サイケデリック・奇譚

永遠の日常は非日常。

タグ:海

360 :本当にあった怖い名無し:2018/12/08(土) 12:51:06.44 
石じじいの話です。

海です。
日本晴の日に石を探して砂浜を歩いていたときに沖から風が吹いてきたそうです。
風は止む気配はなく、
どんどん強くなって、まるで台風のときのような大風になりました。
一帯の砂浜の砂が吹き飛ばされて地面が見えないような状態になり、
海岸近くの樹木が折れそうに揺れていたそうです。
じじいは立っていられなくなって、しゃがみこんでやり過ごしたのですが、
かなり長時間吹いていました。

砂だらけになってしまったので、風がやむとすぐに砂浜から陸側の道路に出ました。
そこで人と出会いましたが、風などまったく吹かなかったと言われたそうです。

「狭いところだけに、あがいに風が吹いたこっちゃなかったろうと思うたけんどのう。
あの人が怪しいもんやったんかのう。」




276:本当にあった怖い名無し:2009/07/31(金) 00:43:46
あまり怖くないかも知れないが、拭い去りたい記憶なので、暇潰しのお付き合いを。

ずっと昔のことなんだけど、一人である海辺の町に旅行したことがある。
時期的に海水浴の季節も過ぎていて、民宿には俺以外客はおらず静かな晩だった。
俺は缶ビール片手に夜の浜辺に出て、
道路と浜辺を繋ぐコンクリートの階段に座り、海から吹く潮風を浴びながら
波音だけを繰り返す暗い海を見つめていた。
それまでの生活で色々イヤなことがあってセンチメンタルな気持ちであれこれ考えていた。

その時波打ち際に黒っぽい固まりのような物が流れ着いていることに気付いた。
でかい魚か何かかな、と思って気楽な考えで
その黒っぽい固まりに近づいたんだ。
潮風に混じって腐ったような臭いがして、その正体に気付いた。
それは溺死体だった。
警察呼ばなきゃ。いや、まずは民宿に知らせた方がいいかな。
当時は今みたいな携帯電話もなく
公衆電話の場所も知らない海岸なので俺はどうすべきか迷った。


277:本当にあった怖い名無し:2009/07/31(金) 00:44:50 
その時、その溺死体が起きあがったのだ。
全身からボタボタとよく分からない物を落としながら、動くはずのない溺死体が
俺の方へ向けて意外なほどの速さで歩き始めたのだ。
正直な話、俺は肝を潰した。
ついでに腰も抜かして砂浜に座り込んだ。

道路の街灯に照らされたそいつのあちこちから
腐った肉片やら色んな小生物がこぼれ落ちている。
カニやらエビやらいたのかも知れないが
一番鮮明に覚えているのは砂浜の上で跳ねる小魚だった。

そいつが俺の前に立った。
そしてパニックで動けないでいる俺の口をヌルヌルした指で強引に開き
髪の毛がまばらにしか残っていないグチョグチョした頭を俺の口の中へ押し込んだのだ。

一体どういう仕組みなのか分からないが、頭どころか腕も肩も俺の口の中に入った。
ひんやりした感触が喉の奥を通り、腹の底へ溜まっていくのが感じられた。
時折固い物があった気もするが、骨ではなく、何かの甲殻類だったのだろうか。
その時の臭いについての記憶がないのも恐怖で呼吸が止まっていたためなのかも知れない。

そいつは物理的法則を無視してズルズルヌメヌメと俺の中へ入っていく。
腰辺りまで入った所で俺は我に返り、必死で抵抗した。
とにかく暴れ回った。
覚えているのはそいつの内部の感触で、骨らしい骨もなく豆腐みたいな感覚だった。
ものすごい腐臭を感じた。
口を閉じたいが閉じられない。舌を動かせば微妙に酸っぱい味がした。
どこまで暴れたか覚えていない。
いつの間にか俺の記憶は途切れていた。気を失ったのだろう。




278:本当にあった怖い名無し:2009/07/31(金) 00:46:00 
意識を取り戻したとき、俺の全身は冷え切っていた。潮風に吹かれ続けたためだ。
砂浜の上に起きあがり頭の中が整理されるまでしばらく呆然としていた。
周りにはあの溺死体もなく
そこから落ちたはずの肉片も小生物も、何の痕跡も浜辺には残っていなかった。
夢だったのか、と思った。
だが、あの生々しい感触は鮮烈に覚えている。

胸がむかむかして俺はその場に吐いた。
例えあの体験が夢でも耐え難い不快感だ。
民宿で出された料理を残らず砂浜にぶちまけ涙がにじんだ目でその吐瀉物を見ていた。
その吐瀉物の一部が動いた。
いや、一部ではない。何カ所も何かが動いている。
俺は酸っぱい臭いを堪えながら顔を近づけてみた。
胃液にまみれてもがいていたのは何匹ものフナムシだった。

俺が気絶している間に口から入り込んだのか?そんなことがあるのか?
それともあれは現実に起こったことで
あいつに潜り込んでいたフナムシが胃に残ってしまったのか?
何倍もの不快感が俺を貫いた。
もう吐く物は残っていないのに俺は吐き続けた。
えづきながら俺は色んな事を考えたが何を考えたのかよく覚えていない。
内臓が出るほど吐く、と言うが、本当に内臓を出してしまいたかった。
出して洗いたい気分だった。


279:本当にあった怖い名無し:2009/07/31(金) 00:47:01 
そんな俺を懐中電灯の明かりが照らした。そして心配そうに声をかけられた。
民宿の女将だった。
夜の散歩から一向に戻らない俺を心配して探しに来たと言う。
俺は涙ながらに今起きたことを話した。
話ながら二回ほど吐いた。もう何も出なかった。

とにかく俺は民宿に戻り、もう一度風呂に入った。
その頃には流石に落ち着いていた。
風呂から上がると
女将が連絡したのか、駐在所から来たという二人の警察官が俺を待っていた。
俺は警察官に浜辺での体験を話したがあまり信じている様子ではなかった。
既に警察官達は砂浜を確認したが、吐瀉物以外、何の異常もないと言うのだ。
夜も遅いというので警察官達は引き上げ、俺も寝ることにした。

異常な体験の後なので眠れるか心配だったが、
体力を消耗したためか意外なほどぐっすりと眠った。
翌朝、まだ心配そうな女将に言って朝食は断らせてもらった。
食べても胃が受け付けなかっただろう。

俺はもう一度警察官達と現場を確認したが、溺死体の痕跡はやはり何も残っていなかった。
明るい砂浜に立つと昨夜の記憶に確信が持てなくなってくる。フナムシなんていくらでもいるのだ。

結局俺は泥酔して浜辺で幻覚を見たことになった。
缶ビール一本が事の始まりにされたのだ。
警察の対応としてはそんなものだろう。文句を付ける気はない。
俺はそのままその町を離れた。


280:本当にあった怖い名無し:2009/07/31(金) 00:48:09
時々思うことがある。
恐怖体験などで、逃げ遅れた者が
精神に異常を来して発見されるというパターンがあるが、その内の何人かは
何者かが体内に入り込んだために精神がおかしくなったのではないだろうか?
俺はたまたま何とか正常を保つことが出来たが、
あれをもう一度やられたら、もう耐えられないだろう。
変な言い方だが、確実に発狂する自信がある。と言うより、その方が楽だと思う。

あれから海には近づけないし、潮風を感じてもあの夜の記憶が甦る。
当然魚は食べていない。
そして、今でも小便や大便にフナムシが混じっていないか不安になるときもある。
何かの弾みにひょっこりとフナムシやら何やら体内から出てくるのではないか?
それでなくても、汗の代わりに腐った体液が滲み出てくるのではないか?
妙な不安が何度も頭を駆け巡るときがある。
妄想だと笑い飛ばしたい。でも出来ない。

あの溺死体の成分は、多分、俺の中にまだ残っていると思うから。



https://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1535920044/-100

305:本当にあった怖い名無し:2018/11/23(金) 20:00:20.40 
石じじいの話です。
メモから短い話を2つ。

(1)海の話
じじいの島の友人が話してくれたそうです。
ある漁夫は、信心深い人で、他の者よりの多く魚を取り、年を重ねても体がよく動いたそうです。
ある日、彼は、「今日往生する」と言って、島の人々を訪ねて回って挨拶をしました。
その後、彼は、浜に行って腰まで水に浸かって西に向かって合掌して念仏を唱えました。
光明遍在の偈を唱えて、「願以此功徳」の文を高らかに誦していましたが、
念仏の第七遍目に晏然として息絶えたそうです。
海に浸かったまま立って往生を遂げていたのです。

(2)虫を呼び寄せる鏡があったそうです。
鏡といっても、今の鏡ではなく、銅板を磨いて錫メッキをした昔の鏡です。
そのような鏡は、すぐに曇るので、ザクロの汁で毎日磨いて曇らないようにするのですが、
問題の鏡は、そのときにはすでに曇ってしまっていたそうです。
その鏡は普段は木箱にしまわれていました。
鏡を取り出して、鏡面を上にして縁側などの、外に置いておくと、
どんどん虫がよってきたそうです。
もう、黒山の状態になるほど虫が集まったということです。
大昔の武家の嫁入り道具の一つで、もともとは支那で作られたのだ、とも、
備前の古墳から盗掘されてきたものだ、とも言われていたそうです。



https://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1535920044/-100

162 :本当にあった怖い名無し:2018/10/15(月) 00:47:07.85 ID:qbr2sqLZ0.net
石じじいの話です。

海の話をしましょう。

じじいの友人が島嶼部にいた事は以前お話しました。
じじいは、友人と二人で昼に無人島に行きました。
まあまあ大きな島でしたが水はなかったと。
砂浜があったので、たまに近くの人たちが舟で海水浴に訪れることもあったそうです。

夕方近くになって帰ろうとしたら舟のエンジンの調子が悪い。
友人は、非常に不愉快そうで苛立って早く帰ろうとしていましたが
夕暮れが近づき暗くなってきたので修理が終わりませんでした。
そのため、無理をしないで島に一泊しようということになったそうです。
食料も水もほどほどに残っていたので
じじいはむしろその一泊の経験を楽しいと思いました。
しかし友人は違ったと。

友人は、焚き火(木がはえていて、枯れ木がたくさん海岸で拾えたそうです)を
前にして言いました。
「ええか、今日の夜は、寝たら、なにも考えんようにせんといけんで。
考え事せんとさっさと眠るんよ。
そうよ、いちばん大事なんは、死んだ人のことを考えたらいけん。
いや、死んだ人やのうても生きとる人でもいけん。考えたらなあ。」

じじいは、おかしなことを言うもんだと思い、どうしてか尋ねました。
友人は明言を避けて、この島では(ここらの海では?:メモに両方の記述あり)
そうしないといけないのだ、と言いました。

じじいは友人の助言を聞いて、努めてなにも考えないようにして寝入ろうとしましたが
かえって目がさえてなかなか眠れませんでした。
そして、いろいろと考えをめぐらせてしまったたそうです。

眠れないでいると、砂浜の砂利を踏みしめて人が近づいて来る気配がしました。




163 :本当にあった怖い名無し:2018/10/15(月) 00:48:13.65 ID:qbr2sqLZ0.net[
大きな動物はいないので、来るのは人しかいない。
月の光で砂浜は青く光っていました。

じじいが警戒してその人物をよく見るとそれはじじいの知り合いの女性だったそうです。
(その人物の詳しい記述はメモにはありません。私が忘れたか、
じじいが説明をぼやかしたのか?)
その女性は、じじいから少し離れたところに正座して声をかけてきました。

「なつかしいね。ひさしぶり。
元気でしたか?無事に国に帰ることができてよかったですね。」と。

もちろん、これはありえないことなのでじじいは友人を起こそうとしましたが、
隣に寝ているはずの友人がいない。

じじいは、その女性に向き直りましたが、女性はまだそこに座っていました。
彼女は、さらに昔の思い出ばなしをし始めたそうです。
それは、まさにその女性しか知らないことでした。

じじいは、この女性のに応答してはだめだ、と思い沈黙していましたが、
この話を聞いていても危ないのではないか?と思い、
横に置いていた枯れ枝を彼女に近くに向かって投げたそうです。


164 :本当にあった怖い名無し:2018/10/15(月) 00:49:33.84 ID:qbr2sqLZ0.net
女性は、それにはまったく動ぜず、話すのをやめて空を見上げて
(暗かったのですが、そう見えたと)
またじじいに向き直り、立ち上がりました。
そして、やってきた方向に向かって歩いて戻っていったそうです。
じじいは、恐怖心と警戒心ですぐには眠れませんでした。。

朝方になって少し眠ったそうですが、目をさますと、
いなかったはずの友人が舟の修理にとりかかっていたそうです。

夢かとも思いましたが、投げた木の枝がその場所に残っていたので、そうとも思えない。
じじいは、友人の作業を手伝い、昼頃に島を離れました。

帰る舟のなかで「あれはなんぞ?」といきなり友人に尋ねたところ、
「おおう、あれいおうたか?あがいなもんがあの島にはおるんで。とくに今頃の時期はな。」
詳しくは説明してくれなかったそうです。

「おまえ、昨夜どっかいったか?」とも尋ねましたが、
「いいや、どこへいくんぞ、あがいな狭い島で。お前の横で寝よったやないか。」と友人。

じじいは、あの時、あの女性と話をしたらよかった、惜しいことをした、と
すこし後悔したこともあったそうです。

「そんときは、そうそうおもうたけどのう、
未練がましゅうしとったらいけんちゅうことやったんかいな。
人間、執着心は捨てれんもんよな。」
じじいは笑っていいました。
(それは覚えています)



https://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1535920044/-100

86 :本当にあった怖い名無し:2018/09/24(月) 00:15:03.84 ID:WI6NMuef0.net
石じじいの話です。

海の話もしましょう。
じじいは、友人が島に住んで漁師をしていたのでたまに遊びにいっていました。
ある夜、友人と舟で釣りにでかけたそうです。
闇夜で釣果もなかなかのもだったそうです。
降るような星空を眺めていると急に海面が光りました。

そのころにはまだ夜光虫がたくさんいて
水面が光るのはそれほど珍しくはなかったらしいのです
(いわゆる「しらみゆうれん」ですね)。

ところが、その光は人間ほどの大きさがあり、それがゆっくりと移動していたそうです。
まるで人間が泳いでいるように形を変えながら。

二人がそれを目で追っていると、さらにもう「一人」人間のようなものが
光りながら泳いでいったそうです。

そうしているまに次から次に光る人間が泳いでいって
全部で五人ほどの光る人が舟の横を泳ぎ過ぎていきました。

最後の一人(一匹?)がいなくなってからも
モーター音で気づかれてその「光る者たち」が寄ってくるのではないかと
海の上を長い間漂っていたそうです。

港に帰って次の日、村の古老に尋ねたそうですが
そのようなものには見たことがない、と言われたそうです。
「それは、魚のむれやったんやないかな?」私
「いや、あれは人間やったで、長い手足を動かしよったけんね。いなげなもんやったい。」

変な人間(のようなモノ)が海を泳いでいる、という話は他にもいろいろあるようです。

この話には関係ありませんが、
この海域は、戦争中には米国の潜水艦と日本軍の駆逐艦との戦場だったそうです。



http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1440842362/

163 : 猫虫 ◆5G/PPtnDVU :2015/08/30(日) 00:40:36.06 ID:slHZZ5U50.net
俺のじいちゃんは漁師だった。
10歳の時から船に乗り家族の反対を押し切って80歳まで現役を続けた生粋の海の男だ。
これはそんなじいちゃんから聞いた話だ。

夜に沖へ船を出していると奇妙な事象に出くわすのはそう珍しくもない事なのだそうだ。
霊と思しきものや人魂のようなものばかりではなく
もっと謎めいたものも多く見たという。
それらは恐らく神や妖怪に分類されるものと思われるが
そういったものについてじいちゃんは多くを語らなかった。
一度その理由を尋ねたら「人が触れちゃなんねぇ領域ってもんがあるんだ」と言っていた。
ちなみに、じいちゃん基準で人が触れてもいい領域の
端っこにあたるのが幽霊だったらしく海で見た霊のことはたまに話してくれた。

じいちゃん曰く、霊というものは光を求めるものなのだそうだ。
霊といえば夜に出るという概念があるから闇の方が好きそうに思えるが
霊にとって光は生者の世界の象徴であり
そちらに戻りたいという思いが彼らを光に惹き付けるのだろう。
特に海で死んだ者は真っ暗な海に取り残されている事がつらくて仕方ない。
そんなわけでじいちゃんのイカ釣り漁船にはそういった霊が時折寄ってきたらしい。

いつの間にか甲板に乗ってきていたり
引き揚げてくれとばかりに海の中から手を伸ばしてくる者もあったそうだ。

といっても、じいちゃんはそこまで霊感が強い訳ではない。
顔かたちまではっきり見えるようなことはほとんどなく
霊の声も聞こえないから話もできない。
半端に相手をすると厄介な事になるので基本的にじいちゃんは霊に対して無関心を貫いていた。
海中から助けを求める霊は気の毒だが無視し船に乗ってきた霊にも気付かないふりをした。
そうする事がお互いのためなのだそうだ。




164 : 猫虫 ◆5G/PPtnDVU :2015/08/30(日) 00:43:42.82 ID:slHZZ5U50.net 
ある時、じいちゃんの仲間が海で事故に遭った。
同じ船に乗っていた者がすぐに引き揚げて病院へ運んだのだが
残念ながら助からなかった。

頼れる兄貴分だったその漁師の死を悼み
多くの仲間達が彼の葬儀に集まった。
悲しみを抱えながらも漁師達は翌朝からまた海へと出ていった。

葬儀から半年ほど経った頃。
沖に停めた船の中でじいちゃんがあぐらをかいて作業をしていると
突然猛烈な眠気が訪れた。
寝ちゃいかんと思いながらも瞼が重くて仕方ない。

必死で睡魔と戦っていると背後に誰かが立っている気配がした。
眠くて振り返れないじいちゃんの頭の上から
テツ、とじいちゃんのあだ名を呼ぶ聞き覚えのある声が降ってきた。

「テツ、悪いがちょっと陸まで乗っけてくれな。俺、足がなくて戻れんから」
夢うつつのじいちゃんは声の主である漁師が亡くなった事を忘れていた。
「ああ、兄貴か…どうした?」
じいちゃんの問いに背後の人物は答えず「悪いな、頼むよ」と返した。
ああ、分かった…と呟いた時、じいちゃんは唐突に覚醒した。

辺りを見回すが、気配はすっかり掻き消えている。
それでもじいちゃんは兄貴の霊がこの船に乗っていると確信し
同じ船に乗っている仲間達に今見た夢を話した。
その場所が偶然にも兄貴の落ちた海域だった事もあり
仲間達はじいちゃんの話に納得するとすぐに漁を打ち切って港へと戻ったのだそうだ。
じいちゃんが『無関心』の鉄則を破ったのは
それが最初で最後だった。

じいちゃんによれば
人は命を落とした場所に魂まで落っことしてきてしまう事があるらしい。
そうなると体は埋葬されても魂はそこから帰れず
誰かに連れ帰ってもらう必要があるのだろう。

「幽霊に足がないってのは上手いこと言ったもんだな。
足(交通手段)がなきゃ、生きてるもんでも遠くからは帰れんもんなぁ。
タクシーやらバスやらに出る幽霊ってのも案外そんな理由なのかもしれんね。
俺の船は幽霊のタクシー代わりだったわけだ」
そう言って笑った後
じいちゃんは海の方を向いて深いため息をついた。

「死ぬ瞬間まで俺は海の上にいたい」と言って
なかなか漁師をやめずに家族を困らせたじいちゃんは
海に魂を落っことした彼らの事を少し羨んでいるようにも見えた。



http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1494952815/

307 : 本当にあった怖い名無し:2017/06/08(木) 04:52:27.08 ID:XAn8F61O0.net 
俺は、小さな海辺の町で生まれた。
砂浜には松の木が立っていて、満潮時には松の根元まで水が来て
海の中から木が生えているような不思議な光景になった。
引き潮の時は、貝殻拾いをした。
赤ん坊の妹にオハジキをしてみせたら喜ぶかなと思ったんだ。

目を上げると、キラキラ光る海面に漁をする木舟がたくさん出ていた。
舟が引き上げて来るのを待ちかまえ、網からこぼれ落ちた
ピチピチの魚を家族の人数分拾って、俺はダッシュで家に帰った。
寺の鐘が鳴り終わるまでに帰ればセーフという決まりだったのだ。

楽しい毎日だったが、俺が幼稚園に入る年
うちの一家は東京に引っ越して、俺は東京S区の幼稚園に入った。

と、思っていた……小1の時までは。
ところが、海辺で暮らしていた当時の写真が1枚もない。
親に聞くと、うちはずっと東京で、同じこの家で暮らしているそうだ。

じゃあ旅行に行った時の記憶か?と首をひねると、
幼児や赤ん坊を連れて水遊びをするのは危ないから
R(俺の名前)が幼稚園に入る前に家族で海に行ったことはないと言う。
「貝殻のオハジキとか、木の舟とか、いつの時代の話をしてるんだ」と
両親からは笑われた。

でも、夢や想像にしては、やけに記憶が鮮明で細かいんだよなあ。
3歳の子供の頭ででっち上げられるようなディティールでもないしさ。
まあいっか、で来ているが、俺の人生における最大の謎。




309 : 本当にあった怖い名無し:2017/06/08(木) 09:36:06.62 ID:O2ooOZHw0.net 
実際、妹はいるの?


310 : 本当にあった怖い名無し:2017/06/08(木) 12:06:18.45 ID:dCMsiG4iO.net 
前世の記憶かね
鮮烈過ぎて現世の記憶が霞むほどなのかも
自分や漁をしている人の身なりなんかは思い出せないのかな


311 : 本当にあった怖い名無し:2017/06/08(木) 12:30:14.90 ID:RoGTg6oE0.net
記憶のシーンはそれだけなのか
他にも海辺で暮らした時の雑多な記憶やモノがあるのか
ひとつのシーンだけならテレビ等の鮮烈な印象が
自分の記憶として定着してしまった可能性が高い


314 : 本当にあった怖い名無し:2017/06/08(木) 15:15:43.52 ID:FiIPR+lc0.net 
ID変わってるかもしれないけど>>307です。
>>309
いる。
記憶の中の妹と年は同じで、俺の1歳半下。
>>310
俺は半ズボン。
漁師さんはよく覚えてないが、着物ではなかった。
母親は白い割烹着で、その下の格好は覚えてない。
自転車やトラックも走っていたからそんなに昔の感じではないよ。
>>311
ハッキリ覚えているのは>>307で書いたことぐらいで、モノとしては何も残ってない。
他には、木の電信柱が立ってて登っちゃダメだと誰かに叱られたのを覚えてるが
(実際によじ登ろうとしてたんだろうw)
これは幼稚園(東京)の時の記憶かもしれない。
ゴッチャになってる部分もあるんだよ。

>>307に書いた記憶は1日の出来事ではなく、月日はバラバラで、時系列でもない。
ただ、今にして思えば、海辺で暮らしていた俺は
実年齢(3歳)より少し大きかったような感覚もある。
シャツに生きてる魚4匹をくるんで急な坂道を駆け上がったのを覚えてるんだが
3歳児にそんなパワーがあるかなあ?
魚は元気に撥ねて結構重かったし5歳ぐらいでないと無理な気もするんだ。
あくまで自分の感覚だけどね。


315 :本当にあった怖い名無し:2017/06/08(木) 15:35:15.60 ID:RoGTg6oE0.net
実際 現実と妄想や印象がしっかり区分けされるのは小学校高学年あたりから
それ以前は感受性が豊かと言えば聞こえはいいが
本やテレビやゲームなどに没入したり親の会話から想像した内容が
実体験の記憶になってしまうことはいくらでもある
怪獣と戦った!など明らかに現実と矛盾した内容なら忘れ去られて行くが
今回の内容なら記憶として残ったままでも不思議はないな


316 : 本当にあった怖い名無し:2017/06/08(木) 15:42:05.12 ID:FiIPR+lc0.net 
なるほどね。
多分、そういうことなんだろうな。


317 : 本当にあった怖い名無し:2017/06/08(木) 16:08:42.39 ID:J0OSYYmJ0.net 
俺も最初読んだときはドラマや映画のシーンを自分の記憶と混同してたんじゃ、と思ったけど
シャツに跳ねる魚をくるんで持ち帰る、なんてのは
実体験がないと中々表現しにくいことじゃないかな
今現在いくつくらいのお歳かは聞いても大丈夫でしょうか?


320 : 本当にあった怖い名無し:2017/06/09(金) 09:10:38.30 ID:a+dq3mbW0.net 
昭和57年生まれの35歳、戌年
昭和60年頃の小さな漁村の様子を知ってる人がいたら教えてください
記憶にあるような感じだったのかなあ



http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1432478278/

157 : 本当にあった怖い名無し:2015/07/13(月) 14:16:35.72 ID:DIWZTdf70.net
大学3年の夏、俺は日本一周の旅をした
その時の体験で怖い?話しを1つ

旅の中で有難いのって人の好意で、その時も東北の港町で
「今日の漁手伝ったら夕飯食わせちゃる」と漁師のオッちゃんの言葉に俺は甘えることにした
しばらく船を走らせるとブイが見えてきた
オッちゃんは「エンジンの調子が悪いから見てくるわ、ブイだけ引き上げとけ」
と言って奥に消えてった

俺「ヘーイ」と
言われた通りにブイを手繰り寄せようとしたら、急にトプンッと沈んだ
アレ、沈んだ?波に飲まれたのか?
今日風ないぞ… と海面を見てると、目の前に丸い物が浮かんだ
大きさ的にブイなんだが…
しかしその球体はまたすぐにスっと沈んだ

早く浮かんでこいよ、、、少し苛立ってきた
俺は落ち着くために背伸びして「ふぅっと」息をして気を取り直した
そして海面を見ると目線の軌道上で何か見えた




158 :本当にあった怖い名無し:2015/07/13(月) 14:17:11.59 ID:DIWZTdf70.net 
海面から顔の上半分だけ出して女がこっちを見てる
心臓と耳と鼻が連動してバクバク拍動する
少し濡れた黒く長い髪を真ん中で分けて鋭い目つきでこちらを見ている
俺との距離約1m

俺「でたーーーー!!」


159 : 本当にあった怖い名無し:2015/07/13(月) 14:17:55.91 ID:DIWZTdf70.net
こちらを睨みつけてはいるが結構美人だ
俺「でたーーーー!!」
すっ飛んで来るオッちゃん「どうした?!何が出た?!」
俺「myはhにおona女おな女んでゃすきやゆゆゆゆうれyゆう幽rei幽霊」
オッちゃん「は?幽霊?……居ねーぞ?」
海を見ると居ない……

オッちゃん「何かと見間違えたんだろ、それとも人魚でも見たか?
土左衛門なら引き上げとけ、大漁になるって言うからな」
オッちゃん「いい加減な仕事だとメシ抜きだぞ」


160 : 本当にあった怖い名無し:2015/07/13(月) 14:49:16.89 ID:DIWZTdf70.net 
俺は強引に再開した
一体なんなんだアレ、頭がオカシな人?信じたくないけど幽霊?俺取り付かれたの?
俺は目を逸らして体を完全に元の位置に戻すと海を見ないように
手探りでブイを寄せる事にした
ここはガン無視でやり過ごすしかない

すると手先になにか気配?を感じて手元から海に目線を移すと
女が居た
やはり顔を半分だけ出して睨んでいる
「キターーーーーーーー!」
本当にそう叫んでしまった

オッちゃん「今度はなんだ!?」
俺「出ででdeた!deた!出た!また出た!幽霊!」
オッちゃん「幽霊がなんだ!俺は幽霊より台風や大荒れ、不漁続きの方が恐いんだよ!
黙ってやれ!!次は海に突き落とすぞ!」

幽霊も怖かったけどオッちゃんも怖かった、早く帰りたかった
意地だ、これが終わったら帰えれるんだ!
念仏を唱えなんとか落ち着き深呼吸し息を整え海を見た

女がいた


161 : 本当にあった怖い名無し:2015/07/13(月) 15:17:47.79 ID:DIWZTdf70.net 
もう叫ぶ気力もなかった、つか泣いた
俺「ふぇぇ・・・・もうやめてよ・・・グスっ・・・うぅ」
女は全く反応がない

俺「なんか用?グスッ、この世に未練あるの?グスッ、俺何も出来ないよ・・・」
俺はクーラーボックス(私物)の取り出し小口からコーラを取り出した
俺「飲む?」
相変わらず睨みつけているだけの女の顔の前(船のヘリね)に恐る恐る コーラを置いた
俺「ポテチも食べる?」
ポテチの袋の開いた方を差し向けて同じようにコーラの横に置いた
俺「なんで出てくるの?お願いだから帰って・・・帰って下さい、グスッ」
俺が泣きながら懇願すると女はすーっと下がって見えなくなった


162 :本当にあった怖い名無し:2015/07/13(月) 15:23:25.16 ID:DIWZTdf70.net 
俺はしばらく固まっていたがおそるおそる海を覗き込んだ
丸い物が浮かんでビクッとしたが、それは仕掛けのブイだった
その後、漁は大漁だった
取りに取れた

オッちゃん「船が沈んじまうなぁ!本当に人魚にでも見惚られたか?」
オッちゃんは上機嫌に笑っていた

夜になってオッちゃんに幽霊の話しをした
隣で聞いてたじい様に
「そりゃ人魚だ、珍しいねぇ。機嫌を損ねると海に引きずりこまれるよ」と言われた

オッちゃんは今でも漁に出る前に船にコーラとポテチを供えてるらしい
そうすると魚がよく取れると言っていた

東北で見惚られて以来、北海道、沖縄でも見たから本当に見惚られたか?



http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1432129078/

314 : 本当にあった怖い名無し:2015/06/13(土) 20:06:38.42 ID:ZdsK0XGH0.net 
親父が酒の席で怖い話となると毎回話す体験談をひとつ
今から25年ほど前、親父が30代前半の頃の話。

親父はヨットが趣味なんだが、当時はまだ自分のヨットを持っておらず、
友人のヨットに乗せてもらうのが休日の楽しみだった。
ゴールデンウィークで1週間以上仕事が休みになり、「海に出たいな~」と思っていたら、
タイミングよく会社のヨット仲間のHさんがクルージングに誘ってきた。
Hさんは、かなりの上役で、部署も違うし年齢も50代と親父とはかなり離れているが、
趣味が同じで気も合うので、しょっちゅう一緒に飲みに行く仲だった。
自前のウン百万もする大きなヨットを持っており、
当時は俺の家と家族ぐるみで付き合いがあったので、
クルージングに誘われて一家で同行することもたびたびあった。




315 : 本当にあった怖い名無し:2015/06/13(土) 20:07:53.20 ID:ZdsK0XGH0.net 
Hさんの誘いは家族と一緒にちょっと遠出のクルージングに来ないかとのものだったが、
あいにく俺とオカンは、オカンの友人一家とキャンプに行く予定が有り、
家族全員での参加は日程的に難しかった。
Hさんの家族も用事で参加できないらしく、親父とHさんが
「さすがに男2人だけで行くのもつまらんしなぁ」などと話し合っていると、
親父の後輩でヨット仲間の一人のJさんが、
「よかったら、友人と参加してもいいですか」と会話に入ってきた。

Jさんは高校時代からヨットをやっており、
社会人になってすぐにローン組んで自分のヨットを購入した筋金入りのヨット好きだが、
活動がレース中心の人で、ぶらぶらとクルージングしてるのが好きな親父達とは
あまり一緒に活動することがない。
ただ、ちょうど友人2人に海釣りをやりたいから船出してくれと頼まれて
困っていた所とのことだった。

Jさんの所有しているヨットはレース用の少人数が乗ることを想定した小型のもので、
あまり快適とは言い難いし、素人2人連れて自分一人が操縦するとなると
正直疲れるので、便乗させてもらえるなら是非とも便乗させて欲しいと頼み込んできた。


316 : 本当にあった怖い名無し:2015/06/13(土) 20:09:21.09 ID:ZdsK0XGH0.net 
Hさんは、「どうせ他に行く人間も居ないんだから気にせず連れて来い」と快諾し、
早速3人でスケジュールを練り、
最終的な目的地は小豆島で、道中Hさんが知っている釣りポイントに寄り道するという感じで
航路を決め、酒とつまみ大量に買い込んで出航となった。

クルージング中の天気は週間予報でも快晴続きで、雨の心配は全く無い絶好の航海日和で、
釣りも絶好調でヨット航行中はトローリングでハマチとかが面白いように釣れ、
Hさんの知っていたポイントでも大漁でJさんの友人二人も大喜びだった。
そんなこんなで若干予定よりも早く最終目的地の小豆島に着き、
2日ほど観光したり釣りしたりして過ごしたが、
皆疲れがたまってきたので、予定よりも1日早く帰途につくこととなった。

まっすぐ帰る予定であったが、順調に進んで来ているし
予定よりもかなり早い帰りになってしまったので、
以前にHさん一家と俺の一家で行った小さな島に寄ってみようという話になった。

俺の記憶だと海の家が2軒ほどあるだけの島だが、
停泊できる桟橋もしっかりしており、入り江の水も澄んでいる綺麗なところだった。


317 :本当にあった怖い名無し:2015/06/13(土) 20:10:34.17 ID:ZdsK0XGH0.net 
島について湾内に入っても全く船が泊まっておらず、
どうやら海の家もやっていないようだった。
「あー、まだシーズンやなかったか…」とHさんはかなり残念そうだったが、
せっかくなので皆で釣りして釣った魚で宴会しようという流れになった。

皆で誰も居ない島でそれぞれ適当なポイント探して釣り始めると、
これが今まで一番の爆釣れ状態。
うちの親父は堪え性がない性格で全くと言っていいほど釣りに向いてない人間で
センスも0だが、そんな親父でもそこそこ釣れるほどで、
3時間ほど釣ればクーラーボックスいっぱいになるほどだったそうな。
15時か16時ぐらいに、ちょっと早目の夕飯を食ってから出航しようという流れとなり、
皆が釣った魚を大量に使って豪勢な夕食を作り宴会となった。

皆で酒を飲みながらヨットや釣りの話、仕事や家庭、子供の話で大いに盛り上がったが、
酒好きだがそこまで強くない親父は途中からウトウトしてしまったらしく、
ハッと気がつくと高かった日が落ちて僅かに水際が光ってるぐらいになっていた。


318 : 本当にあった怖い名無し:2015/06/13(土) 20:11:54.17 ID:ZdsK0XGH0.net 
「しまった!」と飛び起きて見回すと、
Hさん、Jさんがデッキに拵えたテーブルにグラスを持ったまま突っ伏して寝てる状態で、
Jさんの友人2人は船内に入って寝ているようだった。
全員が酔って寝てしまっている状態に親父は苦笑して、
「とりあえずHさん、Jさんを起こして帰り支度するか」と思い立ち上がって
寝てる二人を揺り起こそうとした時、
ヨットの船尾からバシャ、バシャ、バシャと派手な水しぶきが上がった。

驚いた親父が船上から覗いてみると、
暗いのでよくわからんが恐らく魚が群れて跳ね回ってるようだった。
小型のライトをつけて照らしてみると確認するとイカの群れだということがわかった。

かなり近い位置でバシャバシャやってるから、
備え付けてあるタモで掬えるんじゃないかと思い船尾に降りて
ダメ元で群れにタモを突っ込んでみると
すごい重い手ごたえで、引き上げてみると5匹ぐらいイカが入っている。

親父が思わず「おおっ!」と驚きの声をあげると、Hさん、Jさんも目が覚めたようで
船尾から上がってデッキでドタドタやってる親父のところに寄ってきた。
親父が海水を汲んだバケツにイカを入れながら事情を説明すると、
Hさんは「じゃあ、ワシもやってみるわ」と言いタモ持って船尾に降りて行った。


319 : 本当にあった怖い名無し:2015/06/13(土) 20:13:31.12 ID:ZdsK0XGH0.net 
親父とJさんが「アオリイカかな?」などとイカについて喋ってると、
ドボン!と大きな水音がした。
まさか!と思い船尾を見るとHさんの姿がなく、バシャバシャやってたイカの群れも消えている。
これは身を乗り出しすぎて落ちたな、と思いながらも親父は
Hさんは泳ぎも上手く、波もまったく無いので
すぐに浮き上がって泳いで帰ってくるだろうと思い楽観していたが、
Hさんが浮かび上がってきたのはなぜかヨットから5m近くも離れた場所で、
しかも懸命にもがいていた。

溺れたHさんを助けようと親父が反射的に海に飛び込もうとすると、
Jさんがすごい力で親父の腕を押さえつけて
怖い顔で「救命用の浮き輪を投げて引っ張りましょう!」と言う。

親父はどう考えても飛び込んだ方が早いと思ったが、
普段の冷静なJさんの様子が何かおかしく鬼気迫るものがあったので、
デッキにある備え付けの救助浮き輪を外し、Hさんめがけて投げつけた。

上手く近くに着水した浮き輪をHさんが掴んだのを確認して、
親父とJさんは浮き輪に結び付けてるロープを引っ張ったが
Hさんがこちらに向かって泳いでいるのに、
何かに流されてるようで中々思うように引き上げられない。
しかも、Hさんの周りの波の動きが妙な感じで、なにかが泳ぎまわってるようだった。


320 : 本当にあった怖い名無し:2015/06/13(土) 20:14:39.91 ID:ZdsK0XGH0.net 
Jさんは引っ張りながら大声でヨットの中で寝てる友人二人を呼び、
起きたばかりで状況のいまいちわかってないながらも親父とJさんの作業を手伝い
大の男4人掛りで何とか引き上げに成功した。

親父が「大丈夫ですか!?」とHさんに呼びかけると、肩で息をしていたHさんが
「出すぞ!!!」と周囲に響き渡るような大声を上げた。
それが合図になったかのかJさんは物凄い勢いで係留ロープを外し、
ほぼ同時にHさんがエンジンをかけて
普段のHさんからは想像もできない荒い操縦でヨットは桟橋から離れた。

親父にはHさんを引き上げたあたりからずっと「ンゥゥゥゥ~ゥゥン~ゥゥン…」と
牛蛙の鳴声のような男の鼻歌のような声が聞こえおり、
入り江から出た後もずっと聞こえており、
操縦しているHさんの様子も明らかにおかしく、
ただ事ではない事態に巻き込まれたのは間違いない。

Hさんに何があったのか問いただそうとすると、
Jさんが「あかん…追ってきてますわ…」と震えながら言う。


321 : 本当にあった怖い名無し:2015/06/13(土) 20:16:28.90 ID:ZdsK0XGH0.net 
JさんはHさんが落ちた時に、その周囲には
人間の子供ぐらい大きさのの異様に白い”なにか”が複数見えたそうだ。
親父が飛び込もうとした時にそいつらは一斉にJさん、親父の方を向いたが、
ライトの光を反射とかそういうレベルじゃなく目が真っ赤に光っていたと。
今は見えないが気配だけは島から離れた今もずっと付いてきている気がすると。

親父が妙な声が聞こえるかと尋ねると無言で首を縦に振った。
Jさんの友人2人も声は聞こえているらしく、Jさんの話を聞いて明らかに狼狽している。
親父も肝が冷えて変な汗が止まらなかった。

Jさんが話し終わると、Hさんが
「俺には見えんかったけどな…タモの先を何かが引っ張りよったせいで落ちた。
気がついたら海の中で、浮き上がろうとすると見えんけど何かが足首や腕にしがみついてきた…」
と苦い顔をして言った。
親父やJさんの友人2人も、Hさん、Jさんが冗談を言ってる様には見えず、
もう島からはかなり離れており、航路は
とりあえず出発したハーバーに向かっているが妙な声がまだ聞こえる。
数分とも数時間とも時間感覚がないまま全員沈黙していたが、ふと考えが親父の頭をよぎった。

その時なぜそんなことを思いついたのかわからないが、
捕まえてバケツに入れていたイカを海に逃がそうと思ったらしい。


322 : 本当にあった怖い名無し:2015/06/13(土) 20:18:34.51 ID:ZdsK0XGH0.net 
親父が心の中で「勝手に捕ってすまんかった。許してくれ。」と
念じながらイカを海に逃がしてやると
しばらくしてずっと続いていた妙な声が急に聞こえなくなった。
全員が同じタイミングで聞こえなくなったらしく皆で顔を見合わせて変な笑いが出た。

その後、深夜過ぎに出発した地元のヨットハーバーに到着し、
近くの24時間やってる健康ランドに全員なだれ込んで風呂に入ってようやく生きた心地になった。
その時にHさんが「これ見てみ…」と皆に肩や腕を見せてくれたが
3本爪で引っかいたようなミミズ腫れがいたるところにできており、
あらためて皆ゾッとしたそうな。


327 :本当にあった怖い名無し:2015/06/13(土) 21:32:00.03 ID:30ke18MBO.net 
また久々に面白かった!
その後小豆島には行ってないの?


329 : 本当にあった怖い名無し:2015/06/13(土) 21:47:34.66 ID:ZdsK0XGH0.net 
俺は行ってないけど親父はこの後ヨット買って何回も行ってる
気味悪くないのか?って思うけど
曾爺ちゃんが淡路で漁師やってた頃にかなり色々と不思議な体験したらしく、
そういう話を聞いて育った親父は海ってそういうもんだろ?みたいに思って怖がってない様子
今年のゴールデンウィークは尾道まで行ってた


330 : 本当にあった怖い名無し:2015/06/13(土) 22:10:36.07 ID:30ke18MBO.net
たくましいお父さんだな!
尾道ちょっと潮の流れ早くて怖そうだが、楽しめてたらいいな。
曾爺さんが漁師さんだったのか。漁師さんは命懸けで海に向かうもんな。
他にも怖い話があったら聞きたいよ!
怖い話とレスありがとう。


331 : 本当にあった怖い名無し:2015/06/13(土) 22:22:20.59 ID:ZdsK0XGH0.net 
曾爺ちゃんは俺が生まれた頃には亡くなっていたけど
何個か親父からの又聞きで知っている話もあるけど
またちゃんと文章纏めてから投下させてもらうわ

上のも最初は親父が語ったどうでもいいエピソードもそのまま文章化してて
もっと長かったのを大分スリムするのに時間がかかったのでw


332 :本当にあった怖い名無し:2015/06/13(土) 22:42:11.31 ID:30ke18MBO.net
いやあ凄く面白かったよ326さんと父さんのヨットの話!
あっ!?面白いと言ったら失礼になるよな…(。-人-。)怖かったよ。ありがとう。
曾爺さんの話も、またよかったらまとめお願いします。


335 : 本当にあった怖い名無し:2015/06/14(日) 15:55:40.70 ID:lP/n/IpK0.net
>>314でヨット好き親父の体験談を投稿させてもらった者だが、
曾爺ちゃんの話が書けたので投下
時期にして太平洋戦争直後ぐらい、淡路で漁師をしていた俺の曾爺ちゃんの話。

夏のある日、曾爺ちゃんは漁師だが
趣味で釣りもするので、その日の漁が終わった昼過ぎに
甥っ子と二人で小船を出して礒釣りに出かけた。

そこの礒は地元の者しか入らないような穴場でチヌ等が簡単に釣れるはずだが、
その日に限っては曾爺ちゃんも甥っ子も全然釣れなかった。
その内に甥っ子は飽きてしまい、
暑いので裸になり海に入って船の周りを泳ぎだして遊びだした。
「やれやれ」と思い曾爺ちゃんも一服入れて、
ふと何気なく海を見ると数十m向こうの海底に何かが立っている。

ちょっと予備知識として書いておくが、今では全く考えられない話だが
工場ができまくるまでの瀬戸内海はかなり水が澄んでいたらしく、
親父が子供の頃でも明石から淡路までの連絡船に乗ると海の底の方まで見えていたそうだ。


336 : 本当にあった怖い名無し:2015/06/14(日) 15:58:24.55 ID:lP/n/IpK0.net 
不審に思った曾爺ちゃんがよく目を凝らしてみると、
海底に立っているのはどうやら人間のようで
ただ立っているだけでなくゆっくりと船の方へと歩いてきている。
それも一人ではなく幾人も行列を作ってぞろぞろと。

思わず声が出そうになったが、曾爺ちゃんの爺さんから
「海で妙なものを見たら声を立てて騒いだり目を合わせてはあかん。
そういう時は見えていても見えてないふりをせえ。」と言われていたのを思い出し堪えた。

とにかく逃げようと思った曾爺ちゃんは、甥っ子を船に上げようと
「おーい、そろそろ帰るぞ」となるべく平静を装って
船の周りを泳いで遊んでた甥っ子の方を向いて声をかけた。

するといつの間にか甥っ子のすぐ真下に一人が立っている。
かなり近くなのではっきりと格好が見えた。
そいつは防空頭巾を被ったモンペ姿の若い女で甥っ子ではなく曾爺ちゃんの方を見上げている。
「うわー!」と声を上げたくなったが、
甥っ子に対して「もたもたするな!!」と怒鳴ることで気持ちをごまかした。

その女は甥っ子が泳いでる真下をついて歩いてきて船に近づいて来る。
甥っ子が船に上がろうとすると女が浮き上がってくるのが見えた。
堪らず曾爺ちゃんは思わず目を背けた。


337 : 本当にあった怖い名無し:2015/06/14(日) 16:00:09.35 ID:lP/n/IpK0.net
曾爺ちゃんは甥っ子が船に上がるやいなやエンジンかけて全力で逃げ出した。
不思議そうに甥っ子が何があったのか聞いてきたが、
「なんでもない。気分が悪なっただけや」とごまかした。

無事に港に帰り甥っ子を一人で先に家に帰した。
曾爺ちゃんは怖くて足が震えて船からすぐに降りれなかった。
どうにか気持ちが落ち着いて船から降りると、
全身が海に落ちたみたいにグショグショになっていたそうな。


338 : 本当にあった怖い名無し:2015/06/14(日) 17:59:37.18 ID:3gkWWqjYO.net
太平洋戦争の時代の話ってまた凄いな!?
家の親の昔話で近くのドブ川と言われる川が、
昔は蛍が毎年来くるほど綺麗に澄んだ川だと聞いていたよ。

曾爺さんまた怖かったろうに。
よく釣れたりよく獲れる穴場ってもしかして危ないの?
漁師さんも海上安全の祈祷とかはしたりする?
海自体怖いんだが、ご無事で何よりだな。


https://toro.open2ch.net/test/read.cgi/occult/1415464415/

9 : コロン:2014/11/09(日)01:46:35 ID:A4aC4Fhvs 
フィリピンのある海域で発生する不思議な現象の話。
その海域は第二次世界大戦中の海戦で多くの戦死者・溺死者が出た地域である。

現地の漁師の話によると、
まだ夜が明けきらない時間帯にその海域で漁をしていると、
海中からたくさんの手が出てきて船べりに掴まってくるらしい。

日本にも舟幽霊というものが存在するが、
日本の舟幽霊は舟を転覆させたり、沈めたりするのに対し、
こちらの幽霊はただ船べり掴まってくるだけである。

近くの島の老人に話を聞くと、対戦中多くの腕のない遺体が流れ着いたことがあったそうだ。
おそらく沈没する船から投げ出され、救命艇に多くの人がしがみついたが、
更なる転覆を防ぐため、
刀でその腕を切り落としたのではないかとのことだった。

最近ではその発生回数はだいぶ減ってきたらしいが、
住民はだいぶ慣れっこになっているらしく、出てくる手を櫂で叩いたり、
握手をする猛者まで居るそうだ。


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