サイケデリック・奇譚

永遠の日常は非日常。

タグ:海

405 :本当にあった怖い名無し:2018/12/22(土)
石じじいの話です。

北海道の海の話です。
戦前、オホーツク海岸に「ガラス玉」が流れ着くことがあったそうです。
それは少し黄色みがかったガラスでできていて蹴鞠くらいの大きさでした。
触ると微妙に温かかったそうです。海水に浮かんでいたので冷えているはずなのに。

そのガラス玉を叩くと(衝撃を与えると)、中に白い霧が生じたそうです。
静かに置いておくとその白い霧のようなものは消えます。
昔は、網の浮きに使うためにガラス玉が使われましたが、それとは違って、
完璧な球体のようだったと。

きれいなものだったので、家に飾っている人がいました。
泥棒に入られて、そのガラス玉を盗まれてしまったということでしたが、
それはうそで、どこかに売り払ったのだ、という噂でした。

そのようなガラス玉は、別の海岸にもいくつか流れ着いていたらしいということでした。
稀なものだったので大事にされたのですが、誤って割れてしまったこともあったようです。
割れると、すぐにガラスが真っ黒に変色してしまったという話もありましたが真偽は不明でした。

ロシア(ソ連)の船が投棄していくのだ、とも、
米軍の飛行機が投下した、とも言われていました。

また、それは米ソのものではなく、
もともと海岸の近くにあるアイヌ(?)の住居の遺跡から出土するもので、
それが海に流れ下るのだ、とも言われていたそうです。
海岸の近くには、多くのアイヌ人(あるいはもっと昔の人々)の
集落の跡と思われる竪穴が多くありましたが、
その一つから、流れ着くのと同じガラス玉が出てきたという話があったのです。

ある学校(おうむ、という町にあったとか)の先生は、
大昔にも、そのガラス玉が流れ着くことがあり、
昔のアイヌ人が拾って集落に持ち帰ったものが遺跡から出土するのではないか?
といっていたそうです。




408 :本当にあった怖い名無し:2018/12/23(日) 
古代文字ってアイヌ文字?神代文字みたいなやつかな?


410 :本当にあった怖い名無し:2018/12/23(日) 11:52:42.72 I
「古代文字」として有名なものは、
1866年(慶応2年)に小樽の手宮洞窟で発見された岩絵でしょう。
石工の長兵衛という人が偶然発見したと伝えられています。
この洞窟内部の壁面に陰刻による彫刻がありました。
これを「古代の文字」であると考えた人々もおり、その説は広く流布しました。
さらに、1937年、1950年にも余市町のフゴッペで岩面での彫刻が発見されたとのことです。
「石狩挽歌」は1975年発表です。

石じじいは、北海道の不思議な文字という話をしていたと思います。
北海道の噂話として。
ただ、昔から神代文字(日本に感じが伝来する前の独自の文字)が存在した、
という考えは日本にありますね。

22:本当にあった怖い名無し:2016/09/30(金) 03:01:26.92
数年前まで仕事で海沿いに住んでてた。
趣味はネトゲか釣りか両極端なものだった。
ただ、釣りは釣果次第で三日は食いつなげるのでかなりハマってた。
車に装備を一式積んで置いて、翌日が休みの場合、
出勤前におじいさんがやってる釣具屋でイソメを買って、職場の冷蔵庫の隅に入れておき、
いつも空の冷凍スペースで保冷剤を冷やして一日中うきうきしながら仕事をした。
昼休みに自分のデスクのPCにこっそり入れといたネトゲ起動して、
「明日休みだから今晩繋がん」と仲間に言っておいたり、
まあ今じゃ上司にぶっ飛ばされそうなアホだったわ。

で、仕事が終わってその足で堤防へ。
駐車スペースでスーツのジャケットを脱いで、下もジーンズに履き替えて
靴も変え、ぱぱっと準備して海へ突き出てる堤防でいざ釣り開始。
遠投2本にちょい投げ1本の3本。
堤防のルールは3本までと、背中側の壁の上に立ち入り禁止というものだった。
背中側というのは、2.5mほどのコンクリの壁と、その向こうの波消しテトラがある。
当然高さがあるから仮に登って穴釣りや遠投するのは危険なので当然だ。
そもそも又聞きしたものだが釣果は変わらないらしい。

ふらっと他の釣り人に声かけて喋ったりしながら、
マメ鯖、アジ、キス、結構いいんじゃないか?と少しずつクーラーボックスが満ちていく。
日が落ち初めて昼組が竿を畳み、夜釣り組がやってくる。




23:本当にあった怖い名無し:2016/09/30(金) 03:02:58.06 
「また会社帰りかい」
顔見知りのおっちゃんから声を掛けられる。
20時を回った頃、三人組の男が騒ぎながら釣り場に来た。
こういった手あいはたまにいる。
竿と餌とクーラーボックスだけもって、馬鹿騒ぎしながら迷惑ばかりかけてく奴らだ。
案の定背中側の壁を登って釣ろうとする。
さっき声をかけてきたおっちゃんが舌打ちして、
釣り場管理室に電話をして降りろという放送を流してもらう。
それでも降りず、おっちゃんが直接怒鳴る。
ぎゃーぎゃー言いながら壁の上を走って奥に逃げていった。

いつもの事なのだが、このおっちゃん結構厳しい。
気になったので聞いてみたら事故があると場合によっちゃあ釣り場が閉鎖されるんだよ、との事。
なるほどね、と思ってまた自分のスペースに戻る。

2、30分したくらいか。
おっちゃんが遠投用の一番長い竿の仕掛けを手早く変えて、
相変わらず壁の上の男たちに忍び寄った。
なんだ?と見ていると、
あろうことか投げるふりして竿の先と仕掛けを男達の一人に叩きつけた。
衝撃こそ少ないだろうけど、かなりビビったと思う。
大声で文句を言いながら壁から降りておっちゃんを取り囲み男三人。
微塵も怯まず
「てめえらがあんなところにいるから悪い。
間違ってでも竿で叩き落とされたくなきゃルールを守れ!
この釣り場には二度と来るな!」と圧倒。
おっちゃんこえーとおもったのは三人組も同じようで、
キチジジイが、とか言いながら逃げ帰っていった。

おっちゃんにやりすぎじゃないかと言うと、
男に叩きつけた仕掛けは中通しウキをつけただけ、つまり針とかはなかった。
あと、どこの釣り場や港でも水死体は上がってる。
裏のテトラにも昔たたきつけられてグチャグチャの死体があったそうだ。
口ぶりからするに、水死体のほうが重要なようだったので、
霊が引っ張るってことですか?と聞くと
「多分違う」と言ってから、タバコを取り出してこっちにも一本勧めてくる。

釣り人は待つ時間潰しの喫煙者が多く、自分もそうなので有難く頂戴した。
「好きで見えてるわけじゃない。だけど立ち入り禁止区域ってのは危ないからなってるわけだ」
「さっきの奴らも何かが引っ張ろうとしてた。
わかめだかコンブだか、それとも髪か千切れた漁船の網かわからん。
そういうのがズルズル、ズルズル上がってきて、足元まで来て、どぽん、ってとこなんだろ。」


24:本当にあった怖い名無し:2016/09/30(金) 03:03:18.41
さっきの男達も、もう少しでそれが足に届きそうだったので無茶をしてでも降ろさせたらしい。
おっちゃんはそれで話は終わりというように自分のスペースに戻ろうとしたので、
最後にこっち側は大丈夫なのか聞いてみた。
「卵が先か鶏が先かはしらないけど、死んでいい場所に居るから寄ってくるんだろう。
こっち側じゃ見たことがない」
それでこの話は終わりだ。

身近な所でも「立ち入り禁止」は危険な場所なんだろう。
危険だから「立ち入り禁止」なんだろう。
迂闊に近づいたら何があるかわからない。
釣果は一晩で食料4日分確保出来た。四日目の分は干物にした。



461:本当にあった怖い名無し:2012/01/07(土) 00:21:59.18 ID:mIq3Ujf/0
11年前のダイビングの体験、日本の南方の海底の話。

わりと好評なダイビングスポットなんだけど、
そこから少し離れた地点で石棺と思われる遺物が存在しているのを見つけた。
この石棺には「舜后」って感じの文字が刻まれていた。

まあそれだけなんだけど、発見したその日から
1ヶ月ほど大昔の琉球だか台湾だか朝鮮だかの偉い人ぽい女性が夢に出るようになった。
また同じく一緒に潜った彼女も同様に女性の夢を見るようになった。

ただ俺の夢の中では女性はただジッと見ているだけなのに対して、
彼女の夢に出て来る女性は鋏で己の髪を切り、剣で己の手首を切り落とし、
迸る鮮血を髪に振りかけ、それを彼女の口に詰めむというエグいもの。
彼女の方も1ヶ月ほどで夢は見なくなったがすっかり精神を病んでしまった。

それ以来大好きだったダイビングはパッタリと止めた。
最近「禁后」という話を知ったんだけど、もしかしたらどちらかが
ルーツで繋がりがあるのかもしれないと思った。

ちなみにそれからは山のレジャーに力を入れるようになったが、
こっちはこっちで怖い思いをするハメにw
どうも海底の「舜后」の文字は認識したときから霊感体質になったような気がする。



373 :本当にあった怖い名無し:2018/12/11(火) 23:44:16.57 
石じじいの話です。

皆さんは流氷を見たことがありますか?
日本では北海道のオホーツク海沿岸で見ることができます。
オホーツク海に流れ込むアムール川からの淡水が海水と完全には混ざり合わず
その海表面近くの水の層がより深い水塊と熱循環をしないので
低温によって凍結するのだとか。

石じじいが北海道で知り合った人が以下のようなことを話してくれたそうです。
流氷がやってくると漁ができないので内地に出稼ぎにいかなければなりませんでした。
また、近づいてくる流氷に船が衝突して遭難することもありました。
流氷はやっかいな存在でした。
その流氷の上に「人」が立っているのが漁民に目撃されることがありました。
船に向かって手を振っていることもあったそうです。
流氷の危険を冒して救助しようとすると、その人物は消えてしまう。
助けようとして流氷に衝突してしまった漁船もあったとか。

アザラシやワシ(大型の鳥)の見間違いではなく、明らかに人間だったそうです。
その「人」は船に向かって呼びかけていたのですから。
救助のために船を近づけると流氷が衝突して遭難するというので
漁師はその「人」を無視するようになったそうです。

「人」は、流氷の上に見かけることが多かったのですが、
おかにあがって来ることもあったようです。
夜中に村をひたひたと歩き回っている者がいるのを見かけて
村人が誰何したら、その人物は逃走しました。
泥棒かもしれないと言うことで追いかけましたが流氷の海に走り込んでしまいました。

冬の海に入ると数分ともちません。
声をかけたのですが、振り向かず海の闇に消えたと。
ロシア人の漁師が言うには、
大陸から流れ出してくる(?)流氷の中にそのような「人間」が入っていて
それが海で氷から出てくるのだ、ということだったそうです。
たまにそんな「氷の中の人間」があらわれる、と。


 2https://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1535920044/-100

369 :本当にあった怖い名無し:2018/12/10(月) 12:31:58.21 
石じじいの話です。

以前、「奇妙な仏像」の話をしましたが、似たような話がありました。
海の話です。

昔、海岸の岸壁に仏像が彫られていたそうです。磨崖仏ですね。
その地方には磨崖仏は珍しい存在でした。
その磨崖仏は、線刻ではなくレリーフのりっぱなもので、紛れもなく仏の姿でした。
海に面した砂岩の崖に彫りつけられていましたが、いつ、だれが作ったのかわからなかったと。
記録がなかったのです。

その崖は切り立っていて、アプローチする海岸がないので人は訪れず
知っている人もそれほど多くなく、供え物をする人もいませんでした。
その崖から投身自殺する人がたまにいて、それがお供え物だ、と
噂する不届き者がいたていどでした。

近くの漁民が、明け方に、その崖の近くを船で通った時、
その磨崖仏が「動いている」のに気がつきました。
目の錯覚かと思いましたが、座礁しないように注意深く舟を近づけると、
確かに仏像が動いています。
上半身から崖からぐっと離れて、海面に顔を近づけて海水を飲んでいたそうです。
凪いだ静かな夜だったので、ごくごくと喉を鳴す音も聞こえたそうです。
その漁師は怖くなって、静かにその場を離れました。

このことを翌朝家族の者に話したあと、
その人はだんだん頭がおかしくなっていきました。
急にふさぎ込むようになって会話が成立せず
不器用になって仕事にも支障がでるようになりました。まだ若いのに。
家族の者たちが、近くの町の「脳病院」に連れていかねばならないと話し合っていたやさきに
行方不明になりました。
数カ月後に、磨崖仏の近くの海岸に、彼の頭部のみが転がっていたそうです。

自殺か?他殺か?事故死か?まったくわからなかった。
仏の呪いだとも言われたそうですが、仏は呪ったり祟ったりはしないでしょう。

のちに、その磨崖仏は波浪による侵食が進んで
気がついたときには海側に崖が崩れて砕けてしまい、石のみが波に洗われていたそうです。



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368 :本当にあった怖い名無し:2018/12/09(日) 20:10:39.34
そうそう、怖い話もしましょう。
石じじいの話です。

海の話ですね。
漁をしていると、どこからともなく弓矢が飛んできて船体に刺さることがあったそうです。
陸から遠く離れた沖合なので、陸から弓を射っても届かない。
近くに舟もいない。
一晩に2本も刺さることもあったそうです。

当時は投光機が無かったので、矢が飛んできた方向を探るてだてもない。
危なくて漁をおちおちやってられないというので
警察に訴えたそうです。
船体に刺さった矢は証拠品として警察に届けましたが、捜査のしようがなかったと。

それは、古い矢だったそうです。
平家の亡霊だという話もありましたが、源平の海戦など、まったく関係の無い地方でした。
その後どうなったわかりません。

同じ弓矢が刺さったブリが浮かんでいたこともあったとか。
弓で魚をとる人がいたのでしょうか?
(世界には実際にそういう漁はあるらしいのですが)

「波でゆれとる舟に弓矢を当てるんはえらいことで。
那須与一よ。舟に乗るほうも鎧着とかんといけんで。まちごうて海に落ちたら沈まいね。」





1:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 09:35:31
ちなみに売買専門だから賃貸住宅のことは知らん


3:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 09:36:24
はよ


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5:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 09:39:08
「写真がいっぱい」
10年前にお風呂で現所有者の叔母さんが自殺したという物件を売ることになった。
現地調査、物件広告のため建物の中に入ることに。
築20年とはいえ中々状態がいい。
意外と手入れは行き届いている。


8:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 09:44:02
まずは一階で写真をとり、水回りのチェックをし、いざ二階へ。
階段を登り切ると目の前に30帖くらいの大ホールがあって、
その一角に仏間スペースという変わった造りだった。
ありきたりなんだけど仏間の方から人の気配を感じた。
気配は仏間の奥の収納から。


7:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 09:43:58
築100の実家住みで良かったなぁて思う
家に棲み憑くとか零感とはいえやっぱ怖いじゃん…


11:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 09:50:56
築100は逆に貴重だから大事にして下さい
一間くらいの幅、観音扉の収納スペース、
どう考えてもそんなに大きな空間ではないはずなのにその扉の先に妙な生活感を感じた。
なんか家族が集まってテレビでも観てるようなそんな雰囲気。

収納スペースもきっちり写真に撮らなきゃいけない(広告の為、雨漏り確認の為)ので
扉をゆっくり開ける。

ぎぃーーーー、がちゃがちゃがちゃ

額縁に収まった大量の写真が雪崩を起こして飛び出してきた。


12:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 09:57:38
白黒からカラーまで、10や20では効かないくらいの写真の数々。
家長と思しきじい様、ディズニーランド入り口で撮った家族の集合写真、
笑顔のばあ様、七五三、ほんと色々な写真がぜーんぶ丁寧に額縁に納められてる。
ちょっと気になったので所有者に電話することに。

不動産屋ってよく嘘をつくイメージがあるけど、
お客さんもまた嘘をつくのがこの業界で、
なんとなくだけど「このお客さん、なんか隠してるな」と勘が働いた。


15:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 10:09:17
「お世話になっておりますー。○○不動産の鈴木ですー。
以前お話した通り本日物件の調査をさせて頂いておりまして。
ちょっと確認させて頂きたいことがあるのですが今よろしかったでしょうか?」
所有者の男性が応える。

「心理的瑕疵(要は事故物件の内容)について伺いたいのですが、
20年前に亡くなった方がいらっしゃると。
それ以外で何かございませんでしょうか?
例えば他にも亡くなってる方だったり、近隣にトラブルメーカーの方がいらっしゃったり」

少し間を置いた後、その内容については直接会って話がしたいと言われる。
いや、県外の人なのに大丈夫なんかいな。
別に電話でもいいのに、と思いつつその日は仕事を終える。


17:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 10:21:27
後日、物件の現地で所有者と待ち合わせ。
敷地内にお互いの車を停めて、何故か敷地の外へ出ることに。
敷地のブロック塀にそって歩くと不自然に盛り上がった茂みを見つける。
男性が草をかき分けると中から氏神様を祀るような小さな石の祠が出てきた。

「実はみんな死んじゃってるんです。この家」

男性が言うには以下の通りだった。
•この辺りは昔から飢饉の度に大変な被害が出たらしい。
•この祠はそうした時に口減らしで殺された子供の霊を慰めるためのもの
(今で言うところの集合墓地)
•今まで何度かこの敷地で家を建て替えている。その度に不幸があったとのこと。
•多分これが原因ではないか。

ほえー、ってなった。


 
20:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 10:43:48
もう見ましたよね、と言いながらその男性が仏間の写真について触れる。
「あの写真、写ってる人はもうみんな死んじゃってるんです。
叔母さんが最後の一人だったようで、自殺の原因も子供が死んでしまったからだとか」
「うちもそんな気味の悪い所、あんまり触れないようにしていたんですが、
ここ最近この地区の自治会長さんから電話をもらいまして。
まあ親戚筋からも話があったんですけど」

その電話の内容もかなり長くなるので要約。
•ここ数年、この地区で変な死に方をする人が増えてきた。
•本当はもっと前からそういったことがあったのかも知れないが最近は特に酷い。
•この物件の所有者について、不幸があったり独自のルールがあるのは地区全体で暗黙の了解。
•住む人がいなくなったことでこの家の外にまで犠牲が出ているのではないか。
•早く誰かに住んで欲しい。
少なくともその人達が亡くなるまでは自分達は安全。
•心理的瑕疵について周辺の聞き込みがあった時には地区全体で協力する。

という話らしい。
誰にも言うな、とのことだったそうだがどうにも話さずにはいられなかったらしい。


24:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 10:54:31
で、オチも何もない話なんだがうちの会社としてはその物件を売りに出すことにした。
10年前の自殺については勿論触れているが他はダンマリ。
うちの会社と付き合いのある悪徳弁護士によると
その件については説明義務がないと判断されるらしい。
そもそも地区全体でダンマリ決め込まれたら発覚しない話だしね、とも。

周辺相場よりもかなり安くて中々悪くない物件なんだけど
広告してから2年間一向に売れる気配がない。
もう何度か値下げしたりハウスクリーニングを入れたりしてるんだけど
何故か売れない。
事故物件であっても買っていく人は普通にいるんだが
この物件だけは不思議なくらい売れない。

月々家賃以下のお支払いで住める豪邸、是非お買い求めください。
その後のことについては責任取れませんけれども、っていうお話でした。


25:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 10:57:07
普通の値段で売った方が買い手つくんじゃないの?


27:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 10:59:19.161ID:JiiUWUQe0USO.net
心理的瑕疵については広告で明示しなくちゃいけないから
どうしても周辺相場より安く出さないといかんのよ
ただ下げすぎた感はあるんでその通りかも知れん


26:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 10:57:54
ちなみに東日本の物件です
この間の台風で周辺は結構な被害を受けたがその物件だけは何ともなかった
不思議な力で守られてる、そんなお家
多分その家も早く誰かに入って欲しいんだろうなーって先輩社員と話してた


28:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 10:59:22.481ID:aKnX9chHdUSO.net
東日本に住む予定は無いので私は勝ち組だな


31:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 11:05:07.479ID:JiiUWUQe0USO.net
転勤族のハウスメーカー営業さんから聞いた話だと一番やばいのは四国って聞いた
地名を口に出せない所があるらしい
重要事項説明でもそこの地名だけは発音せずに契約が進行していくんだそうな
なぜ口に出していけないのかは不明


29:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 11:00:05.198ID:gfKrF+JbpUSO.net
仏間の写真って全部捨てていいのか?
気味が悪くないなら住みたいけどな


31:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 11:05:07.479ID:JiiUWUQe0USO.net
もう死んじゃった人の分については現所有者で引き取ってあるから大丈夫
マジでいい家だから見つけたら連絡下さいまし


30:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 11:03:49.091ID:d70RVseY0USO.net
その物件がこちら!って宣伝でもかまわない


33:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 11:07:08.495ID:JiiUWUQe0USO.net
物件担当者として俺の顔が出てるから無理でやんす
ネットに悪徳不動産営業マンとして記憶されちゃう
暇だからもう一個オチがないやつも話そうかな
お昼食べてきたらまたスレ建てます

 
37:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 11:39:24.622ID:d70RVseY0USO.net
中古物件なのに専売なの?
はやく売りたいならいろんなとこに相談しそうなものなのに


39:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 12:07:18
一般よ
うち以外にも小さい不動産会社が絡んだことはあったけど今はうちだけ
っていうかまだスレ残ってるじゃないのよ


40:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 12:11:16
ちょっと今近所で飯食ってるからもう少々お待ちを
次の話は

1.墓地がどこだか分かりません
2.家族全員頭おかしい
3.お爺さんに通せんぼされてる

のどれかを話します
話しやすいのを今考え中


41:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 12:34:03
3.お爺さんに通せんぼされてる
後輩の女性社員から相談された話。

俺は一応宅建を持ってて、年齢の割に白髪が多くて老け顔。
身体も大きくて話し方もゆっくり。
そんな人間なのでトラブルが起きた時の対応で同席を求められることが割と多いんだよね。
そういう時は営業同士で成約した時のあがりを按分する約束をするので
意外といい収入元になってたりする。

ちょうどこのくらいの時間。
お昼ご飯から事務所に戻ってきた時に
後輩から「ちょっといいですか?」と喫煙所に呼ばれる。


43:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 12:41:32.965ID:JiiUWUQe0.net
「××主任、先々月に引き渡した〇〇町の物件覚えてます?
さっきそこの買主さんから電話があったんです」
先々月?ほえー、覚えてないす。

「すごく焦った様子で今すぐ来て欲しいと。この後伺うんですがなんか怒っていて。
話もよく分からないのでちょっと一緒に来て欲しいんです」

引き渡し前ならいざ知らず、引き渡し後のトラブルに同席してもお金になりませんがな。
面倒なので行きたくなかったんだけど、
俺が事務所に戻る前に課長から既に指名されてたらしい。
しかたないので車を出して現地に向かうことに。


44:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 12:50:05
オカルトかオカルトじゃない話なのかだけ先に書いてくれ


46:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 12:51:34
オカルト
っていうか全部オカルト絡み
反社、裁判沙汰とかもあるけどあんまり面白くなさそうだからオカルトに限って話します

 
45:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 12:50:20
お客さんなんて言ってたの?
「言ってないことがあるでしょ!って」
なにそれ?
「わかりません」
水道調べた?
「調べました」
インスペクションは?
「売主さん負担で実施しました」
境界確定は?
「やってます。現地で売主さんにも確認してもらいました。いつも通り」
心理的瑕疵は?
「ありません。売主さんからの告知書もお渡ししてます」
暴力団?
「近くにはいないです。変な人も」

なんだ、ちゃんと仕事してるじゃん。
なんで揉めてるのかも分からないまま現地に到着。

広い土地に普通の二階建て住宅。
外壁塗装が完了していてかなり新しい物件に見えた。
駐車場に黒いワゴン車が停まってて、その前に買主さんご夫婦がいた。
まだ若い。ちょうど後輩と同じくらいの年齢。


50:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 13:02:21
「お世話になっております。遅くなって申し訳ございませんでした」
後輩が買主さんご夫婦に頭を下げる。
そのあと何故か玄関の方に向かってもう一礼。
俺も自己紹介して本題を聞く。
「それで、今回こちらの吉田(後輩)が何か…」
「何かも何も、こんな話聞いてませんでした!自分の家に入れないなんておかしいでしょう!」
俺が話し終わる前に相手の奥さんがキレる。
入れないってどういうことやねん。

と言いますと?
奥さんが少しこちらに近寄り声を潜める。
「玄関のとこ、いるんですよぉ。
心理的瑕疵はないって契約の時に言ったじゃないですか。いるんですよ」
ほえー?なに?
おたくら見える人なの?


51:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 13:10:32
「いる、入れない、そう言われましても…」
要は幽霊がいて怖くて家に入れない。こんな真っ昼間から?聞いたことない。
「売主様から告知書は出ていると吉田が申しておりました。
今一度吉田から売主様に確認させますので…」
「そんなに言うなら試しに入ってみてください!」
今度は旦那さんがキレる。
どうも自分たちは外で待っているから中に入ってみろとのことだった。

いやいや、そんなことしても解決しないだろうにと思ったけど、
どうにも治まらないようなので仕方なく鍵を預かって中を確認することに。


52:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 13:19:10.837ID:JiiUWUQe0.net
庭から玄関へ向かう途中、後輩がずっと俯いている。
「買主さん達、正しいかも知れないです。売主さんの告知義務違反かも知れないです」
ん?もしかして見えてる?
「今は見えないんですが、さっき本当に玄関の前に立ってました。お爺さん。
人かと思ったんですけど、気付いたらいないし」
そんなこと言ってもあっちが確認しろって言ってるんだから仕方ない。
とりあえず玄関に到着。
手を入れたのはどうも外壁だけだったようで
玄関は昔ながらの曇りガラスをはめ込んだ引き戸のまま。


47:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 12:51:47
えっちな展開はありますか?


54:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 13:25:12
緩い社風のとこは知らんけど
「営業は数字が全て!」っていう会社ではそういうこと考える余裕ないよ
みんな仲間だけどみんな敵
いくら可愛い子でもそういう対象として見れない

「とりあえず今ここにはいないんだよね?」
そう聞きながら鍵を回す。
後輩が頷く。
玄関を開けるとしばらく換気されていない、そんな淀んだ空気の臭いがした。

何にもないじゃん。
入ってみろと言われたことだし
とりあえず玄関で靴をぬいでお邪魔させてもらう。

 
55:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 13:31:26
さて、先輩である俺がお邪魔したっていうのに後輩は上がってくる気配がない。
それどころかまだ玄関の敷居を跨いでもいない。
「んー、んー」
俯きながら、拳を握りながら後輩が唸っている。
以前うちの会社で適応障害だかノイローゼだかを発症した子が
同じような感じになったの見たことあって、あ、まずいなと思った。
「どうした?」
「んー、んーーーー!」
「分かった分かった、いるんだな、
とりあえず買主さんから見えないように一旦こっちに来て。辛いだろうけど」
そう言って玄関の中に後輩を引き入れる。


57:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 13:40:58
「多分話せないと思うから聞くだけでいいよ。吉田さんには見えてるんだよね?」
「んー」
「ただね、確認とってもいないことで幽霊いましたとか、そういうこと言えないわけ。
分かるよね?」
「んー」
「とりあえずもう帰るから。
お客さんには俺から話しておくから。吉田さんは余計なこと言わないでね。
あとなるべく普通にしてて。
今何が見えてるか知らないけど、こんなの一円にもならないから。
さっさと切り上げちゃうのが一番だよ」

で、その言葉の通り事務所に戻ることに。
「とりあえず何も確認出来ませんでした。改めて売主様に確認致します。後ほど連絡します」
そう言ってさっさと切り上げ。

帰り際、後輩がぎこちない笑顔でいると
奥さんから「やっぱりいたでしょ。髪の長い女の人」と言われる。

あれ、お爺さんじゃないの?
え、なんなの君ら。


56:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 13:35:14
なんにせよ売れれば成績になるんだからさらせよ
いずれにせよ顔がでてるのならかまわんだろ?鈴木くん


58:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 13:48:03
やだ!
お前ら絶対に「おたくの鈴木さん、VIPでこれをネタにスレ建ててましたよ。
売主さんのプライバシーダダ漏れですよ」ってチクるから絶対にいやだ!

帰りの車の中、後輩はしばらく俯いたままだった。
こんな状態で事務所帰ったらパワハラ疑われるので
コンビニで塩と水とコーヒーを買ってそのまま海に行くことに。
海岸の駐車場で降りて、後輩に塩かけて、自分にも塩かけて、
お互いに塩と水を口に含んで吐き出す。
車の中にも気持ち塩を撒いておいた。

事務所にはまだしばらく帰れません、
場合によっては直帰しますと連絡いれるとめっちゃからかわれた。


60:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 13:49:47.716ID:JiiUWUQe0.net
ちょっと休憩
煙草吸ってくるんで5分くらい開けます


63:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 14:01:10.323ID:JiiUWUQe0.net
戻った
ちょっと待ってて


65:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 14:07:15.285ID:JiiUWUQe0.net
ちょうど海で後輩の話を聞いていた時も煙草吸ってたんで
思い出したら一服したくなっちゃった。

後輩には微糖、俺は無糖のコーヒー。2人で煙草を吸う。
1本目を吸い終わった時に、
後輩へ「売主さんへまずは連絡するように」と言い電話をさせる。

「売主さんからは知らないって言われました。
少なくとも、自分達が住んでいる間そういうことはなかったって」
変だよね。あの人達が嘘ついてたってわけじゃないんでしょ?
「はい。私も確かに見ました」
なにが見えたの?
あの人達は女の人って言ってたし、吉田さんはお爺さんを見たんだよね?


67:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 14:15:27
「それが、鈴木主任が引き戸を開けた時は確かにお爺さん一人だったんです。
両手を広げて通せんぼしてました。すごく怒った顔だったんです。
怖かったです」
で、それを知らずに俺は上がってしまったと。
「はい。そのあと家に上がったらお爺さんが今度は急に笑顔になって」
受け入れてもらえたってこと?
「いえ、なんか奥の方に手招きされてました。
そうしたら色んな所から他に3人くらい出てきて。みんなで手招きしてました」
うわ、こわっ。
「それと、多分みんな津波とかで亡くなった人かもしれません。濡れてました」
津波?
確かに東日本の時は津波が来た地域だったけどあの物件はそんなに大した被害もなかったはず。


68:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 14:16:28
ガクガク…ブルブル…


71:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 14:23:54
さて、これも特段オチのない話なのでここらで終わり。
ただ後日スナックの子に聞いた話なんだけど、
海岸沿いで暮らしてる人はお盆だったり3.11の日だったり、そういう節目の時期に
「あ、海から帰って来たんだな」って雰囲気を感じるらしい。
陸に向かって歩いてるんだと。

今回は売主さんにも告知義務違反がなく
尚且つ後輩が見たっていう幽霊も複数だったので、
恐らく陸から上がってきた時に帰る家が見つからず、
たまたまいい感じの空き家を見つけて住み着いてしまったんじゃないかっていう
俺の勝手な推測です。
買主さんは最初の方こそ真実を明らかにする!とか言って話を聞かなかったが
結局その後何も見つからず、うちの事務所にわざわざ謝りに来ました。
ただお祓いだけはしたらしい。
その後については知りません。
そんなオチのない話でした。


77:以下VIPがお送りします: 2020/04/01(水) 14:29:56.603ID:YJN1Wo14d.net
硫黄島は日本兵の霊現象が未だにスゴいらしい


83:以下VIPがお送りします 2020/04/01(水) 14:41:17
うちのあたりはずぶ濡れの武士が海から上がってくるらしい
元寇の時のらしい

360 :本当にあった怖い名無し:2018/12/08(土) 12:51:06.44 
石じじいの話です。

海です。
日本晴の日に石を探して砂浜を歩いていたときに沖から風が吹いてきたそうです。
風は止む気配はなく、
どんどん強くなって、まるで台風のときのような大風になりました。
一帯の砂浜の砂が吹き飛ばされて地面が見えないような状態になり、
海岸近くの樹木が折れそうに揺れていたそうです。
じじいは立っていられなくなって、しゃがみこんでやり過ごしたのですが、
かなり長時間吹いていました。

砂だらけになってしまったので、風がやむとすぐに砂浜から陸側の道路に出ました。
そこで人と出会いましたが、風などまったく吹かなかったと言われたそうです。

「狭いところだけに、あがいに風が吹いたこっちゃなかったろうと思うたけんどのう。
あの人が怪しいもんやったんかのう。」




276:本当にあった怖い名無し:2009/07/31(金) 00:43:46
あまり怖くないかも知れないが、拭い去りたい記憶なので、暇潰しのお付き合いを。

ずっと昔のことなんだけど、一人である海辺の町に旅行したことがある。
時期的に海水浴の季節も過ぎていて、民宿には俺以外客はおらず静かな晩だった。
俺は缶ビール片手に夜の浜辺に出て、
道路と浜辺を繋ぐコンクリートの階段に座り、海から吹く潮風を浴びながら
波音だけを繰り返す暗い海を見つめていた。
それまでの生活で色々イヤなことがあってセンチメンタルな気持ちであれこれ考えていた。

その時波打ち際に黒っぽい固まりのような物が流れ着いていることに気付いた。
でかい魚か何かかな、と思って気楽な考えで
その黒っぽい固まりに近づいたんだ。
潮風に混じって腐ったような臭いがして、その正体に気付いた。
それは溺死体だった。
警察呼ばなきゃ。いや、まずは民宿に知らせた方がいいかな。
当時は今みたいな携帯電話もなく
公衆電話の場所も知らない海岸なので俺はどうすべきか迷った。


277:本当にあった怖い名無し:2009/07/31(金) 00:44:50 
その時、その溺死体が起きあがったのだ。
全身からボタボタとよく分からない物を落としながら、動くはずのない溺死体が
俺の方へ向けて意外なほどの速さで歩き始めたのだ。
正直な話、俺は肝を潰した。
ついでに腰も抜かして砂浜に座り込んだ。

道路の街灯に照らされたそいつのあちこちから
腐った肉片やら色んな小生物がこぼれ落ちている。
カニやらエビやらいたのかも知れないが
一番鮮明に覚えているのは砂浜の上で跳ねる小魚だった。

そいつが俺の前に立った。
そしてパニックで動けないでいる俺の口をヌルヌルした指で強引に開き
髪の毛がまばらにしか残っていないグチョグチョした頭を俺の口の中へ押し込んだのだ。

一体どういう仕組みなのか分からないが、頭どころか腕も肩も俺の口の中に入った。
ひんやりした感触が喉の奥を通り、腹の底へ溜まっていくのが感じられた。
時折固い物があった気もするが、骨ではなく、何かの甲殻類だったのだろうか。
その時の臭いについての記憶がないのも恐怖で呼吸が止まっていたためなのかも知れない。

そいつは物理的法則を無視してズルズルヌメヌメと俺の中へ入っていく。
腰辺りまで入った所で俺は我に返り、必死で抵抗した。
とにかく暴れ回った。
覚えているのはそいつの内部の感触で、骨らしい骨もなく豆腐みたいな感覚だった。
ものすごい腐臭を感じた。
口を閉じたいが閉じられない。舌を動かせば微妙に酸っぱい味がした。
どこまで暴れたか覚えていない。
いつの間にか俺の記憶は途切れていた。気を失ったのだろう。




278:本当にあった怖い名無し:2009/07/31(金) 00:46:00 
意識を取り戻したとき、俺の全身は冷え切っていた。潮風に吹かれ続けたためだ。
砂浜の上に起きあがり頭の中が整理されるまでしばらく呆然としていた。
周りにはあの溺死体もなく
そこから落ちたはずの肉片も小生物も、何の痕跡も浜辺には残っていなかった。
夢だったのか、と思った。
だが、あの生々しい感触は鮮烈に覚えている。

胸がむかむかして俺はその場に吐いた。
例えあの体験が夢でも耐え難い不快感だ。
民宿で出された料理を残らず砂浜にぶちまけ涙がにじんだ目でその吐瀉物を見ていた。
その吐瀉物の一部が動いた。
いや、一部ではない。何カ所も何かが動いている。
俺は酸っぱい臭いを堪えながら顔を近づけてみた。
胃液にまみれてもがいていたのは何匹ものフナムシだった。

俺が気絶している間に口から入り込んだのか?そんなことがあるのか?
それともあれは現実に起こったことで
あいつに潜り込んでいたフナムシが胃に残ってしまったのか?
何倍もの不快感が俺を貫いた。
もう吐く物は残っていないのに俺は吐き続けた。
えづきながら俺は色んな事を考えたが何を考えたのかよく覚えていない。
内臓が出るほど吐く、と言うが、本当に内臓を出してしまいたかった。
出して洗いたい気分だった。


279:本当にあった怖い名無し:2009/07/31(金) 00:47:01 
そんな俺を懐中電灯の明かりが照らした。そして心配そうに声をかけられた。
民宿の女将だった。
夜の散歩から一向に戻らない俺を心配して探しに来たと言う。
俺は涙ながらに今起きたことを話した。
話ながら二回ほど吐いた。もう何も出なかった。

とにかく俺は民宿に戻り、もう一度風呂に入った。
その頃には流石に落ち着いていた。
風呂から上がると
女将が連絡したのか、駐在所から来たという二人の警察官が俺を待っていた。
俺は警察官に浜辺での体験を話したがあまり信じている様子ではなかった。
既に警察官達は砂浜を確認したが、吐瀉物以外、何の異常もないと言うのだ。
夜も遅いというので警察官達は引き上げ、俺も寝ることにした。

異常な体験の後なので眠れるか心配だったが、
体力を消耗したためか意外なほどぐっすりと眠った。
翌朝、まだ心配そうな女将に言って朝食は断らせてもらった。
食べても胃が受け付けなかっただろう。

俺はもう一度警察官達と現場を確認したが、溺死体の痕跡はやはり何も残っていなかった。
明るい砂浜に立つと昨夜の記憶に確信が持てなくなってくる。フナムシなんていくらでもいるのだ。

結局俺は泥酔して浜辺で幻覚を見たことになった。
缶ビール一本が事の始まりにされたのだ。
警察の対応としてはそんなものだろう。文句を付ける気はない。
俺はそのままその町を離れた。


280:本当にあった怖い名無し:2009/07/31(金) 00:48:09
時々思うことがある。
恐怖体験などで、逃げ遅れた者が
精神に異常を来して発見されるというパターンがあるが、その内の何人かは
何者かが体内に入り込んだために精神がおかしくなったのではないだろうか?
俺はたまたま何とか正常を保つことが出来たが、
あれをもう一度やられたら、もう耐えられないだろう。
変な言い方だが、確実に発狂する自信がある。と言うより、その方が楽だと思う。

あれから海には近づけないし、潮風を感じてもあの夜の記憶が甦る。
当然魚は食べていない。
そして、今でも小便や大便にフナムシが混じっていないか不安になるときもある。
何かの弾みにひょっこりとフナムシやら何やら体内から出てくるのではないか?
それでなくても、汗の代わりに腐った体液が滲み出てくるのではないか?
妙な不安が何度も頭を駆け巡るときがある。
妄想だと笑い飛ばしたい。でも出来ない。

あの溺死体の成分は、多分、俺の中にまだ残っていると思うから。



https://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1535920044/-100

305:本当にあった怖い名無し:2018/11/23(金) 20:00:20.40 
石じじいの話です。
メモから短い話を2つ。

(1)海の話
じじいの島の友人が話してくれたそうです。
ある漁夫は、信心深い人で、他の者よりの多く魚を取り、年を重ねても体がよく動いたそうです。
ある日、彼は、「今日往生する」と言って、島の人々を訪ねて回って挨拶をしました。
その後、彼は、浜に行って腰まで水に浸かって西に向かって合掌して念仏を唱えました。
光明遍在の偈を唱えて、「願以此功徳」の文を高らかに誦していましたが、
念仏の第七遍目に晏然として息絶えたそうです。
海に浸かったまま立って往生を遂げていたのです。

(2)虫を呼び寄せる鏡があったそうです。
鏡といっても、今の鏡ではなく、銅板を磨いて錫メッキをした昔の鏡です。
そのような鏡は、すぐに曇るので、ザクロの汁で毎日磨いて曇らないようにするのですが、
問題の鏡は、そのときにはすでに曇ってしまっていたそうです。
その鏡は普段は木箱にしまわれていました。
鏡を取り出して、鏡面を上にして縁側などの、外に置いておくと、
どんどん虫がよってきたそうです。
もう、黒山の状態になるほど虫が集まったということです。
大昔の武家の嫁入り道具の一つで、もともとは支那で作られたのだ、とも、
備前の古墳から盗掘されてきたものだ、とも言われていたそうです。



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