サイケデリック・奇譚

永遠の日常は非日常。

タグ:海

実話恐怖体験談 拾九段目

982 :本当にあった怖い名無し:2013/03/22(金) 17:03:34.00 ID:FmPva4Aa0
海の話です。
戦中生まれの私が幼少のころ、祖父より聞いた話です。
その祖父は、さらに彼の祖父が話してくれた、と言っていましたから、そうとう昔の話だと思います。

ひなびた漁村では昔から、
その村行きに流れ着いた漂着物はその村の所有物になる、というのがならわしでした。
ある日、嵐もなく、凪の日にの朝に、大きな帆船が村の沖に流れ着いたそうです。
帆は降ろされていて動かないので、
村の人々は手漕ぎの小舟で船に近づいて、声をかけましたが何の反応もない。

しかし、投錨されていたそうで、船は潮に流される心配ありませんでした。
皆が乗り移ってみると、人がいません。
時間的に、その日の朝より前にその船が
沖に流れ着いて錨をおろして停泊しているのですから、
無人ということが不思議だったそうです。

乗員がボートで自分たちの村に上陸したのではないか?と村人は心配したのですが、
ボートは全てその船に装備されたままでした。
村人たちは深く考えずに、なにか金目の物は無いかと船内を捜索しはじめました。
船は外装内装ともに傷んでおらず、良く手入れして使われていた痕跡があります。
小麦や米、干し肉などの食料も豊富にありました。
火薬もあったそうです。
しかし、大砲や銃などの武器はない。


983 :本当にあった怖い名無し:2013/03/22(金) 17:03:35.00 ID:FmPva4Aa0
皆はよろこんで、物資を小舟で村に運び込んで、その日の夜はお祭り騒ぎだったそうです。
しかし、次の日の朝、船は跡形もなく消え失せていたそうです。
他の港へ行って、自分たちの略奪行為がばれることを恐れたそうですが、
そのようなお咎めはなかったとのこと。

この日からちょうど1ヶ月後から、続けて5日間、村の子供たちが『神かくし』にあいました。
どこを探してもまったく見つからない。
人さらいを疑いましたが、
よそ者が村に入ってきたことも、出て行ったことも目撃されていなかったのです。
結局子供たちは7人消え失せて帰ってこなかったそうです。

このような話ですが、祖父はこう付け加えました。
本当に船には乗員がいなかったのだろうか?
本当に船の失踪には、村人たちが関与していなかったのだろうか?
なにか、秘密として隠された真相があったのではないか?と。


985 :本当にあった怖い名無し:2013/03/22(金) 17:03:37.00 ID:FmPva4Aa0
>>983
この話と関係があるのかどうかわかりませんが、
この子供たちの失踪事件の少しあと、
その漁村の沖合にある島の人が、農作業をしている時に、
島のものではない男が島の林の中を歩いているのを目撃したそうです。
村での子供失踪事件は、その対岸の島にも伝えられていましたから、
島民たちはよそ者に敏感になっていたようです。

しかし、その時には、そのような人間を島に連れてきた船も、また島から連れ出した船もなかった。
リアス式の海岸部の島なので(場所が分かりそうですがw)、
島の港以外には船着場はなく、接岸上陸は容易ではなかったのに。



実話恐怖体験談 拾九段目

977 :本当にあった怖い名無し:2013/03/22(金) 17:03:29.00 ID:1aaTbb/k0
昭和47年ごろ、太平洋に面した漁村でのできごとです。夏でした。

小学生の私は、ともだち(男)と一緒に砂浜を歩いて、漂着したいろいろなものを探すのが好きでした。
その日も、二人して午後の砂浜を歩いていたのですが、二人で遠くに変なものを見つけました。
(その時はことさら変ではなかったのですが)

それは、足跡でした。
砂浜を足跡がずっと続いています。
ほとんどは波や風によって消されていましたが、それは比較的まっすぐに続いていました。
徐々に海から上がってきたように思われました。

ちょっとおかしいなと思ったのは、足跡の大きさが長さが40センチ近くあったということです。
自分たちのものと比べて大きいので、おどろきました。
一歩の間隔も大きい。
足跡の深さも私達の手が入ってしまうくらい深い。
その足跡を追っていくと、また海に入って消えていました。
次の日も二人でいってみると、その足跡はまだあります。

まだ、というより、
また、誰かが歩いて新しく残していった、と思われました。
その次の日も、新しい足跡がありました。


978 :本当にあった怖い名無し:2013/03/22(金) 17:03:30.00 ID:1aaTbb/k0
これは、誰が歩いているのか確かめようということになり、
四日目に、午前中から海岸の漁小屋に隠れて見張ってみることにしました。
あいにくその日は風が強く(雨は降りませんでしたが)、
海が時化ていました。
波が高いというので、
朝、友達に電話して、今日はやめようと決めました。

その日の夕方、
友達の家から電話がかかってきて、友達がこちらに来ていないか?と尋ねられました。
友達は朝から出かけて行って、夕方になっても自宅に戻ってこないということでした。

その日の夕方から、消防団や地域の人が夜を徹してさがしましたが、彼は見つかりませんでした。
私は次の日の朝に、例の砂浜にいきましたが、足跡が残っていました。
以前と比べるとよりくっきりと。
海から出てきて海にもどる。
その行動がはっきりと残っている足跡でした。

私はその正体を見定めようとはしませんでしたし、
ともだちはそれ以降、行方不明で現在に至ります。
浜にいって大波にのまれたのではないか?ということでした。

その後、その浜に行って遊ぶのは大人からあまり良い顔をされませんでしたので、
一週間おきくらいに行きましたが、足跡は付けられていました。
同じ所から同じ所まで。
夏休みが終わって2週間目くらいの日曜日に行ってみると、足跡はありませんでした。
その後、足跡があの浜に残されていることはありませんでした。
ともだちの失踪とその足跡との関係は不明ですが、今でも記憶に残っているできごとです。


http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1454518647/

858 :本当にあった怖い名無し:2016/03/30(水) 06:13:32.41 ID:7i3KdjZ70.net
昔、酒に酔った父から聞いた話だ。

私の実家は曳船業…簡単に言うと船乗りをしている。
海では不思議なことや怖いことが数多く起きるらしく、その中の1つに『囁く声と黒い影』というものがある。
夜、船に乗っていると、人の囁き声が聞こえてくる。
その声は小さすぎて、どんな話をしているのかはわからない。
しかしはっきりと人の囁き声だとわかる。
その声が聞こえた時は、水面に立つ人影が必ず見える。

私も一度だけその影を見たことがある。
あれは小学生の頃に連れて行ってもらったイカ釣りの時のことだ。
ぼそぼそと囁く人の声が聞こえ、その声の主を探そうと辺りを見回す。
すると4~50m先に人影が立っていた。
最初は浮標かと思ったが、その影は動かない。
波があるにも関わらず、
その空間だけぽっかりと穴が空いたような真っ黒な人影は、ピクリとも動かずそこに立っていた。
ふと横を向くと、客として乗っていたおじいさんにこう言われた。

「あまりアレを見るんじゃない。アレの顔を見ると良くないことが起こる」




859 :本当にあった怖い名無し:2016/03/30(水) 06:15:14.25 ID:7i3KdjZ70.net
ここからが父から聞いた話だ。
20年ほど前、会社の従業員を8人ほど連れて飲みに出かけた。
その時、従業員の1人がこんなことを言い出した。
「最近、影が近づいて来てる気がするんです…」

夜でなくとも海は距離感がつかみにくく、その頃は仕事が立て込んでいた。
そして彼は普段から臆病なところがあった。
その為、父は疲れと怖れからそんな勘違いをしているのだろうと諭し、
彼に何日かまとまった休みを与え、その日は解散となった。
彼が亡くなったのはその2ヶ月ほど後のことだった。
船が沈没したのだ。


860 :本当にあった怖い名無し:2016/03/30(水) 06:16:27.59 ID:7i3KdjZ70.net
その時のことは、断片的にだが私も覚えている。
夜中にバタバタとした音で目が覚めると、父が大きな荷物を持って急いで家から出て行った。
翌日、祖父母の家に預けられ、母と父には1ヶ月ほどまともに会えなかった。
海難審判や亡くなった従業員の葬儀など、
詳しいことはわからないが、とにかくとんでもないことが起きたということは幼い私にも理解できた。
船が沈んだ理由は結局よくわからなかった。
可能性としてはエンジン系統の不具合が最も高かったようで、
整備不良などの責任を問われ、父が海難審判に呼ばれたらしい。
しかし出港前の検査の結果や普段の管理の様子から、
父や会社には落ち度が無いということがわかった。

その騒動がひと段落したころ、父は他の従業員からこう言われた。
「あいつ、あのあともずっと言ってたんです。
やっぱり勘違いじゃない、近づいてきてるって。海に出るのが、夜が怖いって」

「自分の手が及ばないことだったとはわかっていても、後悔してもしきれん。
だがこれだけは覚えておけ。海を甘く見るな。海はお前が思っている何倍も怖い場所なんだ」
父はそう話を締めくくった。


http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/9405/1401772436/

175 :くらげシリーズ「死体を釣る男」1:2014/06/26(木) 16:22:26 ID:TrdgkZJA0

中学時代のある日のことだ。
その日、私は朝から友人一人を誘って、海へと釣りに出かけた。

当時住んでいた街から山一つ越えると太平洋だったので、
子供の頃は自転車で片道一時間半かけ良く遊びに行った。
小学生の頃はもっぱら泳ぐだけだったが、中学生になって釣りを覚えた。
待ち合わせ場所である街の中心に架かる地蔵橋に行くと、友人はすでに橋のたもとで待っていた。
彼はくらげ。
もちろん、正真正銘あの海に浮かぶ刺胞動物というわけでは無いし、本名でもない。
くらげというのは彼につけられたあだ名だ。
私は中学の頃オカルトにはまっていたのだが、そのきっかけがくらげだった。

くらげは所謂『自称、見えるヒト』だ。
なんでも、自宅の風呂にくらげがプカプカ浮いてるのを見た日から、
彼は常人には決して見えないものが見えるようになったらしい。
「僕は病気だから」と彼はいつもそう言っていた。
しかし、くらげと一緒にそういう『いわく』 のある場所に行くと、たまに
微かだが、私にも彼と同じモノが見える時があった。
くらげが言う病気は、他人に感染するのだ。

「わりぃ、待たせた。んじゃ行くか」
私が言うと、くらげは黙って自転車に跨った。
釣竿は持っていない。
彼は釣りをやらないのだ。理由は聞いたことは無かった。
「見てるだけでも良いから来いよ」 と言ったのは私だ。

くらげを誘ったのにはわけがある。
それは、これから行こうとしている場所には、とある妙な噂話があったからだ。
曰く、近くの漁村に、死体を釣る男が居るという。
いわゆる都市伝説だ。

自転車での山道。
私は意地で地面に足をつけずに砂利道を上った。
くらげは自転車を押しながら、後ろからゆっくりとついて来ていた。
峠を越えると突然、眼前眼下に青い海と空が広がる。
純白の雲が浮かぶ空はうららかに晴れていて、風は無い。
辺りに潮の匂いがまぎれている。
上りで汗をかいた分、猛スピードで下り降り、向風で身体を冷やした。

小さな港から海に突き出ている防波堤。
近くの松林の脇に自転車を置き、私たちはコンクリートの一本道を、歩いて先端まで向かった。
防波堤は全長五~六十メートルといったところだろうか。
途中で、『く』 の字に折れている。
防波堤の行き止まりに到着した私は、その場に座って仕掛けを作り始めた。
波は穏やかで、耳を澄ませば、ちゃぷちゃぷと小波が防波堤を叩く音が聞こえる。
ふと隣を見やれば、くらげは防波堤の縁に座り、海の上に足を投げ出していた。
ぼんやりと遠くの方を眺めている。
何を見てんだ。
そう訊こうとして、やめた。きっと何も見てやしない。
「おーいくらげ。お前、死体を釣る男の話って、聞いたことあるか?」
くらげは海の方を見たまま首を傾げた。




176 :くらげシリーズ「死体を釣る男」2:2014/06/26(木) 16:23:41 ID:TrdgkZJA0

「……鯛を釣る男の話?」
「違う。死体を釣る男の話」
「ああ。死体……。うん、知ってるよ。ここの港にいたおじいさんのことでしょ」
私は舌打ちをした。
知っていたのか。面白くない。

針の先に餌をつけ、撒き餌も撒かずにそのまま放り投げる。
座ったまま適当に投げたので、あまり飛ばなかった。
赤い浮きが、すぐそこの海面に頭を出している。
死体を釣る男も防波堤の先端で、
木製の釣り具箱をイス代わりに、日がな一日中釣り糸を垂らしていたという。
しかし釣りが下手だったのか、そもそも釣る気が無かったのか。
噂では男はいつもボウズだった。

「みちさんっていう名前なんだけどね」
くらげが口を開き。私は彼を見やった。
「みちさん?あー、それが死体を釣る男の名前か」
「そう。昔、この辺りの親戚の家に預けられてたことがあって、その時みさちさんと仲良くなったんだ。
色々話したよ。釣りも教えてもらった」
私は内心驚いた。知り合いかよ。
でもそれはそれで面白い。

「僕がここに居たのは三ヶ月くらいだったけど、その間にも、一人釣ったよ」
潮の流れのせいか、ここの港や近辺の浜辺には多くの漂流物が流れ着く。
大体はただのゴミなのだが、中には沖で溺れて死んだ人が、潮流に乗って帰って来ることもある。
死体を釣る男ことみちさんは、どざえもんを何十人も釣りあげた。
人間が海で遭難して死亡した場合は、五体満足で帰ってくる方が稀だ。
小さな魚介類につつかれて顔の判別もままならない遺体も多く、
さらに多くの場合、体内に腐敗ガスが溜まって膨らみ、体表は白く、触れただけで崩れるようになる。

「……でも。みちさんに釣りあげられた人たちは、顔も綺麗なまま、手も足もちゃんと残ってる人が多かった」
そしてくらげは私の方を向いて、「不思議だよね」と言った。
私もそこまでは噂話の範疇だったので知っていたのだが、そこから先は聞いた覚えのない話だった。
「みちさんの最後は知ってる?」
くらげに訊かれ、私は首を横に振った。

死体を釣る男に関する噂話は、ここの港にいる老人がよく死体を釣りあげるという部分だけだった。
男の結末までは噂になっていないし、私は男が死んでいることすら知らなかった。
「みちさん。海に落ちたんだ。釣りの途中で……」
良く出来た話だ。
幾つもの水死体を釣って来た男の最後が溺死だったとは。

「でも、そんな面白い話が、なんで噂の中に入って無いんだろうな。いや、面白いって言っちゃ悪いか」
「夕方で暗くなってたせいじゃないかな。周りに誰も居なかったし」
私はくらげを見やった。
たぶん不思議そうな顔をしてたんだろう。
「ああ、ごめん」
くらげは何故か謝った。
「僕だから。みちさんを釣ったのは」
しばらく何も反応ができなかった。

その日の夕食前、くらげはふと防波堤の先端に行ってみた。
しかしみちさんはおらず、たてかけられた竿だけが置いてあった。
忘れて帰ったのだろうと思い、
くらげがそれを何気なく持ち上げてみたら、糸の先にはみちさんが引っかかっていたのだそうだ。
想像してみたら、それは不気味を簡単に通り越してシュールだった。

「……あ、ひいてるよ」
くらげの声に我に返る。手ごたえは弱いが確かにひいている。アタリだ。
しかしその時、私はふと思った。
果たしてこの糸の先に居るのは、本当に魚なのだろうか。
ゆっくりと巻き上げると、そこには綺麗に針だけが残されていた。
ただの魚だったようだ。
ホッとすると同時に、そんなことに怯えた自分が何だか無性に馬鹿らしくなった。

「僕は、釣りはやらない」
隣でくらげが呟いた。
「だって僕に釣りを教えてくれたのは、みちさんだからね」
私は口笛を吹いて聞いてないふりをした。
そして立ち上がり、再び餌をつけた二投目を水平線めがけて放り投げた。



死ぬほど洒落にならない怖い話を集めてみない?3

411 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/02/20(火) 17:33

幽霊じゃないけど3年前グアムにダイビングに行った時、名古屋から来たダイバーからこんな話を聞いた。

その人が90年4月にインドネシアの小さな漁村で1週間滞在して潜っていた時の事。
2日目の深夜、ゴオオオオオッ!!という爆音のようなもので目が覚めた。
それは海の方から聞こえたそうだ。
その時空に光線のようなものがはしったそうだ。
雷にしてはおかしいのでジェット機でも墜落したんじゃないだろうかと思いつつもすぐ眠ってしまった。

それから3日後、浜辺でビール飲んでいたら
砂浜の10メートルほど離れた所で原住民達の人だかりが何やらけたたましく騒いでいる。
数人がかりで魚網を引き上げたばかりらしく、女子供も群がっていたのだが、
それにしてはただ事ではないらしい。
よほど大物でもかかったのかなと思い、彼も見に行った。

確かに大漁で、砂浜の上には沢山の魚が撒き散らされていた。
その中に3mはあるサメがかかっていた。
サメは既に死んでおり、腹が少し膨れていた。
子持ちザメかと思い覗きこんでゾッした。

切り裂かれたサメの腹から、身長150cm足らずの子供の死体のようなものが
内臓にまみれてはみ出していた。
胸から下はちぎれてなく、溶けかかっていたもののそれは明らかに人間の姿ではなかった。
というか地球人ではなかった。
UFO番組なんかで良く見る異性人『グレイ』そっくりだった。

そしてサメの頭部にはバーナーで焼いたような30cmほどの焼け焦げた傷があったそうだ。




249 名前:243 投稿日:2001/02/17(土) 04:19
北海道の知床の近く、××って町に友人と行った時のこと。

知床半島の岬を観光するにはその町からバスに乗る必要があったんだけど、
田舎なだけにバスが二時間、三時間に一本で、面倒臭くなって歩いたんだよね。
で、そしたら数時間かけて行った先で
今日はフェリーの時間帯が変更されたから、もう乗れないといわれてがっくり。 
今度はバスにのって町に戻ったんだけど,疲れて気力もなく、
その町の旅館にとまることにした。

その旅館は作りこそ昔風だが、結構綺麗に掃除もしてあったし
どことなく温かみの感じられるよさそうな所だった。
ただ一つ気になったのはいくらシーズンオフとは言え、客が自分達以外いないことだけ。
案内された和室で寛いで、これから風呂にでも入ろうか、と話していた
その時、唐突に部屋の電気が消えた。
あれぇーと言ってパチパチ紐を引いてもつかない。
受け付けのお爺さん、おばさんを呼んだけど電球を替えても、明かりがつかない。
仕方なく、部屋を替える事にして、隣りの部屋に荷物を移して電気をつけた……、明りがつかない。 
面倒くさいと思いながら、またその隣りの部屋に行って明りをつけようとしたら、そこも。

結局原因が分からないまま、その並びは全滅(7部屋ほどあった)
向かいの並びの部屋に行ったら電球がついてホッとした。 
変だな~とは感じたが、
きっとあまり電球の手入れをしてなかったのだろうと思って、あまり気にしてなかった。
(爺さんがつかなかった部屋の電球を回収した) 
 
風呂はいかにもな旅館の風呂だったけど結構広くて、
夕飯は確か値段の割に内容が良かった気がする(火をつけて暖める鍋が出た)
夜の8時頃からTVでやってたオーソンウェルズのマクベスをジュースを飲みながらボッーと見て、
10時頃に寝た。

夜中の三時ごろだったか、ふと尿意で目が覚めて、廊下に出てトイレで用を足した時
戻ってくる時に、向かいの並びの部屋一列全てのドアの隙間から明りが漏れてることに気づいた。
寝ぼけた頭で、ああ、これでさびしくないなあ、と思いつつ、部屋に戻ってそのまま寝た。


オチもなにもないですが、翌日受け付けのおっさんに金を払ったときの様子でも、
客が自分達以外に来た様子は無かったです。
今書いてて気づいたけど、そういやお盆でした。


http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/9405/1401772436/

65 :なつのさんシリーズ「道連れ岬」1:2014/06/06(金) 12:27:25 ID:bXavpRb60

深夜十一時。
僕とSとKの三人はその夜、地元では有名なとある自殺スポットに来ていた。

僕らの住む町から二時間ほど車を走らせると太平洋に出る。
そこから海岸沿いの道を少し走ると、ちょうどカーブのところでガードレールが途切れていて、
崖が海に向かってぐんとせり出している場所がある。
崖から海面までの高さは、素人目で目測して五十メートルくらい。ここが問題のスポットだ。
もしもあそこから海に飛び込めば、
下にある岩礁にかなりの確立で体を打ち付けて、すぐに天国に向けてUターンできるだろう。
そしてここは、実際にたびたびUターンラッシュが起きる場所でもあるらしい。
『道連れ岬』
それがこの崖につけられた名前だった。

僕らは近くのトイレと駐車場のある休憩箇所に車を停め、歩いてその場所に向かった。
「そういやさ。何でここ『道連れ岬』って言うんかな?」
僕は崖までのちょっとした上り坂を歩きながら、
今日ここに僕とSを連れて来た張本人であるKに訊いてみた。
「シラネ」
Kはそう言ってうははと笑う。
Sはその隣であくびをかみ殺していた。

「まあ、でもな。噂だけどよ。ここに来ると、なんか無性に死にたくなるらしいぜ?」
「どういうこと?」
「んー、俺が聞いた話の一つにはさ。
前に、俺たちみたいに三人で、ここに見物しに来た奴らがいたらしい。
で、そいつらの中で、一人が突然変になって、崖から飛ぼうとしたんだとよ。
で、それを止めようとしたもう一人も、巻き添え食らって落ちちまった」
「ふーん」
「……巻き込まれたやつはいい迷惑だな」
Sがかみ殺し損ねたあくびと一緒に小さくつぶやく。眠いのだろう。
ちなみに、ここまで運転してきたのはSだ。
そういうスポットに行くときはいつも、オカルトマニアのKが提案し、僕が賛同し、Sが足に使われるのだった。

いや、実際いい迷惑どころじゃねーんだよな。実際死んだの、その止めに入ったやつ一人らしいし」
「はい?」と言ったのは僕だ。
だってそれは理不尽と感じるしかない。
飛ぼうとした人じゃなくて、止めに入った人だけ死ぬなんて。
「詳しいことはそんなしらねえけどさ。多いらしいぜ、同じような事件」
「ふーん」と僕。
「……その同じような事件ってのは、どこまで同じような事件なんだ?」
興味がわいたのか、Sが訊く。
「うはは、シラネ。あんま詳しく訊かなかったからなあ……お、そこだよ」

話しているうちに、僕らはカーブのガードレールが途切れている箇所まで来ていた。
そこから先は、僕らの乗ってきた軽自動車が横に二台ギリギリ停まれる程のスペースしかない。
近くに外灯があったけれど、電球が切れかけているのか、中途半端な光量が逆に不気味さを演出していた。
ざん、と下のほうで波が岩を打つ音が聞こえる。

「誰もいねーな」
Sは心底つまらなそうだ。
「ま、他の噂だと、崖の下に何人も人が見えるだとか、手が伸びてくるだとか……」
と言いながら、Kがガードレールをまたぐ。
ガードレールの向こう側は安全ロープなども一切張っておらず、
確かに『どうぞお飛びください』といった場所ではある。
「ちょ、おい。K、危ないって。いきなり飛びたくなったらどうするんだよ」
僕の忠告を無視し、Kは崖のふちに立って下を覗き込む。
「おー、すげーすげー」
この野郎め、そのまま落ちてしまえばいいのに。
「死にたくなったら一人で飛べよ」
Sはそう言って、崖に背を向ける形で
ガードレールに腰掛け、車から持ってきたジュースの入ったペットボトルに口をつけた。
僕はというと、どうしようかと迷った挙句、
一応ガードレールを乗り越えて、何かあったときにすぐ動けるよう待機しておく。




66 :なつのさんシリーズ「道連れ岬」2:2014/06/06(金) 12:28:17 ID:bXavpRb60

しばらくして、じろじろと海を覗き込んでいたKが立ち上がった。
「うーん、何もねーなー。なあ、ところでお前らさ、今、死にたくなったりしてるか?」
どんな質問だよと思いながらも、僕は「別に」と首を横に振る。
SはKに背を向けたままで、「死ぬほど帰りてえ」と言った。
Kが自分の右手にしている腕時計で時間を確認する。
「えーでもよー。ここまで来て何も起こらないまま帰るってのもなー。……なあ、もうちょっと粘ってみようぜ」
「一人で粘っとけよ」
「冷たいこと言うなよSー。俺とお前の仲じゃんかー、ほら、暇なら星でも見てろよ」
「死にたくなれ」
漫才コンビは今日も冴えている。
と言うわけで。
僕らは二十分という条件付で、もう少しだけここで起きるかもしれない『何か』を待つことになった。

それから僕ら三人は並んでガードレールに腰掛け、崖側に足を伸ばして座っていた。
僕はボケーっと空を見上げ、Sは腕を組んで目を瞑り、Kはせわしなく周りを見回している。
「やべ……、俺ちょっくらトイレ行ってくるわ」
十分くらいたったとき、Kがそう言って立ち上がり、車を停めた休憩所に向かって歩いていった。
隣を見ると、Sは先ほどから目を閉じたままピクリとも動かない。
僕はまた空を見上げた。
先ほどKが言っていた、この崖にまつわる話をふと思い出す。
この崖に来ると無性に死にたくなると言うのは本当だろうか。
今のところ自分の精神に変わりはない。

「『道連れ岬』って言うんだろ……ここ」
突然隣から声がしたので、Sの声だとはわかっていても僕は驚いて実際腰が浮いた。
「何?いきなりどうしたん?」
「いや、ちょっとな」
近くにある外灯の光が、Sの表情をわずかに照らす。
Sはいまだ目を開いてなかった。
「さっきKが言ってたろ。一人が飛ぼうとして、二人が落ちて、一人が死んで……、
なんかしっくりこなくてな。考えてた」
「で、分かった?」
「さあ、分からん。ただの尾ひれのついた噂話か……。
そもそも、全部が超常現象の仕業っつーなら、俺が考えなくとも良いんだがな」
「うん」
Sが何に引っかかっているのか分からなかったので、適当に返事をする。
Sはそれ以降何も言わなくなった。
本当に眠ってしまったのかも知れない。

しばらくたって、誰かの足音に僕は振り返った。Kだ。
Kが坂の下からこちらに歩いてきていた。大分長いトイレだったような気がする。
僕はKが来たら『もうそろそろ帰ろう?』 と提案する気でいた。
しかし、歩いてくるKの様子に、僕は、おや、と思う。
Kはふらふらとおぼつかない足取りだった。
どことなく様子がおかしい。僕は立ち上がった。

「おーい、K、どうした?」
僕の声にもKは反応しない。
俯いて、左右に揺れながら歩いてくる。
「お、おい……」
Kは僕らのそばまで来ると、黙ってガードレールを跨ぎ、僕とSの横を通り過ぎた。
表情はうつろで、その目は前しか見ていない。
三角定規の形をした崖の先端。そこから先は何もない。
Kは振り向かない。悪ふざけをしているのか。
Kの背中。崖の先に続く暗闇。
海。
何かがおかしい。
その瞬間、体中から脂汗が吹き出た。
「おいKっ!」
僕はKを引き戻そうと手を伸ばした。
けれど、Kに近寄ろうとした僕の肩を誰かが強くつかんだ。
振り返る。Sだった。


67 :なつのさんシリーズ「道連れ岬」3:2014/06/06(金) 12:28:54 ID:bXavpRb60

「やめろ」
Sの声は冷静だった。
「でもKが!」
「あれはKじゃない」
「……え?」
Sの言葉に、僕は崖の先端に立ちこちらに背を向けている人物を見つめた。
今は後姿だが、あれはどう見たってKだ。先まで一緒にいたKだ。
「今は何時だ?」
Sが僕に向かって言う。その額にも脂汗が浮かんでいた。
「答えろ。今は何時だ?」
Sは真剣な表情だった。
僕はわけが分からなかったが、自分の腕時計を見て「……十一時、四十分」と言った。
「だろう。だったら、あれはKじゃない」
僕はSが何を言っているのか分からず、
かといって僕の肩をつかむSの腕を振りほどくこともできず、ただ、目の前のKらしき人間を凝視する。

あれはKじゃない? 
じゃあ、誰だというのだ?
時間がどうした?
あいつがKだと思ったから伸ばした僕の腕。開いていた掌。
迷いと混乱と疑心によって、僕はいったん腕を下ろした。
その時、目の前のそいつが振り向いた。首だけで、180度ぐるりと。
そいつは笑っていた。
顔の中で頬だけが歪んだ気持ち悪い笑み。Kの顔で。
その笑みで僕も分かった。
あれはKじゃない。
そいつは僕とSに気持ち悪い笑みを見せると、そのまま首だけ振り向いたままの姿勢で……飛んだ。
「あ、」
僕は思わず口に出していた。
頬だけで笑いながら、そいつはあっという間に僕らの視界から消えた。
何かが水面に落ちる音はしなかった。
「……飛んだ」
僕はしばらく唖然としていた。口も開きっぱなしだったと思う。

突っ立ったままの僕の横を抜けて、Sが数十メートル下の海を覗き込んだ。
「何もいねえな。浮かんでもこない」
僕は何も返せない。
Sはそんな僕の横をまた通り過ぎて。
「おい、いくぞ。……Kは大丈夫だ」
そう言ってガードレールを跨ぎ、車を停めた休憩所への下り坂を早足で降り始めた。
僕もそこでようやく我に帰り、
崖の下を覗くかSについていくか迷った挙句、急いでSの後を追った。
「S、S!警察は?」
「まだいい」
Sは休憩箇所まで降りると、車を通り過ぎ、迷うことなく男子トイレに入った。僕も続く。
トイレに入った瞬間、僕ははっとする。
洗面所の鏡の前で、Kがうつ伏せで倒れていた。
急いで駆け寄る。
Kはぐうぐう眠っていた。気絶していたと言ってあげた方がKは喜ぶだろうが。

僕はKがそこにいることがまだ信じられないでいた。
例えKじゃなくても、ついさっきKの形をしたものが確かに崖から飛んだのだ。
「おいこらK」
Sが屈み込み、寝ているKの右側頭部を軽くノックする。
三度目でKは目覚めた。
「いて、何。ん……、ってか、うおっ!?ここどこだ!」
Kだ。まぎれもなく、これはKだ。
僕は確信する。
急に、どっと安堵の気持ちが押し寄せてきて、僕は上半身だけ起こしたKの背中を一発蹴った。
「いってっ!え、何?俺か?俺が何かした?」
何かしたも何も、僕はKに何と説明したら良いものか考えて、結局そのまま言うことにした。
「Kが、……いや。Kにそっくりなやつが、僕らの目の前で崖から飛んだんだ」
Kは目をパチパチさせ。
「はあ?……うそっ!?マジかよ俺死んだの!?やっべ、すっげー見たかったのにその場面!」
Kだ。
こいつはまぎれもなくK過ぎるほどKだ。
あきれて笑いが出るほどだった。

「おい、お前ら。帰るぞ」
Sが言った。
「ええ?そんな面白いことあったんだったらまだ居ようぜ。俺だけ見てないの損じゃん!」
「うるせー。二十分は経った。俺は帰る。俺の車で帰るか、ここに残るかはお前ら次第だ」
そう言ってSはトイレから出て行こうとした。
けれど何か思い出したように立ち止まり、「ああ、そうだ。忘れてた」と独り言のように呟くと、
つかつかと洗面台の前に戻ってきた。
「ビシッ」
深夜のトイレ内に異様な音が響いた。
Sが手にしていたペットボトル。
Sはその底を持ち、一番硬い蓋の部分を、まっすぐ洗面所の鏡に叩きつけたのだ。

蜘蛛の巣状に白い亀裂の入った鏡は、もう誰の顔も正常に写すことはない。
僕とKは石のように固まっていた。
Sは平然とした顔で鏡からペットボトルを離すと、僕ら二人に向かってもう一度「ほら、帰るぞ」と言った。
僕とKは黙って顔を見合わせ、
Sの命令に従って、急いでトイレを出て車に乗り込んだ。


68 :なつのさんシリーズ「道連れ岬」4:2014/06/06(金) 12:29:30 ID:bXavpRb60

結局警察は呼ばなかった。
誰も死んでない。
俺らは何も見てない。
Sがそう言ったからだ。

帰り道。
後部座席で色々と騒いでいたKが、いつの間にか寝ているのに気づいた後、
僕はそっとSに訊いてみた。
「なあ。Sは、どうしてあれがKじゃないって分かったん?」
「あれってどれだ」
「僕らの目の前で飛んだ、Kそっくりな奴」
「ああ」
「……顔も、服装も、体格も、絶対あれはKだったと思う。どこで見分けたんかなあ、って思ってさ」
するとSはハンドルを握っている自分の左手首を指差し、
「あいつの時計がな、左手にしてあったんだ」と言った。
「いつもKは右手に時計をつける。今日もそうだった」
「はあ」
「だから、おかしいと思って注意して見てみた。そしたら、文字盤が逆さだった。一時二十分。そんだけだ」
十一時四十分。一時二十分。鏡合わせ。
「そうか。だから鏡を割ったんだ」
「……ん?ああ、いや。ありゃただの鬱憤晴らしだ。やなモン見たしな」
「はああー……」
Sは鬱憤晴らしなどする様な奴ではないが、まあそれはいいとしよう。

しかしまあSよ。お前は一体どんな観察力してんだ、と僕は思う。
普通だったら気づかない。
そんなところには目もいかない。絶対に。
その証拠に、僕はあいつがKじゃないと分からなかった。
「でも、本当に警察呼ばなくて良かったんかな?」と僕が言うと、Sは首を横に振った。
「俺らは何も見なかった。Kは死んでない。それでいいだろ」
確かに、それでいいのかもしれない。
Sに言われると、そんな気がしてくるから不思議だ。
それに、きっと死体は出ない気がする。
あくまで僕のカンだけれど。

「しかしなあ。もしかすると、あのまま手を伸ばしていたら、お前。逆に引っ張り込まれてたかもな」
何気ない口調でSは恐ろしいことを言う。
僕は一気に背筋が凍りついた。
「道連れ岬とはよく言ったもんだ」
そう言ってSは大きなあくびをした。
後ろでKが何か意味不明な寝言を言った。僕はぶるっと一回体を震わした。
生きててよかった。

「……そういや、俺今めっちゃ眠いんだけどよ。これ事故って道連れになったらごめんな」とSが言った。
たぶん冗談だろうが、僕はうまく笑えなかった。
Sの運転する車は僕らの住む町を目指して、
深夜、人気のない道を少しばかり蛇行しながら走るのだった。



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 第16話  雷鳥一号◆jgxp0RiZOM


友人の話。

海岸の砂浜を歩いていると、
行く手からズリズリという音が聞こえてきた。
視線を上げると、西瓜ほどもある黒い毛玉が、こちらに這いずってくる。

「何だろう、海草の生えた大っきなヤドカリかいな?」
そんなことを考えながら呆ッと見ていると、そいつがくるりと上を向いた。


目と目が合った。
砂上を這いずっていたのは、男の生首だった。


サッと目を逸らし、見ていない振りをした。
ズリズリと何かが這う音は止まることなく、彼のすぐ横を通り抜けていく。

音が聞こえなくなってから、恐る恐る背後を見てみた。

何かを引き摺ったような痕だけが、岩の向こうに続いていた。

確かめる勇気など無くて、脱兎のようにそこから逃げ出したそうだ。



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第22話  雷鳥一号◆jgxp0RiZOM

知り合いの話。

盆に里帰りしていた時のことだ。
実家の前はすぐ漁港になっており、一歩外に出れば、潮と船の姿が確認できる。

夜、玄関先に縁台を出して祖父と将棋を指していると、
沖から波とは別の音が聞こえてきた。


 ぎぃ ぎぃ ぎぃ


櫂を漕ぐ音。
幼い頃はよく耳にしていたが、実際に聞くのは久し振りだった。
「へぇ懐かしい、手漕ぎ舟ってまだあるんだねぇ」
そう祖父へ言ったところ、渋い顔でこう返してくる。
「今時に手で漕ぐ舟なんか、どこの家も置いてねぇよ」

祖父はそれ以上何も口に出さない。
局面は祖父に不利であり、それを打開しようと必死な様子だ。

その内、知り合いは奇妙な事に気が付いた。

櫂を漕ぐ音は小さくも大きくも成らず、ずっと聞こえ続けている。
だのに、どこからも近づいてくる舟の姿は見えないのだ。
訝しげに暗い海を見やる彼に向かって、
祖父は言葉を掛けた。
「盆の夜に海をまじまじ見るもんじゃねぇ。連れてかれるぞ」

彼はその忠告に従い、海を見るのを止めた。

その後も将棋を指している間中、沖合から手漕ぎの音が聞こえていたという。


http://toro.2ch.net/test/read.cgi/occult/1318514155/

152 :本当にあった怖い名無し:2011/10/31(月) 00:30:22.55 ID:izrnkmHf0
友人の家は先祖代々の網元の家。
どんな不漁の時でも、
その家だけは常に不自然なほど豊漁なんだが、
その代わり、代々当主は必ず海で死ぬって言い伝えがあったらしい。

事実、そいつの父親も祖父も大叔父も曽祖父も高祖父も、
分かってる限り過去十代以上全員海難死してる。
言い伝えを恐れて陸軍を志願した当時の当主(前述の大叔父)は、
乗ってた輸送船が潜水艦にやられて死んだし、
その弟のそいつの祖父は漁船で死んだ。

さすがに不気味すぎで、そいつの親父の代で漁師は廃業。
親子共に海水浴や海釣りにも絶対行かない、
海辺に決して近づかなかった。
(修学旅行の沖縄でも、そいつは絶対海に近寄らなかった)

そこまで気をつけてればいくらなんでも大丈夫かと思った、
そんな矢先に東日本大震災発生。
奴の家は半壊で済んだが、
よりにもよって当日、免許取りたての奴の運転練習のために、
父子そろって海近くにお出かけ中だったそうだ。
未だに二人とも見つかってない。
そんな家系だけに諦めも早いのか、
葬式は先日済んだ。

奴のいとこは数人いるが、
全員本家を継ぐのを拒否してるし、
本家もこの辺で終わりにしようと葬式で相談してた。
一体どんな因縁があるのか気になるが、ともかく奴で最後になるといいな…。


 

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