、土地を手放すまいと弁護士を集めたりと奔走した
しかしその甲斐もなく、結局地主は死んでしまった
土地は横領されてしまうか……と思われたが、何故かこの土地を欲しがる者がいない


その理由は、ある日突然姿を現したとされる、
あの枝垂れ桜の所為であった



115 :名無しさん :2014/04/27(日)23:58:48 ID:???
古より陰陽道において桜は『陰木』であり、庭にあると縁起が悪いとされる
更には枝垂れ桜などその筆頭であり、家運や金運を著しく吸い取るという
しかも桜は根を深く伸ばすため植樹がしにくく、
しかし切り倒してしまうのも罰当たり
その為、誰もその土地を得ようとはしなかったのだ


……そんなある日、地主の縁戚にあたる男がここを訪れた際、
何気なく散り際の桜の花弁を見遣ると、何故か一箇所に積もっている
怪しいと思いその場所を掘ると、なんと戦争で消息不明になったはずの
地主の跡取り息子の遺体が、軍服を纏い埋まっていた

男は驚いたが、きっとこの息子の父に対する孝行であったのだろうと考え、
息子を丁重に葬ると共に自らがこの地を受け継いだ

その男こそ、当時の日立製作所社長・倉田主税である

後に日立製作所のサッカー部はこの地に本拠地を移し、現在の日立グラウンドを建設
そして日立製作所サッカー部は後に柏レイソルになるのである



116 :名無しさん :2014/04/28(月)00:02:16 ID:???
今ではこの事実を知る者も少ないのだが、
2011年にレイソルが快挙を達成した際、一部のサポーターの間で語り草になったという
時は流れども、歴史・沿革を知るということは大事な事なのである


おしまい



117 :名無しさん :2014/04/28(月)00:07:22 ID:???
蛇足……

オカ板住民ならご存知かもしれないが、陰陽道においては全てのものに陰陽がある
木も勿論陰陽が存在し、桜は陰木の代表として有名で、柳などは陽木である
陰と陽が同時に存在するのが良いと考える陰陽道の考えは今も日本人の心に深くかかわっている


柳の下に幽霊がいるのも陰陽、桜の下で宴会をするのも陰陽
なんとも、知れば興味深いものである



118 :名無しさん :2014/04/29(火)06:30:37 ID:???
なーるほど。安吾の桜の森の満開の下もなんとなくそういう気分反映してるのかもね。面白い話乙




http://toro.open2ch.net/test/read.cgi/occult/1395834994/l50

120 :ちーばくん :2014/04/29(火)22:48:35 ID:???
ご存じの方も多いでしょう、有名な心霊スポット『八柱霊園』。
様々な体験談が語られる事の多い場所ですが、
実はオカルト的な意味では八柱霊園は安全な墓地の部類に入ります。
そもそも危険な墓場というのは、
例えば無縁仏の墓であったり、管理人不在の整備されていない墓が殆どなのです。
八柱霊園はそのアクセスのしやすさ、歩きやすさ、
程よい郊外の静寂感と相まって、有名になったのでしょう。
しかして、本当に怖い心霊スポットというのはあまり有名にならない場所にこそあるものなのです。


その一つ、某所にある『首塚』。
その存在自体は割と有名で、建立したのは後の江戸城主・太田道灌。
文明十年、1478年に起きた千葉孝胤との酒井根合戦の跡で、
道灌は敵味方関係なく死体を丁重に葬ったと言われている。


さて……これから語るのは私の実体験ですが、
私自身霊との遭遇は度々あるので恐怖感は薄いかもしれません。
予めご了承くださいませ。





121 :ちーばくん :2014/04/29(火)22:55:53 ID:???
私は知り合いの家を訪ねており、その首塚の近くを通った。
太田道灌の手厚い葬儀のおかげで、首塚の辺りにうろつく霊は気性も穏やかだ。
しかし、ふとある道路に入った途端、寒気がした……
どうやらはぐれ者の霊がいるらしい。

私はその日、その道の近くにある知り合いの家に泊まる予定だったので、しばらく道を観察する事にした。

夜になると、たしかに数体ほど、
新しめの魂魄(何故そう断言できるのかといわれると曖昧だが…)が漂っている。

しかし暫く観察していると、首塚の方面から鈴の音が聞こえてくる。
音に導かれるように、霊たちは首塚の方へと向かったのだが…


突然、金属音のような鋭く不快な音が響いたかと思うと、霊たちが身を翻し逃げてゆく。
私はその様子が気になり、翌朝、知り合いと共に詳しく調べてみる事にした。



122 :ちーばくん :2014/04/29(火)23:04:38 ID:???
その知り合いもまた霊感のある人物で、
時折見かける『霊が逃げる』光景には彼女も疑問を持っていたという。
そこで、彼女と共に私は
首塚のある敷地の管理人(警備員経由なので時間は要したが)に事情を話した。

管理人の方が言うには、鈴の音というのは度々聞かれるが、
金属音と霊が逃げるという光景には出くわした事がないという。

管理人の方は偶然にも居合を心得た方であった。
件の金属音はどうやら刀を擦り合わせる、即ち『鎬を削る』音が近いらしい。

……ここからは私の推測に過ぎないが、彼女と共にある仮説を打ちたてた。

太田道灌は埋葬の際、敵味方なく一緒に葬ったという。もしかしたら、
武者の霊たちは未だ争っているのではないか。

気性が穏やかであるのは対外的なモノで、実際には『浮遊霊も逃げ出す程』
禍々しい怨念が未だ残っているのではないか。

これを解明すべく、私は彼女の家にもう一泊し、そして今度は道のすぐ脇で観察した。



123 :ちーばくん :2014/04/29(火)23:12:40 ID:???
鈴の音は聞こえてきた。そして、金属音。
私たちは首塚のある方を双眼鏡で見遣り、観察する。

霊は見えた。
しかしそれは異様な光景であった。

錆びついたような色合いの日本刀が数本、刃を下に向け、円を描いて宙を舞っている。
漫画『BLEACH』の殲景・千本桜景巌の光景を思い浮かべてもらえればわかりやすいかもしれない。
その中央にあるのは、小さなお堂であった。

首塚ではない事に驚きつつも、私と彼女はもう暫く観察を続けた。

その時、昨日のものとは違う浮遊霊が一体、その近くを通りかかった。
すると、刀はその例の方に鋩を向ける。
霊は慌てて逃げ出す。
夜毎現れるその刀の群れは、
その小さなお堂を敵対者から守っているように、少なくとも私と彼女の目には映ったのである。



124 :ちーばくん :2014/04/29(火)23:20:30 ID:???
翌朝、管理人の方にお堂の件を話すと、その方は神妙な表情で語ってくれた。

そのお堂は首塚と対を為す『刀塚』の跡で、合戦で殉じた者の武具を纏めて祀ってあるという。


実は管理人の方もその正体に気付いていたらしい。
あの刀の群れは、
『付喪神に憑かれた刀が持ち主を喪った為に、拾ってもらうのを待ち続けている』ものなのだそうだ。
刀たちを意識的に見た者は付喪神に試されるらしいとのこと。
だから、金輪際あの浮遊する刀を見かけても
絶対に気にかけてはいけないとも念を押された我々であった。


八百万の神とはいうが、成程悲惨な運命を辿るのは人魂だけではないようだ。
しかし、もし仮に私たちがあの様子を観察している事が刀の付喪神たちに悟られてしまっていたら。
もしかしたら、私たちも危なかったのかもしれない。


人間の霊より動物霊の方が恐ろしいのは言葉が通じないからだという。
そういう意味では、物体の霊、付喪神の残留思念などは最たる危険なモノなのだろう。
皆さまも、そういったモノにはお近づきにならないよう……。




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